山村美紗サスペンス 狩矢父娘シリーズ 花の棺 京都名門の華道家元、不倫の連続殺人!赤い風船と密室のトリック…女たちの華麗な…

出典:EPGの番組情報

[字]昼の特選ドラマ劇場 山村美紗サスペンス 狩矢父娘シリーズ

「花の棺 京都名門の華道家元、不倫の連続殺人!赤い風船と密室のトリック…女たちの華麗なバトル!!」▽2005年にテレビ朝日系列で放送された第6シリーズ

詳細情報
番組内容
狩矢和美は編集プロダクション「唐竹企画」のカメラマン。和美は、取材が取り持つ縁で1年ほど前から華道・京流の師範・九条麗子から生け花を学んでいた。
ある日、和美が京流の家元・西川鳳の屋敷で麗子から手ほどきを受けていると、鳳の息子の和彦が、父が倒れたと部屋に飛び込んでくる…。
出演者
藤谷美紀、田村亮、原田龍二、山村紅葉、秋本奈緒美、国生さゆり、猪野学、中原丈雄 ほか
番組ホームページ
<番組ホームページはこちら!>
www.bs-asahi.co.jp/hiru/
制作
テレビ朝日、東映

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

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  1. 家元
  2. 和彦
  3. 麗子
  4. 京流
  5. 西川
  6. 和美
  7. 東流
  8. 小川麻衣子
  9. 東郷
  10. 結婚
  11. 夏目君
  12. 麻衣子
  13. お父さん
  14. 家元夫人
  15. 久条麗子
  16. 密室
  17. 茶室
  18. 奥様
  19. 華道
  20. 華道界

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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♬~

♬~

♬~

(久条麗子)この1年で
随分 うまくなったわね。

(狩矢和美)麗子さんのお陰です。

私 花嫁修業って名前の付く事
大嫌いだったから。

なのに
お花が生けられるようになって

母なんか喜んじゃって。

そう お母様が。

あの時ですよね 私がここの京流の
生け花展の取材をしてた時に

「お華やりませんか?」って
麗子さんに勧められて。

そうだったわね。

ホント
自分でも変わったと思います。

今では カメラのファインダー越しに

ほんの少しですけど
花の気持ちがわかるっていうか

何か 感じるんですよね。

花の心… ね。

つらい時 いつも私の心を
救ってくれたのは 花だったわ。

(西川鳳)
今まで散々反抗しておいて

急に家元を継がせてくれだと?

だったら ちゃんと稽古にも出て
修業をしろ。

(西川和彦)
お父さん 僕 結婚したいんです。

何? 結婚だと?

あの女と
まだ付き合ってるのか。

私は絶対に許さんと
言ったはずだ!

お父さん。

あんな女にそそのかされて…
お前は!

(咳込み)

お父さん!

お父さん!? お父さん!

≫(和彦)麗子さん!

麗子さん 父が…。

家元が…!?

お父さん!
家元!?

大丈夫ですか?
ああ…。

今日のお茶会 大丈夫ですか?
ああ。

今期の持ち回りの例会は
うちが招待しているんだ。

私が出席しない訳には
いかないだろう。

いいか お前も出席するんだぞ!

はい。

♬~

本日はお招きいただきまして
ありがとうございます。

〈新流の山野華子〉

〈古川流の古川すみれ〉

〈北流の北川秀円〉

〈東流の東郷流風と
その夫人 悠子〉

(小川麻衣子)今日は
お茶会にお招きいただき

ありがとうございます。

家元ばかりがお集まりの
このような席に

私にまで声をかけていただいて
光栄ですわ。

いいえ。 本日はお忙しい中

わざわざお越しいただいて
ありがとうございます。

和美さん 紹介するわ。

初めまして 狩矢和美です。
東流の小川麻衣子です。

京流の看板の久条麗子さんと
東流の看板の小川麻衣子さん

という事は
お二人はライバル同士ですよね。

和美さん。

世間の皆さんは
そう おっしゃいますけど…。

ねえ?

あなた 久条麗子さんの
お弟子さんなんですって?

はい。 …といっても
まだ1年未満ですけど。

あんな人のところ辞めて
うちに来ない?

えっ?

あの人 猫被ってるけど
お腹の中じゃ 何考えてるんだか。

あの…。

ふふっ。

それで?
私に取材って何かしら?

あっ はい。 あの 実は今回
ブライダル雑誌の取材で

花嫁修業の1つとしての
華道という事で

取材させていただいてます。

ブライダル雑誌ねぇ。

ずばり 小川麻衣子さんご自身の
結婚の予定は?

あるわよ もちろん。

そうなんですか? お相手は?

それは まだ内証。

でも 華道のお仕事と
結婚の両立って

難しくないですか?
ふふっ 難しい事なんかないわよ。

結婚は私にとって
ステイタスアップの1つ。

夢を叶える手段でもあるわね。

結婚がステイタスアップの1つで
夢を叶えるための手段?

そうよ。
考え方次第じゃないかしら。

あっ そうだ。
これも書いていただけるかしら?

私ね 今度 またニューヨークで
個展を開く事になってるの。

すごいですね。

ふふふっ。 前にも一度
やった事があるんだけど

評判がよくってね。
向こうから

もう一度やらないかって
言ってきてるのよ。

あちらで個展を開くのって
大変な事なのよ。

海外進出ですね。

いつかは 自分の流派を
持つくらいになって

その活動を
海外にまで広めるつもり。

《小川麻衣子。
東流家元の一番弟子》

《結婚願望もあり
しかも 相当な野心家ね》

≫(東郷流風)汚い手を使うな!

大体ね 次のサミットの会場に
展示する生け花は

東流のうちに決まっていたんだよ。
ええっ!

それを 何であんたのところが!?

いいか 持ち回りの順という
ルールがあるんだよ。

次はうちなんだよ! その件に
ついては すぐに辞退しなさいよ。

そうは言われましてもねぇ。

私のほうから
言い出した事ではなく

今回も 先方が
ぜひ 京流でいきたいと

おっしゃいましてね。

この泥棒猫。 お前は泥棒猫だ!

≫(弟子)おやめください!
おやめください!

おやめください!
おやめください…。

《何だか 華道界って
ドロドロなのね》

♬~

♬~

♬~

♬~

うわぁ 豪華。 おいしそう。

(山野華子)あら? 京流のお家元は
どうされたのかしら?

家元は
心臓に持病をお持ちです。

みんなに言って
すぐに捜してください。

はい。

(ざわめき)

皆様 申し訳ございません。
ただいま 捜してまいります。

お食事は
どうぞお始めになってください。

♬~

(麗子)家元?

家元!

家元!

西川さん! 西川さん。

家元。
家元!

家元! 家元!

(麗子)家元?

家元? 家元!

家元!

何だ? 鍵がかかってる。

えっ…?
ここの鍵は?

鍵は 家元がお持ちです。
他には?

いえ 家元だけが
この茶室の鍵を持ってるんです。

じゃあ どうすんだ?

家元が中に…
発作で倒れてるんじゃ?

西川さん 西川さん!
家元!

いるんですか?
家元!

う~ん ダメだな。
壊すしかないな。

いいですか?
ええ お願いします。

西川さん!

あっ…!?

西川さんが… 死んでる…。

京流の家元が…!?

♬~

(パトカーのサイレン)

♬~

(橋口)茶室の出入り口は襖ですが
中から鍵がかかっていたようです。

(狩矢)何? 変だな。 茶室に鍵か?
はい。

死んだ西川は時折
生け花の構想を練るために

ここの茶室にこもる事があり

その時 精神集中できるように
鍵をつけたようです。

そういう事か。

あっちの出入り口も
鍵がかかってるな。

(橋口)警部 これは?

この鍵は?
もしかして この部屋の鍵…。

この鍵は 東郷流風が力いっぱい
引き開けた時に初めて壊れたと

久条麗子と小川麻衣子の2人が
証言しています。

密室か…。

遺書とか そういった自殺を
ほのめかすようなものはないか

探す必要があるな。

そうですね。

確かに密室だけど…。
おっ?

よりによって こんな茶会の日に
自殺なんて変じゃない?

しかも お客様を迎える時の
家元の顔は にこやかだったし。

≪和美!

お前 何だって
こんなとこにいる…。

出て行きなさい。
えっ?

捜査の邪魔だ 邪魔なんだ
仕事の邪魔なんだ!

お前はな いつも こうやって
事件に首を突っ込んで…。

そうか わかった。
お前 日曜日だっていうのに

夏目君にふられたのか?

大体な お前 性格が
ワガママ過ぎるんだ。

夏目君だって嫌になる!
私は 仕事なの!

せっかく 麗子さんが
取材の許可とってくれて

雅の世界 撮ってたのに…。

大体 日曜はデートって
何時代の話よ?

夏目君だって 仕事なの。

それから 私は
ワガママなんかじゃありません。

もし 私がワガママだとしたら
それは お父さんからの遺伝よ!

何!? お父さんの遺伝?

だって お母さん
ワガママじゃないもん。

まったく ああ言えばこう言う…。

恨まれるような事ないですか?
いえ…。

西川さんに 最後に会われたのは
いつですか?

いや… その…
茶会の始まった時の…。

(東郷悠子)いいえ。 ねえ。

茶会のメンバーが1人足りない。

警部。
うん?

死んだ西川の息子
和彦の姿が見当たりません。

何?
重要参考人としてすぐに捜せ。

はい。

♬~

♬~

(山野美野里)狩矢 企画変更!

「華道界 雅の世界」
あれ やめてな

「お茶会密室殺人事件
華道界に渦巻く欲望」

「真犯人を追う!」
これ! これで行こう!

社長 忘れてません?

これは 20代女性をターゲットにした
ブライダル雑誌用の企画なんですよ。

花嫁修業の1つとしての
華道界を特集しようって。

かまへん かまへん!
そっちは 何か適当に

そや 「ブライダル・ダイエット」とか
そんなん載せといたら よろしい。

美しい花にはトゲがある。

その花の雅の世界を操る
華道界の裏側には トゲトゲが…。

いや ドロドロのほうがいいかな。
うん ドロドロだ!

あっ これや。 絶対行けるで!
なっ なっ なっ!

よちよち… うふふっ!
よちよち… 早く大きくなってね。

珍しいですねぇ
社長が植物育てるなんて。

(細川)これですよ。

やっぱり 食べるためですね。

当ったり前やないの。 昔から
言うやないの 花より団子って。

西川和彦さんですね?
はい。

少し お話を
お伺いしたいんですが。

(カメラのシャッター音)

(夏目利彦)よし。

昨日… ほら 例の消えた息子
西川和彦が 警察に

連れていかれるところ
キャッチできた。

貴重な情報サンキュ!
うん!

夏目君の役に立ててよかったわ。

お礼におごるからさ
もう 何でも頼んでいいぞ。

ホント! うれしい!

じゃあ ええと…
あぶり餅とあぶり餅と…。

何 頼んでもいいって ここ
あぶり餅しかないじゃない!

いや だから
好きなだけ食べてもいいよって。

お越しやす。
あっ すいません。

ええ~ あぶり餅を2人前。
はい。

それにしても 和彦は
どういうつもりなんだろう。

父親が死んだ現場から消えて
一体 どこに行ったんだ?

まあ警察は 現時点では

和彦を
第一容疑者においてるだろうな。

和彦さんと
お父さんの家元は

あんまり うまくいってないって
聞いたけど…。

いや うまくいってないどころか
犬猿の仲だったようだ。

犬猿の仲? どうして?
うん。

実は 和彦は西川の愛人の子で
本妻が亡くなった後

あの家に引き取られたんだ。

愛人の子だったの…。

その時 和彦は
高校生だったんだが

西川にとっては
たった一人の血を分けた息子で

京流を継がせるために
華道の勉強もさせた。

だが 彼が大学生の時

実の母親が亡くなって
様子が変わった。

和彦さんのお母さんが
亡くなって? どうして?

母親の葬儀の時
西川が意外にも冷たく

ひっそりとさせた事が
和彦には解せなかった。

それから和彦は
父親に反抗し始め

やがて華道の稽古も
一切 やめてしまって

大学を卒業した後
芸術雑誌のライターになったんだ。

といっても
それは父親の強力なコネでさ

和彦は 父親には反抗したい。

だが 父親の傘の下から
抜け出せない…。

まあ 本人も
ジレンマだったろうな。

そうだったんだ…。

(パトカーのサイレン)

なぜ 現場から
いなくなったんです?

わかりません。 気が付いたら
車を走らせてたんです。

鴨川から鞍馬へ 鞍馬から貴船へ
比叡から琵琶湖へと…。

夢中で車を運転し続けて
疲れ果てて

それで家に帰って来ました。

現場から逃げ出した理由は
わからないとおっしゃるんですね。

ショックだったんです。

ものすごくショックで
何が何だか わからなくなった。

父が死ぬなんて…
あんな死に方をするなんて…。

鑑識からの報告だと

西川の死亡推定時刻は
死体発見の数十分前。

青酸性の毒物が
転がっていた おうすの茶碗から

検出されている。
だが その茶碗には

西川の指紋しか
付いていなかった。

茶室は密室。 遺書はなし。

関係者への聞き込みでは

西川は 特に自殺に値するような
トラブルらしき事は

抱えていなかったようです。

死んだ夜には
あるレストランに予約をとって

親しい友人と食事をする
約束までしています。

まあ つまり西川には
自殺する理由も素振りも

何もなかったって事だ。

茶碗の指紋も どうもおかしい。

まあ普通なら 誰かしらの指紋が
付いていてしかるべきなのに

西川のものしか検出されなかった。
それ自体が非常に不自然だ。

恐らく
茶碗に毒を塗った何者かが

あらかじめ あらゆる指紋を
拭き取っていたとも考えられる。

これは 密室問題を除けば
殺人事件とみていいだろう。

それから 息子の和彦だが

本人は 父親殺しの犯行を
否認しているが…。

あの場にいた すべての人間に
西川を殺すチャンスはあったはずだ。

関係者達の西川をめぐるトラブル
怨恨関係を 洗う必要がある。

西川さん!

特に 第一発見者の東郷流風
小川麻衣子 久条麗子

この3人の身辺は
徹底的に洗ってほしい。

(一同)はい。

いいですか。 新聞社 放送局など
マスコミ関係には

今回の事については まだ何も
わかってないのですから

どんな問い合わせがあっても
うかつに答えてはいけません。

(一同)はい。
ですが 久条先生

今月の うち主催の展覧会や
家元のスケジュールについては…。

それらについては
こちらが落ち着き次第 数日中に

私が直接連絡いたします。
はい。

お願いします。
(一同)はい。

和美さん
お待たせしてごめんなさい。

いえ。 すいません
お取り込み中のところ。

全国のうちの流派から
家元の後継についての

問い合わせが来ているの。
お悔やみの言葉もそこそこに…。

家元を誰が継ぐか… ですね?

警察は 家元の死について
私を疑ってるわ。

和彦さんの事も。

麗子さんを疑うなんて
ありえないですよ。

でも 和彦さんは
疑われても仕方がありませんね。

大体どうして あの日 現場から
逃げ出したりしたのかしら?

本人は ショックのあまり…
って言ってるわ。

そういう人なの。 弱い人なの。

そんな弱い人に
華道の家元なんか継げますか?

和彦さんは
ただ弱いだけじゃないのよ。

和彦さんは
家元の愛人の子だって聞きました。

高校生の頃
この家に引き取られて来たって。

(麗子)そう。 私が 和彦さんと
初めて会ったのは

彼が17歳 私が19の時だった。

私と どこか似てる…
そう思ったの。

私の両親は
私が中学2年の時に離婚した。

その後 すぐに母は亡くなって

私は 再婚してしまった父の元に
引き取られた。

≫(笑い声)

よし 食べようか。

さあ いっぱい食べて
あったまろう。

(麗子)でも 新しい家庭に
私の居場所はなかったわ。

私は 華道を勉強したい
そう思った。

それで中学を卒業すると同時に
その家を出て

この京流に
住み込みで入門したの。

すごい そうだったんですか。

すごくなんかないわ。
私は 華の事しか知らない…。

そうすると 和彦さんが
この家に引き取られて来てから

ずっと
一緒だったって事ですよね。

ええ。
だからそうね 弟みたいな…。

あの… で やっぱり
家元と和彦さんは

そんなに仲が悪かったんですか?

和彦さん
私にも よく言ってたわ。

俺は親父の跡を継ぐ気はない。

きれいなのは 表向きだけの

こんな世界に縛られたくないって。

一人息子の和彦さんが
跡を継がないとなると

どうなるんですか?

家元が あんなふうに
亡くなってしまって

いざ次はとなると
やっぱり和彦さんしかいないのよ。

でも 華道を
途中で放り出してるんでしょ?

ええ。 しばらくは
修業もしなくちゃいけないし

大変だと思うけど 私が陰から
支えていきたいと思ってる。

だから 和彦さんさえ
心を決めてくれれば…。

和彦さん。

♬~

感じ悪い。

事情聴取だったんですよね?

ええ。

きっと とても疲れてるのね。
それにしたってねぇ…。

ごめんなさいね 和美さん。
ああ いえ。

あっ そうだ。 もう1つ
訊きたい事があったんです。

あのお茶会の日 東流の家元が
こちらの家元に

随分怒って噛み付いてましたけど
何があったんですか?

実は うちの家元が
ルール違反をしたの。

ルール違反?
ええ。

次の国際環境サミットで展示する
生け花の権利を

うちの家元が強引に奪ったの。

本来なら 持ち回りで
東流の番だったのに。

それで あんなに
怒ってたんですね。

それは怒りますよね 普通。

でも どうして そんな事?

不況続きで どこの流派も
凌ぎを削り始めて…。

家元は和彦さんと
うまくいってないし

お弟子さんの数は減り始めて…
必死だったのね。

それだったら 東流のほうも
必死だったんじゃないですか?

あの時の東流の家元の剣幕は
普通じゃなかった。

それこそ殺意すらあったんじゃ…。

そうよ あの勢いは
京流の家元を殺しかねない…。

和美さん やめて。

そういうふうに 内幕を
スキャンダルにしないで。

スキャンダルって… 麗子さん
人が1人殺されてるんですよ。

その殺された人と
激しく言い争っていた人がいる。

麗子さん この事 警察には?

いいえ。
どうして?

そんな事が明るみに出たら

面白おかしく
書き立てられるだけだわ。

私は 守りたいの。

それは うちの流派だけじゃなくて
他の流派も。

華の世界をもっともっと
広めていきたい。

そうなるように 流派を超えて
力を合わせて頑張っていこう。

そう思っていた矢先に
こんな事件が起きてしまったの。

♬~

夏目君…?

(2人)ははは…!

あっ! ちょっと…。

(車のクラクション)

おい 何してんねん!
早く行かんかい コラ!

もう…。

♬~

そうか…。 そら心配やな 狩矢。

心配なんかしてません。
ムカついてるんです!

そうかて 狩矢。
夏目君が会うてた娘って

あんたより若うて
ピチピチしてんねやろ?

そうですけど?
やっぱりな…。

何ですか?
花も女も新鮮なほど

ええっちゅうこっちゃ。

社長に言われたくありません!
何 言うてんの!?

私は いつでもフレッシュ!
もぎたてのパパイヤ! なあ細川。

社長 もぎたてのパパイヤって
青臭くて食べられませんけど。

アホ! それくらい
フレッシュや言うてんや!

熟れるまで待ってね!
ヘヘヘ…。

(渡辺薫)じゃあ2杯。
2杯。

(2人)ははは…!

(電話の呼び出し音)

「はい 夏目です。 ただいま
電話に出る事ができません」

「発信音の後に お名前とご用件を
お話しください」

もう… 何やってんのよ。
夏目君たら…。

≫ただいま。

ねえ お父さん。
ああ?

東郷と西川が
トラブルになってたって話

当然知ってるわよね?

何だ 疲れて帰って来たってのに
また事件の話か。

お前にな 捜査の話を
する訳にはいかないんだよ。

母さん メシ。

(狩矢澄江)はいはい
支度できてますよ。

何よ メシ メシって…。

せっかく こっちから情報
教えてあげようと思ってるのに。

あっそう。

サミットの展示の権利の事か?

ルール違反だって西川が
非難されていた話なら聞いてるよ。

東郷と西川は 茶会の日
激しく言い争ってたわ。

もちろん 京流のお弟子さん達は

その事を警察には 誰一人
言わなかったでしょうけど。

何だ? これは
あの日の出来事なのか?

そうよ。 私 取材で
そこにいたんだもの。

(咳払い)
まあ たまには 役に立つな。

あら…!? お父さんは?
何か また出かけてった。

もう 和美ったら。

せめて食事の後にしてくれれば
よかったのに。 もう…。

わぁ おいしそう~。

東郷さん あなたは西川さんを
恨んでいたんじゃないんですか?

恨む? いや 大げさですね。

そりゃあ まあ確かに
サミットの事で

私も少しは
カーッとなりましたけどね。

でもね刑事さん。
まさか それで人を殺すほど

私はバカじゃありませんよ。

いやサミットじゃなく
別の件で…。

別の件…?

♬~

その女性は
あなたの奥様 悠子さん。

そして その男のほうは
殺された西川さんです。

あなたは この報告を聞いて
おっしゃったそうですね。

「あの男 ぶっ殺してやる」って。

まあ仕事も 奥様も 両方
取られてしまった訳ですから。

この不倫の事で あなたは相当

西川さんを 恨みに
思っていたんじゃないんですか?

私はやってない…。

♬~

いや 今度の事では 夏目君
本当にありがとう。

興信所からのリーク
西川の不倫の…。

(咳払い)
不倫の写真。

いやぁ まさか こんな形で君に
捜査に協力してもらえるなんて。

あっ いえ。 いや 僕のほうこそ
お父さんのお役に立てて光栄です。

あっ すみません。
また お父さんだなんて。

いやいや いいんだよ
お父さんで。

それよりさ あの うちの和美とは
その後うまくいってるのかな?

はい。 まあ お互い
忙しい身ですけど 何とか。

何とかって…。

もしかしたらさ 君の押しが
足りないんじゃないの?

押し… ですか?

そう。 お互いの気持ちを
しっかり語り合ってね

近い将来について相談すると。

いや 君は男なんだからさ

男のほうから
バシッと切り出すというか…。

だから押しだよ 押し。
はあ…。

いや… でも まあ いつも
こういうところでお茶飲んで

パタパタっと仕事に戻るっていう
感じなんで。

(ため息)
パタパタじゃ…。

そうだ! 比叡山。

夏目君ね 今度 和美を連れ出して
比叡山にドライブに行きなさい。

比叡山にドライブですか?

そう。 和美はね 子供の頃から
比叡山が大好きでね

何かというと比叡山に
連れてけ連れてけ…。

そうだよ。 あそこなら静かだし
きっと将来について語り合える。

和美のヤツ 喜ぶぞ~。
ははは…!

あっ はあ…。

≪(薫)家元。

奥様がお見えになりました。

何ですか? ご用って…。

キャー!

バカ者めが!

家元 やめてください!
家元 おやめください!

♬~

家元 奥様に暴力はいけませんわ。

どうだ? 今夜 久しぶりに
2人で食事でもして…。

ふふふ…。

(携帯電話)

はい。

今夜?

わかった。 承知した。

うっ…!

♬~

♬~

うわっ! あっ ああ…!

♬~

東郷か…。

♬~

散歩中の通行人が
発見したそうです。

死因は 鋭利な刃物で
刺された事による失血死です。

何てこった!

西川殺しの容疑者として
取り調べようとした矢先に

当の本人が 殺されるとはな。

♬~

あなた…。

家元…。

♬~

♬~

この2つの事件は
殺害方法こそ違うが

どちらも華道の家元である事から
何かしらの関係があると見ていい。

失礼ですが サングラスを
取っていただけませんか?

そのアザ どうなさいました?

主人に… 殴られました。

ご主人に?

それは ご主人が
殺された日の事ですね?

ご主人は どうして奥さんに
暴力を?

それは…。

あなたと京流の家元 西川さんとの
不倫の事が

原因じゃないんですか?

そうです。

でも 私じゃありません。

夫を殺したのは
私じゃありません。

昨日 東郷さんが 屋敷で

家元夫人と言い争っていたのは
ご存知ですか?

いいえ 知りませんわ。

では 家元夫人の不倫については
ご存知でしたか?

存じません。

そうですか…。

東郷さんが 出かけられる前 何か
気付かれた事はありませんか?

例えば 誰かに
呼び出されたようだったとか。

知りませんわ。

私 家元に会っておりませんもの。

東郷の妻 悠子は
夫が殺された日に殴られている。

そして 東郷が殺された時刻の
アリバイはない。

だが 悠子は殺害を否定している。

小川麻衣子も
知らないの一点張りです。

家元夫人の不倫の事も
東郷が誰に会いに行ったかも。

(ため息)
口の堅い世界か…。

警部 東郷悠子は京流家元の西川と
不倫関係にあった。

それを恨みに思っていた東郷が
西川を殺し

そして その東郷を
妻の悠子が殺した…。

そう考えられませんか?

(ため息)

東流の家元が殺されて
社長には嫌味言われて

夏目君は 誰かさんと
楽しそうにやってるし

私一人バカみたい!
だから取材だってば!

東流 家元の事を
聞き出したくてさ。

彼女は 東流の弟子なんだって
弟子!

ほら そのお陰で
東流家元夫人と

京流家元の不倫の話が
聞き出せたりしたんだから。

東流のお弟子さんは
あんなにたくさんいるのに

何で よりによって
あんな すっごい若い娘な訳?

そりゃ やっぱり 同じ話聞くなら
目の保養ができたほうが…。

あっ 違う。 そうじゃない。
最低!

だから その あの…。

おだてりゃ何でも
しゃべってくれそうだったから。

もう 知らない!
いや 知らないって ちょっと…。

相対する華道の家元が
2人も立て続けに殺された…。

一体 何のためだと思う?

誰かが得をするため?

う~ん… 2人が死んで
得をする人間は誰だ?

得をするために殺したのかな?
怨恨とか?

う~ん… その場合は
2人を恨んでいた人間。

うん…。

でも 動機の事は
ひとまず おいといて

この密室の謎を解けば
犯人像が浮かび上がると思うの。

うん… 誰が密室を作ったかだな。

ここの茶室は あの殺された
京流の家元の茶室と

ほとんど同じ造りなの。
ほら 見て。

う~ん なるほど。

鍵は京流の家元のそばにあった。

だから 中から
鍵をかけたと考えられる。

でも鍵をかけたまま
外に出る方法なんて…。

襖を外せないのか? これ。

鍵をかけたままでは
襖は外せないわ。

う~ん… となると
襖を破って出てくる…。

でも 襖は破けてなかった。

紙と木だけでできているのに

鉄筋コンクリートの入れ物と
同じくらい 完璧な密室だわ。

ああ 密室はお手上げか…。

おまけに 西川を殺す動機が
強くあった 東郷までも殺された。

ああ… 何だか やな感じ!
うん? どうした?

華道界のドロドロが 今回の事件を
生んでいるような気がするの。

何だか 落ち着かないな…。

よし! じゃあ
気分を変えるために

和美をこれから とびっきりの
場所に連れて行ってやるよ。

ホント!?
うん。

♬~

♬~

何で ここなの!?

何でって これは その
和美が比叡山 好きだって…。

あれ? 好きじゃなかったの?
お父さんでしょ!?

ここが好きなのは お父さんで
私じゃないわよ!

もう… 大体 子供の頃から

どこか連れてけっていうと
ここばっかりなんだもん。

何だ そうだったのか。
やられた…。

私は 動物園とか植物園とか
もっと…。

夏目君!
うん?

あの2人!

♬~

はい。

♬~

和彦さんと麻衣子さん
どうして2人が…?

おい 和美 行くぞ!

♬~

やっと 私達結婚できるのね。

和彦さんの
奥さんになれるのね。

うん そうだね。

もう僕達の邪魔をする者は
誰もいなくなった。

ロミオとジュリエットだったのか。

京流の家元の息子と
ライバルの東流の看板 小川麻衣子。

ちょっと おい…!

私 心配だわ。

麗子さんの事?

あの人 私達の事 絶対に許さない。

関係ないよ。
僕が家元になるんだから。

誰にも反対なんかさせやしない。

私 和彦さんの事
信じていいのね? ああ。

あの2人の事を
誰も知らないのかなぁ。

ねえ これ似合うかなぁ?

あっ 高い。 ダメダメ…。

♬~

2人の事は知ってたわ。

えっ? 麗子さん
知ってたんですか?

ええ。

この事 亡くなった京流の家元も
ご存知だったんですか?

家元もご存知でした。

だったら 京流の家元は

2人の事に
反対してたんじゃないですか?

小川麻衣子さんのほうは

東流を裏切って 京流に
入ろうとしていたのかしら?

あの人は ただ家元夫人の座が
欲しいだけなのよ。

家元夫人の座?

家元は猛反対してらしたわ。

和彦さんが
麻衣子さんと付き合っている。

一緒になろうとまで
思っている事を知って

京流の家元は
和彦さんには継がせない。

遺言書も書き換えるって
おっしゃっていた。

遺言を書き換える?
ええ。

お前なんかには
絶対に 家元は継がせないからな。

お父さん 待ってください。

僕は この京流を継いで
もっと発展させたいんです。

わかってください!
だったら あの女と…。

あの小川麻衣子とは
きっぱりと別れるんだ。

いいか? お前が遊びで
誰と付き合おうが構わん。

だがな この京流の
家元夫人となると話は別だ。

何で 東流の弟子なんかを。
私は絶対に許さん!

とにかく もうお前には
この京流の家元は継がせない。

遺言も書き換えるからな。

家元 お待ちください。

家元のお気持ちはわかります。

でも 遺言を そのように
書き換えてしまっては…。

和彦さんもまだ 小川麻衣子さんと
結婚なさった訳ではありませんし。

せめて もう少し時間をかけて。
ダメだ!

あの女と一緒になると言うなら
和彦には家元は継がせない!

そうして家元は

遺言を書き換える前に
亡くなってしまったわ。

遺言を書き換える前に殺された…。

《茶会の後 休憩になった時
麻衣子さんはいなかった》

《そして和彦さんも…》

家元!
西川さん!

《京流の家元がいなくなって
捜しに行く時

その一陣に
麻衣子さんは加わっていた》

《そして和彦さんはいなかった》

《和彦さんは
勝手知ったる自分の家の茶室》

《密室を作る事は
可能だったんじゃないかしら?》

麗子さん もう一度
茶室を見せていただけますか。

ええ いいわよ。

事件の後 畳を取り替えたの。

これは?

こんな花 初めて見たけど…。

林檎の花。

林檎…? 林檎って
こんな花が咲くんですね。

家元がお好きだったの。

夜久野に行った時

農家の人に頼んで
少し枝をいただいたの。

不思議ですね…。

この部屋で 人が1人
殺されたっていうのに

この花があるだけで
何だか 癒される気がする。

ええ。 花はいつも癒してくれるの。

傷ついた心や
つらい思いを癒してくれる。

四季折々に 花はいつも
人の心を癒してくれるの。

花だけが…。

♬~

私 今日限り
ここを出て行きます。

東流を辞めさせていただきます。

まあ よくもぬけぬけと。

恩を仇で返すっていうのは
この事ね。

今みたいに
うちが一番大変な時に。

私が東流を辞めたいと
思っていたのは 前々からです。

むしろ 今が一番のチャンスって
ところかしらね。

うちを出て京流の息子と
結婚するつもりなんでしょ?

東郷はそんな結婚は
絶対に許さない。

ずっと そう言ってたのよ!

でしたわね。

でも そのお家元も もう
お亡くなりになった訳ですから。

この恩知らず!

私が 何も知らないとでも
思ってるの!?

あんたは色仕掛けで
家元に取り入って

それで今の座まで
のし上がっておいて。

手を出してきたのは
家元のほうです。

あれは完全なセクハラ。
訴えたって いいぐらいだわ。

でも 今さら
そんな事したってね…。

それに 家元が弟子に手が早いの
奥様だってご存知でしょ?

それは…。

ねえ 奥様…。

そういう事に関して

奥様 何も おっしゃれないんじゃ
ないんですか?

何ですって!?

奥様 そう興奮なさらないで。

そうじゃなくても 弟子の中には

奥様が家元を
殺したんじゃないかって

疑っている者もいるんですから。

これからの
東流をまとめていくのに

それじゃ
まずいんじゃありません?

ふふふ…。 とにかく
私は ここを出て行きます。

このまま ここにいたんじゃ
私のイメージまで悪くなるわ。

ごきげんよう。

薫!

はい 奥様!

塩をまきなさい!

あの女が出て行った後
塩をまいて!

おっ!

小川麻衣子だわ。

あれ? あの人…!

この前取材した渡辺薫だ。
何やってんだ?

夏目さーん!

薫ちゃんの好きなもの
何でも頼んでいいからね。

いいんですか?
じゃあ 抹茶パフェ!

薫ちゃんの好きなもの
何でも頼んでいいからね。

ああ 和美も ほら
好きなの頼みなよ。

コーヒーください。
はい。

いや この前は ホント助かったよ。

薫ちゃんが家元の事 話してくれた
お陰でさ…。 ありがとね。

私 夏目さんのためだったら
何でもしゃべっちゃう! ふふ…。

ははは…!
(咳払い)

それで やっぱり
小川麻衣子は出て行ったの?

ここだけの話ですけど。

麻衣子さんは
家元の逆鱗に触れてましたから。

絶対向こうには行かせないって。

向こうってのは?
京流の事だと思いますけど。

やっぱり…。

そんな事したら 華道界に
いられなくしてやるって。

東流は 京流ほどでは
ないですけど

それでもこの世界では
力があります。

うちの家元が
そこまでおっしゃったら

麻衣子さんは逆らえません。

失礼致します。
抹茶のパフェになります。

いただきまーす。
あっ どうぞ どうぞ。

そうか。 東郷は2人の結婚を
絶対に許さなかったんだな。

そりゃそうでしょ。

だって 自分の妻の
不倫相手が西川で。

その西川の息子と
麻衣子さんが結婚すれば

結局は自分のところの
看板である小川麻衣子を

京流にとられる事になるんだもの。

盗人に追い銭ってやつか。

でも早速 麻衣子さんは
東流を離れるようです。

もう 東流もダメですね…。

あの悠子奥様じゃ
東流は仕切れないし。

私も考えないと…。

おいしい!
えっ おいしい? ああ よかった。

社会部記者って 忙しくて
大変なお仕事だと思ったけど

こういう
楽しいお仕事だったんだ?

じゃないってば!
私 お先に失礼します。

ちょっと 和美…!

ははは…。

ははは…。
ふふふ…。

小川麻衣子さん
東流を出て行ったそうです。

麻衣子さんと和彦さんの結婚は
京流の家元も 東流の家元も

2人共が
猛反対してたんですよね。

そう。 当然よ。
その家元が2人共殺された。

もう結婚に反対する人は
いなくなったって事ですね。

たとえ家元が亡くなられても
私は2人の結婚に反対よ。

麗子さんが?

あの人は 家元夫人の座を
狙っているだけですもの。

和彦さんは騙されてるのよ。

家元夫人の座…
そうかもしれませんね。

残念だと思ってるの。

あの人は
本当に実力のある人だから

そんな事をしなくても

いずれ本当に独立する事だって
可能なのに。

麻衣子さんの野心は
はたから見てても すごい。

だから…。
≪(タイヤのきしむ音)

危ない!

(カメラのシャッター音)

麗子さん 大丈夫!?

小川麻衣子… 麻衣子さんが
麗子さんを狙って?

和美さん やめて。

証拠もないのに
そんな事を軽々しく言わないで。

何でもかんでも 華道界の
スキャンダルにしないで。

でも… 現に今!

仮にそうだったとしても…
脅しよ。

そんなの怖くない。
私は絶対に許さない。

あの人が東流を辞めて
うちに入ってくるなんて。

うちの家元は
和彦さんしかいないの。

花粉… そんなものが。
はい。

ガイシャの傷口に ほんの少しだけ
花粉が付いてました。

恐らく ホシのナイフに

もともと付着していたのでは
ないかと。 花粉か。

まあ ガイシャ自身が
華道の家元なんだから

何の不思議もないが…。

もともと ナイフに
付いていたとなると

ホシも その関係者って事か。
ただ その花粉が

日常的に生け花で
使うようなものではなくて…。

しかも曼殊院天満宮にも
その植物はないんです。

一体 何の花粉だ これ?

(監視課員)はい。
その花粉を分析したところ…。

♬~

これはカンガルーポーという お花です。
とても珍しい花でしょう?

今日 初めてご覧になる方も
いらっしゃると思いますが

今日は この花を中心に
作っていきましょう。

さあ いつものように
私が最初に生けますから

皆さん
しっかり見ててくださいね。

まず 花器の長さの2つ分。
そこでカンガルーポーを切ります。

これを中心に添えて…。

大胆に しなやかに
ちょっと後ろのほう…。

和美の言うとおり
久条麗子を襲ったのは

恐らく 小川麻衣子だろうな。

彼女にとって 今や京流の
久条麗子が 一番邪魔なはずだ。

殺そうとしてるなんて…。

まあ 今のところは
ただの脅しだろう。

でも もしも麻衣子が
2つの殺人の犯人だとしたら…。

次は 麗子さんかも。

ああ もう これ以上
何も起こらなければいいけど。

(少女)割れちゃった…。
ああ 割れちゃったねぇ。

すいません。
はい。

ありがとう!

ああ…!
うん? どうした?

夏目君 密室の謎!

♬~

外から鍵をかけて。

♬~

♬~

夏目君 ガス出して。
ああ。

♬~

♬~

あっ…。
ああ。

おっ。

鍵が 部屋に残って
密室になったよ。

風船を使ったトリック。

京流の家元を殺して
密室を作り得た人物…。

一番 動機が強いのは 小川麻衣子。
それとも

遺言を書き換えられるのを
恐れていた 和彦さん?

2人の結婚に猛反対していた
もう1人は東郷だ。

東郷は小川麻衣子に
華道界にいられなくしてやる

とまで言って脅していた。

小川麻衣子には
すごい野望がある。

そしてどんな手を使っても
その夢を叶える。

麗子さんを
車で脅したりまでして…。

京流の家元夫人を狙っていた
小川麻衣子か。

そして西川和彦。
2人は共犯だったんじゃない?

共犯? それもあるな。
2人の利害は一致してるし。

(携帯電話)

はい 夏目です。
わかりました。 じゃあ今すぐ。

和美ごめん。 俺 社に戻んないと。
うん。

この事は
まだ断定できないんだから。

勝手に動くんじゃないぞ。
いいか? フライングなし!

《やっぱり そうだわ。
きっとこの2人が…》

《和彦さんから 真実を聞いて
自首を勧められるのは

麗子さんしかいない》

この企画 絶対いけますって!
「恋愛ダイエット」!

ほらっ 昔から 女は恋をすると
きれいになるって言いますやろ!

何を隠そう この私もね。 なっ?
ああ…。

はあ…。
何 生返事してんの! このスカタン!

恋愛とダイエット!
この2つは 女性に

根強い人気があるんですよ!
社長! 失礼します。

私 麗子さんに会いに
西川邸へ行ってきます。

西川邸? ああ…。

しっかりと真実を
つかんでくるんやで。

行ってきます。
行ってらっしゃい!

私 東流を辞めてきたわ。

和彦さんとの結婚も 進めてる。

そんな事 絶対に許さない。
あんな脅しも怖くないわ。

あなたの魂胆はわかってるの。

そんな事を言ってられるのも
今のうちね。

あなたが 許すも 許さないも
私が和彦さんと結婚したら

あなたには 京流から
出て行ってもらうわ。

私を追い出す気?

ふふ…。
だって… あなたは邪魔だわ。

それとも 自分で
出てってくれるかしら?

ねっ?

(麻衣子の笑い声)

麗子さん
出かけられたんですか?

はい 東流の小川麻衣子さんが
いらっしゃって

2人でお出かけになりました。
小川麻衣子さんと!?

はい。
それで 麗子さんと麻衣子さんは

どこへ出かけたんですか?

確か… 稲荷という言葉を
聞いたような。

稲荷?
このへんで稲荷っていったら…。

もしかして 伏見稲荷?

《小川麻衣子は東流を辞め
和彦さんと結婚して

京流の家元夫人の座を
狙っている》

《でも 麗子さんは

小川麻衣子と和彦さんの
結婚に反対している》

《小川麻衣子にとって
麗子さんは邪魔な存在》

(タイヤのきしむ音)

♬~

《麗子さんが危ない!》

どこ行くんだ!

そんな… 嘘だろ?

♬~

♬~

♬~

《麗子さん…》

♬~

(麗子)はあ… 喉渇いた。

これ。 よかったら。
ああ… ありがとう。

≪ダメ!

麗子さん!
そんなもの飲んではいけない!

麗子さん
そんなもの飲んじゃダメ!

何 言ってんの! あんた!
和美さん…。

和美!
夏目君 どないしたん?

社長 和美 どこ行きました?
和美やったら 西川邸行ったけど。

西川邸に!?

麗子に 会いに行ったんだな。
わかりました すいません!

ちょっ…!
けったいな人やなぁ。

早く その人から離れて。

何なのよ! あんたは!

♬~

和美さんに 近づかないで。

麗子さん…。

動かないで!
麗子さん?

♬~

麗子さん どうして?
(麗子)さあ!

ここから落ちなさい! 早く!
ああっ!

麗子さん 何言ってるの!?
動かないで!

うっ…。

西川と東郷を殺したあなたは
私を殺そうとした。

そこへ 私を助けに来た
和美さんともみ合い

彼女を刺した拍子に あなたは
ここから突き落とされた。

そういう事にするの。

あなたは
和彦さんを愛してなんかいない。

あなたの目的は ただ1つ。

和彦さんと結婚して
京流の家元夫人になる事。

そうして京流の実権を握るつもり。

私は…!
あなたは 私を殺そうとした。

(タイヤのきしむ音)

危ない!

私が邪魔だったのね。

ごめんなさい!
久条さん 許して!

ごめんなさい! お願いよ!
許して!

♬~

♬~

京流の家元を殺したのは あなた。
でも どうして家元を?

和彦さんのため?
そうよ。

私は 和彦さんを
家元にしてあげたかった。

それを私が支えるというのが
私の夢で 生きがいなんですもの。

茶室の密室を考えたのも
麗子さん あなただったのね。

そうよ。

(麗子)お茶会の後 私は家元を
茶室にもう一度呼び出したわ。

大切な相談があると言って
お茶をたてて。

家元。

どうぞ 和彦さん
許してください。

遺言を書き換えるなんて
おっしゃらないでください。

京流の家元は 和彦さんに
継がせてあげてください。

ダメだ。
あいつには もう愛想が尽きた。

せっかく引き取って
私の跡取りにさせようと

思っていたが… ハッ。
所詮は あの女の子だったな。

うっ…!

♬~

♬~

♬~

♬~

あっ…。

東郷流風を殺したのも
あなただったのね?

でも なぜ?
どうして 東流の家元まで

殺さなければならなかったの?

私の母は あの男に殺されたの。

殺された?

東郷流風が 麗子さんのお母さんを
殺したというの?

それについては 俺から説明する。

15年前 久条麗子の母親
岡雅子は自殺したんだ。

自殺?

麗子さんのお母さんが
自殺したというの?

当時 岡雅子は
東郷と不倫関係にあり

その事が原因で離婚した。

ところがその後 東郷に捨てられ
そして自殺…。

麗子さんのお母さんが 自殺…。

来ないで!

(麗子)十六年前 母は
東流の生け花教室に通っていたわ。

その教室で
母は東郷の目に留まり…。

(岡雅子)あっ 先生。
お願いします。

ここなんですけど
うまくいかないんです。 はい。

♬~

(麗子)そして
東郷と恋に落ちてしまった。

♬~

(麗子)でも 母は東郷の

何人もいる 愛人の1人に
過ぎなかった。

♬~

(麗子)それなのに

母は 東郷との その恋に
一途にのめり込んでしまい

東郷との 一筋の恋をとおすために
離婚までして…。

東郷のほうには

母と一緒になる気なんて
これっぽっちもなかったのに。

(麗子)母は結局 東郷に捨てられて
そして自ら命を絶った。

♬~

(麗子)中学2年生の時だったわ。

♬~

母は 白い花が好きだった。

生前の母は 清楚で純粋で…。

母にとって 東郷との事は
浮気なんかじゃなかった。

(麗子)本気だった。

京流の一番弟子の久条麗子さんが
私に 一体 何の用ですかな?

家元。

岡雅子という女性
知ってますか?

岡雅子?
さあ… どこかで聞いたような。

誰だね それは?

16年前
あなたの弟子だった女性。

あなたに見初められて
恋に落ちた。

弟子ねぇ。

見初めたとか 恋だとか…。

ふふっ そんな女は
いくらでもいるからね。 うん?

ふんっ!
うっ…。

ううっ…!
ふんっ!

母の恨み。

ううっ!
ああ…。

16年前 あなたに捨てられた
母の恨み!

♬~

許せなかった。

母を もてあそび
死に追いやった男。

あんな男のために母は死んだ。

哀れな母…。

例の遺体の花粉と
同じ種類の林檎です。

東郷の傷口に付着してた
花粉の出どころは ここだったか。

(杉本)この林檎の花は
久条麗子が持ってきたそうです。

久条麗子が?
彼女 今 どこにいるんだ?

≪(橋口)警部!

警部のお嬢さんが
ここに来られて

久条麗子を捜しに
伏見稲荷へ出かけたそうです。

和美が? あのバカが!

(パトカーのサイレン)

《和美…》

久条さん お願い…。
助けて。

いいえ。
あなたには死んでもらうわ。

あっ!

私が 何をしたって言うの‼
あなたは!

和彦さんを誘惑して
京流の家元夫人になろうとした。

あなたみたいな女

和彦さんの前から
この世から消えるといい!

キャッ うっ!

キャア!?

麻衣子さん!
動かないで!

麗子さん…。

(パトカーのサイレン)

警部!

♬~

ああっ!
(和彦)やめろ!

キャッ あっ!

ああっ‼ ああ!
和彦さん!?

あっ! ああ!
うっ… ああっ!

ああ…。
和彦さん どうしてここに?

もう やめるんだ…。

これ以上 人を…。

和彦さん。

和美!

和美 大丈夫か?
うん。

夏目君。

和美。

ごめんなさい。
和彦さん ごめんなさい。

ああ… ごめんなさい。

知ってたんだ 俺。
あんたが犯人だって事。

このまま黙っていようかと
思ったけど でも…。

もう あんたに これ以上
人殺しをしてほしくなかった。

(嗚咽)

(ため息)

♬~

幸い 小川麻衣子は
脳震盪ですんだ。

もう少しで もう1人の
犠牲者が出るとこだった。

和彦さんは…。

警部さん 和彦さんは
大丈夫なんですか?

彼は 全治一週間のケガだ。

ああ… よかった。

和彦さんに
もしもの事があったら 私…。

なぜだ?
なぜ あなたは西川和彦を?

京流の家元の
息子だというだけで?

私達 似てるんです。

私も母を亡くし
和彦さんもお母様を亡くして…。

私が19の時でした。

和彦さんが京流の家に
引き取られてきたのは。

彼は まだ高校生だった。

私も 中学を卒業したと同時に

京流の家に住み込みで
入門しました。

誰も知らない
西川の広いお屋敷に

たった1人来た和彦さんに
会った時

自分と同じだと感じたのです。

私は 和彦さんを
京流の家元にするためなら

何でもできる
そう思ってました。

そうして 私は彼を支えたい。

ずっとそばにいて 彼を支えて
一緒に華の世界を作っていきたい。

そして いつかきっと東流を
東郷流風を見返してやりたい…。

そう思ってました。

(ため息)

和彦君は あなたの犯罪を
知っていて 誰にも言わなかった。

誰にも言わずに
あなたを守ろうとした。

なぜだか わかりますか?

いいえ…。

彼は あなたの事を
ずっと 姉のように思ってきた。

姉のように…。

彼もまた
西川の家に1人で入ってきて

あなたに会った時以来 ずっと
あなたを大切に思っていたんだ。

本当のお姉さんだったら
私 こんなに苦しまずにすんだ…。

あなたは女性として
彼を愛していたんですね。

♬~

♬~

和彦さん…。

結婚はやめにした。

これから しっかり修業して
家元になる。

僕は 京流を守っていくよ。

♬~

きれい…。

和彦さん。
きれいに生けたね。

♬~

おっ なかなか
きれいに生けたな。

えっ? ふふ…。

和美は?
デートに行ってますよ 夏目君と。

はははっ!
ああ 比叡山に行ったか。 へえ~。

いいえ 大阪ですよ。
お弁当を持って。

バカ 言っちゃいけないよ。

比叡山だよ。
何 言ってんだよ。

ははっ… よしよし。

和美 植物を育てるのに
必要なものって 何だか知ってる?

植物を育てるのに 必要なもの?
うん。

それって 土でしょ。 あと水。
うん。 それから?

あっ お日様。
おお。 それから?

えっ まだあるの?
ある。 風だよ。

風?
そう。

土や水や太陽だけじゃ
ダメなんだ。

植物が育つには
風も必要なんだよ。

植物だけじゃないぞ。
人間にだって 風は必要なんだ。

風ねぇ。
うん。

知らなかったな~。

それにしても
やっぱり お花はいいわねぇ。

ははっ 俺は やっぱり
花より和美かな。

うれしい!
それって 花より美しい私って事?

ううん。 じゃなくて 団子。
へへっ。 ああ~ お腹減ったな。

早く 弁当食べよう。 なっ。
もう あげないから!

ちょっと 何で~。 和美!

♬~