[字]<BSフジサスペンス劇場>『浅見光彦シリーズ25 箸墓幻想』…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

[字]<BSフジサスペンス劇場>『浅見光彦シリーズ25 箸墓幻想』

浅見光彦が殺人事件の謎を解決するために奈良の大和路へ。邪馬台国の謎にせまる古代ロマンあふれるサスペンス!

詳細情報
番組内容
今回、ルポライターの浅見光彦(中村俊介)が追うのは、考古学者、小池拓郎(梅野泰靖)の不審死。未だ確定されない邪馬台国論争。近畿説を唱え、その確証に近づこうとして死した小池の背後にうごめくものとは…。
 浅見は、『旅と歴史』の編集長、藤田(小倉久寛)と奈良、大和路へ。旅の目的は、当地で遺跡発掘調査を続けていた老考古学者、小池の不可解な死の真相を求めてのものだった。
番組内容2
小池は数日前、初瀬ダムで水死体として発見されている。浅見たちは、小池が寄宿していた当麻寺を訪ねた。すると、住職の娘で浅見とも顔見知りの為保有里(前田愛)が協力を申し出る。有里は小池を祖父のように慕っていたのだ。
 有里をともなって、小池の身辺を調べる浅見だが、学説を巡る怨恨などは浮かばない。そんな時、浅見は箸墓古墳を望む池に小池の老眼鏡を発見。さらに、小池の遺品から一枚の古い写真を見つけた。
番組内容3
そこには、若い小池とともに同年代の男と女が一人ずつ写っている。女は赤ん坊を抱いていた。ダム湖で死んだ小池の老眼鏡が、なぜ箸墓近くの池に?
 そして、写真に小池と一緒に写っている男女は誰なのか?浅見は、その真相を求めて信州にも足を運ぶことに。すると、生涯独身を貫いた小池の、かつての恋が浮上する…。
出演者
<出演者>
浅見光彦:中村俊介
為保有里:前田愛
丸岡孝郎:山崎一
島田いづみ:筒井真理子
美紗緒:淡路恵子
藤田克夫:小倉久寛
浅見陽一郎:榎木孝明
浅見雪江:野際陽子
ほか
原作・脚本
<スタッフ>
原作:内田康夫
企画:和田行、後藤博幸
プロデューサー:金丸哲也、武部直美、小林俊一
脚本:峯尾基三
演出:金佑彦
音楽:渡辺俊幸
制作:フジテレビ/東映

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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  1. 小池先生
  2. 浅見
  3. 画文帯神獣鏡
  4. 小池
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  7. 溝越
  8. 出土
  9. 邪馬台国
  10. 島田
  11. アカネ山
  12. 先生
  13. 卑弥呼
  14. 藤田
  15. 明美
  16. 結婚
  17. 箸墓
  18. 事件
  19. 編集長
  20. 恋人

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♬~

♬~

(小池)「画文帯神獣鏡」

呪いの鏡。

♬~

(小池)うわー‼

(卑弥呼)神が言われるには

国つ神を祭る者の国は
すぐ近くにある

(卑弥呼)その国を
従えることができるのは

我 卑弥呼のみ!

(民衆たち)

♬~

♬~

(藤田)うまいねぇ。
この 「鹿のふん」

浅見ちゃんも 1個食べる?
「鹿のふん」

(浅見)あっ… 僕は。
(藤田)ああ そう。

あらっ 本物が入ってたよ!
えっ 本物!?

嘘だよ 嘘だよ。

また編集長…。

ちょっと ほら!
やっぱ大きいねぇ。

こりゃ すごいや。

奈良は いい所ですね。

「古事記」 「日本書紀」 「万葉集」
神話と万葉ロマンの大和路か。

まさに 古代史のてんこ盛りだね
浅見ちゃん。

額田王や大津皇子が
この辺りを散策していた。

それを想像するだけで
なんだか胸が弾みますね。

(藤田)そうだね。

しかし まさか
あの小池拓郎先生がね…。

<考古学者 小池拓郎の
不可解な死>

<藤田編集長との
大和路の旅の目的は

その死の真相を
求めてのことである>

♬~

(藤田)いやぁ なんともいえない
落ち着いた風情だな。

さすが 浅見ちゃん
いち押しの名さつ。

少しも変わらないな…。

野の寺。 そんな感じで
素朴なところが好きなんです。

ああ。

≪(有里)浅見さーん!

有里さん… ですよね?
嫌やわ もう。 忘れはったん?

いやぁ 随分 大きくなっちゃって。

この前に 訪ねたときは
セーラー服の中学生だったけど。

今年 成人式も挙げて
選挙権もあります。

お酒だって おつきあいしますよ。

さぁ どうぞ。
父が まだか まだかって

こんな 首 長うして。 さぁ!

あっ 編集長 早く!
ああ…。

編集長 足元 気を付けてください。
ちょっと危ないから。

さぁ どうぞ。

(為保)いやぁ!
立派にならはったな。

すっかり ごぶさたしちゃって。
(為保)さぁさぁ 中へ 中へ。

(為保)さぁさぁ。

ご住職 こちら
「旅と歴史」の編集長の…。

(藤田)藤田と申します。

(為保)為保でございます。

(藤田)ご住職のことは
浅見君から伺っております。

なんでも 浅見君の
卒論のテーマが 「万葉集」で

その取材旅行以来の
おつきあいとか。

しかし 卒論が万葉集とはね。

編集長。 僕の卒論が万葉集じゃ
おかしいですか?

いやいや 別に
おかしくはないんだけどさ。

浅見ちゃんと万葉集…。
やっぱおかしいか。 やっぱりな。

ピンとこないもんな。
≪(智映子)浅見さん!

何年ぶりやろな?

そう…。 4年? いや5年ぶりに。
(智映子)5年?

お母さん。 浅見さんたら
わたしのこと忘れてるんよ。

(智映子)え~!?
いや そんなことは…。

(藤田)浅見ちゃん。
こんなきれいな お嬢さんを

忘れちゃマズイんじゃないの!?
いや 忘れたわけじゃ…。

ご住職。
早速ですが 小池先生の事件を。

死因は でき死。

他殺を裏付けるものが
あるんですね。

捜査本部が設置されてるんです。

事件性は
明らかなんじゃありませんか。

(市場)解剖の結果
一応 睡眠薬が検出されてますわ。

睡眠薬ですか!?

その後の捜査の状況ですが
事件当日の小池先生の足取りは?

そういうことには
お答えできまへんな。

まあまあ そうおっしゃらずに。
(市場)すんませんけどね

帰ってもらいまひょか。
(藤田)冷たいな。

(宮島)お引き取りください。

言っときますけどね
この浅見君のお兄さんはですね。

編集長 帰りましょう。
(藤田)そう?

(市場)はいはい。
お疲れさまでした。

ちょっと ちょっと。
(市場)何?

うわっ ビックリした!
耳ですよ。 耳こっちに。

刑事局長?
(藤田)そうですよ。

何 アホなこと言うとんねん
このおっさん。

分かった! はいはい 帰り。
(藤田)せっかく教えてあげたのに。

言いましたよ。 言いましたからね。
知りませんからね。

おい 宮島。
(宮島)はい!

今の警察庁の刑事局長は?
(宮島)はっ?

刑事局長の名前やがな!

確か… 浅見とか。

浅見?
(宮島)はい。

「浅見光彦」

♬~

浅見さん! 浅見さん!

先程は ホンマに
えらい 失礼をいたしました。

いやいや まさかね 浅見陽一郎
刑事局長の弟さんやなんてね。

ハハハ…。 浅見さん 笑うた。
(宮島)ハハハ!

お前が なんで笑うとんねん。
お前は さっさと

浅見さんに捜査状況を
説明せな アカンやろ!

(宮島)はっ! えー 事件当日の
小池拓郎氏のアリドリですが…。

何を…。 「足取り」やろ! かむな!
(宮島)はい! 足取りですが

午前9時から 古墳の発掘調査を
してはりました。

当日の発掘調査は
午後5時に終えています。

死亡推定時刻は?
あっ! 午後10時前後。

というわけで5時から10時。
この間の足取りが不明なんです。

えん恨関係やと思います。
もちろん地取り捜査もやってます。

せやけどね
関係者の誰に聞いても

小池拓郎氏が殺されなければ
ならんような恨みを

買うていたとは考えられないと
皆 そう言うんですわ。

どういうことなんやろか?

小池先生は睡眠薬で寝入っていた。

意識のない状態で このダム湖に
投げ込まれたということですね。

そうです。 肺と胃の多量の水から
そう判断されますねん。

そんな…。
行きずりや盗みが目的なら

まず そんな手段はとらない。

ということは
恨みを持った人間の計画的犯行。

その可能性が高い…。

ええ。 せやけど
動機が分かりまへんねや。

畝傍考古学研究所。

小池先生は4年前に こちらの
所長を退官されたんですね。

退官後は
名誉顧問をしてはったけど。

先生の ライフワークというと
邪馬台国ですね。

(広瀬)邪馬台国が
どこにあったのか

日本古代史の最大の謎とされる
邪馬台国の特定が

小池先生の
生涯の研究テーマでした。

あの…。 邪馬台国は この奈良に

大和の国にあったんと
ちゃいますか?

(広瀬)邪馬台が大和に通じる。

そう思ってる人が
多いんですけど

実は
そう単純なものでもないんです。

(平沢)多くの学者が
いろいろな説を唱えて

それこそ 百家争鳴。

何しろ 邪馬台国論争は
江戸時代からですからね。

「魏志倭人伝」

邪馬台国を訪れた魏の使者が
記した物ですね。

(平沢)「南 邪馬台国に至る。
女王の都とする所

水行十日 陸行ひと月」
この記述の解釈が問題やけど

大きく分けて
二つの学説があります。

一つは この宇佐を含む
北部九州説。

宇佐…。 現在の大分県ですね。

もう一つは 奈良の大和国。
いわゆる畿内説です。

小池先生は
畿内説を唱えていらした。

ということは
学問上の論敵というか

対立関係にある考古学者がいた
ということですね。

それはもちろん。 特に

邪馬台国と卑弥呼を巡る論争は
相当に過激ですからね。

じゃあ 小池先生にも
そういう敵みたいな人が?

まあ 確かに
そういう人もいてますが

しかし それがまさか
今度の小池先生の事件と

結び付いてるとは。

明美さん。

(明美)有里!

こちら 大学の先輩の
長井明美さんです。

浅見です。

へぇー。
こうやって復元するんですか。

面白そうだな。
この土器は どこから?

アカネ山ですけど。

小池先生が注目していた
アカネ山からの出土品…。

随分 古い物なんでしょうね。
古墳時代の物だと。

他の出土品ですが

畿内説を実証するような物は
出土したんですか?

明美さん。 どうなんですか?

アカネ山から 何か重要な物が
出土したんですね。

邪馬台国畿内説を
実証するかもしれないって。

何が出たんですか?

それが…。

明美さん 大事なことなんです。

わたしにも よく…。

アカネ山から重要な副葬品が
出たのは確かだけど

わたしたちアルバイトの学生は
その中身までは…。

♬~

♬~

1センチ 右です!

島田さん。 この方が
小池先生のことで お話があると。

(いづみ)小池先生?
(明美)はい。

≪(いづみ)丸岡さん。
(丸岡)うん?

こちらの ルポライターの方が
小池先生のことで。

ルポライター。

これが アカネ山古墳。

とてもそんな重要な遺跡とは
思えへんけど…。

(明美)研究員の丸岡さんと
島田さんです。

浅見です。

発掘調査中
お邪魔して申し訳ありませんが

小池先生のことで お話を。
何か?

小池先生は
このアカネ山古墳の発掘調査に

情熱を傾けていらっしゃった
と伺いましたが。

(丸岡)はい。
先生が唱える 邪馬台国畿内説を

実証するような 何か貴重な物が
出土したんでしょうか?

そういうご質問には…。

調査の途中ですし
正確な鑑定も必要としますから。

失礼します。

小池先生は殺されました。

先生の身に何があったのか。

考古学に生涯を捧げた
先生の人生を

無にしたくはありません。

可能なかぎりでいいんです。

どうか話してくれませんか?

♬~

(丸岡)倭迹迹日百襲姫の墓です。

ヤマト トトヒ モモソ ヒメ。

アカネ山に比べて
こっちは随分 大きな古墳ですね。

(丸岡)そうですねぇ。
じゃあ こっちへどうぞ。

(丸岡)「日本書紀」には
こう書かれてます。

「是の墓は 日は人作り
夜は神作り」

まあ 昼夜問わずの
突貫工事だったんでしょうね。

倭迹迹日百襲姫は
女王でシャーマンでした。

女王でシャーマンというと…。
卑弥呼?

これが あの有名な卑弥呼の
お墓なんですか?

ええ。
証明はされていませんけど

その可能性は高いですね。

小池先生も 箸墓イコール
卑弥呼説を唱えてましたから。

これが卑弥呼の墓なら
邪馬台国は この大和の国…。

せやったら
これが卑弥呼の墓かどうか

発掘調査をすれば。

(丸岡)それが可能ならば
いいんですが。

この箸墓の発掘調査は
できないんですね。

宮内庁の管轄なんで
不可能なんです。

そこで 小池先生は
ほぼ同年代に築造された

あのアカネ山に着目してました。

「この箸墓や
アカネ山の纒向遺跡は

わたしの考古学の原点だ」と。

小池先生は 毎日のように
発掘調査をされて…。

この辺りには 先生の魂が。

僕らは 先生の魂を受け継いで…。

先生の学説 人生観 情熱 優しさ。

そういったものを
受け継いでいきたいんです。

纒向遺跡。 きっと 小池先生は

古代の邪馬台国を
ここに思い描いていた。

それを実証するために

生涯を発掘調査に
懸けていたんでしょうね。

もしも 小池先生の畿内説を
実証するような物が

出土していたら…。

これまでの定説を覆すような
学術的大発見かもしれないけど。

せやから
小池先生は殺されたんかも。

<小池先生の死の謎が
深まると同時に

およそ かけ離れたものと思われた
古代史のロマンが

急にリアルなものに
思えてきた…>

♬~

(仲居)いらっしゃいませ。

あっ! 浅見ちゃん いやいや。

いらっしゃい ようこそ
タブミネ観光ホテルへ!

多武峰です。
トウノ… いつから?

ずっと前から。
そうなの? 難しいね日本語は。

どうぞどうぞ ご苦労さん。

すいません。
(女将)失礼します。

ほらほら 浅見ちゃん。

あれが談山神社だよ。
談山神社。

(藤田)そう。
藤原鎌足が 中大兄皇子と一緒に

蘇我氏討伐の
極秘の談合をしたという

あの談山神社。
世に言う 大化の改新ですよ!

(藤田)「邪馬台国畿内説の旗頭

老考古学者 大和に死す。

その死の背後に
幻の邪馬台国畿内説」

いいな いいなー これ いいなー。
いや編集長 そう先走らないで。

「旅と歴史」創刊以来の
最高の企画ですよ これは。

なんつったってね
部数がちょっと じり貧でしょ。

だからね ドーンと起死回生が
ほしいわけだよ。

次の異動で 編集長は
整理部という噂が ちらほら。

ドキッ! なんてことを…。
だから ここらでドーンと

ほしいわけよ。
だから頼むよ お願い。

頼む! お願いしますよ。
浅見ちゃん。

おいしい! 「義経鍋」
おいしい!

「源平の時代に思いをはせ
義経鍋をご賞味ください」

なるほどね。

いやぁ しかし残念だわ
せっかくの出張なのに 残念。

え?
いやぁ…

あした 帰んなきゃ
いけなくなっちゃったのよ。

だから あとは よろしく頼みます。

いや ちょっと編集長
それは ないでしょう。

始まって以来
最高の企画じゃなかったんですか?

そうなんだけど どうしても
帰んなきゃいけなくなっちゃって。

まあ 編集長の撤収は
いつものことだけど。

編集長。 今度こそ 取材費のほうは
大丈夫なんでしょうね?

邪馬台国が
浅見ちゃんのこと呼んでるね。

わたしには聞こえる。
確実に呼んでる。

♬~

<神話と伝説の大和三山を臨む
この地は

多くの文化遺産が
古代の息吹を今に伝えている>

♬~

<古代大和国の王族たちの
一大集落が存在したとされる

纒向遺跡>

<纒向遺跡の古墳群と

古い社寺を巡る歴史街道
「山の辺の道」>

<日本最古の街道とされ

道端には 万葉の歌碑が
ちりばめられている>

こんな身近な所に 古代の古墳が
いくつも点在している。

有里さん。 なんだか
古代人の足跡をたどるようで

タイムスリップしたような
不思議な気分になりませんか?

同じや。
えっ?

小池先生も いつやったか
そんなことを…。

大和路を巡りながら

いろんな伝説や神話の話を
聞かせてくれはって…。

そんな先生が
わたしは大好きでした。

ロマンチックな おじいちゃまやなって
思ってたけど

浅見さんも
随分 ロマンチストなんですね。

ああ…。 いや。
とても 小池先生ほどでは。

そういうシャイなとこも
そっくりや。

そうかな。

浅見さん 恋人は?
えっ?

恋人。 いてはるんですか?

ああ。 いきなり
何を聞くのかと思ったら。

残念ながら いませんよ。

ホンマに?
ホントですよ。

せやったら…。

わたしが 浅見さんの
恋人になってあげましょうか?

えっ!?
わたしが恋人になってあげる。

ああ…。
浅見さんのこと大好きや。

ああ いや…。
行きましょ。

これが あの女王
卑弥呼の墓かもしれない…。

わたし 地元の奈良に住んでるのに
知らんかったわ。

身近にあると かえって
見過ごしちゃうんじゃないかな。

もし これが
卑弥呼のお墓やったら…。

小池先生の邪馬台国畿内説は
証明されるんやろね。

浅見さん。

先生は 誰か意見の違う人に…。

しかし 学問上の対立から
殺意を抱くというのも。

どうも ピンと…。

浅見さん?

♬~

♬~

浅見さん。

小池先生
新聞読むとき いっつもそれを。

せやけど なんでここに。

浅見さん。
これ以上調べても 何も…。

やっぱり 小池先生

あのアカネ山から
決定的な物が出土したんですよ。

せやから 小池先生は…。

有里さん!

右側が 小池先生だと…。

この二人は
どなたなんでしょうか?

さぁ…。

浅見さん。
やっぱり写真は これだけしか…。

たった一枚。
それも 随分 昔の…。

この感じやと
小池先生 20歳代の時分やろな。

恐らく50年 半世紀も前の…。
ご住職。 小池先生は

生涯 独身だったんですね?
(為保)うん。

なぜ
結婚されなかったんでしょうか?

わたしも それ気になって
前に聞いたことが…。

(小池)

なんで
結婚せえへんかったん?

先生! どうして
結婚せえへんかったん?

「青春とは 罪深いもの」

先生は それっきり
黙ってしまって…。

どういう意味が
込められていたのかな…。

ご住職。
小池先生の青春時代というのは?

就職難の あの時代やから

考古学を専攻したなんてヤツは
誰からも 相手にされなかった。

自ちょう気味に
そう言うてはった。

せやけど 恋人くらいは…。
お父さん 小池先生に恋人は?

結婚は せんでも
そういう人は いたんちゃうの?

それがな…。 浮いた噂ひとつ…。

あっ。
何か?

いやいや。 生涯で…。

たった一人
恋人と呼べる女性が おったと。

生涯で たった一人。

その女性は
どなただったんでしょうか?

それが
そんときの先生のお顔が

あまりにも 悲しげだったんで

わしも それ以上
聞けへんかったんや。

ひょっとして
赤ちゃんを抱いた この女性

小池先生の恋人かも…。

浅見さん。
刑事さんが来ましたけど。

おはようございます。
あっ ご住職

この間 いろいろ
お世話になりました。

(為保)いえいえ…。

浅見さん。
この老眼鏡なんですが

小池拓郎氏の物に
間違いおまへん。

平成11年に 桜井市粟殿いう所の
眼鏡店で購入しています。

これが 当時の検眼カルテです。

これは わたしの
あくまでも憶測なんですが

小池拓郎氏と犯人は
この箸墓で会っていた。

そのとき
何かの拍子で この老眼鏡を

落としたんでしょうな。

あの箸墓で 何かが…。

館長さんは 小池先生の
大学の後輩だったんですね。

(石原)わたしの 2年先輩でな。

そりゃ
全く偉ぶることのない方だったな。

ご自分の研究は 資料として
どんどん 提供しはって

自分一人の手柄には
なさらんかった。

ホンマに 高潔な御仁やった。

この写真ですが…。

右側が小池先生。
こちらの男性は?

(石原)おお。 溝越さんやな。
溝越さん?

溝越史郎。 小池先生の親友です。

お二人とも 伏見大で
考古学を専攻してはりました。

あの…。 この女性は?
(石原)さて…。

小池先生と
密接な関係だったことは

間違いないはずですが
当時の小池先生の恋人は?

そやな あれは確か 弥生さんと…。
弥生さん?

そやそや あれは いつやったかな。

小池先生が 学生たちを連れて
ここに見えはって

弥生さんのお孫さんやと
紹介されたことがあったけど。

お孫さん。
どちらの学生さんでしたか?

弥生さんと同じ 大和女子大やと。

大和女子大の長井弥生さんの
孫って…。 まさか あの?

(明美)おばあちゃん?

明美さんの おばあちゃん
お名前は 弥生さんですか?

(明美)そうよ。
ああ やっぱり。

弥生さんは この方ですか?
(明美)いいえ。

ウチのおばあちゃんとは
全然 感じが…。

で 弥生さんは どちらに?
東京の祐天寺ですけど。

あの…。
ウチの おばあちゃんが 何か?

いや どうもありがとう。

浅見といいます。

(弥生)孫の明美から電話があって
協力してあげてねと。

ああ。 それはどうも。

実は 小池拓郎さんとのことで
お話を…。

学生時代の恋人だったそうですね。
そんな 恋人だなんて。

そうではなかったんですか?

小池さんのことは
好きでしたけど

あの方には
ほかに 好きな方がいらして。

ほかに 好きな人がいた。
わたしは あえなく失恋ですよ。

フフフ…。
そうでしたか。

ああ。

こちらの女性を ご存じでは?

(弥生)美砂緒さんですけど。
美砂緒さん…。

学生時代のお友達の
美砂緒さんです。

小池先生とは?

そう。 結婚されると思ったのにね。

じゃあ 小池先生が
好きだった女性というのは

この方なんですね。
ええ。

でも 美砂緒さんは
小池さんじゃなくて

溝越さんと 一緒になられて。

溝越さんと結婚された。

じゃあ この美砂緒さんが
抱いている赤ちゃんは お二人の…。

それが 三つか四つのときに
亡くなられて。

亡くなった。

「溝越史郎 平成14年11月5日死去。
享年 71歳」

心臓を患ったそうでしたね。

美砂緒さんは
小池先生の恋人だったのに

なんで 溝越さんと
結婚されたんでしょうか?

大分 前のことなんですけど
飯田に呼ばれて 伺ったとき

美砂緒さんは 溝越さんの
妹さんの おそば屋さんを

手伝ってらしたんですけど。

小池さんのことを ちらっと…。
裏切られたとか。

裏切られた…。
どういうことなんでしょうか?

時代が時代でしたから。
好き合った同士が

簡単に
一緒になれるってことも…。

でも あれから
ずっと 思い続けてらしたなんて

わたし 意外でした。

(卑弥呼)神のご意志に
背く者は

よみの国に向かって
旅立つのです

(民衆たち)

≪(雪江)光彦!

はい…。

あなたね。 こんな本ばっかり
読んでるから 眠くなっちゃうのよ。

まあ でも ホントに いつの間にか
こんなに たまってしまって。

お母さん。
これ全部 読んだんですか?

うん。

北九州説か 畿内説か…。

邪馬台国は
どっちなんでしょうね。

ねぇ 光彦はどっちだと思う?
いや その 僕には どっちとも…。

どっちも それなりに
正しく思えちゃうんですよ。

そうなのよね。 どれを読んでも
うーん なるほど。 そうかって

どっちも 正しく思えるのよね。

でもね。 私は 断然 畿内説ですよ。
はぁ…。

(須美子)お坊ちゃま。
奥様の畿内説は

ダンナさまの影響なんですって。
(雪江)須美子ちゃん。

ああ 余計なこと言っちゃって
すみません。

いいのよ。

お父さまの畿内説に
影響を受けたのは確かなんだから。

ああ そう。

お父さまと行った大和路の旅。
懐かしいわ。

お父さまはね
日本中 歩き回ってらしたけど

究極の旅は やはり 大和路の
歴史探訪だって言ってらした。

うん 大和は

「日本人の心のふるさとだ」って
おっしゃってた。

そうだ! あのね
お父さまの撮った写真があんの。

ちょっと待ってて。 持ってくる。
あっ お母さん!

えっ?
また あとで ゆっくり…。

ええ!?
朝一で 出かけないと。

坊ちゃま
奈良に戻られるんですか?

うん…。 いや ちょっと信州に。
あら!

今度は 信州ですか?
うん。

あなたは ホントに
探偵ごっこが好きね。

だからなのかしらね。
「だから」って?

あなたが 結婚できないのは
その探偵ごっこの せいじゃないの?

探偵か 結婚か。
これはね 邪馬台国が

どこかなんていうことより
ずっと深刻な問題ですよ 光彦。

はぁ…。 いや…。

♬~

♬~

(薫)いらっしゃいませ。

あの 溝越美砂緒さんは
こちらに?

(薫)あなたは?
ルポライターの 浅見といいます。

美砂緒さんに 何か?

この事件のことは ご存じですね?

被害者の
小池拓郎さんとのことですが

学生時代に
おつきあいされていたと。

実は…。

小池先生が この写真を…。

小池先生が持っていた写真は
これ一枚だけでした。

特別の思いが
あったはずなんですが…。

小池先生とは どういう
ご関係だったんでしょうか?

話していただけませんか?

(美砂緒)忘れました。

<なぜか 彼女は
小池先生とのことを

全く語りたがらなかった>

はい 浅見ですが。

ああ 編集長。 今 信州です。

(藤田)ああ そうなんだ。 信州!?

なんで!?
ちょっと ちょっと ちょっと!

また
横道それてんじゃないだろうね。

いや だからさ 浅見ちゃん
すぐ 奈良 飛んでよ。

あしたね 畝傍考古学研究所から
重大な発表が あるらしいんだよ。

アカネ山から ものすごい鏡が
出土したらしいんだ!

鏡?
どうやらね

高松塚古墳以来の
大きな発表らしいから

ふんどしのひもを
ギュッと締めて。

頼むよ 浅見ちゃん!
うん。 じゃあね。

もう すぐ横道それちゃうんだから。
アタ…。

(丸岡)このアカネ山古墳の
石囲いは

南北7メートル
東西2.7メートル。

現存の高さは 1.1メートル。

直径30センチ前後の石を
積み上げた 石囲いの中に

木槨を造った 二重構造の
埋蔵施設でありまして

その築造は
出土物の特徴等により

3世紀中ごろ 国内最古の
前方後円墳である可能性が

高いと思われます。

後の巨大前方後円墳につながる
特徴も判明し

邪馬台国畿内説の有力な証拠と
考えられます。

浅見さん。
(丸岡)出土した遺物は

内行花文鏡の破片 素環頭の
太刀を含む 鉄剣類 約10本。

庄内式 壺形土器と
銅鏃 鉄鏃等。

棺の中には 大量の水銀朱も
残っておりました。

更に 画文帯同向式 神獣鏡 一枚が
出土しました。

(記者たちのどよめき)

(丸岡)この画文帯神獣鏡は
王家を…。

<出土品の目玉は 古代の銅鏡

画文帯同向式神獣鏡だった>

♬~

じゃあさ。
これで 邪馬台国畿内説は

裏付けられるかもしれない
ってことだよね!

最高の企画じゃん やっぱ。
浅見ちゃんさ

取材 その調子で頼むわ。 うん。
えっ 取材費?

バンバン送っちゃうよ! 青天井。
「バンバン」って ホントですか?

何をおっしゃいますか! 浅見さん。
バンバン送るって 本当。

とりあえず 1億円ぐらい
送っとこうか! 嘘だよ 嘘だよ。

うわっ!?

「日本史上 最も深い謎に包まれた
存在である 女王 卑弥呼と

その都 邪馬台国の実像に

今 一番近づいた
幸せな考古学者…」

はい 浅見。 えっ!?

(宮島)課長。
目撃者 誰もいてません。

(市場)こんな山の中や。
目撃者 おらへんやろ。

これで ガツンとか。
痛かったやろな。

ああ! 浅見さん。 その人は
入れたって 入れたって。

いやぁ 浅見さん。
凶器 この石ですわ。

詳しいことは
解剖待ちなんですが

鑑識の見たところでは
死亡推定時刻は

昨夜の12時前後。
この石で後頭部を強打されてます。

(広瀬)平沢さん!
(山口)課長!

(山口)課長…。

浅見さん。

なんで…。

何者かに
後頭部を強打されています。

殺された。

平沢さんの昨夜の行動ですが…。

そう 各方面から
取材や 問い合わせが殺到して

けど 平沢課長だけは
先に帰られたんです。

先に帰った?
でも どうして!

(研究員)丸岡さんに
知らせてきます。

明美さん どうしたん?

何があったんですか?

黙ってはったら…。

(仲居)おかえりなさいませ。

浅見さん!
有里さん。 わざわざ どうしたの?

それが おかしいんです。
えっ!?

アカネ山から出土した
あの画文帯神獣鏡ですけど…。

明美さん あなたから。

あの発掘調査のときは
島田いづみさんが

南側の斜面の土層を こうして…。

♬~

(明美)あのときの
出土した副葬品が

あの画文帯神獣鏡だったとは…。

島田いづみさんが
土層を指し示した。

つまり
そこに 埋蔵されていることを

予見したんですね。

島田いづみさんと丸岡孝郎さん。
あの お二人は 恋人同士だけど。

(明美)考古学を専攻する者同士が
愛を はぐくんで…。

それは もう
うらやましいようなカップルで。

いずれは 結婚するって
聞いてました。

二人は 公然の仲なんですね。

今度の事件と何か…。

平沢さんが殺されたことと
関係していたら…。

わたしも それが気になって。

古民家か…。 実にいいですね。

(いづみ)空き家になってるって
いうんで 借りてるんですよ。

島田さん。

あの画文帯神獣鏡は
あなたが出土を予見して

その場所から
丸岡さんが発掘したんですね?

そこの場所に埋まっていると
思ったのは どうして?

なぜ 予見できたんでしょうか?

島田さん。

丸岡さん。

あの アカネ山のことで ちょっと。

(丸岡)山口 頼むな。
(山口)はい。

あの画文帯神獣鏡の
発掘状況ですが…。

島田いづみさんの
言うてはったとおりの場所から

出土したそうですね。
そう。

大げさじゃなく
寸分違わぬ位置でしたよ。

♬~

(丸岡)今でも あのときの感触が
この手に…。

あの瞬間の驚きというか
衝撃というか…。

震えました!

僕はむしろ 島田いづみさんが
予見したことに驚きを感じますが。

もちろん 僕だって
両方の意味で驚いたんです。

正直 彼女の予知能力には
驚嘆させられました。

予知能力?

いや 彼女には 小池先生の
魂が乗り移っていたのかも。

きっと 小池先生からの
贈り物じゃないか。

彼女も そう言ってました。

予知能力。

せやけど そんなこと…。

研究の積み重ねから ある程度の
推測はできるだろうけど

指さした その場所が
ドンピシャリなんて。

まるで 神懸かりみたいだけど。
神懸かり…。

もしも あの島田いづみさんが
そこに埋まっていることを

前もって知っていたとしたら…。

前もって知っていたって。
なんで?

なんで いづみさんが前もって?

<島田いづみの予見によって
出土した 画文帯神獣鏡>

<この鏡の発掘の裏には
何かが…>

<僕は
島田いづみに関しての調査を

陽一郎兄さんに頼んだ>

(陽一郎)昭和32年
溝越史郎と 河野美砂緒の結婚。

妻 美砂緒は
33年に 第一子を出産。

女の子で 名前は「真智子」
しかし 3歳で死亡している。

この女の子は亡くなった…。

昭和40年に 第2子を出産。
女の子で 名前は「いづみ」

いづみ?
うん。

いづみは 平成3年に結婚して

溝越姓から
島田姓になっているな。

島田いづみ!

島田いづみは
長野県飯田市の溝越夫婦の娘だ。

あの溝越美砂緒さんの娘。

6年前に離婚。

それまでの大和歴史研究所から
畝傍考古学研究所に移っているな。

旧姓の溝越には戻らず
島田姓のままなんですね。

初瀬ダムに
水死体で浮かんだ 小池拓郎。

畝傍山渓流で
撲殺死体で発見された 平沢 徹。

考古学者 二人が
相次いで殺害された。

ああ!

アカネ山から出土した
画文帯神獣鏡のレプリカですけど。

おお。
兄さん。

この発掘の裏には
やはり 何かが…。

古代 中国後漢時代の
画文帯神獣鏡か。

この古代の鏡が 一連の事件に
関係している。 そう思うのか?

ええ。 断定はできませんが
僕にはそう…。

相変わらずの探偵ごっこだが。

しかし 古代史か…。

今度ばかりは
お前が うらやましいよ。

えっ!?

わたしが古代史に興味を持ったのは
やっぱり お母さんの影響かな。

それにしても 困ったもんだ。

うちに帰ると
にわか考古学者がいるからな。

光彦。 お前も心しとけ。
はい。

(二人の笑い声)

≪(雪江)光彦!
はい。

光彦! 三角縁神獣鏡かと思ったら
画文帯神獣鏡ですって!?

まあ! ねぇ ちょっと見せてよ。
持ってるんでしょ。

ああ。 レプリカですけどね。
もちろん もちろん。

はい これが。
うわー。

すごい! 鏡っていうのはね

死者の鎮魂や悪魔ばらいに
使われてた物なのよ。

やっぱり これは
大和王朝の物ですよ。

しかも 最高位の権力者の物。

うわぁ。 これで邪馬台国畿内説が
ぐーんと 現実的に…。

(須美子)わたしも
毎日 聞かされて…。

ねぇ 光彦。 お父さまの見識
やっぱり 半端じゃなかったでしょう!

うん…。 いや でも まだ完全に
畿内説が実証されたわけでは…。

反対の意見も 当然。
いろんなとこに

反論が出てますけど。
そこなのよ。 そこなのよね。

はぁ?
はぁ。

ああ。 いや わたしは
もちろん畿内説ですよ。

でもね なんか ちょっと
寂しいような気もするのよね。

寂しいって…。 畿内説が
断然 優位になったんですから

奥様としては うれしいんでは?
(雪江)ああ。 それがね

そう単純に
割り切れるものでもないのよね。

うーん 何かね

邪馬台国のロマンが
しぼんでしまうみたいな。

神秘のベールが はがされてしまう
ような気がするのよね。

「永遠のロマン」っていうのかしら。

そうなの。
邪馬台国は 永遠のロマンなのよ。

だから 神秘のまま
幻の邪馬台国でいてほしい

…っていう気持ちも
どこかにあるのね。

でも よく見つけたわね!

すごいじゃない 画文帯神獣鏡。

画文帯神獣鏡…。

これなんですが。
この銅の鏡のことで

何か 小池先生から
聞いていたということは?

いいえ。
ああ そうですか。

いろいろ
ありがとうございました。

あっ…。
何か?

このような…。
えっ?

確か このような…。

信州の溝越さんのお宅に
伺ったときに。

あったんですか?

美砂緒さんが
体を悪くしたと聞いて

お見舞いに伺ったときに。

旧家の家柄で
お部屋には 骨とう品がゴロゴロ。

(溝越)

(弥生)溝越さんが
それはもう 自慢気に。

特別な客にしか見せない
秘蔵の一品だと。

秘蔵の一品。
画文帯神獣鏡だったんですか?

こんな感じでしたけど
そんなに ちゃんとは…。

そう 溝越さんは
とても古い鏡だと。

古い鏡?

実は 画文帯神獣鏡ですが…。

画文帯神獣鏡。
ご存じなんですね。

なんで 溝越史郎さんのもとに
あったんでしょうか?

この赤ちゃんは 真智子さん。

3歳で
お亡くなりになったそうですね。

4年後に生まれた
妹のいづみさん。

畝傍考古学研究所で
研究員をされている

島田いづみさんですね。

その島田いづみさんが

画文帯神獣鏡の出土を
予見しました。

偶然とは思えないものが
ありますが。

小池先生の あの事件とも
何か関係が?

どうか 話してくれませんか?

お待たせしました。

この骨とう品は 亡くなられた
お兄さんの趣味なんですか?

史郎兄さんは
ホントに好きだったから。

考古学も やってらしたそうで
古い鏡もお持ちだったと。

鏡?
ええ。

確か これと同じような物を。

ああ そう!

あれは確か
奈良の小池さんからだと。

こ… 小池先生から?

なんでも 随分古くて
古墳時代だとか。

古墳時代…。 どこから
出土した物なんでしょうか?

フフフ…。 さぁ そこまでは。

そういえば 兄に
どこから出土したのって聞いたら

「どこからでもいいだろ」って
えらく しかられましたっけ。

<溝越史郎さんは 秘蔵していた
鏡の出土した場所を

妹の薫さんに
教えようとはしなかった>

<もしかして 箸墓?>

<しかし
箸墓古墳の発掘は不可能>

盗掘?
ええ。

箸墓古墳に埋蔵されていた鏡なら
そうとしか。

宮内庁管轄の箸墓の発掘は
不可能です。

確かに発掘調査は これまで
ただの一度も行われていないが。

だとすると 盗掘としか
考えられないんじゃないですか?

光彦 こういうことか?

邪馬台国畿内説を実証する
古代中国の銅鏡。

王家を象徴するものが
箸墓に埋蔵されていた。

卑弥呼の墓かもしれない。

しかし その説を発表することは
できない。 なぜなら…。

盗掘という罪を犯したという
ジレンマからです。

うん。 画文帯神獣鏡の真実は
封印するしかなかった。

盗掘したと思われる小池拓郎。

その教え子の平沢徹。

二人とも画文帯神獣鏡には
極めて密な人物だ。

この事件の背後にあるものは
古代中国の銅鏡。

画文帯神獣鏡。 兄さん!

光彦。 奈良県警には連絡しておく。
ああ…。

しかし いにしえの鏡が

1, 500年を優に超える時空を経て

今の時代に
殺人をもたらしたとしたら

いにしえの鏡に
呪われているみたいだな。

なんてこと 言わはるんですか!?
小池先生が盗掘してたなんて。

そんな… そんなこと。
いくら浅見さんでも。

有里さん 落ち着いて。
だって…。

今度の事件の背後にあったのは
鏡です。

鏡って…。 画文帯神獣鏡ですよね。

問題は あの画文帯神獣鏡が
たどった経緯。

小池先生から
信州 飯田の溝越史郎さんへ渡り

そして 恐らくは
娘さんへと渡った。

娘さんって いづみさん?

彼女の神懸かり的な予見。

鏡の埋蔵場所は
あらかじめ知っていた。

いや 自分で埋めていたなら。

いづみさんが自分で?

小池先生と溝越史郎さんは
既に いない。

あの画文帯神獣鏡がたどった経緯。
その秘密を知る人物は。

この世に 二人だけだろうね。
二人だけ?

美砂緒さんと いづみさん。

母と娘。

島田さん ちょっとお話が。

大事なことなんです。

お父さんの溝越史郎さんですが
骨とうの収集家だったそうですね。

ええ。
信州の家には代々からの物も。

それが何か?

お父さんの秘蔵品のことで。
秘蔵?

あの 画文帯神獣鏡を
持っていたそうですね。

あれは 小池先生から
譲り受けた物だった。

恐らく 小池先生が
箸墓古墳から盗掘した物だと。

≪(丸岡)何を バカなことを!

いづみさんの名誉を
傷つけるばかりか

小池先生の名誉まで。

浅見さん 許しませんよ。

(丸岡)何が…。 何があったんだよ。

(丸岡)まさか
あの 浅見さんが言ったことは。

いづみ 黙ってないで。

僕にも話せないことなのか?

箸墓からの盗掘。

半世紀前に犯したであろう
小池先生の罪。

それは きっと考古学者の探究心

業のようなものからだったんじゃ
ないでしょうか?

画文帯神獣鏡が たどった経緯。
それが今度の事件を引き起こした。

僕には そう思えます。

お父さんが亡くなって
あなたは お母さんから

あの画文帯神獣鏡を
譲り渡してもらった。

違いますか?

失礼します。
いづみさん!

お母さんに伝えてほしいんです。

あした 箸墓の丘で
お待ちしていると。

それまでは 誰にも。
警察にも話すことはしません。

約束します。

箸墓の丘で?

お母さん
わたし どうしたらいいの?

浅見さんのことは
母さんに任せて。

あなた
何にも心配しなくていいから。

分かったわね いづみ。
分かったわね。

倭迹迹日百襲姫の墓。
小池先生は

卑弥呼の墓ではないかと
推測されていました。

3世紀に造られたと思われる物が
今ここに…。

実に不思議な…。
神秘的な思いがしますね。

小池先生も きっと
そんな思いだったと…。

これが落ちていました。

小池先生の老眼鏡です。

何があったのか
どうか話してくれませんか?

僕は刑事ではありません。

真実が何か。
それを知りたいだけです。

小池先生と平沢さん。
お二人が殺されてるんです。

小池先生は いづみさんにとって

かけがえのない恩師やったんと
ちゃいますか?

何があったんですか?

いづみさん。

いづみさん!

青春時代は 戦後の混乱が
まだ残っているころでした。

21歳のとき
小池拓郎と出会って…。

親友の長井弥生さんの
紹介だったんですね。

弥生さんが
小池を好きだったことは…。

でも 私は
自分の気持ちが抑えられなくて

自分の気持ちのままに 正直に…。

小池を通して
溝越とも知り合いました。

溝越さんは
あなたを好きになったんですね。

それはもう 熱烈なものでした。

溝越さんとの友情と
あなたとの愛…。

小池先生は そのはざまで
揺れ動いていたんですね。

私よりも 友情のほうが
大事だというのですか?

思い出したくもない。

溝越の家での 小池と溝越の

ひそやかな あの会話…。

(溝越)

小池先生の裏切り…。

「わたしは売られた」
そう思った途端

無性に悲しく
涙が どんどんあふれてきて

身も心も
空っぽに なってしまいました。

失意と失望に 身を任せるように

私は 溝越と…。
結婚された。

翌年1月に女の子を。

不幸にも
三つで亡くなられたんですね。

なんて幸薄い子なのか。

あの子は…
真智子は小池の子でした。

小池にも言わずに産みました。

でも あの子の葬儀のあとに。

小池先生に打ち明けたんですね。

小池はショックのあまり
言葉を失っていました。

私は小池に
あのときのことを問い詰めました。

(美砂緒)そこで初めて

溝越から受け取った
あの5万円の代価が

実は 画文帯神獣鏡だったと
知らされました。

自分の愚かさを
気づかされても

でも 小池への失意と失望が

消えることはありませんでした。

「こんな無一文の自分より
資産家の長男と結婚したほうが

豊かで幸せな
暮らしができるだろう?」

あの小池の言葉は
いかにも小池らしい自己犠牲!

わたしを幸せにするとでも
言いたいの?

わたしは どんなに貧しくても

好きな人と添い遂げたかったのに。

私の言葉は
小池には届きませんでした。

私を捨てて 親友に譲った男…。

心に刻まれた この傷は

終生
消えることは ありませんでした。

溝越が病死して

小池が訪ねてきました。

(美砂緒)

(小池)わたしに
譲ってくれないか

(美砂緒)何を
おっしゃってるのか

第一 もう
ここには ありませんよ

(小池)

形見分け…。

画文帯神獣鏡は いづみさんの手に
渡っていたんですね。

あの鏡は あの子が
持っているのが いちばんだと…。

≪(いづみ)お母さん!

いづみ。

お母さん。
(美砂緒)あなたは何も…。

お母さんだけになんて…。
(美砂緒)いづみ。

浅見さん。

父の形見分けの あの鏡…。

わたしは
それを先生に確かめました。

箸墓の
画文帯神獣鏡だったんですね。

その出土が物語るものに

わたしは心が震えて…。

(いづみ)古代の王たちを弔う鏡。

その聖なる魔力。

わたしは それに魅入られて

この鏡を
このまま眠らせてはいけないと…。

(いづみ)
(小池)

(いづみ)あの鏡が
このアカネ山で発見されたら

(いづみ)あの画文帯神獣鏡が

このアカネ山で発見されれば

卑弥呼の墓の所在や
邪馬台国の位置を特定する

有力な証拠になるんじゃ
ありませんか?

(いづみ)先生が思い描いてきた
邪馬台国畿内説が

一挙に
浮上することにもなります

それは 単なる
虚構や ねつ造ではないんです

現に あの画文帯神獣鏡は

小池先生自身が箸墓から
掘り出した物なんですから

(いづみ)鏡の魔力に
取りつかれたように

その思いを打ち明けました。

小池先生は
それに衝撃を受けて…。

(いづみ)心が動いたようにも…。

でも わたしの計画を

許そうとはしませんでした。

学者としての良識と良心が

その誘惑と欲望を
ねじ伏せたんでしょうね。

「これは 呪いの鏡だ」と言って

先生は わたしの手から

あの画文帯神獣鏡を
奪い取ったんです。

(小池)画文帯神獣鏡。

呪いの鏡

(美砂緒)小池の 私に向けた
あのときのまなざし。

鏡の盗掘と 私に対する
ざんげとが入り交じったような…。

そして 小池の口から
思いも寄らないことが…。

これは 本来
埋蔵されていた 箸墓に戻すよ

(小池)そうすることで

過去の盗掘の罪を清算する

それに いづみさんが
アカネ山に埋蔵しようという

新たな罪も
犯さなくて済むではないか

しかし なんで

盗掘なんか してしまったのか

(美砂緒)何よ! 今さら。

小池のあの言葉が 偽善にしか
聞こえてきませんでした。

偽善…。

(美砂緒)それどころか
血が逆流するような思いで…。

なんて 身勝手な!

あれは いづみの大事な宝物。

それを奪い返して
私ばかりでなく

娘の前にも立ちはだかる
邪魔者のような気がして。

それまで ずっと

胸の底に
しまい込んできたものが

この胸の奥底に
ずっと しまい続けてきたものに

火がついて…。

(美砂緒)私が差し出すと

小池は すんなり
それを口にしました。

まるで 無防備に…。

わたしの手にかかるなら
それも しかたがない。

きっと あのときの小池は

そんな心境だったに違いないと…。

恐らく 死をも
覚悟していたのではないかと。

♬~

あの画文帯神獣鏡は 再び

お母さんから
娘さんへと戻されたんですね。

いづみさん あなたは
その魔力と誘惑とに 葛藤した。

そして…。
あのアカネ山に…。

♬~

あなたにとっては 愛する人。

すべては
丸岡さんのためだったんですね。

(いづみ)小池先生の後継者は
彼しかいません。

(いづみ)彼は 考古学の世界で
生き続けるべき人です。

彼の業績になればと…。

でも…。

♬~

なんで こんな所に呼び出したか
分かるな?

あの鏡が
埋蔵していた所の土や。

本来の土層にはないものが
混じってる

君の予見が
どういうものやったんか

島田君 これ以上 このわたしに
言わせんといてほしい

これで 丸岡君の業績も
無になる

それどころか この世界に
いられなくなるやろう

(いづみ)このままでは
丸岡さんが…。

彼の考古学への情熱も
何もかも奪われてしまう。

わたしのせいで…。

彼を破滅への道に
追い込むようなことは…。

それだけは!

♬~

浅見さん。

わたしが…。

丸岡さんは 何も…。

事件にも 埋蔵にも…。

彼は 一切関与していません。

浅見さん。 できることなら

娘の罪を 私が背負って…。

その覚悟は できておりました。

お母さん。

娘と一緒に 罪を償って…。

いづみ…。

♬~

♬~

♬~

「あなたは
事件に 一切関係していない」

いづみさんの真実の言葉です。

あの画文帯神獣鏡の埋蔵と
発掘は

丸岡さん。 あなたへの
愛のあかしだったんです。

いづみ…。

≪(市場)浅見さん! 浅見さん!
浅見さん。

初瀬ダムで
親子が遺体で発見されました。

丸岡さん。 行ってあげてください。

(宮島)さっ どうぞ。

♬~

♬~

「青春とは罪深いもの」
小池先生は 青春時代の罪を

ずっと背負って
いたんじゃないでしょうか。

でも その後の
小池先生の歩んできた道のりは

決して 非難されることは…。

生涯を懸けて

その罪を
償ってきたんじゃないかな。

浅見さんと一緒に
事件 追いかけて

わたしの中に くっきり

古代ロマンを追い求めていた
小池先生の人生が。

わたし 先生が残したものを

邪馬台国と卑弥呼の古代ロマン
それを追い求めたいなって。

ご両親も
きっと賛成してくれます。

何より 小池先生が いちばん
喜んでくださるんじゃないかな。

有里さんなら きっと
小池先生の後を継げます。

浅見さん。 行かはるんですね。

また 来てくれますね?

ええ。 近いうち 必ず。

約束ですよ。

♬~

♬~