ザ・ミステリー『今野敏サスペンス 鬼火 警視庁強行犯係・樋口顕』[字] …のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

ザ・ミステリー『今野敏サスペンス 鬼火 警視庁強行犯係・樋口顕』[字]

原作・今野敏×主演・内藤剛志!警視庁強行犯係 樋口顕シリーズ!転落死事件の影に5年前の連続通り魔事件!?樋口VS女性記者!「鬼火」が暴く完全犯罪の謎!

詳細情報
出演者
樋口顕…内藤剛志
遠藤貴子…矢田亜希子
嶋崎紀子…中村静香
樋口照美…逢沢りな
菊池和馬…佐野岳
天童隆一…榎木孝明
遠藤昭江…鷲尾真知子
樋口恵子…川上麻衣子
東条洋次郎…中原丈雄
氏家譲…佐野史郎
番組内容
とある廃ビル前で転落死したと思われる遺体が発見され、警視庁刑事部捜査一課・強行犯係の樋口顕(内藤剛志)は現場に駆け付ける。品川中央署の強行犯係・東条洋次郎(中原丈雄)の話では、被害者の石倉修吾(永沼伊久也)は、落書きによる建造物損壊で先月現行犯逮捕されたばかり。書類送検されたが「ウォールアートだ」と主張し、現場にも懲りずに落書きしようとしていた痕跡が。
番組内容②
東条は落書きをしようとして誤って転落した事故死と見立てるが、樋口はその洞察力で転落によるものではない腕の内出血に気づく。事件現場に集まった野次馬の中には、どういうわけか東洋新聞社会部記者・遠藤貴子(矢田亜希子)の姿も。珍しく樋口に何も聞かず立ち去るが、貴子はなぜこの場所にーー?やがて石倉の怪しげな行動が明らとなり、殺人の可能性が高まっていく。
原作・脚本・監督
【原作】今野敏
【脚本】真部千晶
【監督】児玉宜久
出演者②
藤本由美…片山萌美
中田裕之…小松利昌
吉崎衛…斉藤暁
荒井英夫…前原滉
石倉修吾…永沼伊久也
神尾美雪…宮田早苗
津田和也…鬼塚俊秀
柳瀬雅代…小柳友貴美
長谷川伸…ダンディ坂野

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

テキストマイニング結果

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  1. 年前
  2. 嶋崎紀子
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助けて! 誰か助けて!!

やめろ!!

うっ…。

誰か! 誰か助けて!!

待って!

うわぁ~!!

おはよう。
おはよう。

いや なんで~?
もう計算が合わない。

朝から 家計簿つけてるのか?

そうじゃないのよ。

自治会の会計係
押し付けられちゃったの。

刑事の妻だからって。

なんで 刑事の妻だと
会計係やらされるんだ?

絶対に不正はしないだろうって
みんな そう思うみたいよ。

え~。
(照美)私も。

刑事の娘だから
疑り深いんだろうって

元カレに よく言われた。

それは お前の性格で

お父さんの仕事とは
関係ないだろ。

周りは そう思わないのよ。

刑事の家族 っていう目で
見られてるのよ 私たちはね!

ねぇ。

お父さんのせいで
迷惑こうむってるんだからね。

そんなこと言われたって…。

もしもし? 樋口です。

場所は?

身元は?

石倉修吾 26歳。

あそこから落ちた転落死です。

あっ!
おっ!

ああ!

大丈夫ですか!?

ああ! どうも すみません!

お騒がせしました。
いえ。

この年になると
思わぬところで

こけそうになるんですよね。
ハハ… どうも。

私 品川中央署
強行犯係の東条です。

樋口です。

この石倉という男は
先月 うちの署の者が

現行犯逮捕しています。

落書きをしていて。
落書き?

おいおい!
お前 何やってんだ?

(東条)本人は ウォールアートだとか
言ってたそうです。

ウォールアート。
壁や塀に描いた絵から

有名になっていく画家も
海外には 多いですからね。

最近 話題のバンクシーとか。

だが 日本では
落書きは違法行為だ。

建造物損壊で
書類送検されたのに

この男は 懲りずに また落書きを
しようとしていたんでしょう。

あの窓のところに

落書きをしていた
形跡があります。
ああ。

落書きをしていて 誤って落ちた。

事故死ですね。

いや… まだ そう決めつけるのは
早いかと思います。

なんか 不審な点でも?
ええ。

腕の内出血… これは

転落で
できたものではないでしょう。

例えば 何者かに
強く腕をつかまれたとか。

それで突き落とされたなら
殺しですね。

うん 詳しくは
検視で確認してもらいます。

菊池 この男が
何かトラブルを抱えていなかったか

調べてくれ。
はい!

係長!
ああ。

ホトケさんの スマホですかね?

転落したときに ここに落ちた。

うん…。
係長!
ああ。

あの窓の近くに
この袋が置いてありました。

ああ…。

これで 落書きされると
消すのが大変だって

よく 苦情がきてますよ。

落書きをめぐってのトラブル
という線も考えられますよね。

これは?

コインロッカーの鍵でしょうか?

ああ…。
どこの鍵か調べてみます。
うん。

お知り合いですか?
ええ 東洋新聞の記者です。

何も聞いてこないなんて珍しいな。

いや 全然わかんないですね。

そうですか
ありがとうございました。

すみません こちらで働いていた
石倉修吾さん ご存じですよね?

バイトの先輩です。

最近 石倉さんと トラブルに
なってたような人は いないかな?

僕は 先月 入ったばかりなので
よくわかりませんけど。

しいて言うなら…。

冗談じゃないわよ!
誰が そんなこと言ったのよ!

だって 石倉さんに
弱み握られて困ってたんじゃ?

(雅代)私 弱みなんてないわよ。

石倉くんは 見た目 チャラいけど

よ~く働く いい子だったわ。

夢に向かって頑張ってた。

ねぇ あなたさ
いっつも それ持ってるけど

それ 何?
あっ これっすか?

これね ウォールアートの本場
アメリカに行くのが夢なんですよ

その夢が もうすぐ叶うってときに
死んじゃうなんてね~。

夢が叶う?

(中田)検視では 腕の内出血は

死の直前に 何者かに強い力で
つかまれたために

できたものだという
鑑定結果でした。

係長の見立てどおり
殺しの可能性が高いですね。

ああ。
樋口さん! ありがとう!

は?
あのまま 事故死で

終わらせていたら
大チョンボになるところでした。

樋口さんの
洞察力に救われました。

いや とんでもないです。
(天童)よぉ ヒグっちゃん。

あっ 天童さん。

また よろしく頼むよ。
はい。

管理官とも ツーカーの仲なんですね。
いえいえ。

こちらになります。
ありがとうございます。

87… 87… 87…。

ん?

(菊池)石倉修吾は
江東区亀戸のアパートに一人暮らし。

近くの ホームセンターで
働いていましたが

アメリカ行きが決まったと言って

今月いっぱいで
やめることになってました。

アメリカ? なんで アメリカなんだ?

はい 落書きアートの本場に
行ってみたいというのが

長年の夢だったそうです。
金が手に入るから

その夢が叶うって 3日前には
パスポートも申請してます。

金が手に入る?
はい。
どこから?

あ…。
管理官。

まだ 交友関係も
わかっていないので

その件に関しましては
これから調べます。

水に つかってしまっていた
石倉のスマホは

あいにく 防水加工が
されていないタイプで

中のデータは
復元できませんでした。

現在 通信会社に
通話履歴を押さえるために

令状を請求中です。
石倉には 逮捕歴があるんだよな?

はい。

先月4日の未明
落書き行為をしていた

石倉に対して 警ら中の巡査が
警告を発しましたが

やめなかったので 建造物損壊で
現行犯逮捕しました。

遅れてすみません。

石倉が所持していた鍵の
コインロッカーの中で発見しました。

これは 冠か!

ティアラだよ。
古いな おじさんは。

おじさん?

コイツ 管理官の甥っ子なんですよ。

ウエディングドレスの花嫁が
こう 頭につけるやつだよな?

はい 防犯カメラを確認したところ
事件の2日前

水曜日の午後に 石倉自身が
ロッカーに入れていました。

なんで そんなものを
保管していたんだ?

この冠が 殺害されたことと
関係しているんだろうか?

購入事実を調べろ。
はい!

じゃあ 次
現場周辺の目撃情報は?

はい 今のところ 目撃情報は
得られませんでした。

どう? 似合う?
うん すてき!

フフフ!
フフフ!
(貴子)ただいま。

おかえり!

ママ おばあちゃんがくれた!

お母さん いらしてたんですね。

貴子さんは
いつも忙しい って言って

孫の顔を
見せに来てくれないから。

すみません。

ナオミ 宿題 やったの?
まだ。

ご飯 できるまでに
終わらせなさい。

は~い。
頑張って。

大きくなったわね。

慎一が亡くなったのは

ナオミちゃんが
3歳になる直前だった。

誕生日プレゼントに
これを買ってきた夜に…。

あれから あなたは
よく頑張ってきたと思うわ。

ナオミちゃんも
素直で いい子に育ってる。

でもね これから だんだん
難しい年ごろになってくるわ。

子ども3人 育ててきた経験から
私には わかるの。

ねぇ この前の話 考えてくれた?

ナオミと離れて
暮らす気はありません。

じゃあ
社会部の記者はやめて

もっと子どものそばに
いられる部署に変わるのね?

いえ。

今はまだ
やめるわけにはいかないんです。

おう。

あっ。

品川中央署の東条さんだ。

はじめまして 東条です。
氏家です。

よろしく。
お前がにらんだとおり

石倉修吾は 都内随所で
落書きで警告を受けていた。

そのときの記録を集めてきた。
ありがとう。

いらっしゃいませ。
えっと 生ビールね。

はい かしこまりました。
石倉は

出身地の長野から
8年前に上京。

美術の専門学校に入学したが
学費が払えずに中退。

渋谷で 落書きをしていたところ
若者たちから称賛され

落書きアートで名を馳せることを
夢見るようになったらしい。

ふ~ん。

あっ やっぱりそうだ。
何ですか?

ええ。

これが 石倉が先月書いた
落書きです。

で これは過去に書いたもの。

同じものが
すべてに書いてあります。

おお。
本当だ。 あっ これは

自分の作品だってことを示す
サインのつもりなんだろうな。

う~ん。
こういうものが

書かれた落書きを 前にどこかで
目にした気がするんだが…。

どこよ えっ?

記憶力が 低下してるんじゃ
ないのか? お前。

娘にもよく言われる。

DHナントカが
足りないんじゃないって。

お~。
娘さんがいらっしゃるんですか?

ええ 気が強くて
もうやり込められています。

東条さんのところは
あの… お子さんは?

息子が1人いました。
いました?

ええ 女房が
連れて出ていきました。

すみません
余計なこと聞いちゃって。

いやいやいや。
もう20年も前のことですから。

ええ 息子が20歳になるまでは
養育費だけは払い続けましたが。

今はもう…
どこで何をしているんだか

まったく知りません。
いや もう。

向こうも どうせ私のことなんか
とっくに忘れてるでしょう。

ハハハ。
でも親子ですよ。

離れていても。
いや~。

私は 父親らしいことは
何もしてなかったんで。

一緒に暮らしてるときも
子育てはもう

女房に任せっきりで
仕事仕事なんです。

うちもそうです。
いや 樋口さんはご立派ですよ。

家庭も仕事も
ちゃんと両立されている。

もしかして
ごま すってますか?

はい すりますよ~
いくらでも。

ハハハ ここ 奢ってくださいね。
ハハハ じゃ 俺もすっとこう。

管理官 あのティアラには
被害届が出ていました。

なに?

天王洲にある ソレイユ・ウエディングという
結婚式場から

盗まれたものでした。
ソレイユ・ウエディング。

はい。

(菊池)おっ すげぇ。
えっ 天使?

触らない!
お待たせいたしました。

私 店長の城山と申します。

ちょうだいいたします。
お願いいたします。

こちら社員の嶋崎紀子です。

当社は オリジナルな結婚式を
挙げたいというお客様のために

さまざまなプランを
ご提案しております。

どうぞ
ご案内いたします。

どうぞ。

こちらは レンタル用の
ドレスとなっております。

うわぁ すてき。

着る予定ないじゃないですか。

うるさい。

あっ ティアラは
ここから盗まれたんですか?

はい そうです。

1つ足りなくなっていることに
私が気づいたのは

4日前なんですけれども
社員たちに聞いたところ

不審な男性客がいたことを
嶋崎が思い出しまして。

その男性が来たのは
いつですか?

火曜日の夜です。

石倉が コインロッカーに入れた
前日ですね。

うん。
遅番の私が

店を閉めようとしているときに

パンフレットが欲しい
という人が現れて

私が パンフレットを用意している間
その人はここにいました。

あのときに盗まれたんじゃないか
と思うんです。

あの… 防犯カメラは?

ああ ついてないんです。

その人物は
この男性ではありませんか?

う~ん マスクをして
帽子をかぶっていたので

顔はよく見えなかったんです。
ふぅ… あれ?

これ…。

もしかして。

ったく なんなの
こんなに散らかして 今の子は!

なにこれ。
はい いらない。

あ~ ちょっと待った!
それ 捨てないでください。

なに?

あっ いや
昨日 僕がここで会った

荒井くん 呼んでください。

荒井くんなら やめたわよ。
えっ?

今朝 やめますって
メールでいきなり。

あっ 痛っ…
被疑者が判明しそうなんです。

石倉と同じ職場で
バイトをしていた荒井英夫。

荒井が使っていた職場のロッカーから
採取された指紋が

このティアラに付着していた指紋と
一致しました。

うん。
係長 ソレイユ・ウエディングから

ティアラを盗んだのは
きっと荒井なんですよ。

それを 石倉が…。
荒井から ティアラを横取りした。

石倉は アメリカに行く
金が欲しかったから。

ティアラを金にかえる
つもりだったんだと思います。

うん。
横取りされた荒井が怒って

石倉をあの建物から
突き落として殺した。

ってことですか。
いや しかし

ウエディング会社から
ティアラを盗もうなんて

普通思いつくかな?
荒井は これを読んでました。

街なかに置いてある
無料タウン誌なんですが

ここに ソレイユ・ウエディングが
載ってるんです。

うん。
ほら ここ。

1, 000万もするティアラがあるって。
これを見て

盗もうと思いついたのか。
うん。

嶋崎紀子?

ご存じなんですか この女性?

ええ 嶋崎紀子さんは
5年前のある事件の被害者です。

被害者? どんな事件ですか?

うん 5年前の
5月から6月にかけて

荒川沿いで
連続通り魔事件が発生していた。

ああ 覚えてます。
帰宅途中の女性が

ナイフで切りつけられた。
その3件目の被害者が

この嶋崎紀子さんです。

(東条)どうされました?
ああ いえ。

菊池 まずは
荒井英夫に事情聴取だ。

はい。
あっ 私も行きます。

お願いします。

ちょっと出てくる。
(2人)はい。

5年前 俺はここで
落書きを見た。

今月の8日の
夜10時頃なんですが

不審な人物を
見かけませんでしたか?

見てないですね。

いつも
この付近は通りますか?

たまに通ります。
たまに?

5年前ですが 堀切橋の
児童公園横のコンクリートの柱に

落書きがされてましたよね?
またその話ですか。

誰かが聞きに来たんですか?

ええ 新聞記者が。
新聞記者。

あっ はい。
はあ。

ああ ここに あのバイト仲間の
荒井英夫が住んでいるんですか?

いやあ 職場で聞いた住所だと
ここなんですけどね。

まっ 行ってみましょう。
はい。

お話って何でしょう?

ああ 5年前の6月8日。

友人宅からの帰り道の女性が
この場所で通り魔に襲われた。

彼女の証言によると 犯人に
背中を切りつけられた直後

たまたま通りかかった
帰宅途中のサラリーマン2人が

助けに来てくれた。

女性は近くの民家に助けを求め
無事だったが

助けに入った男性は2人とも
犯人に刺され…。

建築会社の社員 津田和也さん。

そして
システムエンジニアの遠藤慎一さん。

救急車が到着したときには
すでに息をひきとっていた。

その話は5年前にも聞きました。

私が知りたいのは
何の罪もない人間を

無残にも殺した犯人が誰なのか
ということです。

あなた方が捕まえ損ねて

野放しにしている犯人の
正体を突き止めて記事にする。

それがジャーナリストである
私の仕事です。

アンタ 昨日 転落遺体で発見された
石倉修吾と接触してるよな?

5年前にはなかった防犯カメラが
あそこに設置されている。

あれを調べたところ
この前の火曜日に

アンタがここに
花束を置く姿が映っていた。

そのあとで 石倉を
追いかけていくところも。

月命日のたびに私の足は
ここへ向いてしまうんです。

ふと
誰かに見られている気がして。

直感的に 彼は何かを
知っていると感じたんです。

ねえ ちょっと待って。

あなた
なんで私のこと見てたの?

見てない。
5年前 あそこで事件が起きた。

あなた
何か知ってるんじゃないの?

知らない
俺 関係ない

そのときは どこの誰なのかも
わかりませんでしたが。

昨日 転落現場に取材に行って

あのときの男だとわかりました。

石倉は落書きをしていたと聞いて
思い出したんです。

5年前 あそこに落書きがあった。
はい。

通り魔事件以前には
なかったはずだと言っています。

俺も聞いた。

おそらく あの夜 石倉は ここで

落書きをしてたんじゃ
ないだろうか。

そのときに
事件を目撃したのかもしれない。

落書き行為を
とがめられるのを恐れて

名乗り出なかったんだろう。

あのとき 捜査を
しっかりしてくれていれば

目撃者の存在に気づけたはずです。

すまなかった。

いや 謝って
済むことじゃないよな。

石倉が殺されたのは

5年前の事件と
何か関連してるんですか?

いや まだわからない。

私は 私なりのやり方で

これからも
この事件を追い続けます。

失礼します。

なんで お前が あの記者に
謝らなきゃいけないんだよ?

だって お前 あのとき捜査本部に
応援で呼ばれただけだろ?

そんな理屈
被害者遺族には通用しないよ。

あの記者の旦那が殺された事件は
3件目だったんだよな?

うん。

1件目は 足立区で
2件目は 江戸川区で

いずれも被害女性たちは
命には別状がなかった。

だが 3件目で 女性を
助けようとした

通行人2人が殺害された。

殺人事件に発展したから
お前が呼ばれた。

まもなく 前の2件を
担当した班が ホシをあげた。

ストレス発散でやった
最低なヤツだったんだよな。

だが 3件目は否認したんだ。

殺人罪になるのを恐れて
否認してるだけだと上は判断し

捜査本部は縮小し
俺も捜査を外れた。

だが 結局
3件目だけは自白がとれず

お宮入りとなってしまった。

あのときな… もう少し粘って
調べておけばよかった。

捜査 外れたもんが
調べるわけにはいかんだろ。

未解決のヤマは いつまでも
ここに つっかえてる。

刑事は みんなそうだ。

うん… ところで お前は なんで
俺の帰りを待ってたんだ?

別に お前を
待ってたわけじゃないよ。

いや 東条さん 昔
釣りが好きだったって

昨日 チラッと言ってたからさ。
これをね。

釣り同好会。
うん うちの上司が発起人なの。

釣り好きを見つけたら
配れって言われててさ。

ハッ 暇だな お前。
暇じゃねえよ。

2課の応援で 特殊詐欺事件を
追ってる真っ最中だ。

かけ子や出し子に未成年者が
使われてるっていうんで。

じゃ それ
東条さんに渡しておいて。

おう。

行方がわからない?
それは どういうことだ?

今朝 外出したまま
ケータイもつながらないんです。

家政婦さんも
行き先は知らないと言ってます。

家政婦さん?

ええ。 荒井英夫は
裕福な家庭の子で

親名義の高級マンションに
1人で住んでます。

親が雇った家政婦さんが
家事を すべてやってくれて。

チッ… まったく いいご身分ですよ。

父親は 貿易会社を経営していて
今は マレーシアに住んでいるそうです。

その父親の命令で
バイトを始めたみたいですね。

社会性を養うために
少しは働いてみろって。

金に困ってるわけでもないのに
ティアラを盗んだ?

おそらく スリルと刺激を求めて
やったんだと思います。

どういう意味だ?

高校時代からの友人の話では

荒井は 万引きで
捕まったことがあるんだそうです。

ちゃんとお金も持っていたのに
なんで やったのかと聞かれて…。

コイツ 常習なんですよ。

だって スリルがあって刺激的だから。
スリル?

(菊池)その件は 親が
もみ消したようですが

他にも何件も
やっていたみたいです。

スリルと刺激…。

ゲーム感覚で
犯罪を犯してるってことか。

それで殺しまでやるなんて
かなり危ないヤツですね。

荒井英夫を重要参考人として
手配書を回せ。

(一同)はい。
管理官。

もう一件 いいでしょうか?
(天童)うん。

藤本。
はい。

嶋崎紀子さんに
ティアラを盗んだ男が

荒井英夫かどうか確認してもらえ。

はい。 明日の朝一番で
確認してもらいます。

以上です。
それじゃ 頼むぞ!

(一同)はい!

あっ 東条さん。

はい。
これ 氏家からなんですが

釣りが趣味なんだそうですね。
あっ。 ハッハッハ。

いや いや いや…
もう釣りは やりません。

なんで やめたんですか?

いや~ 釣った魚を
持て余すからですよ。

私は一人暮らしで
とても食べきれない。

ああ。
それとも…。

樋口さんちで
もらってくれますか?

いいですよ。
うちの家族 魚 大好きです。

ああ そりゃいい!

魚って おろすの面倒なのよ?

お願いだから むやみに
もらってきたりしないでよ?

だったら 自分でおろすよ。

そんな… 口ばっかし!
包丁だって持ったことないくせに。

いや 教えてくれたら
俺だってできるんだぞ! 魚…。

なに… 目玉焼きだって
焼いたことないじゃない!

まだ もらってもない魚で
ケンカしないの。

フフッ… そりゃ そうだわね。

フフフッ。
フフッ だな。

ビールあるか?
はい。

5年前の通り魔事件と

今回の事件。

5年前…。

5年前と今回の事件…。

あのとき 捜査を
しっかりしてくれていれば…。

未解決のヤマは いつまでも
ここに つっかえてる

うっ…。

くっ…。

キャーッ!!

ハア… ハア… ハア…。

どうしました?

(中田)検視官によると
嶋崎紀子は

首を手で絞められたことによる
窒息死でした。

やはり 荒井英夫による
犯行でしょうか?

う~ん…。

つまり ティアラを盗んだときに
顔を合わせている

嶋崎さんの口を
封じたっていうことですよね?

いいか! とにかく
この荒井英夫を大至急 捜し出せ!

(一同)はい!

どうした? ヒグっちゃん。

あ… はい。 嶋崎紀子さんは

5年前の通り魔事件の被害者です。

その彼女が なぜ今になって
殺害されたんでしょうか?

全部 持ち帰って 犯人の痕跡が
ついてないか調べるぞ!

(一同)はい!

(由美)死亡推定時刻は

昨日の夜10時から
12時のようなんですが

なぜ そんな遅い時間まで

嶋崎紀子さんは
ここにいたんですか?

はい。 昨日 刑事さんたちが
帰ったあとで…。

ティアラを盗まれた責任をとって
私 ここをやめます。

そんな必要ないわよ。
いや…。

こんな不祥事を起こしたまま
働くのは気が引けます。

明日までに
引継書類は作っておきます

思いつめると
それしか見えなくなる

頑固な面のある人だったんで。

嶋崎さんとの
おつきあいは長いんですか?

いや 個人的なつきあいは
ありませんでした。

彼女が採用面接に来たのが
5年前の8月。

ああ この子は
向いてるなって思いました。

5年前…。

この忙しいときに
なんだって また…。

はい。 5年前の3件目の
通り魔事件の証拠品は これです。

まあ 被害者の着衣とか
そんなもんだね。

ねぇ 吉崎さん。

今回の犯行現場から
採取されたもので

5年前と関連がありそうなものが
見つかったら

教えてもらえますか?

今回のヤマ 5年前と関係してるの?
ええ まだ わかりませんが。

フウ…。

まあ 何か見つかったら
知らせますよ。

お願いします。

あっ ご苦労さん。

(貴子)樋口さん。

今朝 遺体で発見された
嶋崎紀子って

5年前 うちの夫が
助けた女性ですよね?

ん? なんで知ってるんだ?

5年前 被害女性の名前は
一切 公表してないはずだぞ?

警察っていうのは
そういうところですよね…。

私が どれだけ頼んでも…。

貴子:どうして ダメなんですか?

被害者のプライバシーを守るためにも
お教えできません。

うちだって被害者なんですよ!!

主人の身に何があったのか…。
ですから…。

直接 女性に聞きたいんです!
ですから 奥様。

これも警察の捜査方針なんです。

ご理解ください

私は自力で被害女性の名前を
調べるしかなかった。

で その女性に会えたのか?

いいえ。 嶋崎紀子さんという
名前がわかったときには

当時の住所からは
引っ越していました。

今朝 遺体で発見されたのは

あのときの被害女性ですよね?

そうだ。

私が話を聞きたいと思う相手が
次々と殺されていく…。

これって
どういうことなんでしょう?

5年前の手ぬるい捜査と
思い込みによる間違った判断が

今回の事件を引き起こした。

樋口さんも そう思ってるんじゃ
ありませんか?

まだ 臆測の段階だ。
先走った記事 書くなよ。

(天童)ヒグっちゃん。

どんな臆測か聞かせてくれ。

はい。

嶋崎紀子は 5年前の
通り魔事件の被害者です。

石倉は その事件を
目撃していた可能性があります。

目撃者と被害者が
相次いで殺害された。

5年前の真犯人が
再び動き出して

当時の関係者の口をふさいでいる。

ヒグっちゃんと あの記者は
そう考えているわけだ。

えぇ 現時点では
ひとつの可能性にすぎませんが。

あらゆる可能性を追っていくのが
捜査だ。

だが 捜査員の数は限られている。

だから つい
ひとつの筋読みに絞って

別の可能性には
目をつぶってしまう。

我々警察の悪い癖だ。

同じ過ちは繰り返してはならない。

今回の事件
5年前との関連を考慮しつつ

多角的に捜査を進めていこう。

はい。

もし荒井英夫から連絡があったら
教えてください。

はい わかりました。
お願いします。

行きましょう。

すみません。

今の刑事さんたちに
何聞かれました?

どこに逃げてるんでしょうね
荒井は。
えぇ。

あぁ いや… 暑いな 今日は。

あれ? 東条さん
ネックレスしてるんですか。

なんか意外ですね。
磁気ネックレスですよ 肩こり対策の。

おっ 何か飲みましょう。
喉が渇いた。

外回り 暑かっただろ。
はい。

ご苦労さん はい。
ありがとうございます。

俺 炭酸がいいんですけど。

自分で買え。
で 何が気になってるんだ?

通り魔に襲われた恐怖体験は

そう簡単に
癒えるものではありません。

外に出るのが怖くなったり
人と接するのが苦しくなる。

そういう被害者たちを
私は見てきています。

それが どうした?

嶋崎紀子さんが あの会社の
採用面接を受けたのは…。

通り魔事件から
2か月も経っていないのに

人と接する仕事を
望むでしょうか?

うん…。

もう一つ気になるのが
マスクと帽子です。

この男性ではありませんか?

マスクをして帽子を被っていたので
顔は よく見えなかったんです

通り魔に襲われた体験を持つ
彼女が

夜 1人でいるときに
そんな男が入ってきたら

恐怖を感じると思うんです。
なるほど。

冷静に パンフレットを用意して
手渡すなんてできない。

それは 藤本さんの
勝手な思い込みじゃないですか。

被害者はこうだって
決めつけてる気がします。

嶋崎紀子さんは 頑張って

つらい過去の体験を乗り越えて
きたんだと思いますけど。

そうかもしれないけど…。
藤本。

少しでも疑問に思うことが
あるなら 調べろ。

あとになって調べておけば
よかったという後悔を

お前たちにはしてほしくない。

気になることがあるなら
とことん調べろ。

はい! 嶋崎紀子さんについて
調べてみます。

警察は この荒井英夫という男を
追っているのか?

はい。
それに今回の事件だけでなく

5年前の事件への関与も
考えられます。

ん?
まさか お前が追い続けている

例の事件も
この男の仕業だというのか?

荒井は
前科こそついていませんが

遊び感覚で 車上荒らしや万引きを
するような人物です。

当時 2件続けて起きた
連続通り魔事件は

連日報道されて
話題になってました。

荒井は それに刺激を受けて

自分も
まねしたいと思ったのかも。

だとすると許せんな。

わかった。 だが焦りは禁物だ。

私情を挟むなとは言わんが

思い込みで
誤報なんてうつなよ。

そんなことはしませんよ。
私は ジャーナリストですから。

実は昨日 嶋崎紀子さんが
殺害遺体で発見されました。

えっ!?
紀子さん 殺されたんですか?

5年前は
仲よくされてたんですよね。

コールセンターで隣の席だったんです。

派遣社員同士 会社への不満や
愚痴を言い合ったりしてました。

記録によると
通り魔に襲われた夜も

紀子さんは あなたの家から
帰るところだったんですよね?

うちからの帰り道に襲われた
って聞いて

ちょっと不思議に思ってたんです。
どうしてですか?

あの日
私は彼氏と旅行に行ってるって

紀子さんには言っておいたんです。

えっ?
あなたが家にいなかったことを

紀子さんは知ってたんですか?

忘れてたって
あとで言ってましたけど。

通り魔事件後 紀子さんは恐怖心を
引きずっている感じでしたか?

意外に そうでもなかったんです。

怖い思いをしたから
1人では不安だろうと思って…。

ねぇ 紀ちゃん
しばらく私のところに来る?

大丈夫 これからは
前だけを向いて歩いていく。

家も仕事も新しく見つけて
新しい自分になるの

なんか いろんなものが
吹っ切れたって感じでした。

いろんなもの?

彼女って
過去を引きずるタイプっていうか

それまでは 酔うと必ず

恋人に捨てられたことを
思い出して…。

あの男 重役の娘と結婚した。

私と一緒になるって
言ってたのに

あの男?

紀子さんを捨てた
その男の名前 聞いてます?

いいえ 知りません。
私と知り合う前の話だから。

重役の娘と結婚。

はい その男が誰なのか
気になるので調べてみます。

藤本 ちょっと待て。

通り魔事件で
嶋崎紀子さんを助けた

通行人のうちの1人

津田和也さんに関する
聞き込みで…。

重役の娘さんと結婚して
出世街道まっしぐらだったのに。

こんなことで死ぬなんて…

あっ 藤本さん。

すみません
勝島建設の徳永さんですよね。

警察の者です。
はい。

津田は あの事件の前の年に
重役の娘と結婚したんです。

それまで 他の女性とつきあってた
とか聞いてませんか?

さあ… 外面はいいんで
女性社員からは人気でしたけど

特定の相手がいたかどうかまでは
知りません。

外面はって
内面は違うってことですか?

死んだヤツのことを
悪く言うのもなんだけど

嫌な男でした。

なんでこんなことも
できねえのかな おい! おい!

バカなのか?

そんな人が
人助けをして殺された?

津田らしくないなって
思いましたよ。

でも 言えないでしょ。

当時は みんな 津田のこと
英雄扱いしてんですから。

この女性に見覚えありませんか?

いやぁ
わかんないな ごめんなさい。

お疲れさまです。

おう
そっちこそ疲れた顔してんな。

警察は 荒井英夫という男を
追っているんですよね。

その男が5年前の真犯人
という可能性も

考えてのうえでしょうか?
そんなこと まだわからんよ。

ちょっと 上がってけ。

えっ?

どうぞ。
ありがとうございます。

お前が お茶出してくるなんて
珍しいこともあるもんだな。

余計なこと言わないでよ。

遠藤さんは
私の憧れの女性なんです。

新聞記者として バリバリ働きながら
お子さんも育ててるんですよね。

娘には
いろいろ我慢もさせてます。

(恵子)照美 お話の邪魔よ。

は~い。 失礼します。

5年前のことで
ちょっと聞きたいんだが

アンタの旦那さんと
事件で一緒に亡くなった

津田和也さん

彼とは当時 同じマンションで
暮らしてたんだよな?

えぇ。 津田さんは

あの事件の前の年に
奥様と入居されました。

挨拶に来られたのを覚えています。

津田和也さんって
どんな人だった?

えっ?
つきあいは ありませんでした。

顔をあわせれば
挨拶をする程度で。

なんで そんなこと聞くんですか?

アンタの旦那と津田さんは

いつも
あの時間に帰宅していたのか?

津田さんのことは
知りませんけど

うちの夫は ふだんはもっと
早い時間に帰ってきてました。

じゃあ あの日は
たまたま遅くなったのか?

帰り際に
急な残業を頼まれたって。

メールが来たんです。

まだ持っているのか。

捨てられませんよ。

夫と何気なく交わしたメール。

牛乳買ったよ とか
今夜はカレー食べたい とか。

ん?
あれ なんかいつもと違うね。

気づいた?
今日はね ヨーグルト入れてみたの。

だからか!
あとは 私の愛情

ごく普通の日常が

あの日 突然 なくなってしまった。

なんで…。

ご主人は 通り魔に襲われている
女性を助けたんです。

バカ バカ!

他人を助けて死ぬなんて バカ!

私とナオミのために生きててよ。

ねぇ 生きててよ!

生きててよ ねぇ…

他人のことなんて
ほっとけばよかったのに。

何度も そう思いました。

だが ほっておけない人だった。

だから
好きになったんじゃないのか?

やめてくださいよ。

樋口さんの口から
そんなこと言われると

なんか調子狂います。

引きとめて悪かったな。
待ってください。

なんで 津田和也さんのことを
私に聞いてきたんですか?

新聞記者のアンタには
教えられないよ。

だが 被害者遺族のアンタには
話しておこう。

俺は あの事件には

裏があるんじゃないかと
思い始めている。

えっ!? 裏?

うん。
表からは見えなかった何かが

裏に
隠されている気がしてならない。

根本から あの事件を
見直そうと思っている。

裏に隠されているもの…。

ひと事じゃないわ。
何が?

ある日突然 夫が死にましたって
電話がくる…。

想像しただけでも ゾッとするけど…
覚悟はしてる。

恵子…。

刑事の家族だもん。

いつか そんな日が
くるかもしれない。

心配かけて すまない。

生きててね。

こんな旦那でも
生きてるほうがいい。

こんなって なんだよ。
フフ…。

わかった。 気をつけます。

ママ…。

ママ!

ママ?

あ…。
こんなところで寝ちゃだめだよ。

そうだね…。

あっ…。

これ ナオミが置いたの?

うん! パパ リンゴが好きだったって
おばあちゃんが言ってたから。

好きだったわね…
特に カゼをひいたりすると…。

大丈夫?
どう? 熱 下がったの?

うん。

何か食べたいものある?
あぁ そうだな… リンゴ。

じゃあ 買ってくるね。
うん ありがとう

あのとき…。

私… 津田和也さんを見た。

刑事さん!

ご連絡ありがとうございます。

この女性を
思い出したんですよね?

えぇ。 あれを見て
思い出したんです。

昼時になると あの広場に
キッチンカーが来るんです。

だいぶ前ですけど この人から
弁当を よく買ってたんです。

ありがとうございます。

いつも ありがとうございます。
こんにちは。

今日も カレーで?
カレーで。

あ… マサラチキンでお願いします。
は~い

あ… すみません
お忙しいところ。

この女性 ご存じですよね?

あぁ 覚えとるよ。
うちでバイトしてた 紀子ちゃん。

紀子さんの周りで この男性を
見かけたことはありませんか?

津田和也さん
という方なんですけど…。

あっ こいつ…。

最低な男だよ。

かつて 嶋崎紀子さんを
捨てた恋人とは

津田和也さんでした。
やはり そうか。

2人は 交際していることを
周りには隠していたようですけど。

はい まいど!
ありがとうございます。

ありがとう。
はい おつり 200円です。

今夜 いつものところで。 8時

(由美)嶋崎紀子は 彼の子どもを
身ごもっていました。

えっ?
でも 津田さんは

重役の娘との結婚を選んで
彼女を捨てたんです。

ショックを受けた彼女は…。

あっ… うぅ…。

あぁっ!
紀子ちゃん 大丈夫!?

お腹が!
今 救急車呼ぶから!

お腹の子どもまで
失ってしまいました。

キッチンカーをやめて 派遣社員の仕事に
変わったあとも

彼女は 津田さんのことを
ひきずっていたそうです。

あの男 重役の娘と結婚した。

私と一緒になるって
言ってたのに…。

許さない…
あの男 絶対許さない!

やっぱり あの事件は…。

えっ! 5年前の事件は
無差別通り魔事件ではなかった?

被害者だと思われていた
嶋崎紀子は

実は加害者だったんです。

はじめから
津田和也を殺害する目的で

あの場所で 津田の帰りを
待ち伏せていたんでしょう。

通りかかった通行人が
助けにきたという 紀子の証言は

デタラメだったのか?

もう一人の被害者の遠藤慎一は
なぜ 殺された?

帰宅が遅くなって
たまたま巻き込まれたか…。

あるいは まだ見えていない事情が
あるのかもしれません。

だがな ヒグっちゃん
通り魔事件の一環だと

我々 警察が判断したのは

嶋崎紀子が
背中を切られていたからだ。

男2人を殺したあと 自分で

自分の背中を
切ったんじゃないですか?

いや… あの傷の
位置と角度からすると

自分でやるのは
まず 不可能だろう。

そのことからも あの現場には
もう一人いたんですよ。

嶋崎紀子の共犯者が。

共犯者…。

そうか!
そいつに背中を切らせて

連続通り魔事件の
被害者のふりをしたんですね。

で 石倉は その光景を偶然…。

目撃したんじゃないでしょうか。

目撃者がいることを知った
嶋崎紀子と

その共犯者によって
石倉は殺された。

その後 嶋崎紀子と共犯者は

仲間割れでも
したんじゃないでしょうか。

わかった!

荒井英夫ですよ!
5年前の嶋崎紀子の共犯者は。

2人は
どういう知り合いなのよ?

いや 知り合いなんかじゃなくても
ネットの闇サイトで共犯者を募集とか

そういうのあるじゃないですか。

荒井英夫は
スリルと刺激を求めてるやつです。

通り魔のふりをするのは
おもしろいって

引き受けたんですよ。 ねっ!

それは… ちょっと
強引なんじゃないかな。

失礼します。

もしもし なんだ?

お前のとこの捜査員を
こっちへよこせ。

いいから 大至急だ!

荒井英夫っていう若造を
捜してるんだろ?

まだかな…。

あぁ どうも。
ありがとうございます。

おい 後ろ 回れ。
はい!

じゃ 行きましょうか。
はい!

ご主人が チカンの行為を…。
手違いがございまして…。

はい そうなんですよ。
今すぐ お手続きのほうを…。

あっ 俺… シンちゃん シンちゃん。

あなたの口座が犯罪に
使われてることがわかりました。

キャッシュカードの交換が
必要なんですよ。

警察だ! ガサ入れ! 動くな!
(ドアを開ける音)

(もみ合う声)

荒井英夫だな!
痛いな!

ちょ… 逃げないから
離してくださいよ。

優しくするよう…。
うるさいな。

痛いな もう!
言ってもらってもいいですか。

実は僕 取調室
初体験なんですよね。

あっ! この鏡の向こうにも
誰かいるんですよね。

早く座れ! この野郎!

行方をくらませているのかと
思ってたら

特殊詐欺のかけ子の
バイトをしていたとはな。

どうせなら 刺激的なバイトのほうが
楽しいですからね。

結構 簡単に騙されてくれる人が
いるんですよね。

おもしろかったな。
ふざけんなよ。

お前には 罪悪感ってものが
ねえのか この野郎!

まぁまぁ…。

先週の金曜日 夜9時から11時
どこで何をしてた?

金曜の夜?

あぁ… 石倉さんが殺された日の
アリバイを聞いてるんですね。

僕には 殺人の容疑が
かかってるんだ。 刺激的だな。

何が刺激的だ!

おう… ありがとな。
いやいやいや…。

こっちのヤマに 荒井英夫っていう
名前があったからさ。

どうだ? これ 口 割りそうか?
う~ん…。

容疑をかけてくれて光栄だけど
僕はやってません。

じゃあ なんで このティアラに
お前の指紋が付いてた?

フフ… 僕んち 金持ちだから。

チッ。

いやいやいや…
だから こういうこと。

これを 石倉さんが買ってくれって
言ってきたんです。

あれは 水曜日だったかな…。

石倉:本当は
1, 000万もするやつなんだけど

300万でいい。

(荒井)どうして 石倉さんが
こんなもの 持ってるんですか?

えっ? もらったんだよ

もらった?
いやいや…。

うのみにしないほうがいい。
あいつは 自分の言動で

大人が右往左往するのを
楽しんでるんだ。

たまにいるんだよ。
金銭的には恵まれていても

親の愛情不足で
歪んだ思考を持ってしまう子が。

(バイブ音)

俺だ。

お疲れさまです。
うん。

どうした?
荒井英夫の自宅に

ガサ入れをしていたときに
見つけたんです。

5年前の6月
通り魔事件の日には

荒井は 日本にいませんでした。

海外に旅行していたのか?
はい。

16日間 中国に行っています。
うん…。

つまり 嶋崎紀子の共犯者は
荒井じゃなかった。

だからって 今回の殺しが

やつじゃないって
わけではありません。

荒井が 石倉殺しの犯行現場に
行っているかどうか

今 靴を調べてもらってます。

ご苦労。
はい。

樋口さん ちょうどよかった。
はい。

ちょっと これ見てください。

嶋崎紀子の遺体の周りには

ドレスの飾りに付けられていた羽が
散らばっていたんだが

その中に一つだけ
素材の違うものが混じっていた。

ドレスの羽とは
色も組織構造も違ってる。

犯人の遺留品でしょうか?
かもしれない。

でも こんな羽だけを
持ち歩いてるってことあるかな?

ええ。

荒井の持ち物かどうか
家政婦さんに聞いてみます。

あと ついでに 5年前の証拠品も
調べなおしてみたんです。

これ 5年前に殺害された
津田和也が着ていたシャツ。

犯人に刺された この部分から
酵母菌が検出された。

酵母菌?

おそらく
凶器の刃物に付着していた菌が

被害者の服に
ついたんだと思います。

5年も経ってるのに
検出できたんですか?

歳月が経っていたからこそ
付着していた菌が増殖して

鑑定できる状態にまで
なってたんだよ。

酵母菌って あれですよね。

ビールやワインを造るときに
使うんですよね。

酒飲みの発想だな。

このヤマが解決したら
飲みに行きましょうね。

はい。

6年前の11月…。

彼には アリバイがあった。

共犯者…。

いったい 誰なんだ?

< このとき私は

これまでにない違和感を
感じていた>

おはよう。

おはようございます。

泊まりだと聞いたので
これ 朝ごはんにどうぞ。

ここのカレーパン おいしいんですよ。
おぉ!

せっかくだが
特定の新聞社と癒着している

と思われると困る。

樋口さんらしい…。

で?

リンゴ。 主人の好物だったんです。

ん?
思い出したんです。

あの事件の半年ほど前
リンゴを買いにいったとき

うちのマンションの前で津田さんが…。

せめて
あの子に謝ってください。

しつこいんだよ アンタは!

あっ!
いいかげんにしろよな!

大丈夫ですか?

竜太に謝れ!

りゅうたに謝れ?

昔の記憶なので 「りゅうた」なのか
「りょうた」なのか

確信のないまま
昨日 勝島建設に行ってきました。

あっ すみません。

ちょっと
お伺いしたいんですけれど…

当時 津田さんのまわりに

そういう名前の人物が
いなかったか

聞いてまわったところ…。

神尾竜太という社員が
津田さんの部署に

いたことがわかりました。
うん。

この社員は6年前に自殺してます。

自殺?

6年前の11月の記事です。

自殺の原因は
まだ調べていませんが

私が あのとき見かけた女性は

神尾竜太さんの
母親ではないかと思うんです。

津田さんに対して 強い憎しみを
抱いているように感じました。

神尾竜太という社員の母親…。

東条さん。

これ いいか?
ええ。

お取り込み中のようでしたので
ここで待機してました。

特殊詐欺事件の捜査本部から

荒井の取り調べをしたいと
言ってきてるんですが。

わかりました。

あとは 俺たちが調べる。
余計なことはするなよ。

と言ってもムダか。

では。

住民票によると

勝島建設の社員だった
神尾竜太さんの母親の家は

このあたりのはずなんだけど。

でも その母親が 5年前の事件に
関係してるのかな?

とにかく係長が会ってこいって。

ここだわ。

パン屋さんか。

犯人に刺された この部分から
酵母菌が検出された

パン作りにも酵母菌を使う…。

いらっしゃいませ。

すみません。
警察の者ですが。

神尾美雪さん
いらっしゃいますか?

そんな人 いませんよ。

えっ? でも住民票では
ここに住んでるはず。

(泉)どうしたの?

(泉)神尾美雪さんと 竜太くん。

こっちは 私の息子です。

子ども同士が中学の同級生で

シングルマザーという境遇も
同じだったので

仲よくなりました。

ここで 美雪さんが
お店を始めたときから

私も一緒に働いてきました。

母さん いってきます。
いってらっしゃい。

あっ ネクタイ曲がってるよ。
粉だらけの手で触るなよ

(泉)竜太くんは頭がよくて
奨学金で大学にも行って

有名な勝島建設に就職したんです。

美雪さんの自慢の息子さんでした。

竜太さんは
6年前に自殺したんですよね?

その原因は?

上司が業者と癒着して

不正行為をしていることに
気づいた竜太くんが

内部通報をしたんです。

なんなの
その内部通報っていうのは?

社内で不正を見つけたら
コンプライアンス部に報告する。

会社を守るためにも
必要な行為なんだ。

竜太が告げ口したこと
上司にバレたりしないの?

大丈夫だよ。
内部通報者が誰かは

わからないように
してもらえるんだ

でも バレてしまったんです。

会社の重役が竜太くんの告発を
握りつぶしたうえに

上司にも教えてしまったんです。

重役…
津田は重役の娘と結婚した。

身内になる男の不正を
隠蔽したのね。

その後 竜太くんは

上司から ひどい仕打ちを
受けるようになったんです。

なんで
こんなこともできねえのかな。

おい! あっ?

バカなのか? しようもねえ!
この月給泥棒がよ!

完全なパワハラじゃないか。

それでも
竜太くんは頑張ってたんです。

でも
限界がきちゃったんでしょうね。

身も心も 疲れ果てて…。

竜太! 竜太!

竜太!

竜太!

竜太くんを死に追い込んだ上司は
お葬式にも来ませんでした。

また アンタか。

ちゃんと説明してください。

お宅の息子さんは
勝手に死んだんですよ?

私は何も関係ない。

あなたが追い詰めたんです。

冷たい水の中で
ひとりで死んでったんです。

せめて あの子に謝ってください!

しつこいんだよ アンタは!
あっ!

いいかげんにしろよな!

大丈夫ですか?

竜太に謝れ!

あの男 絶対に許さない。

ごめんください。
いらっしゃいませ。

私 客じゃないんです。

神尾竜太さんのお母さんに
お話があって来ました

5年前の嶋崎紀子の共犯者って…。

すみません。 神尾美雪さんは今
どちらにいらっしゃいますか?

脳卒中で倒れた?
はい。 5年前の3月に。

美雪さん! ちょっと
ねぇ 美雪さん ねぇ!

(由美)命はとりとめましたが
半身不随になり

介護なしでは生活できない体に
なってしまっています。

津田和也を殺害した凶器には
酵母菌が付着していました。

パンを作っていた神尾美雪が
共犯者だと思ったんですけど。

半身不随では事件を起こすことは
できないだろう。

神尾美雪の意志をついで
嶋崎紀子と手を組んだ人間が

真の共犯者だったんじゃ
ないでしょうか。

そういうことか。

こちらです。

こちらが
神尾美雪さんのお部屋です。

失礼します。

神尾さん いないですね。
お風呂かな? 見てきます。

ちょっと 失礼していいですか?

あぁ どうぞ。

息子の神尾竜太さん

こんなに
明るい笑顔をする人だったのに。

津田和也からのパワハラのせいで
自殺した。

息子との思い出に囲まれて
過ごしているんだな。

これは…。

嶋崎紀子殺害現場にあった羽は
フライフィッシングのルアー。

釣りの道具だったのか。

刑事さん。
はい。

神尾さん 外出されたそうです。
えっ?

1人で出かけられる
体なんですか?

いいえ 先ほど
ご家族が迎えにいらしたんです。

家族?
はい。

息子さんのお墓参りに
行くといって

お出かけになりました。

外出届も いただいております。

見せていただけますか?
はい。

あっ! ウソだろ?

外出届も いただいております。
見せていただけますか?

はい。

あっ! ウソだろ?

落書きをしていて誤って落ちた。
事故死ですね。

もう釣りはやりません。

息子が1人 いました

ホンボシは目の前にいたんだ。

出ろ。 出てくれ。

後ろの車 新聞記者ですよ。

振り切りますか?
いや かまうな。

もしもし。

東条さん。

樋口さん 見逃してください。

何言ってるんだ!
アンタ 警察官だろ!

俺は もう警察官じゃない!

5年前の あのときから。

もう一人の共犯者は
あなただったんですね。

ええ。

あのときは無我夢中で…。

見てるやつがいたなんて
気づかなかった。

ソイツが 今になって…。

(東条)嶋崎紀子の所在を知って
ゆすりに来た。

俺 どうしても
アメリカに行きたいんです。

この動画を
200万で買ってください。

いいわ。
お金の用意ができるまで待って。

なんだよ アンタ?
嶋崎紀子から頼まれて来た。

は?
すまんな。

おい やめ… おい…
ちょっと やめろって。

おい やめろ。 イテ…。

うわっ あっ… あ~っ!

(悲鳴)

(東条)許してくれ。 私には

まだ
守らなきゃいけない人がいる。

嶋崎紀子殺害現場に落ちていた
羽は

息子さんの形見だったんですね。

やはり あそこで落としてたのか。

私は知らなかったんです。
あのティアラのこと。

なんで あんなものを
石倉に渡したんだ?

とりあえず金目のものをくれ
って要求されたのよ。

1つくらいなくなってても
レンタル中ってことで

ごまかせるかと思ったけど
店長が気づいちゃった。

私は明日 東京を離れる。

だめだ。 このタイミングで姿を消したら
怪しまれる。

そうならないようにしてよ。

できるでしょ?
あなたは刑事なんだから。

もし私が捕まったら
あれは あなたの元奥さん

美雪さんの指示でやった
って言うわよ。

あんな体なのに
逮捕されたら かわいそうよね

そのとき
樋口さんの顔が浮かんだんです。

あなたは 鋭い洞察力で

5年前の事件との関連に
すでに気づきはじめていた。

あのまま 嶋崎紀子を
生かしておくのは危険でした。

(東条)美雪にまで
捜査の手が及ぶことだけは

どうしても避けたかった。

この5年間 私は

美雪を守ることだけを
考えて生きてきました。

息子との思い出を話せる
ただ1人の家族。

警察をやめなかったのは

美雪の介護生活を支える費用が
必要だったからです。

あなた 早く行きましょう。

樋口さん
あなたと出会ったときから

こうなる予感はしていたんです。

あなたのおかげで
私たちは ようやく

罪を償うことができます。

東条さん 早まらないでください。

ありがとう 樋口さん。

東条さん? 東条さん!

切れた。 菊池 急げ!
はい。

間に合ってくれ。

2 3!

これが餌のように見えて
魚が食いつくんだ。

竜太 わかるか?
うん!

楽しいね

竜太の所に行きましょう。

ああ。

5年前に こうするべきだった。

向こうだ!
はい。

東条さん!

死ぬなんて許さない!

なんで新聞記者が?

彼女は遠藤慎一さんの奥さんです。

えっ!

突然 家族を失った悲しみ。

家族に何があったのか
知りたいと思う気持ち。

それは あなたが
いちばん よくわかってるだろう!

ケガ人はいません。
神尾美雪さんも無事でした。

はい 失礼します。

私が… 私が頼んだんです。
東条に。

体の自由がきかなくなった
自分の代わりに

嶋崎紀子と手を組んで
津田和也を殺してくれと。

16年ぶりに再会した彼女から

突拍子もないことを頼まれました。

当然 断りました。

あのころの私は…。

まだ警察官でしたから。

法的手段で津田和也を訴えようと
考えました。

竜太の同僚たちに
協力を求めましたが

津田和也には
強い後ろ盾があるようで

協力してくれる人は
見つかりませんでした。

じゃあ他に誰か知ってる方
いらっしゃいませんか。

いや わからないです。

神尾竜太くんの
お父さんですよね?

津田です。

お父さんは刑事なんですよね?

なんで知ってるんですか?

神尾くんが言ってました。

えっ?

私が不正をしていると
勘違いした彼は

内部通報をしたんです。

なんで そんな先走ったことを
したのかって 聞いたら。

不正を見逃すわけには
いかないんです。

僕は 刑事の息子ですから!

ご立派な息子さんでした。

でも…。

アッハハハハ…。

あぁ 失礼。

でも すべては彼の勘違いです。

私は 不正もパワハラもしてません。

今後 うちの社員に
妙な話を持ちかけるのは

おやめください。

迷惑です

(東条)それまで
感じたこともない

強烈な喪失感に
おそわれていました。

離婚が決まって
最後の思い出作りにと

あの子を釣りに連れていった
あの日…。

はい わかりました
すぐに臨場します。

お父さん?

しかたないだろう
呼び出しがきたんだから。

すぐに帰らなきゃ。
いつも そうだ!

だから刑事の子どもは やなんだ!

お父さんなんか大嫌いだ!

(東条)ずっと あの子に

嫌われているもんだとばかり
思ってました。

あぁ 竜太…。

(物音)

(東条)鬼火…。

人の怨念が炎となって現れる。

敵をうってくれと

息子が言っているのか?

いや 父親だったころの
私の魂が言っている。

竜太の無念をはらしてやれと…。

当時発生していた
連続通り魔事件を

模倣することにした
私と嶋崎紀子は

津田和也の帰りを待ち伏せして…。

津田さん。

紀子?
なんでここにいるんだよ。

ストーカーみたいなマネすんなよ…
うっ!

(東条)あっけないくらいに
津田は死んでいきました。

あぁ すっきりした。

じゃあ 今度は私を切りつけて。

早くやって!

やめろ!

あっ…。

なんなの!? この男。

部外者を巻き込むつもりなんか
なかったのに…。

救急車だ。
だめよ。

あなたが捕まったら
美雪さんはきっと

自分がやらせたって
名乗り出るわよ。

計画どおり 全部通り魔が
やったことにすればいい。

早く私の背中を切りつけて!

とりゃっ!
うっ…。

誰か… 誰か助けて!

あのぬいぐるみ…。

今も 目に焼きついています。

娘の誕生日プレゼントだったんです。

あぁ…。

彼にも子どもがいる。

家族がいる。

ぬいぐるみを見たときから
わかっていたのに

何も知らないままでいようと
決めてました。

彼の家族の顔を見たら
私は…。

私は 自分自身すら
騙せなくなりそうで

怖かったんです。

私は ずるい人間だ。

本当に 本当に すみません。

現職警察官による
犯行であったこと

まことに遺憾に思っております。

市民の皆様を不安に陥れ

まことに
申し訳ございませんでした。

(貴子)「犯人は
鬼火を見たと言った。

私も見たことがある。

最愛の家族の死に
泣き暮らしていたころ

暗闇に浮かぶ
幻の青い炎を見たのだ。

亡くなってしまった家族が
私に見せた その炎は

人生という暗がりを進むための
道しるべのように

私には思えた。

手さぐりでもいいから
前へ進みなさい。

あの世から導いてあげるからと。

そんな家族の思いを感じた」。

終わったな
5年間のアンタの戦いが。

やっと。

樋口さんのおかげです
ありがとうございました。

これで
社会部から異動できます。

本当に それでいいのか?

ねぇ 貴子さん。

これを読んで 気づいたの。

あなたにだからこそ
書ける記事があるのよね。

お母さん…。

あなたが記者を続けることを
慎一も望んでいたんだと思う。

だから 私も…。

困ったときは
いつでも連絡して。

私たち 家族なんだから。

はい。

たまには 孫の顔
見せに来てよね。

もちろん。

失礼いたします。

じゃあね。
バイバーイ。

バイバーイ フフフ。
フフフ。

今回 つくづく思った。

警察官であっても
しょせんは 人間。

弱さや迷いを抱え

なかには
一線を踏み越えてしまう者もいる。

だからこそ
アンタのような鋭い目で

俺たちを見ている記者が
必要なんだよな。

これからも 私は
樋口さんにつきまといますけど

それでも いいんですか?
どうぞ。

だが俺は
特定の新聞社の ひいきはしない。

樋口さんらしい。

さっ 帰ろうか。
うん。

今日 何食べたい?
えっと この子に聞いてみるね。

何?
お寿司だって。

オーケー じゃあ 行こう。
うん。

はい。

何? このお肉…
100g 1, 900円もするの!?

俺の小遣いを貯めて買ったんだ
魚より肉のほうがいいんだろ?

いやいや
そんなこと言ってないわよ。

言ったじゃないか
魚さばくの面倒くさいとか。

いやいや…。
いや 包丁がなんとか言って…。

それとこれとは違うって。
だから。
ただいま~。

何またケンカしてるの?
ちょっ お父さん…。

見てこれ
こんなの買ってきたのよ。

マジ? なんでこんな高いの
買ってきたの?

えっ?
お前たちへの感謝の気持ちだよ。

俺の家族でいてくれて
ありがとう。

その気持ち 現金でちょうだい。

えっ…。
あぁ 私もそのお金で

外食に連れていって欲しかったわ。
えっ…。

いいよ じゃあ
これ1人で全部食べるから。

いつも感謝してるのは
私たちのほうよ。

うん?
刑事で頑張ってるお父さん

いつもご苦労さまです。

まぁ わかればいいよ…。

鬼火
死んだ人の魂が見せる幻の炎か…。

なるほどねぇ。
死んだ者が見せるんじゃない。

残された者が見たいと願うから
見えるんだろう。

えぇ…。

東条さんも 遠藤記者も

家族への強い思いから
鬼火を見たんでしょうね。

でも そのときに

遠藤記者は 真実を知るために
生きることを選び

反対に東条さんは
復讐することに執着してしまった。

どんな思いがあろうと
警察官の不祥事はいかん。

警察の信用が失墜すると
犯罪が増える。

忙しくなりますかね?

じゃあ 今のうちに
飲んでおくか。

次 何にするかね?
そういうことじゃないだろう。

焼酎にするか。
あっ 焼酎がいいですね。

よろしくお願いいたします。
よし やるか。

すみません
焼酎 ボトルでね!