ザ・ミステリー『今野敏サスペンス「聖域 警視庁強行犯係・樋口顕」』[字]…のネタバレ解析まとめ

2021年2月26日

出典:EPGの番組情報

ザ・ミステリー『今野敏サスペンス「聖域 警視庁強行犯係・樋口顕」』[字]

内藤剛志主演!今野敏原作の人気警察ドラマ「樋口顕」シリーズ!脱走した少年、殺された主婦…絡み合う事件。「空白の2時間30分」に隠された父と子の秘密!?

詳細情報
出演者
 樋口顕…内藤剛志
 氏家譲…佐野史郎
 樋口恵子…川上麻衣子
 樋口照美…逢沢りな
 藤本由美…片山萌美
 天童隆一…榎木孝明

 遠藤貴子…矢田亜希子
 井沢則之…高橋和也
出演者②
 黒崎雅夫…宅間孝行
 菊池和馬…佐野岳
 黒崎志桜里…高橋由美子
 井沢叔江…中島亜梨沙
 中田裕之…小松利昌
 関修志…大高洋夫
 小林英昭…内野謙太
 原田達也…葵揚
 原田勝治…不破万作
 丸山清…吉岡睦雄
原作脚本監督
【原作】今野敏
【脚本】坂上かつえ
【監督】児玉宜久
番組内容
少年院に送致中の原田達也(葵揚)が脱走し、少年課の氏家譲(佐野史郎)が原田を追っていると、偶然6歳の少年・井沢祐基に遭遇。少年の母親・叔江(中島亜梨沙)の遺体を発見する。警視庁強行犯係の樋口顕(内藤剛志)も現場に駆け付け、警察は原田が犯人ではないかとにらむが…。一方で、樋口は叔江の夫で祐基の父・則之(高橋和也)の言動に違和感を抱く。
番組内容②
アリバイの無い「空白の2時間30分」があったのだ…。自分に疑いの目が向けられていることを感じた則之は、妻が結婚前に勤務していた弁護士事務所の黒崎雅夫(宅間孝行)に自身の弁護を依頼。
一方、被害者の通話記録を調べると公衆電話から毎月2回ほど通話履歴が。叔江には不倫相手がいたのではとの疑惑が浮上する。
番組内容③
そして警察は祖父・勝治の家に身を潜めていた原田の身柄を確保。しかし原田は殺しを否定。その後、荒らされた家の中から勝治の他殺死体も発見される…。

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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マルヒは 身長187センチ やせ型。

紺のTシャツ グレーのズボン。
頭髪は丸刈り。

高見通り本町2丁目付近を
北へ逃走中。

なお
凶器は所持していないとのこと。

東練馬2から警視庁。
東練馬2 どうぞ。

逃走中のマルヒにあっては
現在 緑町本通りを東へ逃走中。

至急 応援要請願います。
警視庁 了解。

付近を警ら中の各移動
各地域課員 機捜隊 自ら隊は

マルヒ確保に特段の留意をされたし。

そこの男性 止まりなさい!

はやぶさ2号から警視庁。
はやぶさ2号 どうぞ。

逃走中のマルヒを
並木交差点上空から視認。

大山通りを西へ逃走。

マルヒは 通行人2人…。

たった今 入ったニュースです。

先ほど午後1時20分頃
練馬区 氷川台の高見通りで

小型トラックが少年鑑別所を出た
護送車と衝突しました。

この事故で
護送途中であった少年が

逃亡しており
警察が行方を追っています。

また 歩道を歩いていた
通行人にも ケガ人が多数…。

あなた 私 出かけるけど大丈夫?

あぁ。 洗濯物 取り込んで
畳めばいいんだな?

すみません
なるべく早く戻りますので。

いや 俺のことは気にするな。

せっかく始めた子ども食堂だ。
しっかり やってこい。

ありがとう。
じゃあ いってきます。

いってらっしゃい。

(パトカーのサイレン)

(救急車のサイレン)

少年課の氏家さんですか?
はぁ…。

練馬東署の関です。
どうも。

さっき
原田の手錠が見つかりましたよ。

現場から100mほど行った
道路の植え込みに

放り投げられていました。

そうですか。

それはそうと 原田が鑑別所から
少年院送致になったそうですが

何をやらかしたんです?

直接的には 傷害事件です。

氏家さんが ヤツを…。
えぇ。

まぁ 一応 近隣住民には
注意を促していますが

逃げた原田が考えることは
まず金でしょう。

大ごとにならなきゃ
いいんですがね。

おっ!

(泣き声)

坊や! 大丈夫か?

おい 大丈夫か? 大丈夫…。
お母さん!

えっ お母さん?
お母さん!

お母さん どうしたの?
お母さん!

えっ?

なんだ お前いたのか。

お父さんもいたの?
うん。

お母さんは?
子ども食堂のボランティアだ。

お前 仕事は?
有給とった。

あっ!

お前 具合でも悪かったのか?

別に。
つまり ずる休みか。

何 その言い方。

有給は働く者の権利だよ。
ずる休みって発想が昭和だわ。

だからといってな
こんな時間まで ダラダラと…。

やめて 朝からウザイ。

朝じゃないよ。
昼の3時だ 見てみろ 時計!

はい。

はい。 えぇ。

練馬区 桜台。

はい。 はい わかりました。

あっ いえ 大丈夫です。
すぐに出ます。

はい 失礼します。

あとは やっとくから
早く支度したら?

うん。

ウザイか…。

ちょっと失礼します。
すみません。

ご苦労さまです。
ご苦労さん。

樋口!

なんで お前が ここにいるんだ?

死体の発見者だ。
お前が?

2番目だけどな。
最初の発見者は あの子だ。

被害者の息子で 小学1年生。

学校から戻ってきたら

母親の死体を
目の当たりにしたんだ。

かわいそうに。

ちょっと ちょっと…。
大丈夫 大丈夫。

なんで お前が
発見者になったんだ?

護送中の少年が事故に紛れて
逃走しただろ。

あの件で練馬東署に行く途中に
あの子に出くわしてな。

様子が変だったんで うちの中
のぞいてみたら このありさまだ。

ガイシャは井沢叔江 36歳。

この家の主婦だ。

前頭部を花瓶で一撃されてる。

関さん。
はい。

一課強行犯の樋口係長です。

あっ 練馬東署の関です。
よろしくお願いします。

こちらこそ。 検視は?
済んでおります。

死後
そう時間は経っておりません。

死亡推定時刻は
昼の2時前後ではないかと。

これが
財布の中に入っておりまして。

この園芸ショップから ここまでは
徒歩7~8分ですので

帰宅直後に
被害に遭ったのではないかと。

何か盗まれたものは?

財布から
現金がなくなっております。

あとは ご主人に聞いてみないと。

まだ連絡がついておりませんので。
まだ?

会社に連絡してみたんだが
ちょうど外回りでな。

ケータイにも電話してみたんだが
電源切ってた。

そうか。

係長 菊池 見ましたか?

菊池? まだ来てないのか。

遅れました。

遅すぎ! 何やってたの?

いやぁ
今日 休暇だったじゃないですか。

急に呼ばれちゃって
僕も いろいろあるんですよ。

お前だけじゃねえよ。
みんな同じだろうが。

新人のくせに
言い訳ばっかしやがって。

あっ そういう新人のくせにとか

モラハラ的発言
やめたほうがいいですよ。

何? 何がモラハラだ?
いいから いいから。

早く仏さんを拝んでこい。

はい。 じゃあ すみません
いってきます。

誰だ アイツ。

高輪北署から回されてきた新人だ。
天童さんの遠縁だよ。

天童管理官の?
うん。

そうか。 こっちにもまだ
何の情報もないな。

原田の父親のもとには
今 2人向かっているがね。

ところで どうだね? 和馬は。

まぁ これからでしょう。

あれは一見 頼りなさそうだが
頭は いいらしい。

鍛えようによっては
いいデカになると思う。

ひとつ よろしく頼むよ
ヒグッちゃん。

はい 了解しました。
では のちほど。

子どもの気持ち考えてみろ
バカ野郎が!

あっ?
どうした?

あの子の顔に
カメラ向けやがったんだ 無神経な。

どこの新聞社だ? あっ?

『東洋新聞』だな。

申し訳ありません。
彼は まだ不慣れなもので。

え~と
少年課の氏家さんでしたよね?

だから何だ?

氏家さんが ここに
いらっしゃるということは

護送車から逃亡した少年が

この事件に関わっている
ということですか?

そんなことは まだわからんよ。

少年の名前は たしか
原田達也でしたか。

誰に聞いた?

原田の名前は まだ公表してない。

アンタ まさか 実名で
報道するつもりじゃないだろうな。

では警察は 名前を公表する気は
ないということですか?

こういう状況であるにも
かかわらず。

遠藤さんだったな。

名前を覚えていてくださったとは
光栄です。

熱心なのは認めるが
あまり先走らんほうがいい。

未成年者が関わる場合は
特に慎重にな。

すみません ちょっと…。
失礼。

たった今 氷川台の民家から

男物の衣服と財布が盗まれたと
110番通報が入ったそうです。

事故現場の近くの民家ですか?
はい。

原田かもしれません。
ちょっと行って見てくるわ。

わかった。
行こう。

あの刑事さんと
顔見知りなんですか?

どっちの?
先輩の名前 知ってた…。

二~三度 現場で
口きいた程度かな。

ほぉ~。

うちの息子がね

ここの窓開けっぱなしにしたまま
シャワー浴びてたらしいんですよ。

しかも 脱いだズボンの中に
財布 入れっぱなしにして。

あら… 息子さんは?

清! 清! こっち来て説明しなよ。

ほら 早く。

なんで 警察なんか呼ぶんだよ。

だって 財布をとられただろ。

ズボンもTシャツも新しいのに
持っていかれちゃってさ。

財布には いくら入ってたんです?
3, 800円です。

額も少ないし
届けるつもりなかったのに

大げさなんだよ。
そんなこと言ったって アンタ…。

まぁまぁ…
シャワーを浴びたのは何時頃?

えっ?
あぁ 1時半頃だと思います。

ヤツですかね。
う~ん…。

失礼します。

井沢さんですね?

捜査一課の樋口です。

このたびは…。

あの 息子は…。

今 眠っているようです。

ご心配でしょうが
先に少しお話を…。

はい。

今回のことで
最近 何か変わったこととか

気になるようなことは
なかったですかね?

井沢さん?

ありません。

私には 何がなんだか…。

ご結婚されて どれくらいですか?

9年になります。

え~っ 始まってる。

今日は一日
外回りだったそうですね。

午前中は 社で事務仕事でしたが
午後は…。

今日の訪問先は…。

村永製作所と
河本計器という会社です。

この字で合ってますか?
はい。

仕事中は ケータイの電源を
切っておられるんですか?

そういうわけではないんですが
訪問先によっては切ることも。

あの… 息子は大丈夫でしょうか?

あぁ… ショックは
かなり大きかったと思います。

女性警察官が付き添っていますが
やはり…。

私が ケータイの電源さえ
切らなければ

もっと早く気づいて
迎えに来られたんですが…。

すまないことをしました。

ホントに すまないことを…。

祐基!
お父さん!

ごめん。
お父さん。

うん ごめんな 祐基。

あの人 奥さんのこと
一度も話しませんでしたよね。

うん。

死亡推定時刻は
本日午後2時前後。

死因は前頭部殴打による
頭蓋骨陥没骨折。

凶器は室内にあった
備前焼の花瓶であります。

ご存じのように
本事案より30分ほど前に

氷川台の民家で
盗難事件が発生しておりまして

これについて
所轄から説明があります。

盗難があったのは

氷川台5丁目8番地の
丸山宅ですが

ここから 護送車の事故に乗じて
逃げ出した

原田達也の指紋が
検出されております。

原田が丸山家で手にしたのが
3, 800円と少額でありますから

その後 逃亡資金を求め

ここ 桜台の井沢家に
押し入った可能性は

大いにあると思います。

実際 丸山家で盗んだ
ズボンとTシャツを着用した原田を

井沢家近くのコインパーキングの防犯カメラが
捉えております。

では 原田について報告してくれ。

はい 原田の家族ですが

綾瀬にいる父親だけでして

昨日から札幌のほうに
出張に行っております。

帰宅は 明日
ということになってますが

現在 綾瀬南署に
監視を頼んでおります。

無駄だと思うがねぇ。

原田が父親を頼ることは
ないと思いますよ。

どういうことだね?

父親は原田のことを
完全に見放しています。

原田も父親を憎んでますからね。

意地でも頼らないでしょう。

氏家 原田に他の身内は?

青梅に祖父がいる。

ただ 父方の祖父だからな
果たして頼るかどうか。

まぁ 父親よりは
可能性があるだろうけど…。

うん…。
わかった。

まずは 原田の身柄確保だ。

護送中の逃亡ということで
近隣住民の不安も大きく

世間の注目も集めている。

今後の捜査によっては
他の可能性も出てくるだろうが

今は 原田確保を
最優先として動いてくれ。

頼むぞ!
(一同)はい!

こちらにお孫さんの達也さん
来てるんじゃないですか?

達也? 来とらんわ。

連絡もないわ。

来たら
自首するように言ってやるから

それでいいだろ。
ちょっと…。

原田さん。
原田さん。

(小林)どうですか? 他社は。
完全な横並び。

原田のことも
まったく触れてない。

先輩はなんで
原田にこだわってるんですか?

別に
こだわってるわけじゃないけど

原田が傷害で捕まったときに

ちょっと興味があって
調べたのよ。

傷害って何やったんです?

女子高生へのデートDV。

口答えしたとか
LINEが既読にならないとか

そんな理由で
交際相手に暴力をふるって

しまいには
けがまで負わせたの。
へぇ。

時代の流れに
逆行するかのようなことが

どうして また増えているのか…。

考えると悲しくなるわ。

芯のところで 男は
変わってないんじゃないかって。

はぁ…。

アハッ 大丈夫よ。

君のことは
そんなふうに見てないから。

あっ あぁ…。

またそんなこと言って
ホントに大丈夫なの?

とにかく次の定期検査までには
日本に戻ってきてよ。

いいわね? じゃあ。

お父さんたら 自分の心臓に
ペースメーカー埋め込まれているの

忘れちゃってるのかしら?
毎日ゴルフ三昧だって。

どうしたの?

あっ いや これ…。

大変 お父さんに知らせなくちゃ。

いや
戻ってきてからでいいだろう。

どうせ ハワイじゃ
何もできないだろうし…。

あっ そうね…。

たしか 子ども…。

祐基くんだったかな?
大丈夫だろうか…。

電話してみたら?

えっ 誰に?
井沢さんによ。

話したことあるでしょう?
あぁ いや…。

9年前の結婚式で会ったきりだ。
君は?

私だって同じよ。

このごろは
年賀状のやり取りだけだし…。

トースト 温めなおすわね。
うん。

(玄関チャイム)

あっ 失礼します。
あっ どうぞ。

あの 祐基くんは…。

今 2階で休んでます。

あぁ。
どうぞ。

昨日の私の訪問先ですか?

えぇ 午後から
得意先を回られたということで

2軒
会社を教えていただきましたが

こちらで調べたところ

ちょっと
気になることがありまして…。

はい 井沢さん 昨日は

午後いちばんに
村永製作所に行かれて

1時半には
そこ 出られてますよね。

で 次が河本計器なんですけど
訪問時間が4時近くです。

この間の2時間半

どちらに
いらっしゃったんでしょうか?

村永製作所のあと 私は

高田馬場にある クワイ電子
という会社へ向かいました。

ですが 実は
途中で気分が悪くなりまして

しばらく公園で休んでおりました。

ほう なんという公園ですか?

名前はわかりません。

駅から10分ほど行った
神田川沿いの小さな公園です。

時間を教えてください。

たぶん 2時ごろから1時間ほど。

いや もう少し…。

結局 クワイ電子との約束の時間が
過ぎてしまったので

駅へ戻って
押上の河本計器へ向かったんです。

はぁ… あなたが
その公園にいらしたことを

証明することは可能ですか?

いやぁ 無理だと思います。

知った人には
会いませんでしたから。

どうも不自然だな その話は。

えぇ
井沢が公園にいたという時間と

犯行時間が重なってるのが
気になります。

夫婦仲はどうなんだ?
えぇ…。

近所では 非常に仲のいい夫婦だと
思われています。

休日には親子3人で
よく公園で遊んでいたそうで…。

奥さんは週に3回
自宅近くのスーパーで

パート勤めをしていたそうですが

家事も子育ても
手抜きはなかったと。

これは 井沢本人の弁です。
そうか…。

(中田)ただ今 戻りました。
ご苦労さん。

どうだった? 原田の足取りは。
厳しいですね。

念のため 地元のタクシー会社も
あたってはいるんですが

まだこれといって 何も…。

バスターミナルも レンタカーも全滅です。
そうか…。

あっ すみません おっ
あいたっ!

あぁ 高田馬場へ行ってきました。

クワイ電子の担当者には
会えたのか?

はい ただ 担当者はあの日

井沢さんと約束した覚えはない
って言うんです。

えっ?
井沢さんは

何か
勘違いしてるんじゃないかって…。

あぁ…。
井沢はウソをついているのか?

それとも 単なる思い違いか…。

あの 私もちょっと

気になっていることが
あるんですけど…。

被害者のケータイのことで…。
不審なものでも残っていたのか?

いえ 不審というほどのものじゃ
ないんですけど。

あっ なぜか
公衆電話からの通話記録が

毎月2回 あるんです。

毎月?
はい 毎月です。

(天童)今どき
公衆電話からって珍しいな。

どういった類いの電話か
早急に調べたほうがいいだろう。

はい まず
公衆電話の場所を特定してくれ。

わかりました。
それじゃあ僕は

お先に失礼します。
はっ? 帰るの? お前1人?

管理官も係長も まだ仕事中だぞ。
あっ それじゃあ僕

先に夜ごはん
食べてきていいですか?

夜ごはん?
はい 今日まだ食べてないんです。

まだ誰も食べてねえんだよ!

すみません。

(館内放送のチャイム)

ご案内申し上げます。

3番控え室の
はぎわら家の皆様

まもなく 収骨となります。

あっ 失礼します。

井沢さん 申し訳ありませんが
ちょっとよろしいですか?

はい。

警察の方かな?
はい。

よかったら
祐基くんを預かろうか。

すみません。

祐基くん
向こうで ジュース飲まない?

ごちそうになってきなさい。

行こう アイスクリームもあるかもよ。

今の方々は?

妻が独身時代に勤めていた
事務所の方です。

捜査に進展は
あったんでしょうか?

あぁ いえ
奥様の携帯電話のことでお話が…。

ケータイ?
えぇ。

奥様のケータイの通話記録の中に

公衆電話からのものが
かなり残されていたんですが

これにお心当たりはないかと
思いまして。

公衆電話からですか?
えぇ。

月に二度 奥様のケータイに
かかってきていました。

それは いつごろから?
半年前からです。

大変 失礼な質問になりますが

奥様の男性関係については…。
それはありえません。

そういうことは
なかったと思います。

では 再度お聞きします。

奥様が殺された日の午後2時前後
どちらにいらっしゃいましたか?

ですから 以前申し上げたとおり
気分が悪くなって

高田馬場にある公園で
休んでおりました。

なぜ 高田馬場に
いらっしゃったんですか?

それも以前
話したと思いますが

クワイ電子という会社の…。
その会社の担当の方は

あの日 あなたとの約束は
なかったとおっしゃっています。

約束は
してなかったかもしれませんが

私は訪問する予定で…。

うむ… あなたは
約束をしていたとおっしゃった。

公園で休むうちに
約束の時間が過ぎたので

駅へ戻ったとおっしゃったんです。

井沢さん あの日
本当はどちらに?

お父さん。

僕 もらったけど
お父さんにあげる。

祐基が飲みなさい。
いいの お父さんにあげるの。

ありがとう。

私がクワイ電子を
訪問する予定だったのは

ウソではありません。
約束はしてませんが

しばらくぶりに
顔を出すつもりでした。

そろそろ時間なので。

なんか複雑ですよね
あの子のこと考えると…。

井沢夫婦に関して
どれくらい聞き込みをした?

えっと 家の近所と学校関係と

あとは 奥さんのパート先ですけど
人数にしたら30人近くは。

少ないな。
えっ 少ないですか?

アリバイの矛盾が出た時点で
聞き込みの数も やり方も変わる。

凶悪事件の場合
よほど深い関係でもなければ

当たらず障らずの話しか
相手はしないものだ。

それを踏まえて
もう一度 あたってみろ。

えっ でも どこを?
同じ相手でも

接し方次第で
返ってくる答えは違う。

それが 人間ってもんだ
工夫しろ。

はい。

黒崎さん。
はい。

おりいって
ご相談があるんですが。
はあ…。

なんべん言ったらわかるんだ
孫は来てないよ!

ちょっと おぉ…。

帰れ こら! 帰れ!
わぁ!

ごぶさたしてます。

達也は来とらんよ。

連絡もありませんか?

ない。

もし連絡があったら
伝えてもらえませんかね。

自分のやったことから
逃げれば逃げるほど

可能性や自由からも遠くなる。

身の破滅だってね。

達也くんに 強盗殺人の容疑が
かかっているのは

ご存じですか?

なんだと…。

4日前 護送車から
逃亡した少年は

警察の懸命な捜索にも
かかわらず…。

ホントにいるのかな ここに。
えっ?

原田 遠くに
逃げちゃったんじゃないですか?

丸4日 見張ってますけど
何の変化もないし。

洗濯物も じいさんの
1人分しか干してないし。

家の中に干してるかもよ。

でも あのじいさん
畑から戻ってくるときに

弁当 買ってくるんですけど

毎回 1人分ですよ。
そう。

原田 17歳の食べ盛りでしょ。

じいさんと2人で1つの弁当
分け合ってるとは

考えられませんよ。

でも 刑事たちが
見張ってるということは

何かしら理由があるはずよ。

まっ あともう少し頑張ってよ。
へ~い。

弁護士?

井沢さんのことで
話があるそうです。

ああ。

私 黒崎総合法律事務所の
代表を務めております

黒崎雅夫と申します。
葬儀の日に お顔は。

あぁ… まぁ。

井沢さんが あなたに
弁護を依頼されたんですか?

ずいぶん手回しがいいですね。
いえいえ そういうわけでは。

実は 井沢さんの
奥様の叔江さんは

独身の頃
うちの事務員だったもので。

法律事務所の?
はい。

当時は 私の舅が
代表を務めておりまして

叔江さんのことを ことのほか
かわいがっていました。

井沢さんとの結婚式でも

舅が媒酌を務めたほどでして。

まぁ そういった ご縁で

井沢さんから
ご相談を受けたしだいで。

では 先日 お目にかかったのは
あなたの舅さん。

はい。
そういうことでしたか。

はい。

警察は 叔江さんの不貞を
疑っていると聞きました。

いえ そうと
決めつけているわけでは。

無論 まだ捜査の
いち過程でしょう。

しかし 弁護士というより

古い友人として
言わせてもらえば

叔江さんにかぎって
不貞はありえません。

何か根拠が おありですか?

去年 叔江さんが
舅の喜寿のお祝いを

事務所まで
届けてくださいましてね。

その折 少し話したんですが

叔江さん とても幸せそうでした。

(黒崎)井沢さんを心から
信頼されているようでしたし

今の幸せは
井沢さんのおかげだと

何度も おっしゃった。

そんな叔江さんが
不貞を働くでしょうか。

ましてや それがもとで
夫婦の間に トラブルがあったなど。

ええ ですから そうと決めた
わけではないんです。 ただ…。

犯行のあった日の
空白の2時間半ですか。

しかし 人間の不在証明
つまりアリバイは

一般の人には なかなか
証明できるものでは

ありませんよ。
ええ まぁ…。

今後 我々の出番があるとは
思えませんが

万一の場合 全力で井沢さんを
サポートいたしますので

よろしくお願いします。

はぁ。

ふ~ん 弁護士をね。
確かに手回しがよすぎるな。

で お前さんが
井沢にこだわってるのは

やっぱり そのアリバイか。

いや それだけじゃない。

井沢は何か隠している。
それが何かは わからんが。

原田のほう どうなんだ。
行ったんだろ 青梅。

おう もう五分五分だな。

令状とるのも難しいような
状態だと思うよ。

あっ あの女が
張ってやがったぞ 東洋新聞の。

フッ そうか。

まぁ だから 300万を
コインロッカーに隠して

その鍵 なくしたんでしょう。
まぬけな盗人ですよ。

300万って何ですか?

練馬の駅のロッカーに
入れっぱなしになってた

お金なんですって。

桜台の殺しと
同じ日付なんですよね?

ええ。 預けた荷物を
引き出さないまま

3日が過ぎると
その時点で職員がいったん

荷物 引き出しますよね。
ええ。

それでわかって
署に連絡があったんです。

盗まれた金ですか?

当初は 事件性は
なかったんですけどね

今日 タンス預金の300万が
盗まれたと通報がありまして。

じゃあ 万が一
ロッカーに預けた人物が現れたら

その時点で 御用ですか。

こりゃ 確かに
まぬけな盗人だな ハハハ!

あっ じゃあ 僕
そろそろ帰りますね。

はぁ? 今夜は
お前のための一席だろうが。

おい 中田 俺は先に帰るが
ここまでの分は精算してある。

あとは自腹でやれ。
これは どうも。

お疲れ。
ごちそうさまです。

お疲れさまです。
菊池 こら!

はい。
今夜は帰さねえからな。

酒 強要するのは アルハラですよ。
うるせぇな!

ハラハラ ハラハラ言ってんじゃねえよ。
バカ野郎が!

それ パワハラですよ。
お前まで言うのか。

おかえりなさい。

こんな時間まで
ご苦労なことだな。

昼間は 原田のじいさんの家を
張ってるらしいじゃないか。

警察が いつ踏み込むのか
待ってるんですよ。

一向に その気配が
ありませんけどね。

もしかしたら 原田をホンボシとは
見ていないということですか?

う~ん ノーコメントだな。

他に容疑者がいるんですか?
だから ノーコメントだ。

お父さん!
あっ 同じ電車だったのか。

誰?
新聞記者さんだ。

こんな美人が?

お父さん 役得だね。
あのな…。

かわいらしい お嬢さんですね。

どうかね。

ところで 娘さん 元気か?

5年前の ご主人も
巻き込まれた通り魔事件

あの捜査本部に 俺もいたんだ。

気づいていました。

事件は迷宮入りしたけど

当時のことは
よく覚えていますから。

ご近所で最近 引っ越された方
いらっしゃいますか?

さぁ わからないですね

娘さん 待ってるんだろ?
早く帰ってやれ。 じゃあ。

原田は 祖父の家にいますよ。

原田のおじいさん
毎日 畑仕事の帰りに

お弁当を1つ買ってくるんです。

はじめ 自分の夕飯を

買って帰るのかと
思ってましたけど。

前は めったに
来なかったんですけどね。

でも ここ何日かは

毎日 から揚げ弁当を
買っていきますよ

70代のおじいさんが
毎日 から揚げ弁当。

それも ここ数日 急に。

では おやすみなさい。

A班 準備完了です。

動きが出たわ。
えっ… あっ すみません。

令状だ 家宅捜索させてもらう。

失礼。
なっ…。

おい 逃げるな 原田!

おい ちょっと待て…。

やめろよ 放せ!
原田 逃げるな!

逃げたって
いいことなんか ないんだぞ!

乱暴すんな…!

(シャッター音)

よくやった。
ねばった甲斐があったな。

ありがとうございます。

コイツが桜台の殺しのホンボシなら
局長賞もんなんだがな。

次も頼むぞ。
はい。

(小林)遠藤さん!

まずいことになりましたよ。

氏家さん 原田の名前と経歴
ネット上で拡散されてます。

なにっ!?
新聞の写真と一緒に。

で 原田の記事だけど。

どういうことだ。

原田が殺しに関与したかどうかは
まだ可能性の段階だ。

それなのに ホンボシであるかのように
憶測されて

名前まで拡散された。
この写真のせいでな!

でも 拡散したのは…。
ああ 確かに

拡散したのは ネットという怪物だ。

だが その怪物に餌をやったのは
アンタじゃないか!

私には 原田の写真を掲載した
という認識はありません。

なに?
逮捕の瞬間を撮った

写真を掲載しただけです。
アンタ 自分でも

まずいことになったと
思ってんじゃないのか?

だから 妙な へ理屈を並べて
言い訳してんだ!

だいたい アンタ 少年法のことを
どう考えてるんだ。

(氏家)やっぱり
なくすべきという考えなのか?

少年法の意義は
承知しています。

なくなればいいとも
思っていません。

ですが 原田にかぎって言えば

少年法は
そぐわないと思っています。

彼の暴力性は 17歳だからといって
擁護されるものではないでしょ。

原田は 身長もあり ガタイもいい。

一方 原田が
つきあっていた女の子は

155センチと小柄です。

そんな女の子に デートのたびに
暴力をふるっていた

原田のような男を
なぜ少年法で…。

アンタ 何も知らないから
そんなことが言えるんだ。

原田はな…。

父親のせいで ああなったと
おっしゃるんですか?

知ってたのか。

原田の父親が 母親に暴力を

ふるっていたことは
知っています。

でも そんな家庭の子どもは
大勢いるし

ほとんどの子が
親を反面教師にしますよ。

氏家さんが
未成年者の更生に

尽力される気持ちは
わかりますが

もし 原田が殺人事件の犯人なら

私は 少年Aと書くべきではないと
考えています。

氷川台の民家で
財布と着替えを盗んだな。

それから着替えて
どこへ行った?

だから池袋だよ! タクシー乗って
池袋 行ったんだよ!

池袋のどこで降りた?

いいかげんなことを言うなよ。
あ?

原田の場合は
あの記者が言うほど

単純なもんじゃない。

背景に何があるんだ?

怒りだよ。
父親と母親に対する。

母親は 原田が
中学2年生のときに亡くなった。

それまで家の中は

父親の暴力が支配しているような
状態だったらしい。

子どもの頃の原田は
そんな父親から

母親を守ろうと必死だった。

それなのに母親は
原田のことを省みず

無抵抗で
殴られるままだったんだ。

原田は 殴られるばかりの
立ち向かおうとしない

そんな母親を
しだいに憎むようになったんだ。

母親を?

理不尽か?

だがな 殴られる母親を
見続けた子どもは

自分が虐待を
受けたのと同じように

傷つくんだよ。

原田も犠牲者か。
ああ。

暴力からは 不幸しか生まれない。

だからこそ
ここで立ち直ってほしかった。

あなたへの疑惑が
強まるかもしれません。

逮捕された 原田という少年は
容疑を否認し

警察も 原田シロ説に
傾いているようです。

そこで 改めて
お伺いしたいんですが

事件当日の2時前後

本当は どこにいらしたんですか?

高田馬場の公園ですよ。

疑っておられるんですか?
いやいや そういうわけでは。

ただ 今後 あなたの弁護を
引き受ける以上は…。

黒崎さんは あの日
どこにいらしたんです?

えっ?

あの日 事件現場にいなかったと
証明できますか?

ハハハ…。 妙なことをおっしゃる。

私に 事件の日の

不在証明をしろと
おっしゃるんですか?

はい。

なぜ?

なぜ 私に?

妻には
私以外の男がいたと思うからです。

えっ… 井沢さん あなた

叔江さんの浮気を
疑っていたんですか?

彼女は あなたを信頼し

あなたと家庭を持てたことを
感謝していたんですよ。

本当に 心から
あなたに感謝をしていたんです。

私は 感謝されたくて
結婚したのではありません。

感謝ではない。

私が求めたのは
そんなものではない。

心から愛したんです。

この9年 妻も子どもも
自分の命よりも大切だった。

それは 感謝されたいためでは
ありません!

私と妻のあいだには

ウソのない愛情があると
信じたからだ。

でも それが すべてウソなら…。

ウソなら…。

妻の相手が誰か
私は知りません。

でも 妻は自分から
出会いを求める女ではない。

きっと 身近なところに
相手がいたと思います。

あなただとは言いません。

でも あなたかもしれない。

(ラジオの音)

(ノック)

(ラジオの音)

(中田)原田のアリバイですが

今 原田が利用したという
タクシーを探しております。

ですが 流しのタクシーだとすると

その数からして
かなりの時間を…。

ちょっと聞いてくれ!

つい さきほど 原田の祖父が
他殺死体で発見された。

(一同)えっ!?

原田勝治?
原田のおじいさんが?

さっき 支局から
連絡があったみたいです。

どうして おじいさんが。

変ですよね。
原田の逮捕直後だし。

まさか 例の記事が
関係してるってことは…。

遅くなりました!

どうだった? 青梅のヤマは?

物盗りですね。
物盗り?

財布が消えて 室内も
だいぶ荒らされていたそうで。

犯行時刻は?
ゆうべの10時前後。

死因は失血死。

凶器は持ち込んだものではなく
作業場にあった ナタです。

つまり 殺し目的で
侵入したんじゃないってことか。

あると思うかね?
こっちのヤマとの関連は。

さあ どうでしょうか。

ただの物盗りとは
思えないけどな 俺には。

原田は この事件について
どう言ってるんだ。

まったく心当たりがないそうだ。
ただ 相当ショックは受けてる。

あっ。 ネット上で 原田を

鬼畜呼ばわりしていた連中の
しわざってことはないでしょうか。

原田をかくまっていた
おじいさんに

制裁を下すみたいな… ねっ。

わかった もういい。

ところで
井沢の件はどうなった?

まだ これといった進展は。

じゃあ あれは?

被害者のケータイに
毎月 残されていた

公衆電話の通話記録。

結局 あれは何だったんだ?

えっと…。

そちらのほうも 今

鋭意 確認を
取っている最中でして。

原田のシロクロも はっきりせんし

そろそろ 上も
いらだちはじめている。

そんな悠長なことでは
困るんだがね。

申し訳ありません。

(由美)決して
サボっていたわけではないんです。

私なりに
急いではいたんですが…。

それで どこまで わかったんだ?

使用された公衆電話の場所は
いろいろですが

多かったのは 渋谷区内に
設置された公衆電話でした。

ほう。 1回の通話時間は
どれくらいだ?

10分から15分。

被害者のパートが休みの日の

昼間に限定して かけてました。

そうか。

これ やっぱり 被害者の
不倫相手じゃないでしょうか。

証拠が残らないように

公衆電話を使って
連絡をしていたような気がします。

明日からは 公衆電話周辺の
監視カメラを調べてくれ。

はい。

係長。
うん。

さっきは
ありがとうございました。

(笑い声)

これね このお揚げさん
私が煮込んだの。

(菊池)すご~い。

ほら 若いんだからね
もっと食べなさいよ。

これね 私が朝ね 作ったのよ。

こういうの 若い子は食べないか。
(一同)あ~。

いや 僕 おばあちゃん子なんで
こういうの大好きです。

あら そう?
うん おいしい!

かわいいこと言うわね~。

あっ そういえば
さっきの話なんですけど

どこの病院ですか?

池袋にある 豊西病院よ。

私ね そこの皮膚科に
かかっててね。

そこには 泌尿器科があってね
そこで偶然 見ちゃったの。

井沢さんをですか?

もうね 死人みたいな顔して
診察室から出てきたわよ。

なんか よっぽど
悪い病気なのかと思って

声は かけなかったんだけど

あれが 井沢さんだったのは
確かなの。

それなのにさ

病院なんか行ってないって
言ったらしいのよ 井沢さん。

奥さんに。
どういうことですか?

だから 私が見たのは
人違いだって言うのよ。

人違いだったんですか?
違うわよ!

井沢さんが
奥さんにウソついたのよ!

それは いつごろの話だ?

(菊池)事件の
10日くらい前だそうです。

何か 怖い病気で 奥さんには
隠してたんじゃないかって

その人は言うんですけど。

そんなこと お答えできないのは
あなた方も おわかりでしょう。

守秘義務があるわけですから。
ええ。

もちろん
それは わかっていますが。

捜査上 どうしても必要なら
ご本人にお聞きください。

では 命にかかわる病気かどうか

それだけでも
教えてもらえませんか?

命には 関係しません。

じゃあ
たいした病気じゃないんですか。

だから 守秘義務ですよ!

失礼。

か… 係長 これ。
ん?

まさか…。

もしもし? お父さん?

お父さん? もしもし?

(中田)係長 今 どちらですか?

井沢の勤め先を出たところだ。
どうした?

(中田)井沢は
会社にいるんですか?

いや 今週いっぱいまでは
休みをとってる。

私は別件で 用があったんだ。

実は 井沢と
連絡が取れないんですよ。

子どもが 交番で
保護されたんですが。

子どもが!?

(中田)父親が戻ってこないんで
一人で探してたみたいですよ。

保護した巡査が
例の事件の家の子だと知って

こっちに連絡してきたんです。

(中田)どうしますかね?
すぐに手配要請に動いてくれ。

えっ?
自殺のおそれがあるんだ。

理由は あとで説明する。

まず 身柄確保が先だ! 頼む。

学校から戻ってきたら
母親の死体を

目の当たりにしたんだ。
私には何がなんだか。

警察は 叔江さんの不貞を
疑っていると聞きました。

あの刑事さんと
顔見知りなんですか?

二~三度 現場で
口きいた程度かな。

もし 原田が殺人事件の犯人なら

私は 少年Aと
書くべきではないと考えています。

原田の祖父が
他殺死体で発見された。

あると思うかね
こっちのヤマとの関連は。

井沢は 何か隠してる。
それが何かはわからんが。

あっ 黒崎さん。
樋口さん。

どういうことですか?

井沢さんが
失踪したっていうのは。

失踪かどうかは わかりませんが
いまだに 連絡がつきません。

まさか
強引な取り調べなさったんじゃ。

そういうことではありません。

黒崎さんが 最後に
井沢さんと会われたのは…。

昨日です。
どんな様子でしたか?

いや 特に変わった様子は…。

雅夫さん 祐基くんのこと…。

樋口さん もし よろしければ

今夜 うちで祐基くん
預からせてもらえませんか。

えっ?
あのう うちの父が

たいへん心配しておりまして
せめて 井沢さんの行方が

わかるまで うちで
面倒みてはどうかと。

そうですか。 しかし
よろしいんですか?

そのほうが 私たちも
安心ですし。 ねっ?

ああ。

ニワトリの子は?
ヒヨコ。

そう ヒヨコ。
(ノック)

祐基くん 覚えてる?

この前 会ったわよね。

あのね 今夜 お父さん
忙しくて

帰ってこられないかもしれないの。

だから おばさんの家に来ない?

お家に帰る。

でも 一人じゃ怖いでしょ?

お父さん帰ってくるから
大丈夫。

祐基くん 今夜ね お父さん
いつ帰れるかわからないんだ。

だから 今夜 おじさんのところで
一緒に過ごそう ねっ?

お家で お父さん待ってる。

うん でもね…。
帰ってくるもん!

お父さん 絶対 帰ってくるもん!

(泣き声)

井沢:ホントに 俺でいいんですか?

俺が あんまりしつこいから

しかたなく 結婚してやれって
そんなんじゃないのかな…。

違いますよ。

あなたとなら 長い人生を
一緒に生きていけるって

心から思ったんです。

いい家庭を築いていきましょう。

ありがとう

やっと眠ったみたい。

悪かったな。 どうしても
家に帰りたいってきかなくてな。

助かった。

ねぇ あの子のお父さん

戻ってこない可能性があるの?

お母さん
亡くしたばっかりなのに

そんなことになったら
あの子…。

帰ってくると信じて
待ってるんだ。

あの子も 俺も。

なあ 自分の子だと
信じていた子どもが

そうじゃないと わかったとき

父親の愛情は
変化するんだろうか。

誰の話?
誰でもない。 たとえばの話だ。

そう…。

あっ そういえば
子ども食堂に来てる子にも

そんなようなケース
あったらしいわよ。

お前の知ってる子か?
ううん。

私が手伝う前の話。

奥さんの浮気が原因で
離婚したご主人が

裁判までして親権をとったのに

あとになって 自分の子どもじゃ
ないって わかったんですって。

それで?
結局 奥さんが子どもを

引き取ったんだけど
それからご主人

すっかり気力なくして
仕事も辞めたんですって。

そうか…。

でも もちろん ご主人も
気の毒だけど

いちばん傷ついたのは
子どもじゃないかしら。

両親が離婚したっていうだけでも
ショックなのに

自分が お母さんの不倫で出来た
子どもだって知ったら

二重に傷つくでしょ。

成長にも影響するだろうな。

人間不信にならないといいけど。

うん。

ゆうべは
何をなさっていたんですか?

酔っていて
よく覚えていません。

気づいたら あんなところで…。

息子のことでは 皆さんに
ご迷惑をおかけしたみたいで

申し訳なく思っています。

現実から 逃げたんですか。

もしかすると
あなたが抱えている現実は

この中に
あるんじゃないんですかね。

ゆうべ あなたの会社のロッカーで
見つけました。

ここは 豊西病院で紹介された
クリニックですか?

どうして それを…。

医者が教えたんですか?
医者は何も言ってません。

ただ 不妊検査の啓発ポスターを
僕らが見ただけで。

何か 思うところがあって
検査をなさったんですね?

違います。

なんの疑いもなかった。

ただ 2人目が
なかなか できないので

年齢的に何かあるのかと。

奥さんのほうは?

妻は 以前から
しぜんに任せたいと言ってました。

私も それでいいと
思っていたんです。

でも 念のためにと
ホントに念のためにと

軽い気持ちで…。

あなたの場合は
生まれつきの無精子症で

通常の妊娠は不可能です。

非閉塞性無精子症といって
睾丸の機能が低く

精巣内の精子の数が
極端に少ない状態なんです

信じられなかった。

医者は 間違いないと
言いましたが

どうしても信じられず

あとで このクリニックで
検査をし直したんです。

結果が出るまでの数日間

私は まともに祐基の顔が
見られなかった。

それでも あの日

クリニックに向かったときの私は

まだ いちるの望みを
持っていました。

しかし 結果は…。

(井沢)あの瞬間 私は
すべてを失ったんです。

妻も 息子も
幸せだった思い出も。

気づいたら…。

クリニックを出てから 1時間以上も
街を歩き続けていました。

それは いつのことですか?

妻が殺された日です。

クリニックの予約は
ちょうど2時でした。

じゃあ アリバイは
あったんじゃないですか。

どうして話して
もらえなかったんですか。

祐基の耳に入るのが怖かった。

もし あの子が

私が 実の父ではないと
知ったらと思うと…。

私自身 この現実を
受け止められないんです。

裏切られた怒りが
こみあがるのに

幸せだった思い出が
あとから追ってくる。

自分で 自分がわからなくなって

ゆうべは…。

祐基くんは ゆうべ ずっと
あなたの帰りを待っていました。

黒崎さんが 自宅で預かると
おっしゃったが

祐基くんは 家から離れたくないと
言い張ったんです。

お父さんは 絶対に
帰ってくるからと。

じゃあ 子どもの
本当の父親は誰なんだ?

まだ つかめていません。
つかめよ!

とっとと つかんでこいよ!

桜台の主婦殺しのホシが
ソイツってことじゃねえのか!?

そうだろ!

なあ よ~く思い出してみろよ。

じいさん 何か家の中に
大事なもの隠してなかったか?

わかんねえよ 俺には。

しっかり思い出せよ!
おい。

じいさん お前のこと
かくまってくれてたんだぞ。

じいさん殺した犯人はな

仏壇の中まで漁ってたんだ!

ひょっとして お前
何か持ち込まなかったか?

あ?
俺のは 盗んだTシャツと

ズボンくらいしかねえよ。

金は タクシー代で使ったし。

そういえば 財布に
コインロッカーの鍵 入ってたけど。

コインロッカーの鍵?

300万をコインロッカーに隠して
その鍵 失くしたんでしょ

氷川台の民家で盗んだ財布の中に
鍵が入ってたのか?

ああ。
その財布どうした?

金だけ抜いて
財布ごと捨てたけど。

どこに?
民家の近く。

そうか それで アイツ…。

お父さん!
(ドアの開く音)

あっ そうだ。

見て 100点とったよ。

ごめんな 祐基。

ごめんな。

井沢はシロ となると
奥さんの不倫相手が

怪しいってことになりますよね。

どうしますか? これから。
うん…。

はい。
(中田)係長 氏家さんが

原田のじいさんを殺したホシを
割り出しましたよ。

えっ 誰だ?
原田が逃走直後に

盗みに入った 丸山ですよ!
丸山!?

待てこら! 待て! おい!

どけ!

あっ 痛い!
ちょっと アンタたち 何すんのよ!

うちの息子が いったい
何やったっていうのよ!

300万の盗みと 青梅の殺しだ!
ほら いくぞ!

清 どうして…。

なんてことを…。

お母さんが悪かったのかしら…。

ごめんなさい…。

半年前 リストラにあったんですが

次が なかなか決まらなくて。

母から毎日
金のことで責められていました。

それが嫌で
パチンコで稼いだとごまかしながら

盗んだ金を母に渡していたんです。

じゃあ お前が盗んだのは
300万だけじゃないのか?

西武線沿線上で
5軒 空き巣に入りました。

でも
300万みたいな大金は初めてで

それで この金を元手に
家を出ようと思って

いったん
練馬駅のコインロッカーに隠したんです。

けど ロッカーの鍵は
シャワーを浴びている間に

財布と一緒に
脱走少年に盗まれました。

金のことは残念だけど
それより

少年が捕まって ロッカーの件から
自分が窃盗犯だとバレるのが

怖かったんです。

なんとか少年が捕まる前に
鍵を取り戻したかったけど…。

そのうち少年が逮捕されて
でも 鍵の話は出てこないし。

あぁ きっとまだ
誰も気づいてないんだと思って

ネットの書き込みで知った
おじいさんの家へ行ったんです。

孫が アンタの金
盗んだっていうのか?

お金は いいんです。
大事なものを

財布にしまっていたんで
財布だけ返してもらえれば。

なんで警察に言わん?

言いましたよ でも…。

警察はまだ
何も回収できていないので

直接 交渉してくれと。

おかしな話だな。
聞いたことねえわ そんな話。

とにかく お宅のお孫さんが
僕から財布を盗んだのは

間違いないんですよ。
黒い財布です。

知らんな ここにはない。

あっ 警察にあるんじゃねえか?

わしが聞いてやるわ。

警察はいいんですよ
財布さえ返してくれれば。

警察に知られると
困ることでもあんのか?

どけ!

やめてください。
ホントにやめてください。

うるせぇ!

どうせ なんか魂胆があって
来たんだろ?

年寄りだと思ってバカにしくさって。

警察呼んでやるから
おとなしく待ってろ

本当はアンタ

真面目で
気の弱い男なんだろうな。

口うるさい母親から
逃げられずに

金を盗んでまでして
渡し続けていたんだから。

青梅の捜査本部では
今頃 祝杯をあげてるだろうな。

労せずして
ホシが挙がったわけだからな。

こちらの朗報は いつ聞けるんだ?

嫌味っぽいんだよな。

ん? なんか言ったか?

だから…。
管理官。

申し訳ありません。

あと一歩のところまで
来ております。

祝杯は
もうしばらく お待ちください。

子どもの 実の父親?
ええ。

状況が状況だけに
慎重にいきたいと思っています。

わかった。
ヒグッちゃんを信じて

待つとするか。 なっ?
はい。

これが
井沢さんのアリバイだと?

ええ。 あの日の犯行時刻

井沢さんは
不妊検査の結果を聞くために

ここに いらしていたんです。

なぜ 彼はそんな検査を?

2人目が欲しくて 気楽な気持ちで
受けたそうですが。

結果は残念なことになりました。

生まれつき子どもができない
体だったそうです。

井沢さんは
祐基くんの本当の父親が

誰なのかを知りたがっています。

先のことを考えれば当然でしょう。

それで…。

彼は どうするつもりなんですか?
祐基くんを。

わからないとおっしゃっています。

この先も同じように愛せるのか
今は自信がないと。

実は 叔江さんのケータイに
渋谷周辺の公衆電話から

月に二度 連絡が入っていました。

我々は
この公衆電話からの相手が

叔江さんの浮気相手ではないかと
睨んでいます。

そこで今
公衆電話周辺の防犯カメラを

当たっているところです。

いずれ
証拠は挙がると思いますが

一番使用された公衆電話は
この事務所の すぐ近くでした。

(雷鳴)

私です。

私が 叔江さんに電話してました。

いつからの ご関係ですか?

叔江さんが この事務所に
勤めていた頃からです。

でも 遊びではなかった。
互いに本気でした。

でも あなたはその頃…。

すでに
私は黒崎家の婿養子でしたし

この事務所を引き継ぐことも
決まっていた。

ですが それをすべて捨てて

彼女と一緒になることを
考えてました。

しかし ある日 彼女のほうから
別れたいと言ってきたんです。

私は 大先生を裏切れません。

あなたにも
裏切ってほしくないんです。

それに あなたの将来が
私のせいで ダメになったら

私 一生 後悔します

(黒崎)そのとき
彼女は井沢さんとの結婚を

決めていたようです。

彼女の結婚後は まったく
会うことはなかったんですが

7年前 舅が
心臓のバイパス手術をすると知って

彼女が病院に見舞いに来たんです。

あのとき 私は自分を抑えることが
できなかった。

今思えば 身勝手な欲望だったと。

井沢さんに対して本当に

本当に申し訳ない気持ちで
いっぱいになりますが

あのときは…。

祐基くんが誰の子どもだったのか
あなたは?

知りません。

彼女も
わからなかったと思います。

けど 井沢さんは毎年

家族写真が印刷された年賀状を
送ってくださっていて

それを見ているうちに
気がついたんです。

祐基くんが
私の子どもの頃に そっくりだと。

しかし 樋口さん
私は 事件とは無関係です。

彼女とは7年前の再会以来
男女の関係を断っています。

でも電話を…。

それは 誤解を避けるために
公衆電話を使いましたが

祐基くんのことを
聞くためだったんです。

叔江さんは

祐基くんに事実を知られることを
恐れていましたが

私が 彼に接触しないという
約束のもとに

子どもの成長を
教えてくれるよう頼みました。

私には子どもがいません。

せめて あの子の成長の様子を
知りたかったんです。

それが 月に二度の電話でした。

事件の日 午後2時頃 あなたは?

クライアントのご自宅から帰る
電車の中でした。

その方のお名前は?

教えることできません。

守秘義務がありますから。

桜台の駅の
すべての防犯カメラを調べろ。

すべてだ。
はい。

ただいま。

おかえりなさい。

誰か来てるのか?
新聞記者の遠藤さん。

えっ?

おかえりなさい。
おじゃましてます。

どういうことだ?

ずっと表でお父さんのこと
待っててくれたんだけど

雨 すごい降ってたし
悪いから入ってもらったの。

お茶までごちそうになって
すみません。

いや。 向こうで話そうか。

それで?

丸山を犯行へと導いたのは

例の 私の新聞記事が
きっかけだって

氏家さんに言われました。
また責められたのか?

私が 原田の逮捕の瞬間の写真さえ
掲載しなければ

原田の仲間にも気づかれず
ネット上での拡散もなく

丸山は 原田の名前すら
知ることはなかったって。

樋口さんも そう思いますか?
私のせいだと。

なんで 俺にそんなこと聞くんだ?

アンタのせいじゃないって
言ってほしいのか?

フフフッ 珍しく弱気だな。

今日の目的は それじゃないだろ?

何が聞きたい?

祐基くんの本当の父親の名前です。

池袋の病院で聞きました。

井沢さんは 子どものできない
体だったんですね?

あの医者が話したのか?
守秘義務を言うわりに

女性の押しには弱いみたいですよ。

書くつもりか?
真犯人につながる情報なら。

すでに掴んでるんだな。

多くの人が傷つく内容だ。
それでも書くのか?

読者の知る権利のためです。

子どもの心を傷つけてまで

読者の好奇心を
満たそうというのか?

なぁ 遠藤さん。

俺やアンタの仕事は 怖い仕事だ。

ひとつの判断 ひとつの記事で

他人の人生を
狂わせてしまうこともある。

その怖さを肝に銘じて

俺たちは
仕事をすべきじゃないのか?

5年前 夫が通り魔事件に
巻き込まれたとき

警察は私に対して
すべての情報をシャットアウトしました。

私が新聞記者という理由で。

警察の秘密主義が
ときに冤罪を生み

ときに捜査の遅れを
招いてきたのも事実でしょう?

刑事としての
樋口さんの矜持は尊敬します。

でも 私は私のやり方で
真実を追います。

これからも
警察とはぶつかるでしょうね。

警察の隠蔽体質には
容赦しませんから。

覚悟しといてください。

どうだ?

それが
桜台の駅の防犯カメラからは

黒崎を見つけることは
できませんでした。

で 今 念のため
練馬駅のほうも調べてます。

練馬?
はい。

井沢家の最寄りは桜台ですけど
練馬は準急が停まるんで

そっち利用したんじゃないかって。
ほう…。

あっ これこれこれ
丸山ですよね?

この丸山の映像は
検察のほうに送られるそうです。

そうか。

黒崎 いませんね。

菊池 止めろ。
はい。

(黒崎)まだか~い!
ちょっと待ってて すぐ行く!

私のアリバイ 証明できましたか。

あなたに いろいろと
お聞きしたいことがあります。

できれば このまま
我々と ご同行いただけますか。

志桜里…。

藤本。

失礼。

志桜里!

床に散らばっているのは
桔梗ですね。

凶器となった花瓶に
生けられていたものでしょう。

同じ日に 練馬駅の防犯カメラに
映っていたものです。

殺害現場に桔梗を持ち込んだのは
あなただった。

なぜ 桔梗の花を?

夫が この花を好きだったんです。

若いころは 花なんかに
興味がなかった夫が

いつごろからか
この花を好きになってて

不思議でした。

でも ある日 わかったんです。

この花は 叔江さんが
好きだったからだって。

(志桜里)2人の様子を
注意深く見てると

お互い思いあってるのが
よくわかりました。

あなたが 2人の関係に
気づいていたことは。

夫も叔江さんも
知らなかったと思います。

結局 叔江さんは
井沢さんと結婚しましたから

騒ぎ立てることはしませんでした。

私は 夫を愛していたんです。

だから 父の権威を笠に着て

あの人を困らせるようなことは
したくなかったし…。

すべて 私の胸に収めました。

でも…。

事件の少し前

たまっていた年賀状を
整理していたとき

気づいたんです。

(志桜里)よく似てました。

子どものころの夫の顔と

年賀状のなかの祐基くんの顔が…。

悩みました。

このことを問いただせば
夫は 私から去るような気がして。

でも とうとう
我慢できなくなって

あの日 叔江さんを訪ねたんです。

どうぞ。

祐基くんに
何かお土産と思ったんだけど

何が好きか わからなかったから。

この花 あなた好きだったでしょ。

この花ね
うちの夫も大好きなのよ。

花言葉は 永遠の愛

叔江さんは 私が言ったことで
何かを察したのか

ずっと おびえた様子でした。

私も どう切り出していいか
わからなかった。

けど あの人 言ったんです。

ご主人と何かあったんですか?

どうして そう思うの?
どうしてって…。

あなた 私がここに来た理由が
わかってるようね。

だったら単刀直入に聞くわ。

祐基くんは 誰の子なの。

井沢の子に
決まってるじゃないですか!

おかしなこと言わないでください。

叔江さん…。

私は あなたと夫の過去の不倫に
目を瞑ってきたのよ。

けど もう
知らないふりはできない。

あなたたち まだ続いてたのよね。

違います! 誤解です!
私たちは何も。

まだ私をだますの!?

私だけじゃない。 あなた
井沢さんもだましてるのよ。

あんなに誠実な人を
あなた だまし続けてるのよ!

井沢さんが ホントのこと知ったら…。
やめてください!

祐基は 井沢の子です!

志桜里さんは
私の家庭を壊しにきたんですか!

私は壊さなかったのに…。

私は あなたのために
身を引いたのに…。

私のため?

黒崎さんは 全部
捨てるつもりだったんです。

あなたと別れて
名前も旧姓に戻すって。

その気になれば
簡単じゃないですか。

子どもも いなかったんだから。

でも それはいけないって…

私のために身を引いた…。

そう言われたとき

あぁ 私は
見下されているんだなって。

女として愛されている自信が
あの人にはあったんだなって。

夫を失うのが怖くて

不倫に気づかないふりを
していた自分が

なんだか惨めで 悔しくて…。

あなたの気持ちは
わからなくはありません。

しかし あなたは

6歳の子どもから
かけがえのない母親を奪った。

それは どう言い繕っても
許されることではないでしょう。

黒崎さんは 舅さんより
引き継いだ事務所から

身を退かれました。

しかし 志桜里さんを
最後まで支えたいと

離婚には応じなかったそうです。
そうですか。

それから
黒崎さんから あなたへ

伝言を預かってきました。

いや…
叔江さんからの伝言でしょうね。

先月 黒崎さんが
叔江さんに電話をかけたとき

はっきりと叔江さん
おっしゃったそうです。

黒崎さん 祐基のことは
もう忘れてください。

祐基は 井沢の子です。

そして 私は井沢の妻です。

誰よりも 今は
井沢を愛しています

9年という結婚生活のなかで

叔江さんは
あなたへの愛を育てた。

そこにウソはなかったと思いますよ。

今後 どうされるんですか
祐基くんのことは。

これからも 祐基の父親でいようと
思ってます。

いずれ 祐基が事実を知る日が
来るかもしれませんが

その日が来たとしても

私が父親であることに
変わりはないと伝えるつもりです。

守り 育て 愛した者が
本当の親でしょう。

はい。

ずいぶん悩みましたが

やっと
そう思えるようになりました。

(祐基)お父さ~ん!

見てて!

ナイスシュート!

待て!
待て!

こっち こっち!

待て!
待て!

パス!

ごちそうさまでした。

おい 自分の食べた食器くらい
片づけろ。

嫁に行けんぞ。
だから時間ないの。

旧世代は すぐ嫁だとか
なんだとか言うんだから。

お前だって旧世代だろ。
はあ?

今は 令和だ。

平成生まれの平成育ちは
旧世代だな。

1本取られたわね。

もう! いってきま~す。
いや だから おい!

お前もプロじゃねえな。

桜台の事件に新事実か? って

ハテナマーク1つつけて
出しゃあよかったのに!

真犯人が捕まった以上
今更 なんの意味があるんですか。

ただの後追い。
それこそプロじゃありませんよ。

先輩 行きましょう。

それじゃ 取材 行ってきます。

そうか。 決断したか 井沢さんは。
うん。

親とは なんだろうな。

実の子でありながら
息子を不幸にした

原田の父親のような例もあるしな。

丸山の母親の例もある。

照美ちゃんも心配だな。
口うるさい父親がいるからな。

うちは大丈夫だろ。

しかし 井沢さん親子には
ぜひ幸せになってもらいたいね。

我々には
祈るしかないのが 歯がゆいが。

まさに聖域だよ。
うん。

他人には 触れられない聖域だな。

あ~あ それにしても
ホントに偉そうだよね。

何? 私が偉そうだって言うのか?
うん。

私のどこが。
だって みんな頑張ってるのに

文句ばっかりなんだもん。

おじさんは
もっと紳士な人だと思ってたのに。

あのな和馬 言っとくけどな

現場では 私は お前の上司だぞ!

おい どうする。
気づかぬふりが親切だろう。

そうだな。

お疲れ。
お疲れ。

あ~。
うまい。