Dr.門倉周平の事件カルテ 診療所の医師・門倉周平(寺脇康文)は、ある晩男が殺害される現場を目撃してしまう。やがて…

出典:EPGの番組情報

ザ・ミステリー『Dr.門倉周平の事件カルテ』[字]

診療所の医師・門倉周平(寺脇康文)は、ある晩男が殺害される現場を目撃してしまう。やがて娘の親友の父が容疑者として浮かびあがる。しかし、第2の事件が発生し…。

詳細情報
番組内容
診療所で医師として働く門倉周平(寺脇康文)は、ある晩殺人事件を目撃してしまう。殺されたのは磯貝保(石黒久也)。恐喝を繰り返していた人物で、捜査線上には磯貝から恐喝を受けていた安部靖(森下能幸)が浮上した。しかし安部は無実を主張。娘の親友の父親である安部が犯人扱いされていることに心を痛めた周平は、弁護士の吉岡(夏八木勲)のもとへ相談に訪れる。しかし、そこから事件は意外な方向へと転がり始め…。
出演者
 門倉周平…寺脇康文
 今村華子…櫻井淳子
 日下部光彦…松重豊
 須田真理…笛木優子
 橋本正子…山口美也子
 大野静江…水沢アキ
 中村フミエ…大島蓉子
 久保寺隼人…永山たかし
 安部靖…森下能幸
 吉岡修一郎…夏八木勲 ほか
原作脚本
【脚本】林誠人
監督・演出
【監督】渡邊孝好

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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(門倉)うん 落ち着いてるね
問題ない。

歌子ちゃん いつもの薬
出しといて。
(歌子)はい。

問題ないことないと
思うんだけど。
どうして?

昨日も嫁を
怒鳴っちゃったんだもの。

血圧 カーッと上がっちゃって
目の前 クラクラしちゃったんだから。

また やっちゃったんだ
美幸さんと。

周平先生 周平先生!

タケルが死にそうなんです
助けて!

美幸さん!
お母さん。

ベッドに。
ちょっと買い物行ってたら タケルが。

何やってるのよ!
抱っこできる? 抱っこ。

ええ。 はい 抱っこしようね。
よし タケル。

よし よ~し。

よし タケル よ~し。

喘息の発作だな。
すぐに 吸入の準備をします。

待った チアノーゼが出てる
吸入じゃ間に合わない ラインとりを。

はい。
ソリタT3 ネオフィリン ソルコーテフ持ってきて。

急いで。
はい!

タケル 息 吸えるか?
息 吸える? タケル。

よし もう大丈夫だ。

よかった。
ああ… うん。

よかった。
よかった。

なんか いいね それ。

えっ?
あっ!

アハハハハハ。

さすが 周平先生
先代に勝る名医だね。

名医だなんて やめてくれよ
そんな大げさな。

いいえ
嫁と 姑のケンカも直しちゃう。

やっぱり 名医ですよ
周平先生は。

だから よせってぇの。
(笑い声)

よし 大丈夫だ うん。

(ノック)

(ノック)

(磯貝)うるせえな 何なんだよ。

(吉岡)磯貝さんですね。

誰だ? アンタ。

弁護士の吉岡という者です。
弁護士?

少しお時間いただけますか?

弁護士が俺に何の用だ?

あれ? もう閉めちゃうの?

(静江)今夜は
水入らずで飲みたい気分なの。

えっ?

命日なんでしょ? 奥さんの。

あっ そうだ 忘れてた。

そんなこと言って…
しっかり覚えてるくせに。

「忘れてしまいたいことや」

「どうしようもない寂しさに」

忘れさせてあげましょうか?
えっ?

私が 奥さんのこと。

えっ?

まずいですよ それは。

(水音)

おっ?

うん?

人じゃないか? あれ。
えっ?

あっ!

キャー!! イヤ イヤ イヤ!
ママ ママ。

救急車 呼んで 警察もね。

あっ やめて 先生!
お願い 死なないで。

違う 違う 違う!
落ち着いて。

ママ!

電話して。
はい。

(華子)身元は?
遺留品に

運転免許証と名刺がありました。

磯貝保 50歳。

大森にある
流星出版の経営者のようです。

溺死? 刺殺?

鑑識の話によると
おそらく刺殺ではないかと。

死亡推定時刻は 午前2時頃。

その時刻 運河に
マル害が落ちる音と同時に

橋の上を逃げ去る 不審な人影を
見たという目撃者がいます。

目撃者?
ええ。

ねっ あの…
ねっ そうだよね。

音でね。
すみません。

あっ!
目撃者って 兄さんなんですか。

華子ちゃんが担当なの?
この事件。

臭い…。
えっ?

お酒 飲んでるの?
あっ ちょっとね。

命日だっていうのに
加奈ちゃん1人にして

何やってんだか。
面目ない。

しっかり
話を聞かせてもらいますからね。

うわっ。

はぁ…。

まるで取り調べじゃないの。

あっ。

ああ…。

(おりんの音)

あっ 先生 おはようございます。
おはようございます。

(戸の開く音)

ただいま。

あっ いや 悪い 悪い。

妙な事件に
巻き込まれちゃってさ。

(加奈)女の人と
一緒だったんでしょ?

えっ?
お母さんの命日だっていうのに。

華子おばさんから
連絡があったの。

お父さん 今 釈放したって。

先手打つよな 華子ちゃんは。
おみそ汁 作ってあるから。

お母さんの大好きだった
しじみのみそ汁。

(みのり)おはよう!

おはよう。

じゃあ 行こっか。
うん。

どうしよう やった? みのり。
(みのり)やってないの。

えっ どうしよう!
2人とも やってないの?

だって 私 みのり やってると
思ったから やってない。

ただいま。

(ブレーキ音)

(衝突音)

交通事故で亡くなった
直子先生と 佐々木先生。

デキてたんだって。

交差点に突っ込んで
無理心中したって話じゃない?

門倉先生
ショックだろうな。

君たち ちょっと

司法解剖の結果 マル害
磯貝保の肺 および胃から

少量の運河の水が検出されたが
直接の死因は

心臓まで達した刺し傷による
失血性ショック死。

現場の橋の欄干
および路上から

磯貝のものと思われる血痕が
発見された。

つまり磯貝は 何者かに
朝潮橋の上で刺された直後

運河に落とされた。

傷の深さから

凶器は 刃渡り15センチほどの
ナイフ等の鋭利な刃物と推察。

しかし まだ凶器発見には
いたっていない。

次 マル害
磯貝保について。

はい。

磯貝の経営する流星出版は

経営実績のない
名前だけの会社でした。

磯貝は 芸能人や著名人の
ゴシップ記事を書いては

それをネタに 恐喝を繰り返す

いわゆる ゆすり屋として
生計を立てていたようです。

記事を書かれた人間が
それを恨んで殺害した。

そういった可能性も
あるわけだな?

はい 磯貝の周辺の
聞き込みを行ったところ

3日前 月島のスナックで

磯貝と言い争う男が
目撃されています。

男?
はい。

氏名は 安部靖 40歳。

安部は 土地売買を専門に扱う
不動産会社を経営してますが

最近は 資金繰りに困り

高齢者を狙った詐欺まがいの
売買を繰り返していたそうです。

不動産トラブルの情報をつかんだ
磯貝が

安部をゆすった…
そういうことか。

よし 安部靖の内偵
状況を見て 引っ張ってきてくれ。

他の者は 引き続き凶器の発見

磯貝周辺の聞き込みに
全力を挙げてくれ。

以上。
(一同)はい!

初診の患者さんです。

は~い はい。
はい。

須田さん どうぞ。
(須田)はい。

あっ。
失礼します。

初めてですね。
はい。

じゃ 奥へどうぞ。

どうされました?
朝から熱っぽくて

体が だるいんです。

熱は 何度くらい?

7度2分。
ああ つらいですね。

はい 結構です。
のども腫れてますね。

かなり
無理されてるんじゃないですか?

お薬 出しておきますから
今日は ゆっくり

休まれたほうがいいですね。

そういうわけにはいかないんです。

どうしてですか?
仕事を休むわけには。

熱だけでも なんとか
止めていただけませんか?

お仕事は 何を?

エステです。
エステ?

佃にも お店があって
2丁目のほうに。

ああ ちょうだいします。

すごい! ジュディって
今 人気のエステサロンですよ。

そうなの?
あっ!

今度 新宿にも大きなビューティーサロンが
できるんですよね?

ええ。
なるほど。

それは無理もするわけだ。 よし
歌子ちゃん 点滴の準備して。

はい。
よろしくお願いします。

だけど 今日だけですよ。

人間 いちばんの資本は
体ですからね。

大切なのは ほら書いてある。

リラクゼーション ハハハッ。

娘さんが いらっしゃるんですか?
え?

ああ いや この頃は
かわいかったんですけどね。

年頃になったせいか
最近は 何を考えているんだか。

男親には
わからないとこがありますよ。

ねぇ 今日のテストどうだった?
全然ダメ。

だってさ 抜き打ちだったんだもん
また お父さんに怒られる。

加奈んちのお父さん 怒るの?
意外。

お母さんだったら
きっと怒るぞって怒るの。

死んだお母さんのせいにして
最低でしょ?

いいよな みのりんちのお父さんは
優しくて。

どうかな?

お父さん 帰ってたんだ
早いね。

(安部)おかえり。
お母さんが 自転車パンクさせて

買い物にも行けないって
言うからさ。

会社閉めて 帰ってきた。
そうなんだ。

買い物くらい歩いていけ
ってんだ。 なあ? ハハハ!

あぁ 加奈ちゃんも おかえり。
(加奈)こんにちは。

やっぱり優しいね
みのりのお父さん。

華子さん。
加奈ちゃん!

お友達?
うん。

そう。
どちらさま?

安部靖さんですね?
ええ。

磯貝保さんが殺害された事件で
署まで ご同行願えますか?

あなた。

ちょっと どういうこと?
お願い。

はい こちらです。

少し話を聞くだけだから
心配しなくていいの ね。

ねぇ ねぇねぇ!
聞いた? 知ってる?

不動産屋の安部さん

今 警察 捕まったよ。
(一同)ええ!?

安部さんって?
ほら みのりちゃんのお父さんよ。

今朝 死体が運河で上がったでしょ
あの犯人 安部さんなんだって。

(一同)ええ!?

物騒な町になったもんだな
えぇ 佃もよ。

これから 安部さんちも大変だ。

はい 次の人は誰?

はい!

皆さん めったなこと
言うもんじゃありませんよ。

安部さんが犯人だと
決まったわけじゃ

ないんですから ね?
はい。

わかりました。

まさか 私が磯貝を殺したとでも
思ってるんですか?

あなたは 仕事のことで
磯貝さんから恐喝を受けていた。

3日前 あなたと磯貝さんが
月島のスナックで

言い争っているのが
目撃されているんです。

だからって…。

ぶっ殺すって
言ったらしいじゃないですか。

そんなもん 言葉のあやですよ。

今朝の午前2時は家にいましたよ。

自宅に?
ええ。

それを証明できる方が
どなたか いらっしゃいますか?

かみさんは夜勤でいなかった。

娘の みのりは寝てましたからね。

つまり あなたのアリバイを
証明できる人はいない。

まいったな。

ねぇ お父さん。
うん?

お父さんが
橋から 人が落ちるの見たの

夜中の 2時頃だったんでしょ?
ああ。

だったら みのりのお父さんが
犯人なはずないよ。

え?

なんか知ってんのか? 加奈。

だって 2時なら
みのりのお父さん 家にいたもん。

家に?
うん。

昨日 お父さんが なかなか
帰ってこなかったから

気になって ずっと起きてたの。

ああ… うん。

そしたら タバコの煙が
流れてきたの。

タバコ?
ほら みのりのお父さんって

いつも 2階の窓のところで
タバコ吸うでしょ。

その煙。

夕方 洗った灰皿に
新しい吸い殻も残ってたんです。

これって
アリバイになるんじゃないの?

う~ん…。

みのりのお父さんは
絶対 犯人じゃないよ!

お父さんから 華子おばさんに
伝えてもらえないかな?

お願いします!

ああ うん。

大丈夫… 大丈夫だからね みのり。

うん。

じゃあ おやすみ。
おやすみなさい。

心配だな
みのりちゃんのお父さん。

お父さんが悪いんだからね。
え?

お父さんが 怪しい人を見たなんて
警察に言うから。

ハッ… だって 見たんだから
言わないわけいかないだろ。

お父さん
酔っ払ってたんでしょ?

どうして そんな状態で
証言なんてするのよ?

う~ん。

お父さん 私の言ったこと
信じてないでしょ。

いや そんなことないよ。

お父さんって どっかで
人を信じてないとこあるよね。

はぁ? なんだよ それ?

お母さんのことだって
本当は信じてないし。

だから命日に こっそり
お酒飲みに行ったりするんでしょ。

そういうの最低だと思う。

おい 加奈!

加奈 入るぞ。

入らないで!

はぁ 加奈…。

やめてよ! 開けないで!
お父さんなんか大嫌い!

加奈ちゃん
タバコ吸ってる安部さんを

見たわけじゃないんでしょ?
うん。 見てはない。

だったら アリバイとして弱いかな。

煙は 別のところから
流れてきたかもしれないし。

う~ん。

加奈ちゃんが 友達を助けたい
って気持ちは わかるけど

真実を見つけるのが
私たちの仕事なの。

兄さん
任せてもらえませんか?

う~ん うん。

あっ ちょっとごめん。

どうしたの? 歌子ちゃん。

先生! 静江さんが!
え?

大野静江さんが
エステで倒れたそうです。

え?

門倉先生が お見えになりました。

ああ 少し高いな。

薬 ちゃんと飲んでる?
静江さん。

それがね… 忘れちゃった。

ダメだよ ちゃんと飲まないと。

高血圧は
病気の一つなんだからね。

若いからって
侮っちゃいけない。

先生に会いたかったのよ。
静江さん!

でも 大事にならずによかった。
ええ。

これが 今度オープンする。
ええ。

あっ ジュディってお店の名前
どういう意味なんですか?

『あしながおじさん』って
ご存じですか?

『あしながおじさん』
あの児童文学の?

ジュディって その小説に出てくる
主人公の女の子の名前なんです。

へぇ~!
子供の頃
好きでよく読んでました。

私にも あしながおじさんが
いないかなって。

それで お店の名前を ジュディに。

ええ。
ふ~ん。

おい みのり 待てよ。

お前んち 警察 来たんだろ?
俺たちみんな知ってんだよ。

お前の親父 人殺しなんだってな。

人刺して
運河に落としたんだってな?

凶器 見せてみろよ。
隠してんだろ!

やめなさいよ!
お前は 関係ねえんだよ!

やめて やめて… やめてよ。

コラッ! 何やってんだ!

やべっ!
行こう!

コラッ! 待て!

大丈夫か? みのりちゃん。

私…。

お父さん… 信じてるから。

これも全部
お父さんのせいだからね。

みのり 行こう。

はぁ…。
こんにちは。

ああ こんにちは。

「ご近所トラブル法律相談」。

だから あなたも早く
お家に帰りたいでしょ。

札なんか すぐ取れんだからさ
ねっ。

そろそろ 本当のことを
話しましょうよ。

だから!

何度も言ってるでしょ!

私は やってないんだから。
ウソもついてないんだから。

家に いたんだから。
ホントなんだから。

はあ~。

磯貝 恨んでるヤツなんか
山のようにいるでしょ。

ね?

あの… 吉岡先生…。

はい。

私 近所で診療所をやってます
門倉と申します。

すみません 突然。

実は 折り入って吉岡先生に
ご相談したいことがあって。

人の噂っていうのは
怖いもんですからね。

ああ…。

尾びれ背びれがついて

時には 人の命を
奪うことだってあります。

ええ…。
まあ どうぞ。

あっ… 失礼します。

まだ 犯人だと
確定したわけでもないのに

ご近所は まるで犯人扱いです。

その安部さんは
まだ 任意同行の段階ですか?

と思います。

ですから 奥さんや娘の
みのりちゃんのことを考えたら

早く 何とかしてあげたいんです。

法律で何か いい手だては
できないものでしょうか?

そうですね…。

今の段階では 法的に介入して
その家族を守るということは

残念ながら難しいでしょう。

そう… ですか。

しかし… 門倉さんでしたね。

はい。

ここに暮らす町の人たちの
良心に訴えることはできますよ。

良心…。

次の相談会で
町の人たちに話してみましょう。

ああ… ええ ぜひ
よろしくお願いします。

吉岡先生… ご家族は?

いや… ご覧のとおり
男所帯の やもめ暮らしですよ。

ああ 失礼しました。

(吉岡)お江戸の昔から

この佃のよさは
人情だと いわれてきました。

人情のよさは 相互扶助。

つまり ここに暮らす人々の
助け合いです。

私も そんな佃の人情と
景色に惹かれて

ここに住み着いた人間の
1人なんです。

いや ところが
善意のはずの人情も

時として 悪意に
変わることがあります。

たとえば 人の噂なんです。

そう 風評。

この 心ない人の噂によって

ある人の心は 深く傷つき

そこに トラブルが生まれます。

そのトラブルを
きちんと解決するのが

私たち法律家の仕事なんです。

どんな ささいな
いさかいでも構いません。

問題など お持ちの方は
ぜひ 私に相談してください。

お父さん。
どうした? 加奈。

みのりの お父さんが
帰ってきたよ。

えっ?

えっ… い… いるのか? そこに。
うん。

行こう。

先生には たいへん
ご心配おかけしました。

申し訳ありませんでした。
いや いや いや…。

ご迷惑を おかけしました。
いや そんな迷惑なんて

これっぽっちも
かかってないですから。

いや しかし よかった。
いや 本当に よかった。

よかったね みのり。

うん…。

泣くヤツがあるか みのり。
だって…。

チケット 買ってきた。

スカイツリーの入場券だ。

明日 母さんと3人で行こう。
すごい…。

いいなぁ。
ありがとう…。

はい。

俺たちも行くか スカイツリー。

お父さん。
うん?

ごめんなさい。
えっ… 何だよ?

この前 私
ひどいこと言ったでしょ。

だから…。

ああ…。

いや 加奈の言うとおりだよ。

確かに お父さんは

人を ちょっと
疑ったりするとこがある。

直さなきゃいけないと思ってる。

謝らなきゃいけないのは
お父さんのほうだ。

ごめん。

お父さん。

うん?

あ… なんでもない。

よし 食べようか。
うん。

いただきます。
いただきます。

(足音)

ハア… ハア…
ハア… もうちょっと。

ハア… ハア… ダメだ。 2キロは無理だ…。

ハア… ハア… ハア…。

やだ…。

(中石)遺体は安部靖 40歳。

前日まで 磯貝殺しの容疑で
取り調べを受けていた。

死因は溺死。

朝潮橋から
転落したものと思われる。

胃の中から
少量のアルコール成分が検出され

橋の上にも 安部が吸ったと
みられる吸い殻が見つかった。

死亡推定時刻は
今朝の1時から3時の間。

外傷は なし。

ここまで 質問は?

はい。
今村。

外傷がないということは つまり
事件性は薄いということですか?

安部は 磯貝殺しで
逃げられないと判断し

発作的に 身を投げた。
そう考えるのが順当だろうな。

自殺… ですか。

今村。
はい。

ちょっと いいか?
はい。

磯貝殺しは
被疑者死亡のまま送検になる。

被疑者死亡って…。

安部を 磯貝殺しのホシと
断定したんですか?

今後の捜査は 証拠固めになる。

そんなの納得できません。
上の判断だ。

管理官も承知してる。

所轄には 不満を口にする連中が
いるかもしれないが

お前は 本庁の人間としての
立場を守ってくれ。

いいな?

ハア… どうして
そうなっちゃうのよ!

正直 私には

夫が無実なのかどうか
わからないんです。

お父さんは…。

お父さんは
自殺なんかじゃないんです。

自殺じゃない!
自殺じゃないんです…。

みのり…。

(杏子)いいから…。

吉岡先生。

私は マヌケな説教を
してしまったのかもしれない。

事件は
まだ終わってないと思うんです。

安部さんは
みのりちゃんと一緒に

スカイツリーに行く約束を
してたんです。

そんな 子供との約束を破って
自殺する父親がいるでしょうか?

いずれにしても 残念な結果です。

俺は 安部さんは
犯人じゃないと思ってる。

自殺でもないと思ってる。

いや そう信じたいんだ。

正直なとこ
警察は どう睨んでるんだ?

話せるはずないでしょ
そんなこと。

ごめんなさい。

何か あったの?

磯貝が ゆすり屋だったことは
知ってますよね?

新聞にも出たから。
うん。

だとしたら 安部さんの他にも

ゆすっていた人間は
何人もいるわけで…。

疑うべき対象は もっと
大勢いたってことだ。
えぇ。

だったら どうして警察は
その大勢を調べないんだ?

わからないんです 磯貝の実態が。
わからない?

磯貝の自宅も
徹底的に捜査したんだけど

いったい どんな人たちに
どんなスキャンダルネタで

ゆすりを かけていたのか。

恐喝の構図が
唯一わかっていたのが

安部さんだったんです。

まさか 警察は
安部さんを犯人にして…。

そんなことは 絶対にさせません。

磯貝は 必ずどこかに

ゆすっていた人間たちのリストを
隠しているはず。

それさえ見つけ出せたら
事件は大きく変わると思うわ。

今村さん…。
磯貝の周辺を

もう一度 徹底的に
洗ってみましょう。

はい 佃南署。

磯貝と安部を殺したのは
弁護士の吉岡修一郎。

え? もしもし もしもし?

弁護士の吉岡がホシって
ガセじゃないんですか?

いいから。

(ノック)

それが…。
吉岡さんと 連絡が取れない?

いつからですか?
今朝からです。

ご自宅の電話も
ケータイも つながらなくて。

立ち会い証明の写真のほうを
1枚 撮らさせてください。

あぁ はい。
こちらへ。

そちらで。
ここでいいですか? はい。

今村さん!
うん?

これ…。

え~と 次が…。

先生 知ってる?
この間の殺人事件の犯人ね

高層マンションに住んでる
弁護士の先生だったんだって!

え?
ほら この前 集会所でさ

講演してくれた。
あんないい先生だと思ってたのに。

今 すごいのマンションが。

警察やら何やらで
大騒ぎになってるの。

ホントなの? それ。
うん。

周平先生 ちょっと。

弁護士の吉岡さんです。
え?

吉岡先生 今 どちらに
いらっしゃるんですか?

吉岡先生 今 どちらに
いらっしゃるんですか?

門倉先生を欺くようなマネをして
申し訳ありませんでした。

まさか ホントに吉岡先生が磯貝を?

磯貝だけじゃありません。

安部さんも。

法律で生きてきた人間が
最後に 法を犯してしまいました。

私は自分の命で
犯した罪を償おうと思います。

もしもし? 吉岡先生…。

クソッ!

出ろ出ろ 出ろ出ろ…。
(呼び出し音)

もしもし 華子ちゃん?

えっ 吉岡から?

うん うん はい。

すぐにケータイの発信場所 調べて。
はい。

(ブレーキ音)

そうですか ご苦労さまでした。

吉岡 確保!
よっしゃ~!

移送の準備。
はい!

磯貝が 脅しをかけてきたんです。

もみ消した
過去の いくつかの事件を

すべて公にする と。

もみ消した?

正義だけじゃ
弁護士は食えませんからね。

(吉岡)私は 金で手を打とうと
磯貝を 橋に呼び出しました。

ところが 磯貝は
それじゃあ足りない と。

あんな ダニのような人間に
一生つきまとわれるのは ご免だ。

そう思った瞬間…
私は 磯貝を刺していました。

そして 運河に…。

ところが 警察は 私ではなく
安部さんを疑いはじめた。

安部靖も あなたが?

釈放された安部さんを
橋に呼び出して

そして また 突き落としました。

これが すべてです。

申し訳ありませんでした。

もしもし 門倉です。

吉岡弁護士が 全面自供しました。

えぇ… とりあえず その報告を。

はい
ご協力ありがとうございました。

あぁ それじゃ…。

みのりちゃんのお父さんを
殺した人が捕まったって。

そう…。

これで みのりちゃんの
お父さんへの疑いは晴れた。

うん… でも なんでだろう…。

私 ちっとも嬉しくない。

うん…。

お父さんもだ。

華子ちゃん。

兄さん!

どうしたんです?
いや やっぱり納得できなくてさ。

吉岡さんのことですか?
うん。

吉岡先生はさ
磯貝殺しの罪を着せるために

安部さんを 自殺に見せかけて
殺した そう自供したんじゃない?

だから そういうことは…。
あ~ いいよ 答えなくて。

安部さんに
罪を着せるってことはだよ

つまり
逃げ切りたいという思いだよね?

でもね 今さら
そんなマネをしてもムダなのは

吉岡先生自身が
いちばん知ってるはずなんだよ。

ムダ?
うん。

吉岡先生は おそらく…。
今村さん!

今村さん!

吉岡が… 吐血して倒れました。
えっ!?

吉岡先生 吉岡先生!

聞こえますか? 先生!

取り調べの最中に
いきなりだ。

まずいな… すぐに救急搬送を!
はい。

先生 今 救急車 来ますからね。
先生!

できるかぎりの処置はした。

しばらく
様子 見たほうがいいだろう。

やはり…。
MKのターミナルだ。

もって 半年ってとこだろうな。
ターミナル?

胃ガンの末期。

だから 吉岡先生が
安部さんを殺したなんて

とても思えないんだよ。

自分の死を覚悟してる人間が
人殺しなんてさ…。

門倉 少し話せないか?

久しぶりだな。
ご無沙汰ばかりで すみません。

いや いや…。

門倉… お前
まだ引きずってんのか?

奥さんのこと。

いえ そんなことは。

交通事故で亡くなった
直子先生と 佐々木先生

デキてたんだって。

交差点に突っ込んで
無理心中したって話じゃない?

心ない噂が
君を病院から追い出した。

噂は
仲間のドクターたちが立てたんだ。

え?

当時 城南医大の外科病棟に

君に敵う技術を持ったドクターは
いなかった。

誰もが 君の能力に嫉妬した。

君が この病院にいるかぎり
ナンバー1にはなれない。

だからだよ。

だから 君を病院から
追い出すために…。

これが 事実だ。

昔のことは水に流して
城南医大に戻ってこないか?

私から 話をつけておく。

君は 町医者で
終わるような器じゃない。

考えてみてくれ 門倉。

日下部さん。

なんだ?

日下部さんは どうして
医者になったんですか?

町医者だった僕の親父は
金儲けに走るわけでもなく

薬代を払うのもままならない
患者さんたちを相手に

毎日
背中に聴診器を走らせていました。

だから うちは いつも貧乏で…。

僕は そんな親父を
どこかで バカにしてたんです。

だけど 城南医大を辞めて
1人になったとき

ふと思ったんです。

親父は 何を支えに
医者を生業としてきたのか。

最新の医療器具もない
ちっぽけな診療所ですけど

僕を頼りに 毎日 通ってくれる
人たちがいるんです。

みんな優しくて あったかくて。

きっと親父も この
人と人とのふれあいを支えに

仕事をしてきたんだ。

今は そう感じています。

もちろん 城南医大も
すばらしい病院ですが

佃を離れるわけにはいきません。

そうか。

すみません。

まあ 気長に口説いてみるさ。

兄さん。

吉岡先生はね

どこか 死んだ親父に似てる。

同じにおいがするんだ。

どうして自分が犯人だと
言い張るんだろう?

何を隠してるんだ? 吉岡先生は。

(和田)吉岡とは
同じ年に 大学に入った

旧知の仲です。
はい。

ですから
伺わせていただきました。

あの… 吉岡先生は
独身を通されてるようですが

何か わけでもあるんでしょうか?
ご存じならばと思いまして…。

吉岡は学生時代 ある女性と
一緒に暮らしていましてね。

ええ。
女性は 同郷の幼なじみでした。

私たち 当時の仲間も

2人は いずれ
結婚するものと思っていました。

ところが 吉岡が
最初の司法試験に失敗した直後

女性は突然 吉岡の前から
去っていったんです。

去った?

吉岡は その悔しさをバネに

二度目の挑戦で見事に
司法試験に合格しました。

弁護士として
脚光を浴びるようになっても

吉岡の心の中には
その女性がいたんです。

吉岡が 独身を貫いたのも

おそらく
それが理由だと思います。

その女性の名前を
覚えていらっしゃいますか?

えっと… あぁ たしか杉山聡美と。

杉山聡美さん…。

すみません。
はい いらっしゃい。

ちょっと
お聞きしたいんですが…。
はい。

(玄関チャイム)

(正子)なんだい?
あ…。

あの 杉山聡美さんが
こちらで働いていたと

お聞きしたもんですから。
アンタ 聡美の何だい?

あ いえ 知り合いってわけじゃ
ないんですが。

杉山聡美さんのことを知れば

ある人を救う手がかりに
なるかもしれないんです。

ある人って 誰だよ?

吉岡さんという弁護士の先生です。

ご存じなんですね? 吉岡先生も。

中に入りなよ。

あ はい。

30年くらい前だったかな…。

聡美が
この町に舞い戻ってきたのは。

幸子という女の子を連れてね。

女の子は 吉岡さんと別れたあと

つきあった男の
子供だって言ってた。

男とは 子供ができて
すぐに別れたって。

ろくに仕事もしないで
酔っ払っちゃ殴るだけの

どうしようもない
男だったらしいよ。

吉岡さんと別れたあとに
そんな男と?

バカだろう?
だから ある時 聞いたんだ。

どうして 吉岡さんを捨てて

そんな クズみたいな男と
一緒になったんだいって。

そしたら 吉岡さんが
司法試験に落ちたのは

全部 自分のせいだって
言い張るんだよ。

まあ 聡美にしてみりゃ

精一杯の芝居をしたんだと思うよ。

精一杯の芝居をして

聡美は
吉岡さんの前から去ったんだ。

聡美さんは まだ この町に
いらっしゃるんですか?

いや もう どこにもいない。
え?

死んだ そのあとすぐに。

悪い病気に やられてね。

それから
しばらくしてからだったかな

吉岡さんが ここに来たのは。

吉岡さんが?

聡美が死んだって
風の噂で聞いたらしくてね。

吉岡さん
驚くくらい立派になってたよ。

でもね 聡美のこと考えたら
なんだか しゃくに障ってね

全部
洗いざらい話してやったんだ。

聡美は
アンタを弁護士にさせるために

泣く泣く別れたんだって。

クズ男とも別れて
ボロボロになって生きて

女手ひとつで 子供を育てて

最後は
体を壊して死んだんだってね。

アンタには わかってんの!?

私が… 私が聡美の…。

聡美の人生を…。

狂わせてしまったのか…

子供は どうしたんですか?
その 幸子って子は。

捨てるわけにもいかないだろう。

よそに出すのも かわいそうだから
引き取ったよ うちで。

あなたが 育てたんですか?

いやいや 私も まだ若かったし

夜は この店があったからね。

面倒見てくれたのは 私の母親。

もう
とっくに死んじゃったけどね。

それから 子供は?

高校を卒業したら
すぐに出てったよ。

お金を持ってさ。
お金?

小学生になった年から
毎月 幸子あてに

お金が送られてくるように
なったんだ。

幸子のために使ってほしいと
手紙を添えてね。

どなたから?

名無しだよ。

名前は いつだって
書いてなかったな。

私は そのお金を貯めて

幸子が 高校を出たときに
通帳にして渡したんだ。

そのことを
幸子さんは知ってるんですか?

いいや。 送り主が
幸子には黙っていてくれと

書き添えてあったんでね。

だけど それっきり幸子からは
音沙汰なしだ。 薄情なもんだよ。

間違った道に
進んでなきゃいいんだがね。

お金を手渡したときに
それが 善意の人からの

贈り物だったってことを
教えてれば

薄情な子に
ならずに済んだのかなって

今でも
ふっと考える時があるよ。

あの… 当時の幸子さんの写真とか
残ってないでしょうか?

写真は全部
幸子が持っていったよ。

あっ…。
今から考えると

幸子は あの時から 私と縁を切る
つもりだったんだろうかね。

縁があったのか なかったのか…。

私は
親のつもりだったんだけどね。

ねぇ アンタ。
はい。

家族って 何なんだろうね。

あぁ… あっ あったあった。

ばあさんがね
1枚だけ取っといたんだよ。

あっ… 拝見します。

うん? このブローチは…。

聡美の形見だよ。

吉岡さんからプレゼントしてもらった
ものだって言ってた。

吉岡さんから?

この幸子って女の子は…。

持っていきなよ。

まだ 起きてたんだ。
うん。

『あしながおじさん』?
そんなの読んでるんだ。

知ってるか?
『あしながおじさん』の話。

うん 知ってるわよ 有名だもん。

孤児の女の子に
あしながおじさんが

ずっと陰から見守って
援助を続けてたって話。

うん。

名前は…。

あっ ジュディ。

彼女はずっと 会えもしない
あしながおじさんに

手紙を書いてたんだね。

きっと ずっとずっと
会いたいって思ってたんだな。

お父さん どうしちゃったの?

加奈 大きくなったな。

なによ? 変なお父さん。

ここが新しいお店になるんですか。

門倉先生。

あぁ… こりゃ すごいや。

ここが 真理さんの
夢の空間なんですね。

でも いい夢も 覚めれば

恐ろしい現実が待ち構えています。

何おっしゃってるのかしら?

あなたの歴史を 辿ってきました。

杉山幸子…
それが あなたの本名です。

あなたは
不幸な子供時代を送った。

そんな過去を消し去りたいから
名前も変えた。

自分にも 本に出てくるような

あしながおじさんがいてくれたら
どんなにいいか…。

そんなことを望みながら。

でもね いたんですよ あなたには。

あなたを見守ってくれる
あしながおじさんが ずっと。

その あしながおじさんは

今度は あなたの罪まで
被ろうとしてる。

弁護士の吉岡先生です。

ご存じですよね。 殺人事件の
犯人と言われてる人です。

でも私には 吉岡先生がやったとは
とても思えない。

真理さん… いえ 幸子さん
あなたですよね?

磯貝と安部さんを殺害したのは。

何を おっしゃってるのか
わからなくなってきたわ。

吉岡先生は あなたのお母さんが
生涯で ただ一人

本当に愛した人なんです。

あなたの そのブローチは

吉岡先生が お母さんに
プレゼントしたものなんですよ。

吉岡先生は 今も
あなたのお母さんを愛している。

真実を話してください。

お願いします。

吉岡先生は あなたからの手紙を

ずっと待ってるんですよ。

吉岡先生。

門倉先生。

先生に
お聞きしたいことがあるんです。

何でしょう?

先生は どうして須田真理さん
いえ 杉山幸子さんの罪を

被ろうとしたのですか?

今村さん! 磯貝が
ゆすってた人間たちのリストが

見つかりました。
どこに あったの?

内縁の女が隠し持ってました。
これです。

これは…。

聞いてくれ。
はい。

エステサロン ジュディの社長 須田真理が

磯貝 安部殺しの主犯だと
自ら名乗り 出頭した。

高校を卒業して上京した私は
住まいを 佃に決めました。

運河のせいか

母と暮らした故郷の栃木に
重なって見えたからです。

小さな古いアパートで暮らしながら

私は 成功することだけを
夢みました。

だけど 夢を叶えるためには
お金が必要でした。

私は 杉山幸子という名を
すべて捨て 懸命に働きました。

昼はエステサロン 夜は銀座のクラブで。

そこで私は 私の夢に
投資を申し出てくれる

投資家たちと出会いました。

もちろん ときには

きれいごとで
済まされないこともありました。

そうやって
金銭的援助を受けた私は

夢の実現へと突き進みました。

だけど やっと
夢をつかんだと思ったとき

磯貝が現れたんです。

お金なら
もう 十分に払ったはずよ。

ちまちました金
何度もらっても

すぐに なくなっちゃってな。

今度は 億単位でくれないかな?

そうしたら ちょっとは
使い勝手もある。

バカ言わないで そんな大金…

磯貝の要求は
どんどん エスカレートしていきました。

もう 限界でした。

今から 15年ほど前のことです。

私が 佃で彼女を見かけたのは。

私は 運命というものを
感じずにはいられなかった。

佃の古いアパートに住み

エステで働き始めた彼女を

私は 頑張ってほしいと思い
見守り続けました。

しかし 彼女は
杉山幸子という本名を捨て去り

金や名誉を持つ男たちに
すり寄り

利用し始めたんです。

そんな彼女の生き方に

私は 危うさと苦さを覚えました。

しかし 彼女は
夢を手に入れたんです。

夢…。

ところが そんな彼女の前に

悪魔が現れました。

磯貝ですね。

新宿のサロンは
彼女の夢の到達点です。

なんとしても
叶えさせてやりたいと思った。

あなたが 須田真理さんを
恐喝していることは知ってます。

今後一切 彼女から
手を引いていただきたい。

お聞き入れ願えない場合は

法的手段を
とらせていただきます。

ハハハ… おもしろいね!

おもしろい話だね!

でも 弁護士さんが出てくりゃ
太刀打ちできねえな。

わかった わかった。

手を引くよ それでいいんだろ?

しかし あの時 私は
引き下がるべきではなかった!

その夜なんですね?
事件が起こったのは。

あの夜 磯貝から
電話がありました。

1億を用意して
朝潮橋に来るようにと。

払う気になったのか 億の金を。

無理よ 私には
そんな大金ないわ。

だから 言っただろ?

他の男のも あるんだぜ。

フフフ…。

地位も名誉もある お人たちだ。

そんなもん 雑誌にでも
載っけりゃ大騒ぎだ!

ハハハハ!

おもしれぇな ハハハ!

なぁ ソイツらから
むしり取りゃいいだろ。

一緒に稼ごうぜ!

女房子供に見せたっていい。

何億だって金 出てくるぜ。

それは やめて。

まだまだ おアツい写真も
たくさん あるんだぜ。

ハハハハ!

何のマネだ?

よこせよ

私の写真なんて
どうでもいいんです。

相手の人たちには家庭があります。
家族がいます。

私は そんな人たちの家庭を
壊したくはなかった。

でも どうして その凶器のナイフが
吉岡さんの自宅に?

運命というなら
あれも そうかもしれません。

あれというのは?

あの夜も 私は
彼女を見守っていたんです。

(吉岡)彼女を
殺人犯にするわけにはいかない。

このことは
私の腹だけに収めよう。

そう思いました。

ところが 今度は安部さんが…。

安部さんは 私が磯貝を
殺したことに感づいていました。

どうして 安部さんが?

私 磯貝の事務所で アンタのこと
全部 聞いちゃったんですよ。

私も磯貝に ゆすられてましてね。

アンタが やったんでしょ?

だけど 心配はいりません。
警察に言いませんよ。

言ったって
1円の得にもならないからね。

家には
かわいい カカアや娘がいるんだ。

ちょっとは いい暮らしを
させてやりたいじゃないですか。

うまいもんの ひとつも
食わしてやりたいしね。

これで いいでしょ?

100万?
失礼します。

こんな はした金じゃ困るんだよ!

3, 000万だよ 3, 000万!

うちの会社は
もう 火の車なんだよ!

こんな金じゃ 娘が不憫だよ!

高校に入れてやることも
できないんだよ!

なぁ! 娘のためにさ…。

アンタだって わかるだろ!?

父親思いの
かわいい娘の気持ちがさ!

あなた お父さんなんでしょ!?

こんなことして
はずかしくないの?

こんなんで… こんなんで
娘が喜ぶと思うの!?

娘を幸せにしてやりたいんだよ!

だからさ 頼んでんだよ!!
頼むよ! 頼むよ!

やめてください!
頼むよ!

やめて… やめて!

うわ~!

私は 安部さんを殺したのも
彼女だと直感しました。

私に できることは…。

彼女に代わって
すべての罪を背負うこと…。

ガンに侵されて
長くはない 私の人生だ。

彼女のために使っても悔いはない。

警察に通報したのも
僕に電話をしてきたのも

全部 自分ひとりで
罪を被るためだったんですね。

だけど…。

吉岡先生は どうして そこまで?

身をていしてでも…。

親は子を守るっていうでしょう?

なりたかった。

この世で愛した
ただ一人の女性の生んだ子の…。

父親に…。

でも…。

それが 本当の愛なんでしょうか?

大切な人を思って
すべての罪を被った吉岡先生…。

愛する娘のために 罪を犯し

命まで失った安部さん…。

先生…。

それが
本当の親の愛なんでしょうか?

門倉先生…。

あなたは
どんなお父さんなんですか?

僕は この5年の間

妻の死から逃げてきました。

自分のことしか考えず

僕よりも
ずっと悲しい思いをしている

娘の気持ちも考えずに…。

父親失格です。

難しいですね 父親になるって。

門倉さん。

行ってきなさい。

本当の娘でもないのに
血も つながってないのに…。

こんな私のために
罪を被ってくれて…。

ありがとうございます。

あしながおじさん。

あなたのおかげで
私は生きてこられました。

あなたのおかげで 私は
生きてくることができました。

ありがとうございました。

許しをこうべきは むしろ私だ。

私は 君のお母さんの心を

くむことができなかった。

私のために 自ら身を引いた
お母さんの心を。

幸子 許してほしい。

許してほしいのは 私です。

お父さん。

きれいですね。

華子ちゃん 君のお姉さんはね

曲がったことが いちばん嫌いな

一本 筋の通った
女性だったと思うよ。

君に似てね。

私も 兄さんと同じね。

何が?

姉さんのこと
どこかで信じられなくて

同じところをグルグルまわってたもん。

5年間。

トンビみたいにね。

これ みんなの気持ち。

荷物になっちゃうけど。
すみません。

やっぱり これよ。
ありがとうございます。

あの 皆様 本当にいろいろ
お世話になりました。

故郷で仕事を見つけて
親子2人で頑張ります。

みのり。
ありがとう。

みのりちゃん
お父さんは 最後の最後まで

みのりちゃんのことを
気にかけていたそうだよ。

お父さんが?
うん。

お父さんはね ずっと
みのりちゃんのことを

見守ってると思うよ。

だから みのりちゃんも
お母さんと2人 頑張ってね。

ありがとうございます 周平先生。

絶対 遊びにいくからね。
絶対だよ。

じゃあ 行きます。
はい。

頑張って。
はい。

気をつけて。
しっかりね。

頑張るんだぞ。
バイバイ!

体に気をつけるんだぞ。
バイバイ!

頑張ってな。
メールして メール ねっ。

頑張れよ。
またね。

加奈 お父さん
行きたいところがあるんだ。

うん?
つきあってくれるか?

よかったね お母さん。

お父さん やっと来てくれたね。

お母さんは この日が来るのを
ずっと待ってたんだもんね。

お父さん。
うん?

お父さんは
お母さんに なんて言ったの?

あのね…。

加奈が こんなに立派に
成長しましたって。

周平先生。
おっ はい。

お腹が空いた。 何か食べにいこう。