早乙女千春の添乗報告書9 箱根湯けむりツアー殺人事件 “着付け教室付きの箱根旅行”の添乗員を引き受ける。そこで千春は…

出典:EPGの番組情報

[字]ミステリー・セレクション・早乙女千春の添乗報告書9 箱根湯けむりツアー殺人事件

箱根で起きる連続殺人事件を美人ツアーコンダクターの早乙女千春が解き明かすサスペンスドラマ。

詳細情報
出演者
名取裕子:早乙女千春
蟹江敬三:須藤正次 ほか

番組内容
“着付け教室付きの箱根旅行”の添乗員を引き受ける。そこで千春は着付け講師として参加する伊庭勇介に一目惚れ、添乗にも力が入る。が、ツアー途中で、参加者の1人・石垣が何者かに殺害される。事件後、石垣を巡る隠された人間関係が明らかになる。石垣の妻として参加していた里菜は愛人で、本妻は伊庭の元妻・真苗であった。さらに事件を知り駆けつけた須藤は、石垣の妻として現れた真苗に驚く。
原作・脚本
脚本:いとう斗士八
監督・演出
演出:長尾啓司
制作
2000年

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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  1. 真苗
  2. 明子
  3. 石垣
  4. 伊庭
  5. 由子
  6. 俊子
  7. 由香
  8. 里菜
  9. 須藤
  10. 本当
  11. 犯人
  12. 刑事
  13. 沙帆
  14. 彼女
  15. 二人
  16. ツアー
  17. 真弓
  18. 結婚
  19. 出来
  20. 先生

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

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♬~

♬~ (早乙女千春)神崎…

♬~ 私 きれい?

♬~ (神崎慎太郎)ええ とっても。

♬~ (涙をこらえる神崎)

♬~ 神崎…

お嬢さま 長く粘った
♬~ 甲斐(かい)がありましたね。

あんなステキな
♬~ 殿方に巡り会えて。

うん。

♬~「ウエディングマーチ」

♬~

♬~ 《ついに この日が来たのね。》

♬~ 《ついに…》

♬~

♬~ ≪(須藤正次)千春!

須藤ちゃん!
須藤さま…

なんで!?

千春ゥ~!

来ないで!

来ないで! 来ないでったら!

俺が?

そうよ 須藤ちゃんよ。
須藤ちゃんが すごい顔して

こうやって 私のこと
追いかけて来たんだから。

だから何? 今度のツアーは
引き受けられないって言うのか?

引き受けられるわけないでしょ。
大体 私がね

こんなミニのかわいい
飯島直子ちゃんみたいな

ウエディングドレスの…
瀬川瑛子じゃねえの?

失礼しちゃうわね。
1944年10月28日生まれは

動物占いじゃ タヌキ。
ほら タヌキ!

タヌキっていうのは
「返事だけいい世渡り上手」と。

「天然ボケが ご愛敬」なんだから
可愛げあったらどうなの?

大体な それは
夢の話だろう?

夢にまで出てくるから
頭にくるんじゃないの!

俺だって 夢なんか出たくない
お前の夢なんか!

もしかして須藤ちゃん
私のことが好きなんじゃないの?

ふざけるな。 俺にはちゃんと…

何それ?
何その 「俺にはちゃんと」って?

まるで決まった人が
いるみたいな言い方じゃない。

ノーコメント。

もしかして 逃げた奥さんが
戻ってきたとか?

戻ってくるわけないだろ。
だよね。

じゃあ なんなのよ?
「俺にはちゃんと」って。

そんなことは
どうだっていいだろ?

ツアーの添乗引き受けないなら
さっさと帰れ!

引き受けるわけないでしょ
誰が来るのよ。

なに? 「温泉浸かって
着付けを学ぼう」だって ダサイ。

ああ ジジ臭い
フ~ッ 臭い!

(権俵 ごんだわら エミ子)部長。

ジャマなのよ 権俵さん
本当に!

(エミ子)うるさい!

着付けの先生が ツアーの
打ち合わせにみえました。

(須)そうか。

ウッソ~!

どうも わざわざ
ご足労いただいて。

私 ドリーム観光の
須藤といいます。

(伊庭 いば 勇作)はじめまして
私 あけぼの着物学園の伊庭です。

伊庭勇作さまですね?

私 今回箱根デラックスツアーの
添乗員をさせていただきます

早乙女千春で
ございます。

何お前 今…

(須藤の足を踏む千春)

今回 うちの会社でも久々に
力のこもった企画ですのよ。

「温泉浸かって
着付けを学ぼうツアー」

楽しい旅の思い出
たくさん作りましょうね。

こちらこそ
よろしくお願いします。

こちらこそ。

♬~

神奈川県の南西部に
♬~ 位置する箱根は

富士箱根伊豆国立公園にある
♬~ 世界的な観光地です。

箱根の関所 杉並木
♬~ 旧街道石畳など

♬~ 歴史的な名所旧跡も数多く

♬~ ♬~箱根の山は天下の険

と歌にも歌われた
♬~ 箱根の景観を

どうぞ たっぷりと
♬~ ご堪能くださいませ。

♬~

(槇村由香)
♬~ きれいだね。

(槇村伸司)昔 母さんと来た時には
♬~ こんな便利な道はなかった。

本当?
♬~ うん。

(吉村葉月)ホテルのお風呂でなく
♬~ こんな山の中にある…

(飯塚道明)いいねえ。
♬~ (葉月)こういう温泉がいい。

(富岡里菜)温泉あるじゃん
♬~ 混浴しようよ!

♬~ (石垣敦志)富士山。

≪(小原由子)あそこにいた二人
♬~ 婚前旅行ちゃう?

(野上明子)分からん。
♬~ (野上俊子)いやらしい!

(明子)それからヒゲの生えた
♬~ ちょっと人相の悪い男…

(俊子)いるいる。
♬~ (由子)ああ。

♬~ ≪いたいた。

先生 少しよろしいですか?
♬~ (伊)はい。

伊庭さんは確か
♬~ 66年2月1日生まれでしたね?

♬~ そうです。

ペガサスだ!
♬~ ペガサスです。

あのねペガサスは…
♬~ ええとペガサスは…

♬~ あった。 「自由に…」

「感性が
♬~ 自由に羽ばたく天才」

あの ちなみに私は
♬~ おサルなんです。

おサルは無邪気で笑顔が
♬~ 可愛い人気者っていうか…

もう一つ大事なことを…
♬~ はい。

伊庭さんは
♬~ ご結婚なさってます?

以前は してましたけど
♬~ 今は一人です。

まあ 偶然!
♬~ 私も一人なんですの。

でも私の場合は
♬~ バツなしって言うんですか…

♬~ オホホホ…

(由子)ええ景色やな。

(明子)この眺め どこかで
見たことない?

(俊子)あるある。 なあ
この景色 有名よね?

はい。 富士山と赤い鳥居が
縦一直線上に見えるのは

ここだけなんですよ。

≪(由子)そうなんや。

ゆっくりと絵画を
鑑賞なさるもよし。

また この喫茶室で
コーヒー・紅茶とケーキなどを

召し上がりながら
この景色を堪能なさるもよし。

(明子)もちろん料金に
入ってるんやろね?

個人清算でお願いします。
(由子)えげつない。

出発まで40分程ございますので
ごゆっくりお楽しみください。

(里菜)天気がいいのも 里菜と
アーちゃんが来たからだよね。

あれにも乗りたい… あれ。

漕ぐやつと遊覧船…
遊覧船にも乗りたいな。

(石)悪い ジュースでも
飲んでてくれ。

(石)待てよ。

まさか あんたがこのツアーの
着付けの先生とは思わなかった。

偶然とは恐ろしいもんだな。

心配しないでください。

僕は何も見なかったことに
しますから。

もっとも彼女とは あれ以来
一度も会ってませんし。

真苗なら知ってるよ
女連れで箱根に来てること。

えッ!?

俺達は
そういう夫婦なんだよ。

あんたのおかげでな。

本当は まだ好きなんだろう?
真苗のこと。

俺は真苗とは
別れないからな。

真苗の稼ぎがあるから 里菜とも
こうして旅行が出来るんだ。

病院 クビに
なっちまったんだよ。

患者の家族から
医者への付け届けの名目で

金をだまし取ってたのが
バレちまってさ。

それで真苗の方も
いづらくなって

今じゃ 銀座で
働いてもらってる。

案外 水商売
合ってるみたいだぜ。

まあ 真苗にとっても
いいキッカケだったのかもな。

娘の事故は。

あれで あんたの身勝手さが
よく分かったんだからな。

俺を恨むのは
筋違いだぜ。

真苗だって あんたが思ってる程
ウブな女じゃないんだよ。

男好きのする顔
してるしな。

貴様!

何してるの!

アーちゃん 大丈夫?

ちょっと なんてことするの?
アーちゃんが何したのよ!?

(石)いいんだ。 虫の居所が
悪かったんだろう。

(里菜)アーちゃん
人がよすぎるよ。

警察に訴えても
いいくらいのことだよ。

(石)こんなヤツ訴えても
誰の得にもならねえよ。

(里菜)血が出てるよ
アーちゃん 大丈夫?

≪もう… 大丈夫?

何かございました? 石垣さまの
奥さまの声がしたようですが。

(伊)奥さまか…
はッ?

(伊)なんでも
ありませんよ。

渋い顔…

ステキ。

(里菜)すみません そっちにも
早く入りたいんですけど!

(明子)若い者は
我慢しとき!

(由子)肩なんか
凝らへんやろ?

(俊子)5分たったら
代わったるわ!

(俊子・明子・由子)
ああ… ええ気持ちやなぁ。

(由子)俊子ちゃん
あの伊庭って着付けの先生

ちょっと いいと思わへん?
思うけど。

(明子)ほな 思いきって
誘惑したらええやないの。

母親が言うか?
そういうこと。

母親やから言うのやないの
アホ!

どこがいいのよ あんなヤツ
ただの乱暴者。

乱暴者じゃない。

(由子)まだ男の善し悪しが
あんたには分からへんねん。

(明子)男なんてうまいこと言うて
我慢したらええねん。

(由子)それそれ。
(葉月・由香)ウソ!

(明子)本当や。 うちの子みたいに
だまされたら あかんで。

(俊子)余計なこと言わんといて
お母さん おしゃべりやな。

≪(伊)では これから
お着付けを始めましょう。

(女性一同)よろしくお願いします。

(伊)皆さまの中で お着付けが
出来る方は おられますか?

(由子・明子・千春)ハイ ハイ!

(明子)あんた添乗員やろ
引っ込んでなさい。

私ら その為に来てるんや。
(由子)さがりおれ!

(伊)よろしいですか?
(由子・明子)はい。

(伊)それでは見本を
見せていただきます。

♬~ (由子・明子)はい。

♬~

♬~ アカン アカン…

まだか?
♬~ まだか… 長い。

あら?
♬~ どないしたん?

大丈夫?
♬~ 引っかかってるわ。

♬~ 大丈夫ですから。

あッ 洗濯バサミ
♬~ 持ってきたらよかった。

あらら…
♬~ えらいことに なってきた。

♬~

しっかりしいや。
♬~ おおきに。

うわッ…
♬~ なんや これ。

ムチャクチャに
♬~ なってきた。

♬~

(明子)はい先生 出来ました。
♬~ (由子)うち まだや。

お妹さま 長襦袢(ながじゅばん)が
♬~ 出ております。

えらいこっちゃ。
♬~ 格好悪い。

しょうがないやない
♬~ 出てしまったものは…

≪(伊)それでは
♬~ お続けください。

♬~ (二人)はい。

♬~

♬~ しっかり お母ちゃん。

♬~ 帯板 帯板…

帯板ですか?
♬~ (由子)ありがとう 取って。

ここや ここや!
♬~ 帯板ここに置いて。

すみません。
♬~ ≪(伊)大丈夫ですか?

はい これで…
♬~ ここへ入れてください。

ちょっとこれ
♬~ くくってくれはる?

(明子)早くしいや。
♬~ ≪(伊)大丈夫ですか?

♬~ はい それで…

あんた どないに…
♬~ 死ぬわ そんなん。

失礼しました。
♬~ なんやの?

もっと自然にシュッと
♬~ 一結びでいってくれんと。

♬~ こんなんなってしまう。

やかましいわね
♬~ 先生の前で!

(明子)先生 すみません。
♬~ ≪(伊)見本でございます。

♬~

≪(明子)それを
♬~ 引き抜いてしまって。

♬~ これを引き抜くんですね?

痛ッ! あんた なんぞ私に
♬~ 恨みでもあるの?

はい どうも。
♬~ ダブついてしまった。

ちょっと!
♬~ この出し方なに?

こんな ここが
♬~ 出てしもうて。

これは ないわ
♬~ もっと お太鼓こっちに…

あんた
♬~ 私がやった方が…

あんた
♬~ ちょっと ほどいてみ。

あんた ちゃんとして。
♬~ (由子)鼻水出てきたわ。

♬~ イライラするわ。

こんなもんでしょうか?
♬~ どれ? そんでええ。

そんでええわ
♬~ やっぱり… やっぱりな。

お姉ちゃんだけのことはある
♬~ おおきに。

そうですね。
♬~ 亀の甲より年の功。

(明子)今 何言うたん?
♬~ いえ 何も。

はい こちらで
♬~ ございますね?

(伊)中で留めましょうね。
♬~ (由子)はい ありがとう。

ここもよろしいかしら?
♬~ (伊)はい。

お姉ちゃん
♬~うちのお太鼓 下がってない?

♬~ (伊)手を進めてください。

あんたのお尻が
♬~ 下がってるのちゃうか?

何言うてるの。 自分の胸かて
♬~ 下がってるくせして。

若い奥さまですね。
えッ?

ええ まあ
お宅はお嬢さんですか?

ええ 娘と二人
初めての旅行です。

へえ… お宅も仕事仕事で家庭を
省みなかったクチですか?

楽しみでしょう?
お嬢さんの着物姿。

はい。

成人式の時にも
着せてやれませんでしたから。

≪(伊)では 帯をお持ちください。
(俊子)はい。

≪(伊)へ先を
二つ折りにしてください。

≪はい そうです。

≪はい そうです
二つ折りにしてください。

≪そうしたら右手に持ちまして
後ろに回しまして

≪左手に持ち換えて

≪左肩に背負うように
前へ持ってきてください。

≪(俊子)背負うように…
≪(伊)はい そうです。

≪はい。 その時に前に
長く出してくださいね。

≪(俊子)これは輪になってる方を
どっちに?

≪(伊)輪はどちらか分かりますか。
≪(俊子)こちらです。

≪(伊)そうです それが外側に
なるようにしてください。

≪(俊子)逆だった 先生
間違えちゃった。

≪(伊)右手で そのまま帯を
一巻きしてください。

≪帯を一巻きしましたら
後ろまで持って参りまして

≪左手で後ろの帯の
中央を持ちまして

≪今 肩にかけている帯を
下から引っ張ってください。

≪その時に右手は
ゆるめてくださいね。

≪じゃないと
締まっちゃいますからね。

(俊子)うッ 苦しい。
≪(伊)右手をゆるめて。

先生 あの私…
うまく出来ないんですけど。

分かりました。

帯板は?
もう入ってます。

(伊)じゃあ 結んじゃいましょう。
結んじゃいます?

(伊)大丈夫ですよ。
ギュッと結んでくださいね。

(由子)やかましいな。
えッ?

(由子)少しは遠慮しなさいよ。
まあ いいじゃないですか。

(伊)大勢の人に着物の良さを
教えるのが僕の仕事です。

(明子)そうですよね 先生
うちの子お願いします。

(伊)ちょっとお待ちください。

帯板は?
(明子)持っております。

(指導をせがむ生徒達)

先生 私
ほどけてきちゃって…

(明子)何言ってるの!

≪(里菜)センセ~イ!

ほどけちゃった。

(明子)もう!
あんたは ええの。

あんたもいいの。

≪(由香)お父さん。

どう?

きれいだ。

とても きれいだ。

お父さん 泣かないでよ。

(槇)来てよかったな
やっぱり…

来てよかった。

お父さん。

いよいよ…

いよいよだ。

(須)決めるぞ 絶対。

(石垣真苗)ごめんなさい。
≪(須)いや。

お腹いっぱいになった?
とっても。

ごちそうさまでした。
お礼を言いたいのはこっちだ。

俺なんかの誘い
快く受けてくれて。

じゃあ そろそろ…

ちょっと待って。

実はその…

君に渡したいものが
あって。

なに?

≪(須)銀座で働いてれば
こんなプレゼント

≪たくさんの人に
もらってるだろうけど

俺にとっちゃ
こんなことするの初めてでね。

女房に逃げられた身で
こんなこと言うのもなんだけど

俺とのこと
真面目に考えてほしいんだ。

須藤さん。

お願いします
受け取ってください。

そういうことなら
受け取れないわ。

えッ!?

ごめんなさい。

どうしても…

ダメかな?

冗談!

ただ渡すんじゃ つまんないから

ほんの少しだけ芝居がかったこと
してみようと思っただけ。

≪冗談 冗談。

だから ほら受け取って。

困ります。

信じちゃった?

そんなに うまかったかな
俺の芝居。

受け取って 受け取って。

♬~高砂や

♬~このうら…

やっぱり相手が
着付けの先生じゃ

着物を着ないわけには
いかないわよね。

三三九度。

(ノック)

≪里菜ちゃんで~す!

里菜ちゃん?

はい!

ああ 石垣さんの奥さま。

アーちゃん 知らない?

はッ!? ああ…

旦那さま いなく
なっちゃったんですか?

里菜ちゃんおいて 一人で
いなくなっちゃったんです。

クサ~イ…
分かりました。

すぐ着替えて
捜しにいってきますから

お部屋で待っててください。

(里菜)お願いします。
はいはい。

(由香)薬局はどこにありますか?
(フロント)仙石原は ご存じですか?

(石)ちょっと出かけてきます。
(フロント)かしこまりました。

(鼻歌を歌う石垣)

なんだよ。

ギャッ!

♬~

すみません 石垣さん
見かけませんでした?

30代の半ばで 髪は
真ん中分けで このくらい。

不精ヒゲで
こんなメガネかけた人。

(フロント)その方でしたら 表の方に
出ていかれましたが。

そうですか どうも。

石垣さま!

石垣さま!

石垣さま
何なさってたんですか?

奥さま
心配されてましたよ。

あれッ 酔ってます?

キャ~ッ! 私は嫁入り前の
きれいな体ですから。

ア~ッ!

(サイレンの音)

どこへ行っても事件事件か…

(大きくなるサイレンの音)

≪(槇)こっちへ
近づいてくるな。

(鳴り続けるサイレン)

(止むサイレンと慌ただしい足音)

里菜さん 里菜さん!

里菜さん 添乗員の早乙女です!

里菜さん 里菜さん!

里菜さん 里菜さん。

里菜さん 里菜さん…
早乙女です!

(里菜)見つかった?
アーちゃん アーちゃん!

(明子)どないしたの?
何があったんや!?

(由子)どないした
言うの?

(須)オヤジ お代わり!

(オヤジ)はいよ。

(携帯電話が鳴る)

(須)チェッ 千春か。

他にかけてくる女は
いないのか 俺には!

なんなんだ こんな時間に!

こんな時間!? こっちは
何時だろうと添乗員続けてるの!

どうせ そっちはどっかの屋台で
クダ巻いてるんでしょ。

ああ 巻いてますよ。
巻きすぎて

胸が苦しいくらいですよ。

憎まれ口 叩くくらいなら
電話なんかしてくるな!

私だって こんなことがなきゃ
電話なんかしませんよ!

こんなこと?

お客さまが
殺されちゃったの!

なに!?

すぐ来て!

☎(須)分かった。
(伊)早乙女さん。

伊庭さん。
里菜さんは どうしました?

警察の現場検証に
立ち会ってると思うんですけど。

あの年で未亡人に
なってしまうなんて

なんて慰めたら
いいのかしら。

彼女は奥さんなんかじゃ
ありませんよ。

えッ!?

石垣さんの奥さんは別の人です。

だって 申し込みの時に石垣さん
妻と二人って…

ちゃんとした書類で
確認したわけでは ないでしょ?

それは
そうなんですけど… あれ?

(村田誠)コラ!
コラ!?

(村)そこの添乗員!
私のことですか?

(村)あの女 害者のカミさんでも
なんでもないじゃないか!

(町田豊)本名は富岡里菜 21歳。
歌舞伎町のイメクラ嬢です。

3ヵ月前 セーラー服を着て
客を迎えていた時に

害者の石垣さんに
会ったそうです。

(村)単なる浮気の
相手ってことだよ。

じゃあ やっぱり…

(村)やっぱり!?
やっぱりって

知ってたんなら なぜ
カミさんだなんて連れてきた?

たった今 聞いたんです!
こちらの伊庭さんから。

(村)あんた 石垣敦志とあの女が
夫婦じゃないと知ってたの?

(伊)ええ。
(村)なんでだよ?

添乗員も知らないことを
なぜ あんたが知ってるんだよ?

(村)答えろよ!
刑事さん!

初対面でいきなり
そういう聞き方は ないでしょう。

これは殺人事件だぞ!
礼儀なんか構っていられるか。

だって一般市民に
協力を求めてるわけでしょ!?

(伊)僕の…
僕の妻だったんです。

(村)イメクラ嬢が?
(伊)いいえ。

石垣さんの
本当の奥さんです。

本当の奥さん?

どういうこと?

(村)あのさ…

そうやって
泣いてばかりいられても

なんにも
進展しないわけなのよ。

(里菜)だって アーちゃん
優しかったんだもん。

ディズニーランドにも
連れていってくれたし

おいしいものも
いっぱい食べさせてくれて…

(村)だから!

その優しいアーちゃんを
殺した犯人を

捕まえたいわけよ
おじさん達は。

誰かいないかな? こいつが
犯人じゃないかと思える人。

例えば…
あの着付けの先生とか。

何か思い出したか。

眠れませんでした?

あの… 亡くなった石垣さんとは
顔見知りだったんですか?

(伊)ええ。 別れた妻と同じ病院で
働いてましたから。

病院?

(伊)彼は事務の担当で
別れた妻は看護婦を。

僕は その病院に足を折って
入院したことがあるんです。

今は二人とも病院勤めを
辞めてしまったようですが。

じゃあ もしかして
伊庭さんの離婚の原因は…

僕が子供だったんですよ。

もう少し男として
成長していたら

別れずに
すんだかもしれませんね。

じゃあ やっぱり浮気?

石垣さんと奥さまが。

やめましょう 昔の話は。

やめましょう。

でも あと一つだけ…
はい。

伊庭さん
別れた奥さまのこと

今は もう…

ええ。
ああ よかった。

あるとしたら
すまないという気持ちだけです。

彼女には
苦労ばかりかけましたから

その10分の1でいいから
優しい言葉をかけてあげたかった。

優しいんですね
伊庭さんて。

本当に優しい男は
離婚なんかしませんよ。

そんなことないですよ
そりゃ中には いますよ。

優しくなくて
奥さんと別れちゃうって人が。

ドリーム観光にも
一人いるんです。

でも それは奥さんに
逃げられちゃったんですが。

あッ 会ってますよね?
須藤っていうんですけど…

ええ。
じゃあ あの人が?

そうなんですよ
もう最悪!

≪(フロント)早乙女さま。

須藤さまが
ご到着なさいましたが。

噂をすれば影ですね。

いいえ 影っていうより
下痢したタヌキですね ありゃ。

あッ 須藤ちゃん!

(須)千春 ツアー客の皆さまに
ちゃんと説明したのか?

こういう事件が起きたことを。
昨夜 一応ね。

それで ツアーは
どうするんだ?

続ける。 半数以上のお客さまが
このままツアーを続けたいと。

そうか。 俺も付き合って
少しでも雰囲気 明るくしなきゃ。

そうだね。

(須)すみません。 わざわざ
来ていただいたツアーで

こんな事件が
起きてしまって。

(伊)いいえ。
伊庭さんは

殺された石垣さんと
顔見知りだったんですって。

なに!?

石垣さんの
今の奥さまは

伊庭さんの
奥さまだった人なの。

≪(須)ちょっと失礼。

千春。
痛い!

何よ もう!
(須)何じゃないだろ。

あいつが
犯人じゃないのか?

えッ 何バカなこと
言ってるの?

女房 寝取られた
腹いせに

石垣さんを
殺したかもしれないだろ。

そんなことで殺すんだったら
別れた時に殺してるでしょ。

大体 そういうことするのは
女にモテない男よ。

たとえば
須藤ちゃんみたいに。

ああ 俺はモテないよ
全然モテない男だよ。

でもな…

昔の男を利用して 今の男を
殺させる女の話だって

三流週刊誌 読んでれば
いくらでも転がってるんだ。

別れた女房に頼まれて

あいつが石垣さんを殺すことも
十分あり得るんじゃないのか?

(伊)あり得ないです
そんなこと。

別れてから4年間
一度も会ってませんから。

どッ どうして!?

えッ!?

(村)石垣さんの奥さんだ。

しばらく ここに
泊まってもらう事にしたから。

それから伊庭さん。

あんた石垣さんのこと
ぶん殴ったらしいな。

成川美術館で。

ちょっと来てくれ。

(村)じゃあ 石垣さんが
死亡した時間には

部屋にいたって言うの?
(伊)ええ。

(村)それを
証明出来る人は?

いません。

いないじゃ困るんだよ!

人一人の命が
奪われてるんだから!

でも いないものは
いないんですよ。

疑わしいな。

(由子)嫁か…
(明子)石垣さんの。

≪(俊子)石垣さんの!

捜査の進展がありましたら
すぐ連絡しますから。

よろしくお願いします。

(明子)刑事さん 刑事さん。

あの人 誰?

(町田)石垣さんの
本当の奥さんです。

(明子)やっぱり!
(由子)きれいな人やね。

(俊子)でも 喪服は
似合いそうやな。

(明子)これ! 不謹慎なこと
言うたらあかん。

(町)そっとしておいて
あげてください。

さあ お風呂行きましょう
お風呂。

かわいそうにな… あの若さで
ご主人を亡くすなんて。

おはようございます。
(俊子)こんな天気でなぁ。

本日の観光は大涌谷と
芦ノ湖遊覧でございます。

(客達)おはようございます。
(須)おはようございます。

天気よくなって
参りますから。

おはようございます。
(槇)どうも。

千春。
うん?

悪いが先に行ってくれないか?
えッ!?

だって 一緒に行って雰囲気
盛り上げるんじゃなかったの?

悪いな。
ちょっと ちょっと…

須藤ちゃん どうしたのよ!
下痢でもしてるのかな?

≪(真苗)はい。

須藤です。

結婚してるとは思わなかったよ。

ごめんなさい。

お店の方から
隠しておくように言われたから。

ご主人が このツアーに
参加してたこと知ってたの?

ええ。

そう…

こんなもの
受け取れるわけないよな。

須藤さんが 私のこと真剣に
考えてくれてたのは嬉しかった。

やっぱり
輪ゴムの指輪とは違うな。

君の薬指に輪ゴムで作った指輪を
はめたことがあっただろう?

忘れちゃったか。

あの時から俺 君のこと
真剣に考えてたんだ。

ごめんなさい。

≪(須)君には

いい夢 見させて
もらっちゃったな。

今回は大切なご主人を
お預かりしておきながら

こんなことになってしまって
誠に申し訳ありません。

須藤さん…

♬~

♬~ (駅員)はい どうぞ。

♬~

♬~ ≪(須)♬~愛しても愛しても

♬~ ♬~ああ 人の妻

♬~

≪(明子)煙の写真撮ろうか?

≪(俊子)飯塚さん 一緒に
写真撮りたいって。

(明子)俊子 お前も入って。
(由子)誰が撮るの?

すみません
お願いします。

(由子)赤い兄ちゃんに
撮ってもろうて。

(明子)きれいに撮ってよ。
(飯)すみません。

(由子)どないに撮ってもキレイや。
(若者)いきますよ。

1+1は?
(一同)2!

(由香)お父さん 玉子食べる?
(槇)今いいよ。

6個500円だって。
いいよ。

ほら 真っ黒いやつ。

よし。 これ1個食べると
7年寿命が延びるんだって。

《≪(真苗)沙帆!》

《沙帆… 沙帆。》

《(真苗の泣き声)》

《沙帆。》

《あなた。》

《沙帆。》
《ごめんなさい あなた。》

《ごめんなさい。》
《ウソだろ!?》

《沙帆…》
《ごめんなさい。》

《沙帆!》
《あなた…》

《なぜだ?》
《ごめんなさい。》

《なぜ…》
《あなた…》

《なぜ…》

《なぜこんなことに
なったんだよ。》

《あなた。》

《お前が いながら…》

《どうして こんなことに!?》

《あなた…》
《なぜだ!?》

プロポーズした!?
石垣さんの奥さんに?

まさか結婚してるなんて
思いもしなかったからな。

ちょっと それ
いつのこと? ねえ!?

昨夜だよ
旦那が殺された昨日の夜だよ。

じゃあ 石垣さんの奥さんには
最悪の夜だったんだ。

(須)そうね… なんだ
どういう意味だ!?

いいから。 それで
どこで知り合ったの?

銀座… クラブだよ。

石垣さんの奥さん
ホステスしてるの!?

専務に連れていってもらった
クラブで 彼女に初めて会った。

俺の 一目ボレだね。
ふ~ん…

でも 俺が思ってるほど彼女は
俺のこと思ってなかったようだ。

一度…

酔っ払って 輪ゴムを指輪代わりに
彼女の指にはめて

プロポーズしたこと
あるんだよ。

そんな大事なことを
ケロッと忘れてるんだから。

俺に残ったのは

指輪のローンと
たまった飲み代だけだ。

あと 心の痛手ね。

ねえ! ねえねえ…
これ いくら?

(須)60万だよ。
えッ!

安い!

(須)バカヤロ~

まあ でも
よかったじゃない。

前の奥さんみたいに
結婚してから逃げられるよりは

結婚する前に
フラれちゃった方が。

こんな時に 思い出させるなよ
女房に逃げられたことまで。

ごめん ごめん…

そんなに 好きだったの?
石垣さんの奥さん。

(須)ああ。
ふ~ん…

ねえ ちょっと参考までに…
参考までに聞きたいんだけど

私と石垣さんの奥さんって
どこが違うのかな?

だって顔もスタイルも
私の方が少しいいくらいで…

心だ 心が違うんだよな。

しとやかで 無口で
かげりがあって。

つまり お前にないものを
全て持ってるって感じ?

あのね 旦那さんが亡くなった
悲しみにつけ込んで

彼女をモノにしようなんて
ことだけは考えないでね。

俺は そんな卑劣な男じゃねえよ。
痛ッ。

痛い!

一人でいても落ち着かないから

ロープウェイで上がってきたの。

あッ ああ…

(里菜)ウェ~ン!
分かった 分かった…

はい 座って座って。

玉子でも食べますか?

はい 玉子むきましょうね。
(須)痛ッ!

(町)契約は
一昨年の4月から。

それで受取人は
石垣真苗。

ほう…
妻となってるわけですね?

なるほど…

これ 間違い
ありませんよね?

(村)来々軒のラーメン
うまくないだろ?

(刑事)うまいッスよ。
(村)タンメンが うまいんだよ。

(町)ありがとうございました
参考になりました。

(村)誰?
(町)保険会社に確認が取れました。

保険会社!?

(真苗)昨夜のアリバイ?
(村)ああ。

あんた 旦那が殺された時
どこにいたんだ?

東京にいましたけど…

どうして そんなことを?

聞きたいんだよ!

(由香)すごくきれい。

ねえ 見ようよ。

(飯)葉月。
(葉月)うん?

(飯)これ 見て。
(葉月)あッ!

≪結婚式 挙げられるんだ。

(飯)添乗員さん。
どうかしました?

(飯)実は
お願いしたいことがあって。

なんでしょう?

(明子)あら 刑事さんよ。

(由子)うちらのこと
出迎えてくれてはるのや。

(俊子)刑事さんも 気が利くな。
(3人)オ~イ!

(村)なんなんだ あの3人?
(町)さあ?

(俊子)ピース!

≪(明子・由子)ただいま!

刑事さん
どうかしたんですか?

須藤さん ちょっとあんたに
聞きたいことがある。

俺に!?

≪(村)あんた昨夜 石垣真苗と
メシ食ったそうだな?

彼女から聞いた。

それで
別れた時間は?

(須)確か夜の
9時15分でした。

(村)やけに詳しく
覚えてるじゃねえか。

(須)彼女と別れたあと
これから どうしようかと

腕時計を見たんですよ。

(村)犯行時刻は?
(町)9時45分。 そうですよね?

そうです。

30分で東京の銀座から箱根まで
車飛ばして来られるか?

(明子)そんなもん無理や!
(客達)ムリムリ!

刑事さん もしかして石垣さんの
奥さんを疑ってるんですか?

(村)受取人が妻の
生命保険がかけられてたんだ。

(客達)えッ!

2億円だぞ!

(由子)2億円!?
(明子)ほな 保険金殺人?

≪(客達)えッ ウソ~ッ!

どうして
2億なんて生命保険を?

私が かけたんじゃないわ
彼が勝手にしたことよ。

それに…

私にも同じだけの保険金が
かけられているわ。

(伊)真苗!

この4年間
君は幸せだったのか?

石垣と結婚して君は…

幸せなわけないじゃない!

♬~ (由香)あッ…

♬~

2億円の保険金か…

動機としては十分なんだけどな。

《≪(伊)彼女には苦労ばかり
かけましたから》

《その10分の1でいいから
優しい言葉を》

《かけてあげたかった。》

私も かけてほしい!
伊庭さんにやさしい言葉。

♬~(映画「タイタニック」主題歌)

♬~

♬~ 《何を していらしたの?》

♬~ 《シ~ッ。》

♬~

♬~ 《手を。》

♬~

♬~ 《目を閉じて。》

♬~

♬~ 《さあ…》

♬~ 《ここに手をかけて。》

《のぞくなよ。》
♬~ 《いいわ。》

♬~

♬~ 《僕を信じて。》

♬~ 《信じるわ。》

♬~

♬~ 《目を開けて。》

♬~

♬~ 《飛んでる。》

♬~ 《私 飛んでるわ!》

♬~

《千春さん 空飛ぶマシンで
♬~ 僕のところへ…》

《ええ いつでも
♬~ 飛んでいきますわ。》

♬~

≪(俊子)千春さん!

はッ?

何やってるの?

えッ?

キャッ!

野上さんこそ 何してるんですか?
お風呂に服なんか着ちゃって。

あッ… すぐ来て!

今度は槇村さんのお嬢さんが…

えッ!?

(槇)由香… 由香!

≪一体 誰が由香をこんな目に…

槇村さん…

由香…

≪(槇)由香…

≪由香!

(槇村の泣き声)

誰が… 誰が由香を。

≪(村)じゃあ 槇村さんが

風呂から帰ってこない由香さんを
心配して あんた達の部屋に?

(3人)そうです。

アーちゃんを殺した犯人が
由香さんも殺しちゃったの?

そう考えるのが 一番自然だわな。

でも どうして?

(村)おそらく由香さんは
犯人を見てしまった。

だから犯人は…

彼女の口を封じようとして
殺した。

(村)死体の第一発見者は誰だ!

僕です。

やっぱり あんたか。

刑事さん 伊庭さんは
殺人なんか出来る人じゃないです。

私も そう思います。

(明子・由子)同感。
(俊子)同感。

犯人だからこそ 死体のある場所を
知っていたということもあるだろ。

そんなに簡単に人を犯人だなんて
決めつけないでください。

決めつけるだけの理由があるから
俺は こいつを疑ってるの!

どういう理由なんですか!

(町)村田さん。

(須)真苗さん。

申し訳ありませんね
わざわざ出てきてもらって。

町田 イス!
(町)はい。

(由子)偉そうに…

(明子)なあ?

(町)どうぞ。

(村)俺は とんでもない勘違いを
していることに気がついた。

犯人は 一人だと決めつけていた。
ところが そうじゃない。

アリバイがある人間が
アリバイのない人間を使って

石垣を殺させたってことも
十分あり得る。

幸いにも

≪2億って金は 二人で分けたって
十分すぎる金額だからな。

じゃあ 刑事さんは…
(村)伊庭勇作。

お前が石垣真苗に 2億の金を
握らせるために石垣を殺した。

そして石垣真苗。

あんたは自分のアリバイを
確実なものにするために

須藤正次を利用した。

お前達二人は

2億の金を山分けするのが目的で
今回の犯行を思いついた!

(二人)そんなこと
ある訳ないじゃないか!

ふざけやがって。 真苗さんに
夫殺しが出来るわけないだろ!

まったく!
なんなの あの村田って刑事は。

こんな
三日月みたいな顔しちゃって!

伊庭さんが人殺しなんて
するわけないでしょ!

まったく なんなんだ!
あの旅行会社の二人は。

あいつらが ジャマさえしなければ
自白まで追い込めたぞ!

先を急ぎすぎたんじゃないですか。

伊庭と真苗が結託してる証拠は
何も出てきてないんですから。

お前な… 俺に忠告するなんて
10年早いんだよ!

よく言うよ。

まったく… あのムカツク
三日月刑事のおかげで

眠れやしない。

あッ いた。

私のペガサスの君。

12時までなら
シンデレラの魔法が効くかな。

眠れないんですか?
伊庭さんも。

結婚て
なんなんでしょうね。

真苗と一緒に
暮らした6年間

僕達は お互いを分かり合おうと
努力してました。

仕事仕事で 家にいる時間は
少なかったけど

それでも毎日毎晩
言葉を交わして

分かり合おうと
思ってました。

でも 今の真苗は

一緒に暮らした時の真苗とは
全然違うような気がするんです。

まるで別人のような。

僕は彼女のことを

分かった気になっていた
だけだったのかもしれませんね。

全てを分かり合えることなんて
あるのかしら?

私は分からなくても
いいと思います。

分かりたいという
気持ちさえあれば。

分かりたいという気持ち?

分からないから
言葉を交わすんでしょう?

全て分かってしまったら
つまらないじゃありませんか。

犯人が分かった推理小説なんて
読む気がしないでしょう。

ウキィ~ ウキキッ!

ペガサスって気分転換が
下手なんですって。

陽気で盛り上げ上手なおサルが
一匹そばにいたら

きっと楽しいと思いますよ
ウキキッ!

早乙女さんは きっと
いい奥さんになるんでしょうね。

イヤ… イヤだわ。

でも 私も
そう思います。

だって 私ったら見かけ通り
ドレスも着物も似合うんですけど

お式はどっちに
しましょう? フフフ…

あッ!
(伊)どうしました?

魔法がとけちゃう時間だ。

飯塚さん達に頼まれていた
大事なこと思い出したんです。

ごめんなさい!

結婚式!?
飯塚さん達に頼まれたのよ。

ほら 今日乗った遊覧船で結婚式が
挙げられるって なってたでしょ?

それ見て
思いついたらしいの。

結婚式なんて出来るわけないだろ。
同じツアーの人間が

二人も殺されてるんだ。

返事だけがいいのが
タヌキの取り柄のはずなのに…

こんな時に動物占いなんて
やってるんじゃねえよ!

古ダヌキはダメだ
融通きかなくて。

♬~

≪(町)村田さん。

連れて参りました。

(村)どうだ?

気持ちが落ち着くだろう?

ちょっと はずしてろ。
(町)えッ!?

(村)いいから。

(村)取調室で話を聞くより

ここの方が
話がしやすいと思ってな。

(村)そろそろ
話す気にならないか?

あんたと伊庭が結託して

旦那やったんだろ?

(真苗)どうして そんな風にしか
考えられないんですか?

(村)私だって 好きで
疑ってるわけじゃないんだ。

殺人なんて犯したら
今の生活は全て失われるんですよ。

彼は私のために そんなことを
するような人じゃありません。

(村)だけど 2億円の保険金が
かかってるんだよ!

それに あんた達
元夫婦だろう!?

だから あり得ないんです。

はッ?

彼は まだ心のどこかで
私のことを恨んでるはずです。

恨んでる?

私のせいで沙帆は…

私達の娘は
死んでしまったんですから。

《沙帆。》
《ごめんなさい あなた。》

《ごめんなさい。》
《ウソだろ? 沙帆!》

≪(俊子)空気いいね。 うわッ。

≪(明子)ちょっと見て ねえ…

里菜ちゃん
あれ見て ちょっと!

(俊子)芦ノ湖。
(明子)芦ノ湖!

(俊子)うわッ 昨日
あそこにいたんや。

なあ! あそこで
船乗ったんや。

見て 紅葉も
きれいやなぁ。

(明子)来てよかったな。
(里菜)よかった。

(明子)ありがたや ありがたや。

(俊子)こっちの景色もきれい!
(明子)やかましいな あんたは。

山だよ 山。

すごい! うわッ…
うわッ!

きれいやぁ。

(飯)そうですか…
やはり無理ですか 結婚式。

申し訳ありません。
私も出来ることなら

結婚式を
挙げていただきたかったんですが

なにせ立て続けに こういう事件が
起きたことですから。

(飯)僕達も 昨夜
話してたんですよ。

こんな時に結婚式を挙げるのも
不謹慎じゃないかって。

申し訳ありません。

(葉月)仕方ないね。
(飯)うん。

僕達 東京に帰ったら
籍を入れに行くんです。

このツアーも
新婚旅行のつもりで…

新婚旅行!?

じゃあ このツアーが
ハネムーンなんですか?

ええ。

超ジミ婚です。

二人とも 親のスネをかじるのが
嫌いなんです。

出来るだけ 自分達のことは
自分達でやろうって。

偉いんですね。

私なんか ずっと
親のスネ かじりっぱなしで。

僕達はただ 一緒にいたいから
結婚するんです。

二人で一つの家庭を
作りたいから…

だから ただ籍を
入れるだけでいい…

と思ったんです。

でも昨日あの船で 結婚式を
挙げられるって知っちゃったら

気持ちが
揺れちゃったみたいで。

やっぱ 葉月の
ウエディングドレス姿 見たいし。

私も見てみたい
私のウエディング姿…

はッ?

えッ? なんでもありません。

僕を見張ってるわけですか?

そうなんでしょう?

真苗さんには
人は殺せない。

だから僕を
疑ってるわけですか?

いやいや 別にそんな…

(飯)じゃ ここで撮りましょう。
(明子)よし!

ここで 並びましょう。

(飯)もう少し寄って。

(俊子)やかましい
お母ちゃん!

(飯)出すぎですよ
いきますよ チーズ…

(明子)あらッ! 槇村さん
どないした…

(俊子)どないしたん?
(明子)ちょっと!

(飯)いきますよ。
(明子)あらら…

添乗員さん!
何事や?

(飯)何かあったんですか?
(明子)何かあったの?

(須)槇村さん どうしたんですか?

(槇)なぜだ!?

(槇)なぜだ… なぜだ!

(須)槇村さん ちょっと…
やめなさい。

(槇)どけ! なぜだ?
おい 貴様 なぜ…

(伊)落ち着いてください。
(槇)なぜだ!?

貴様 なぜだ!
なぜ由香を殺した!?

(須)槇村さん よしなさい。
(槇)止めないでくれ どいてくれ!

(須)やめなさい!
(槇)貴様も…

(槇)待て。 貴様 なんで由香を
殺したんだよ!?

槇村さん やめてください。
やめてください!

須藤ちゃん しっかり止めて!
(須)やめろって言ってるだろ!

(明子)仲間割れしたら
あかんで!

(明子)やめんか!

槇村さん。

槇村さん。

あの… お部屋に戻って
少し休まれた方が…

どうして
止めたんですか?

由香を殺したのは彼でしょう?
刑事さんが言ってましたよ。

由香は伊庭が
石垣を殺す現場を見てしまった。

(槇)だから伊庭に殺されたと。
それは 一方的な決めつけで…

じゃあ 誰が由香を
あんな目にあわせたんですか。

それは私にも まだ分かりません。

でも伊庭さんは そんなことを
する人じゃないと信じています。

こんなツアー

参加するんじゃなかった。

槇村さん。

私達にとっては
出直すための旅行だったんです。

経営していた印刷所が
不況で潰れてしまって

心機一転 頑張るつもりで
参加したツアーだったんです。

由香が
言ってくれたんですよ。

たまった借金を
どう返そうか悩んでる私に…

旅行に行こうって。

借金なんかに負けないところ
見せてやろうよって。

余裕があるから旅に出る人が
ほとんどかもしれない。

でも…

余裕がないから
出かける旅行だってあるんですよ

添乗員さん。

由香。

由香…

≪(村)こんな所で何やってる?

ちょっとトラブルが起きたんです
刑事さんのせいで!

(村)俺のせい!?
槇村さんに 変な事言うから!

(村)俺が何言ったって言うんだ?
胸に手を当てて考えてください。

(村)そんな暇はない。
だから警察は傲慢と言われるの!

(村)犯人が分かったんだ。
えッ!?

(村)今度の事件は
伊庭勇作の単独犯!

まだ そんなバカなこと
言っちゃって!

(村)バカ!? バカとはなんだ?

バカだから
バカだと言ってるのよ。

≪(町)伊庭の本当の動機が
分かったんですよ。

えッ 本当の動機!?

伊庭の娘は石垣のせいで
命を落としてしまったんです。

えッ!?

♬~

♬~ (由子)きれい!

♬~ (明子)すばらしい!

(由子)仲良く泳いでる。
♬~ (俊子)私達みたいにね。

(明子)指揮者がいるのよ。
♬~ (俊子)指揮者が この中に?

(由子)コンダクト。
♬~ (俊子)コンダクターや。

(明子)でも 一方通行って
♬~ ことはないし。

(俊子)あッ 見て見て!
♬~ (明子)すごいわぁ…

(由子)明姉ちゃんに似てる。
♬~ (明子)そうか。

≪(由子)見て。 すごい!
♬~ ≪(俊子)うわッ。

♬~ ≪(明子)えッ 何これ?

(飯)葉月に似てる。
♬~ (葉月)道君の方が似てる。

(飯)何言ってるんだよ。
♬~ (葉月)そっくりじゃん。

♬~ ≪起きた時の顔に超似てる。

♬~ ≪(里菜)ウワ~ッ!

《どうして2億なんて
保険金を?》

《私がかけたんじゃないわ。》

《彼が勝手にしたことよ。》

《それに 私にも同額の
保険金が かけられてるわ。》

《真苗!》

《この4年間 君は
幸せだったのか?》

《石垣と結婚して君は…》

《幸せなわけないじゃない!》

(村)伊庭が離婚した
原因っていうのは

真苗が夜中に石垣を
部屋に入れたせいらしいんだよ。

伊庭さんの留守中にですか?
(村)ああ。

どうして そんなことを?

《石垣さん…》

《これ 病院に落ちてるの
見つけたんだ。》

《財布がないと困るだろ?》

《それで わざわざ雨の中を?》

《ああ。》

≪(村)ところが石垣の目的は

≪財布を届けることだけじゃ
なかったんだ。

《ご主人は まだ?》

《(真苗)ええ 帰りは
いつも遅いから。》

《≪(石)俺なら真苗ちゃんに
そんな寂しい思い》

《絶対にさせないのに。》

♬~

《ずっと前から好きだった!》
♬~ 《(真苗)やめて!》

♬~ 《やめて!》

《(石)真苗ちゃん。》
♬~ 《(真苗)イヤ 離して!》

♬~ 《≪離して!》

《≪(石)真苗ちゃん…
♬~ 真苗ちゃん 好きなんだ。》

《≪(真苗)やめて。 離して!》
♬~ 《≪(石)好きなんだ。》

《≪(真苗)イヤ 離して!》
♬~ 《≪(石)真苗ちゃん…》

♬~ 《(真苗)イヤ! 何するの!》

《(伊庭沙帆)ママ!》
♬~ 《(真苗)沙帆!?》

♬~ 《ちょっと… やめて!》

♬~ 《沙帆!》

♬~

♬~ 《パパ!》

♬~

♬~ 《沙帆 沙帆!》

♬~ 《(沙帆)パパ!》

♬~ 《パパ!》

♬~

《≪(真苗)沙帆
♬~ 待ちなさい!》

♬~ 《沙帆!》

♬~

♬~ 《あッ!》

♬~

♬~ 《(真苗)沙帆!》

♬~ 《沙帆 沙帆…》

《救急車 呼んでください
♬~ 早く!》

♬~

それで 伊庭さんの娘さんは命を…

今度の事件は
保険金殺人なんかじゃない。

娘を殺された男の復讐だ。

刑事さん その話
誰に聞いたんですか?

真苗さんが刑事さんに
話したんですか?

こんな話 他に誰が
知ってるって言うんだよ。

伊庭を捕まえて自白させる。

ツアー客は今どこだ?
えッ?

今 甘酒茶屋に…
(村)時間の問題だ。

町田 行くぞ。
はい。

どうして真苗さん
こんな時に そんな話を?

すみません。 あの…

ちょっと
お時間いただけますか?

お話したいことが
あるんですけど。

刑事さんに 亡くなった娘さんの事
話されたそうですね。

なぜ娘さんが亡くなったのか
そのいきさつを。

(真苗)いけません?

いや… いけないことは
ないですけど

でも 今そんな話をしたら
刑事さんの疑惑の目が

伊庭さんに向けられるに
決まってるのに…

私は本当のことを
お話しただけです。

添乗員さんは
私がウソをついているとでも?

いえ 決してそんなことは…

(真苗)私 添乗員さんも
主人を殺した犯人を

早く捕まえたいんだと
思ってました。

あなた 伊庭さんが犯人だと
思ってらっしゃるんですか?

仮にも昔は
夫だった人でしょう。

一度は愛した人でしょう?
そんな人を疑うんですか!?

信じてないんですか!?

もし 私だったら

刑事さんに話すなんてことを
する前に 本人に確かめます。

信じてるけど…
でも心配で心配で仕方なかったら

直接 本人に聞いて
その言葉を信じます。

もし万が一 その人が
罪を犯していたとしたら

そうしたら…

私だったら
自首するように説得します。

一時でも早く
罪を償ってもらいたいから。

愛って そういうもんじゃ
ないですか?

伊庭さんは自分が子供だったから
離婚したんだって言ってました。

あなたに もっと優しい言葉を
かけてあげれば よかったって。

それが
なんだって言うのよ?

育ちが およろしいようだから
一つだけ忠告しておいてあげる。

人を疑うことを
知らない人間は不幸よ。

そのうち
きっと裏切られるんだから。

まったく なんなの あの女!

どこが しとやかで
かげりがあって無口なのよ。

全然 違うじゃない!

そりゃ確かに
私は お育ちがいいわ。

もう 須藤ちゃんも伊庭さんも
女見る目ないんじゃないの!

ちょっとくらい顔がいいからって
すぐに騙されちゃってさ!

男は顔よ! 女は…

なんだろうな?

(由子)足くじくわよ。

(俊子)なあ ここで写真撮ろうか?
(明子)そうしよう。

須藤ちゃん ちょっと!

(由子)シャッター切ってよ。
シャッター!

(須)写真ですか?
(俊子)そうそう。

(須)ここがいいですね。
これ持ちましょうか。

(俊子)持つの?

(須)いきますよ。 さすがに皆さん
旧街道にはよく似合いますね。

(俊子)ハハハ…
(明子)どういう意味や?

(由子)笑ってる場合か。

≪(神)30分で銀座から
箱根までですか?

そりゃ無理ですよ
どんなに車を飛ばしても。

☎そんなこと言わないで
考えてよ。

☎あの女しか 犯人と思える人物は
いないんだから。

絶対 アリバイを
崩してやるんだから。

無理です 絶対に。

それはきっと
別の実行犯が いたんですね。

じゃあ どうして
由香さんは殺されたの?

彼女はきっと 犯人の顔を
見ちゃったから殺されたのよ。

そんなこと
私に聞かれましても…

あッ そういえばお嬢さま。

二子山のふもとの甘酒茶屋には
もう行かれましたか?

私 あそこの甘酒
大好きなんですよ。

テイクアウトなんか
出来ないもんでしょうかね?

神崎 今なんて言った?

はッ? テイクアウトは
出来ないものかと…

いや その前
もっと前!

甘酒茶屋には
もう行かれましたかと…

☎二子山のふもとにあるんですよ
有名な甘酒茶屋が。

《でも 今の真苗は》

《一緒に暮らした時の真苗とは
全然違うような気がするんです。》

《まるで別人のような。》

《酔っ払って輪ゴムを
指輪の代わりにして》

《彼女の指にはめて
プロポーズしたことがあるんだ。》

《そんな大事なことを》

《≪ケロッと忘れてるんだから。》

神崎 また電話する。

《≪(神)二子山…》

あッ 刑事さん 伊庭さんは?

(村)いなくなったんだよ!
えッ!

(村)とうとうシラ切るの諦めて
あいつ逃げやがったんだよ。

ちょっと どいて!

(村)あんたらも一緒にいて
気がつかなかったの?

(明子)うちら警察じゃあらへん。
(俊子)そうや。

須藤ちゃん!

千春 やっぱり犯人は
伊庭だったぞ。

俺が目を離した隙に
逃げ出しやがった。

そんなこと どうでもいいから
真苗さんのこと教えて。

真苗さんのこと?

うん。 家族のこと
聞いたことない?

伊庭さんが いなくなった今
須藤ちゃんに聞くしかないのよ。

そんなこと知るわけないだろ。

高いお金かけて銀座のクラブ
通い詰めたんでしょ?

それくらい
聞いておきなさいよ!

無茶言うなよ!

あッ!

なんか思い出した?

確か 本当の親の顔を知らないで
育ったと言ってたな 彼女。

親の顔を知らない!?
うん。

幼い頃 両親が死んじゃって

施設に預けられたって…

その施設の場所は どこ?

(須)ええと…
彼女が生まれ育った場所はどこ?

生はげ!

何ムカつくようなこと
言ってるのよ こんな時に!

私のどこが生はげなの!
(須)そうじゃなくて…

彼女 小さな頃
生はげが怖かったって。

生はげが?

生はげ…
生はげって言うと…

生はげ ナマ…

男鹿半島!
うん。

刑事さんに言って 彼女が
育ったはずの男鹿半島の施設を

当たってもらいましょう。

(村)帰ってきた!?
(フロント)はい。

それで伊庭は今どこに?

タクシーをお呼びになって
石垣真苗さまとご一緒に

お出かけになりましたけど。

なに!?

どういうことなんだ? やはり
伊庭は真苗とグルってことか?

(町)さあ… タクシーは?
(フロント)伊豆箱根タクシーです。

村田さん
乗せた車を洗い出して

二人をどこで降ろしたか
突き止めましょう。

そうね。

(村)どうもありがとう。
(フロント)いいえ。

≪(伊)本当のことを
教えてくれないか?

石垣を殺したのは
誰なんだ?

君なのか?

だとしたら なんなの?

(伊)一緒に自首しよう。

君が本当に犯人なら
僕にも責任がある。

僕があの時
君を許していれば

こんなことには
ならなかった。 だから…

どうして!?
どうして そんなこと言うの?

私には分からない。

私が犯人だと思うなら
警察に訴えればいいじゃない。

そんなこと
出来るわけないじゃないか!

君は僕の妻だった女だ。

≪僕が愛した女だ。

(真苗)あの添乗員も言ってたわ。

自首させてあげるのが
本当の愛情だって。

でも そんな甘いこと言ってて
傷つかなかった?

今まで他人に傷つけられたこと
全然ないの?

何言ってるんだよ 真苗。

早乙女さん。

犯人が分かりました。
(伊)えッ!?

真苗さん 犯人は
あなたですよね?

男鹿半島にある養護施設を
片っ端から当たったら

25年前まで

香取真苗と香取真弓という
双子の姉妹(きょうだい)を

預かっていた所が
見つかったんですよ。

(伊)双子って!?

(村)やっぱり
あんたも知らなかったか。

まあ 無理はないわな。

真苗と真弓の双子の姉妹は
別々の里親に預けられて

この25年間
全く違う人生を歩んできた。

あなたは真苗さんじゃない。

真苗さんの双子の妹
真弓さんですよね?

何言ってるの?
私は真苗よ。

真弓なんて妹
会ったこともないわ。

違うわ あなたは真弓さんよ。

あなたが真苗さんなら 伊庭さんも
須藤ちゃんも あなたを愛さない。

人間は男も女も顔じゃないわ
ハートよ。

私さっき あなたと話してて
思ったの。

どうして伊庭さんも須藤ちゃんも
こんな人に心ひかれたのかって。

もしかして 同じ顔をした
別の人がいるんじゃないかと…

そう思ったら
あなたのアリバイも

由香さんが殺された理由も

いっぺんに
謎が解けました。

銀座で須藤ちゃんと
会っていたのが本当の真苗さん。

箱根で石垣さんを
殺したのが 真弓さん…

あなたですよね?

由香さんは あの夜

そこにいるはずのない
真苗さんの顔を見てしまった。

だから次の日 あなたが
ホテルにやって来たのを見て

犯人だと分かったんです。

由香さんは あなたに
2億円の保険金が入るのを知って

あなたを脅迫したんでしょ?

借金で苦しむお父さんのために。

《≪(由香)お願い!
私には お金がいるの。》

《まとまった お金さえあれば》

《鬼のような取り立て屋から
解放されるの。》

《2億円の半分…
いいえ4分の1でいい。》

《私にちょうだい。
それで父は助かるんです。》

《分かったわよ!》

《東京に帰ったら
連絡するから》

《これに連絡先
書いておいて。》

《ウソついたら
いつだって警察に言うわよ。》

≪(伊)本当なのか?

本当に君が…

教えてくれ 本当の真苗さんは
今 どこにいるんだ?

あんたが石垣さんと由香さんを
殺したこと 彼女 知ってるのか?

全てを知った上で
俺と会ってたのか?

真苗は何も知らなかった。

言ったら止められてたわよ。

真苗は血のつながった
本当の家族をほしがってた。

≪だから私を
♬~ 捜し出したのよ。

♬~

真苗からは
いろいろ聞かされたわ。

伊庭さんのことも
石垣のことも。

石垣にはクラブで
働かされるようになって

愛の証(あかし)だなんて言われて

互いに2億の保険金を
かけさせられたことも聞かされた。

じゃあ それであなたが
今回の計画を?

私にはお金が
必要だったのよ。

(村)なんのために?
(真弓)生活を変えたかったのよ。

全てを変えるためには
お金が必要でしょ?

(村)そんなことのために
二人の人間を殺したのか!

そんなことだなんて
どうして言えるの!?

私がどんな家に
引き取られたか

知らないから
そんなことが言えるのよ。

私が引き取られたのは 近所でも
資産家で通ってる家だった。

子供だって 本当の子供が
3人もいたわ。

じゃあ どうしてあなたを
養女になんかしたの?

養父が私を
オモチャにするためよ。

私は養父と
二人きりになるのが怖かった。

いつも 誰か
助けに来てくれるのを願ってた。

でも 誰も
助けには来てくれなかった。

絶えられなくなって
13歳の時に家を飛び出したわ。

それからは もう最悪。

だから人生を変えたかったの。

やり直したかったのよ。

それで…

真苗さんは
今 どうしてるんだ?

死んだわ。

≪(真弓)殺すつもりなんて
なかった。

でも あの夜…

《殺した!?》

《どうして!?
どうして そんなことしたの?》

《あんな男 死んだ方が
あなたのためじゃない。》

《あなたにだけ働かせて》

《自分は若い女を連れて
旅行に行くような男なのよ。》

《それに死んだら 2億の保険金が
入ってくるんじゃない。》

《あの人が遊ぶのは》

《私の心をつかめなくて
苦しんでるからなの。》

《2億の保険金だって
石垣なりの愛情表現なのよ。》

《それなのに お金のために
あの人を殺したって言うの?》

《私は そんなことをさせるために
あなたを捜し出したんじゃない。》

《あなたがいれば》

《私には お金なんか
どうでもよかったのに!》

《まさか 警察に
知らせる気なの?》

《そうするしか ないでしょう。》

《どこ行くの?》

《来ないで!》

《あなたを信じた私が
バカだったのよ。》

《やっぱり誰も
信じちゃいけなかったんだ。》

《そんなこと 今までイヤという程
思い知らされてきたのに…》

《真弓…》

《(真弓)離して… 離して!》

《(真弓)離してよ。》
《(真苗)離しなさい。》

《真弓!》

《(真苗)ウッ…》

《真苗? 真苗…》

《姉さん…》

《姉さん!》

《≪(真弓)姉さん。》

《姉さん…》

殺す気なんてなかった。

私が殺すはずないじゃない。

25年ぶりに やっと会えた
姉さんなんだもん。

私だって 本当の家族が
ほしかったんだから。

本当の犯人は
あなたじゃないかもしれない。

今まで あなたを苦しめて

裏切り続けてきた人達が

あなたを今回の犯行に
走らせたのかもしれない。

でもね 真弓さん

本当に不幸なのは
人を疑うことしか知らない人間よ。

あなたは 人を疑うことでしか

今までの つらい人生を

乗り切って
こられなかったのかもしれない。

人を信じれば
裏切られることは あるから。

でもね…

人を信じなければ
本当の絆は結べない。

さあ。

あなたが罪を償ったら

きっと私も…

須藤ちゃんも伊庭さんも
あなたの力になる。

そうだな。

(伊)ええ。

♬~

♬~ さあ 来て。

♬~

♬~ 姉さんは いい人だったのね。

こんな二人に
♬~ 愛されたんだから。

♬~ ああ。

♬~ 素敵な人だったよ。

あなただって
♬~ お姉さんと同じように

いいもの
♬~ いっぱい持ってるのよ。

♬~

(村)出して。
♬~ ≪(運転者)はい。

♬~

≪(伊)結局 僕は真苗のこと
♬~ 何も知らなかったんですね。

離ればなれになった
♬~ 双子の妹がいることさえ

♬~ 知らなかったんですから。

♬~ 伊庭さん。

みんな僕が
♬~ いけないんです。

真苗と結婚してる時
♬~ 真弓さんを捜し出していれば

こんな悲劇は
♬~ 起きなかったかもしれない。

真苗さんのこと ずっと
♬~ 愛してらしたんですね。

♬~

(須)うまくいかねえな
♬~ 男と女は。

うまくいく男と女だって
♬~ きっといるわよ。

私 信じる。
♬~ だと いいけどな。

そうだ 明日
♬~ 結婚式しよう!

結婚式!?
♬~ うん。

♬~ どういうことですか?

あの二人にだけは
♬~ 幸せになってもらわなきゃ!

えッ ウエディングドレス!?

それからタキシードもね。
とびきり上等なのを用意して

明日の朝までに持ってきて。

とッ… とうとう
結婚なさるんですか?

違うわよ 私じゃないわよ。
お客さまの分。

なんだ…

何が「なんだ」よ。 いい?

この早乙女千春が
他人の結婚式を仕切るなんて

滅多にないことなんだから
しっかりやってちょうだい 神崎。

☎(神)はい。

♬~「ウエディングマーチ」

♬~

♬~

♬~

♬~

♬~ (一同の拍手と歓声)

♬~

♬~

♬~

♬~ ご満足いただけましたか?

♬~神崎 ありがとう。

♬~ お嬢さまのために出来たら

♬~ とても幸せなんですけど。

♬~ 言わないで…
グサグサくるから。

♬~ 待ちくたびれて つい…
申し訳ございません。

大丈夫。 いつか
♬~こういう結婚式を挙げるから。

人は幸せになる為
♬~生まれてきたんだから。

俺でよければいつでも
♬~ 結婚してやるぞ… 夢の中で。

冗談じゃないわよ
♬~ あなたと結婚するくらいなら

♬~ タヌキとした方がマシ!

(須)タヌキのたたりで お前なんか
♬~ 一生結婚出来ないよ!

♬~ ちょっと!

(一同)みなさん お幸せに!