温泉(秘)大作戦 北海道松前温泉の老舗旅館「矢野」の女将・環は、温泉旅館たて直しのプロフェッショナルである星野さつき、…

出典:EPGの番組情報

[字]昼の特選ドラマ劇場 温泉(秘)大作戦 

「北海道松前で海の王者本マグロをゲットせよ」▽テレビ朝日系列で2006年に放送された第3シリーズ

詳細情報
番組内容
北海道松前温泉の老舗旅館「矢野」の女将・環は、温泉旅館たて直しのプロフェッショナルである星野さつき、島慎之介、桜井恵美の3名を新たに従業員として採用。さつきたちが「矢野」に潜入してまもなく、支配人の竜崎と乗っ取り屋の悪名を持つグローバル開発の接触が発覚する。そんなとき、刑事がやってきて女将の環を連行。旅館の経理をみていた税理士の谷山が遺体で発見され、環の持ち物が現場に落ちていたのだ。
出演者
森口瑤子、東幹久、野際陽子、村田雄浩、朝丘雪路、星野有香、安奈淳、白竜、中山仁 ほか
番組概要
全国の名温泉旅館に従業員として潜入し、その経営改革に辣腕を発揮する旅館コンサルタントたちの活躍を描く。
番組ホームページ
<番組ホームページはこちら!>
www.bs-asahi.co.jp/hiru/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

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  19. 仕事
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♬~

(谷山弘道)うっ… わあー!

♬~

(星野さつき)
〈北海道の玄関口 函館市〉

〈この街は 1859年 函館港が
国際貿易港として開港以来

様々な外国文化が持ち込まれ

エキゾチックな街として
発展してきました〉

〈ここは 年間500万人もの
観光客が訪れる

全国でも有数の観光名所です〉

〈そして 何といっても
北海道は海産物の宝庫〉

〈その海産物を育む 津軽海峡

立待岬から望む
その雄大な姿は

誰もが息をのむ絶景です〉

♬~

う~ん…。

〈今回 私達3人が目指す
温泉旅館は

函館から
車で2時間ほどのところにある

日本最北の城下町
松前にありました〉

〈その昔 近江商人の
北前船が行き来し

北海道随一の松前城は
武田信広が藩を置いて

文化発祥の地として
栄えてきました〉

〈町のいたるところに
緑に包まれた 古いお寺が点在し

訪れる人の心を癒し
和ませてくれます〉

〈そして 松前の
本マグロが水揚げされる

活気あふれる漁港もあります〉

(島慎之介)
これが温泉旅館 矢野か。

(桜井恵美)いよいよですね。

うん。 じゃあ 行きましょう。
はい。

温泉旅館 矢野は 必ず
グローバル開発のものにするの。

わかってるわね?

(ため息)

(佐久間環)
今日から この温泉旅館 矢野で

皆さんと一緒に働いてくださる
方達を紹介します。

経理を見ていただく
星野さつきさん。

それから 板場には
島慎之介さん。

桜井恵美さんには 仲居さんとして
働いていただきます。

3人共 旅館で勤めた
経験がおありですから

すぐに仕事にも
慣れてくださると思います。

皆さん
よろしくお願いいたします。

よろしくお願いします。
よろしくお願いします。

(山下芳江)でも 女将。

ずーっと経費節減 経費節減って
言ってたのに

何で3人も新しく雇うんですか?

仲居も板場も
十分 人手は足りてますから。

ねえ?

(鈴木真理)
半人前も いますけどねぇ。

(田中千恵)何で 私の顔 見て
そんなこと言うんですか?

別に…。

安沢さん 島さんを
板長に紹介してくださいね。

ちょっと 女将!
芳江さん。

恵美さんを案内してください。

星野さん。
帳場に ご案内いたします。

はい。

(環)どうぞ こちらへ。
はい。

あっ 支配人 どこ行ってたの?

新人さん達を紹介するって
言っておいたのに。

(竜崎勝彦)申し訳ございません。
あの…。

先程 お会いしましたよね?

♬~

顔見知りだったの?
いえ 通りすがりに ちょっと。

はじめまして 竜崎です。

星野です。
よろしくお願いいたします。

じゃあ こちらのデスクを
お使いください。

支配人 星野さんに
帳簿を見せてあげてくださいね。

かしこまりました。

あっ あの 帳簿は

10年前のものから
見せていただけますか?

そんなに さかのぼってですか?
はい。 お願いします。

わかりました。 支配人。
はい かしこまりました。

先代から お世話になってる
税理士さんが

週に3回は来て
見てくださってるんですけど…。

あっ もう
いらっしゃるはずなんだけど…。

いらしたら 紹介しますわ。
はい。

(竹芝哲平)環ねえさん。
新商品 持ってきた。

まあ。
あと これ サンキュー。 助かった。

弟さんですか?
みたいなものかしらね。

亡くなった この人のお父さんに
私 随分 お世話になって。

土産物を扱う会社を
やってましてね

客室用のお菓子を
納品してくださってるの。

新しく入った星野さんよ。

はじめまして。
はじめまして。 竹芝哲平です。

じゃあ ねえさん 俺 帰るから。

10年分の帳簿です。
ありがとうございます。

では 早速
拝見させていただきます。

♬~

(パトカーのサイレン)

(宮永刑事)第一発見者は?

(水谷刑事)釣り人が発見しました。

恐らく 崖からの転落死だと
思われますが

身分を証明するようなものは
何も残ってません。

事故か あるいは
誰かに突き落とされたか…。

(佐野達也)あんたのことは
聞いてる。 まあ そこそこ

経験があるそうだが
ここには 俺のやり方がある。

どんな奴でも
まずは野菜の仕込みからだ。

安沢 教えてやれ。
(安沢健太)はい。

(安沢)野菜専用の冷蔵庫
これだから。

誰だ この だし汁とったのは!

はい 自分です。

やり直し!
えぐみが出てる。

はい すいません!

(あくび)

あっ テレビの番組表と
このリモコン ここね。

ここ。
はい。

灰皿 換えて。
はい。

ねえねえねえ… あなた 今まで
どこの旅館にいたの?

まあ いろいろと。

あっ ちょっと
それ いいですか?

ちょっと ちょっと
何やってんのよ!

やっぱり 粉茶 たまってた。
ほら 見てくださいよ。

茶筒の底 粉茶がたまってます。

お茶っ葉を 上から
継ぎ足し継ぎ足ししてると

こうなっちゃうんですよね。

こういう 気づかれないところに
気遣いするのは

大切なことだと思いません?

気づかれないところの気遣い…。
なるほどね。

新米の言うことに
感心してんじゃないの!

女将さん…。
うん?

あの3人は
一体 何者なんですか?

訊かれると思った。
あなたにだけは 話しておくわね。

実は あの3人は
温泉宿の仕掛け人なの。

温泉宿の仕掛け人…。

女将さん ちょっと いいですか?

♬~

♬~

♬~

♬~

みんな ざっと見た感じ
どうだった?

ありがちな
手抜きはあったんですけど

でも 掃除も行き届いてるし

もう少し調べてみないと
はっきりとは。

そうなのよね。 女将さんは

温泉組合の組合長をやってるほど
しっかりしてる方だし。

ただ 先代が亡くなってから

利益率の高い個人客が
減ってきてるみたいなのよ。

それが気になるの。
慎さんのほうは?

板長 かなり味に
こだわりのある人物です。

ただ こだわりすぎて 食材
無駄にしてる嫌いがあります。

う~ん。 料理は お客様にとって
一番の楽しみだし

経費を節減するのは
一番 難しいのよね。

まあ とりあえず
みんなの第一印象

社長に報告してきます。
はい。

じゃあね。
いってらっしゃい。

(黒川)竜崎さん!
竜崎さん!

支配人?

何でもありません。

♬~

グローバル開発!?

まさか…。

(城ノ内愛子)今日 ここに
いらっしゃる皆さんは いずれも

繁盛旅館の経営者の方ばかりです。
すばらしいです。

皆さん 自信と余裕で
お顔が輝いてます。

でも ちょっと聞いてください。

ええ… 20世紀
最高の料理人とうたわれる

ジョエル・ロブションが
史上最年少の若さで

ミシュランの三つ星を
もらった時に こう言いました。

三つ星をもらったということは

私が それに値する
ということでは ありません。

今 それを証明する権利ができた
というだけのことです。

皆さん この言葉を
どう思われますか?

皆さんの旅館は
今 繁盛している。

でも それに甘えることなく

うまくいっているということを
ずーっと証明し続けなければ

旅館の永続的な繁栄はないんです。

では ちょっと

その うまくいっている要因を
考えてみましょう。

どういうところが
うまくいっているのか。

いろいろ要素がありますね。

えっ?
グローバル開発の社員が?

ええ。 まあ 支配人のほうは

まったく相手に
してなかったようなんですが。

でも グローバル開発の会長は

会社を大きくするためには
どんな手でも使う

乗っ取り屋ですからね。

グローバル開発傘下の
金融会社を使って

目をつけた旅館に
無理な融資をして返済を求め

それが できないとなると
乗っ取っていく…。

はあ… 昔は
あんな人じゃなかったんだけどね。

社長! グローバル開発の会長
ご存じなんですか?

うん ちょっとね。
ひどすぎますよ 彼女のやり方は。

必死に頑張ってる人達の
弱みに つけ込んで。

私 絶対に許せません。

あなたの ご両親も
大変な目に遭ったわよね。

すいません。 仕事に私情を挟む
つもりはないんですけど。

ふふ… いいのよ。

あなたの その気持ちを
仕事に生かしてくれれば。

はい。

で あの 温泉旅館 矢野の所見
どうだったの?

あっ はい。

先代が亡くなって すぐに

客室や露天風呂の
リフォームのために

複数の金融機関から 2千万円ほど
借り入れをしています。

まあ そのくらいの
設備投資は当然よね。

でも 先代からのお客様が
離れてしまっているんです。

それに もうすぐ
シーズンだというのに

予約が埋まっていないのが
気になります。

そう…。

社長… やっぱり

グローバル開発が
絡んでるんじゃ?

うん…。

だとすると
旅行代理店を抱き込んで

矢野に お客が回らないように
してるのかもしれないわね。

よし…。

♬~

(携帯電話)

はい 岩田。

あっ 社長。

これ ほら 見てください。
この なめらかな お湯。

源泉温度53度 pH7.2。

ナトリウム 炭酸水素塩水の
さっぱりとした清涼感。

もう 体内の余分なものを

すべて
洗い流してくれるようですよ。

「あのね 岩田君」

「いやぁ お肌が
こんなに つるつる すべすべ」

「これは 美人の湯であります」

そんなことよりね 岩田君…。

社長も 来るべきだなぁ。
絶対 来るべきですよ。

さつきも恵美も一緒に。
美人になりますよ~。

「幸平さん 私達が
ブスだって言うのかしら?」

あっ さつき… ちゃん?

いや 言ってない。 そんな
ブスだなんて言ってません。

「ますます 美人になるって
そういうことで…」

「俺だって こんな こんな…。
ねえ ねえ?」

うわぁ~ ホントだ。
気持ち悪いくらい美人だ。

ねえ?
あはは…。

ところで 岩田君
今すぐ東京へ戻ってちょうだい。

「東京!?」
「緊急調査」

「とっとと帰ってくる。
いいわね?」

ちょっと 社長…。
そんな殺生な! 社長…。

ああ~ もう… はあ…。

東京か。
まあ 東京にも温泉あるしな。

久しぶりに
麻布の温泉でも行ってみるか。

ふふふ… そうと決まれば…。

よっ… よいしょ~。

何だと この野郎!

板長…。
俺に意見するのか!?

いえ…。
板長 落ち着いてください。

うるせえ! 貴様…
俺の仕事にケチつけやがって。

いえ
ケチつけたつもりは ありません。

ただ こだわりすぎるのは
どうかと…。

板長の腕なら 経費を節約しつつ
創意工夫できると思ったんです。

生意気 言ってんじゃねぇぞ!
若造が。

(環)板長! ねえ ねえ

乱暴はやめてよ!

俺の料理を
食ったこともねぇくせに

偉そうに…!
安沢さん!

安沢さん 板長 お願い。
はい。

板長 行きましょう。
女将が話してくれますから。

島さん…。
すいません。

板長が仕込んだ味噌
なめさせてもらったんですが

こういう味 出せる人
めったにいません。

だから つい生意気を…。

板長の短気は いつものことなの。

でも 料理に愛情を持って
頑張ってる人を

たとえ年下でも
きちんと認める人よ。

島さんなら
わかり合えると思うから。

はい。
ご心配かけて すみません。

従業員に心配かけられるのも
女将の仕事ですもの。

あっ そうだ。
さつきさん もう戻ってきたのよ。

それを知らせに来たんだけど。

さつきさん…。

東京から とんぼ返りなんて
何かあったんですか?

大変なんですよ!
グローバル開発が

温泉旅館 矢野
狙ってるかもしれないんですって。

グローバル開発って…。
ホントなんですか?

うん… 今 幸平さんが
調べてくれてる。

グローバル開発が
絡んでるとなると

私達には
悠長にしてる時間なんてないの。

1日も早く
立て直し作戦 開始しないと。

よし 明日の朝一番に
松前の町 出ましょう。

温泉旅館 矢野
立て直しのヒント 見つけにです。

やった! 松前の町
歩いてみたかったんだぁ。

(さつき・島)恵美!
遊びに行くんじゃないんだからね。

はーい。

あっ 何か焼いてる。
うわぁ~ 美味しそう。

美味しいよ これ。
ホント? 1本いい?

はい。

美味し~!
美味しいよ。

来てよかったよ~。

さつきさん。
遊びに来てるんじゃないんですよ。

観光客の雰囲気を感じ取るのも
大切なの。

じゃあ 私も1本!

♬~

ああ 美味しかった。 やっぱり
地のもののタコは最高ですよね。

恵美! 装飾担当 花チェック。

早く!
はーい。

♬~

あっ 松前漬のお店だ。
松前といえば 松前漬よね。

あっ さつきさん ちょっと…。

ちょっと…。
何?

観光客の ほとんどが

美味しいものを求めて
やって来るのよ。

特に北海道の海の幸は

日本人が愛してやまないものが
いっぱいあるんだから。

カニでしょ イカでしょ
ウニに イクラに ホタテ!

北海道中の旅館やホテルが
それを売り物にしてるんだから。

でも そこが問題だと思うんです。
うん?

いや もちろん
北海道定番の食材は外せません。

でも こんなものまであったのか
って食材で

お客さん うならせたいんです。

慎さん 何か当てはあるの?

日本人が愛してやまない味
他にもあるんです。

この津軽海峡には。

じゃあ 俺 行ってきます。
えっ? あっ ど…?

もう 勝手なんだから!

よいしょ。
こんにちは。

よう にいちゃん
また来たのか。

揚がりました?
いや ダメだな。

ヤツは 自然相手の漁の
代表みたいなもんだからな。

そうですか…。

まあ そう がっかりすんな。

揚がったら すぐ
あんたに知らせてやっから。

なっ?
ありがとうございます。

♬~

これ…。

ああ すごいだろ?
これが松前のマグロだ。

どうだ?
みんな いい顔してるだろ?

♬~

♬~

駐車場の車から
ガイシャの身元が割れました。

(芳江)
お客様 お待ちくださいませ!

お客様! お客様!

あの… 他のお部屋を
ご用意させていただきますので

どうか…。
お客様 何か手前どもに不手際が?

いい! もう帰る!
お客様…。

お客様…!
どうかしたんですか?

ご予約の時に 以前
お泊まりになった福寿の間に

また お泊まりになりたい
ってことだったんで

そうしたんですけど…。
それで?

はい。 同じフロアに
学生さんの団体客がいて

うるさくて かなわないって。

本当に
旅館経営は難しいですわね…。

お客様の思い出のためにも

変わらない旅館でありたいとは
思いますけど…。

でも
たった2人のお客様のために

団体さんをお断りするなんてこと
できませんもの。

女将さん…。

お怒りになって帰られた
お客様に

お詫び状と一緒に

ご招待券を お送りするというのは
どうですか?

ええ。 ぜひ そうしますわ。

思い出って
本当に大切ですものね。

思い出作りをするために
何度でも訪れたい…。

旅館は お客様に

そう思っていただかなければ
いけないんですよね。

私の両親は
そこを忘れてしまったから…。

実は 亡くなった私の両親も
旅館を経営していたんです。

私は お客様で
にぎわう旅館が大好きだった。

いらっしゃいませ。
失礼します。

ようこそ お越しくださいました。
どうぞ。

でも 旅館は 私が中学生の時に
人手に渡ってしまいました。

原因は
新しいお客様を求めるあまり

それまで
繰り返し来てくださっていた

お客様の気持ちを
忘れてしまったことです。

古き良きものを
生かすことを忘れた 設備投資。

間違った経費削減策。

失った常連のお客様の穴を

団体のお客様で埋めようとしても
無理なんですよね。

今の私だったら
両親を助けてあげられたのに…。

何で もっと早く

大きくなれなかったんだろうって
思ったりもしました。

その時 誓ったんです。

両親のように 経営で苦しんでる
旅館の人達を助けていくんだって。

そうだったんですか。

ああ… ごめんなさい
湿っぽい話。

いいえ。
ここの旅館の問題が

あまりにも 私の実家に
似ていたもので つい…。

女将さん
1つ1つ見直していきましょうね。

先程のお客様にしても
お客様の立場に立って考えれば

対策は あったと思うんです。

例えば 予約をいただいた段階で

同じフロアに
団体のお客様がいるということ…。

そういった こちらの事情も
きちんと お話ししておけば

あのように
お怒りになって帰られることも

なかったと思うんです。

お客様には くつろいで
いただかなければならない。

これは 旅館の大前提です。

思い出をたどりにいらした
ご夫婦が

団体のお客様と同じフロアで
くつろげないというのは

当たり前のことですし。

そうですね。

生意気 言って ごめんなさい。

でも 私

絶対に 温泉旅館 矢野を
立て直したいんです。

そのお手伝い…
させてください。

ありがとうございます。

女将… 警察の方が見えてます。

佐久間環さんですね?
はい。

ちょっと 伺いたいんですがね
函館のデパートで

名前入りの万年筆を
注文なさいませんでしたか?

ええ。 知人が 私の誕生日に

プレゼントしてくれたことが
ありますけど。

これですか?

どうして?
これ どこで?

立待岬の崖の上に
落ちてたんです。

立待岬!?

谷山弘道さんを
ご存じですよね?

ええ。 お世話になってる
税理士の先生ですけど。

実は 立待岬の崖下で
遺体で発見されたんですよ。

えっ!?

崖の上から転落したんですが
誰かと争った形跡がありましてね。

殺された可能性が強いんです。

ちょっと…!
そういうこと 大きい声で。

うちは 客商売なんですよ。

女将さん お話を伺いたいんですが
署まで ご同行 願えませんか?

まさか 女将さんを
疑ってんじゃないでしょうね!

声が大きいですよ。
さつきさん 大丈夫だから。

一緒に まいります。
支配人…。

後のことを
よろしくお願いします。

あっ…。

女将さん…。

支配人 殺された
税理士の谷山さんっていうのは…。

仕事にかかりましょう。

立待岬…。

あっ…!

♬~

あの時 支配人
何してたんだろう?

女将のことで

いろいろ詮索してくる
お客様もいるでしょうが

私達は女将を信じて

いつもどおりの
おもてなしをお願いします。

いいですね?

どうしよう。 このまま
女将が帰ってこなかったら…。

あんた ホントに
女将が犯人だっていうの!?

そんなこと言ってませんよ!
谷山先生にはね

先代の頃から
お世話になってんのよ。

女将だって
ずっと頼りにしてるし。

その先生を
女将が殺すわけないでしょう。

だから そんなこと言ってません!

環ねえさん!

環ねえさんは?

まだ お戻りじゃありません。

どういうことだよ?
何で こんなことに…。

落ち着いてください。

環ねえさんが
警察に連れて行かれたんだぞ!

落ち着いてなんか いられるか!
そうですよ。

身近で殺人事件なんて…。

心配です。
どうするんですか?

皆さん 冷静に!

女将の留守の間

温泉旅館 矢野を守るのが
私達の仕事です。

何よ支配人ったら!
女将がいないからって偉そうに!

ここに来て まだ1年の
ぺーぺーのくせに!

竜崎さん まだ
ここに来て1年なんですか?

そうよ~。
5年前に ご主人 亡くしてから

女将は
谷山先生に相談しながらね

ずーっと
1人で頑張ってきたのよ~。

そうなんですか…。
でも

谷山先生いなくなっちゃったら
うちは支配人の天下ですよね。

それ… どういうことですか?

対立してたのよ…
谷山先生と支配人。

経費削減策のことで いろいろ。

特に 哲平さんとこの
商品が問題でね。

問題って?
谷山先生は

哲平さんとこの お菓子を
客室用に仕入れてたんだけどね

支配人は
哲平さんのとこよりも

安く仕入れられる業者を
知ってたのよ。

そしたら 安いほうにしようって
言うのが 当たり前ですもんね。

でも 哲平さんは
女将の弟みたいなものだし

谷山先生は 支配人の言うことに
耳を貸さなかったの。

女将さんは
どう言ってたんですか?

板挟みよ~。

この旅館のことを考えれば
支配人の意見は もっともだし

でも 自分が弟のように
かわいがっている哲平さんを

優遇してくれる
谷山先生も大事だし…。

もうね… 見てて
かわいそうなぐらいのジレンマ。

でも 女将…
そのジレンマから解放されますね。

あんた ちょっと それ不謹慎!

でも…
谷山先生が亡くなって

一番ホッとしているのは
絶対に支配人ですよ!

ここに来て まだ1年なのに
結構 やり手ですよねぇ。

えっ!?
竜崎さんが 立待岬に?

うん…。
谷山さんの遺体が発見された日…。

私達が 函館に着いた日にね

何か探してるみたいだったなぁ…。

ひょっとして… 女将が落とした
万年筆 探してたのかな?

何で 竜崎さんが
そんなことする必要あるんだ?

女将に頼まれたとか!

それじゃあ 本当に女将が
谷山税理士 殺したってこと?

まさかぁ…。

じゃあ 竜崎さんは

万年筆を
探しに行ったんじゃなくて

置きに行ったとか!
女将に罪を被せようとして…。

恵美! もう いい加減にしろ。

慎さん… 慎さんは どう思う?
支配人のこと…。

やめませんか?
さつきさんまで…。

(ノック)
はい!

あの… さつきさん
いらっしゃいますか?

哲平さん…。

環ねえさんから
あなた方のことは聞いています。

こんな時だからこそ
旅館の立て直し

進めていただけませんか?

僕は 環ねえさんが いない間に
あの竜崎という男が

好き勝手なことを
するんじゃないかって

心配で ならないんです。

僕には… どうにも
あの男が信じられないんです!

(哲平)確かに
仕事は できる男だと思います。

でも…
人として どうかというと…。

環ねえさんも
彼を信頼しきれないから

あなた方に 立て直しを
依頼したんだと思います。

哲平さん その支配人のこと…。
竜崎さんのことに関しては

我々は何とも言えません。

しかし 女将さんのため
温泉旅館 矢野のために

全力を尽くすことは
お約束します。

よろしくお願いします。

ありがとうございます。

やっぱり 竜崎さんが
ちょっと怪しい。

証拠もないのに
変な憶測は よそう。

俺達は 温泉宿の仕掛け人です。
自分達の仕事を全うしましょう。

うん… そうね!

…で 慎さん
料理のほうは どうなった?

いい食材 見つけてあります。
えっ 何ですか? いい食材って。

松前漁港に揚がる 本マグロです。

♬~

♬~

へい お待ち!
はい。

おお~!
これが松前の本マグロか。

へえ…。

う~ん… 美味しい!

脂が しつこくなくて
もう 実に私好み!

でしょう。
社長!

大変なことが わかり…
う~わ うまそう!

美味しいのよ これ…。
どうしたの?

ああ… 温泉旅館 矢野を
狙っているのは

グローバル開発だけじゃ
ありません。

えっ?
道南キャピタルという

北海道最大手のM&A会社も
目をつけていたんです。

何ですって?
しかもですよ

道南キャピタルが狙っているのは
温泉旅館 矢野だけじゃなくて

松前温泉 全体なんです。

ええ? どういうこと?

道南キャピタルは
松前温泉全体を

函館に負けない リゾート地に
しようとしてるんです。

ああ… ちょっと すいません。
よいしょ…。

温泉旅館 矢野の女将は
松前温泉組合の組合長なんです。

真っ先に 温泉旅館 矢野を
ターゲットにしたのは そのためです。

温泉旅館 矢野が落ちれば
他の旅館も…。

ああ… そうよねぇ…。

旅行代理店に手回して
個人客を断らせていたのは

グローバル開発ではなくて
道南キャピタルだったんです。

…で グローバル開発の動きは?
道南キャピタルに対抗して

グローバル開発の会長は
まさに 社運を懸けてます。

グローバル開発は バブル期に
一気に大成長を遂げた

ディベロッパーですが 最近では

乗っ取りを 繰り返す
自転車操業に なってるんです。

自転車操業…
そんなことになってるの?

ええ…。

はあ そうか…
そうなると 彼女 命懸けねぇ。

今まで以上に
どんなことをしても

温泉旅館 矢野を
手に入れようとするわ…。

そして 彼女が 松前温泉全体を…。

はい。 恐らく。

(ため息)

それにしてもねぇ…。

彼女が社運を懸けるのが
松前だなんてねぇ…。

どうかしました?

うん? ううん!
ああ… 何でもない。

じゃあ 岩田君
今すぐ 北海道行って その…

道南キャピタルのこと

もうちょっと
詳しく調べてちょうだいよ ねっ?

あの… 今… 今すぐっていうのは
ここから もう今すぐってこと…。

そう! ここから羽田へ。
ああ そう…。

よろしくね。 はいっ。

ああ…。

一口くらい
くれてもいいのになぁ…。

んっ? 何か言った?
いや 何でもないです…。

じゃあ いってきます。
うん いってらっしゃい。 うん。

♬~

いつになったら
具体的な話になるんだ。

今しばらく お待ちください。

道南キャピタルの損になるようなことは
いたしません。

どうか 私に任せてください。

しかし うちはうちで
動いているんでね。

そうだな? 冬木。
(冬木高雄)はい。

社長 お願いします。
私を信頼してください。

ふっ 大した男だな。 ええ?

私に 自分の部下より
君を信頼しろというのか。

ははは…。

温泉旅館 矢野に関しましては
ぜひ 私を。

ふざけるな!!

これ以上
どこを節約しろっていうんだ。

客に出す食材の質を
落とせっていうのか?

そうは言ってません。

大体なぁ 女将が こんな時に
何が節約だ!

女将が不在だからこそ
気を引き締めてかかるべきです。

もっともらしいこと
言ってんじゃねぇぞ コラァ!

ええ!? こっちはな

温泉旅館 矢野の板場に立って
20年だ!

1年や そこらの支配人に
指図されて 働いてられるか!!

働けないとおっしゃるなら
それも 致し方ございません。

何!?
もういっぺん言ってみろ!

板長! ちょっと すいません。

何だ!?
ちょっと お願いします。

これ 味見していただけませんか?

(安沢)お前 何 勝手なこと
やってるんだよ!

アスパラ ダイコン ニンジン
レンコンの皮で作ったピクルス。

それから だし汁をとった後の
かつお節で作った ふりかけ。

お茶がらで作った佃煮です。

すべて 今まで
捨てていたもので作りました。

賄い飯のほうで
使えるんじゃないでしょうか。

安沢!
(安沢)はい。

お前 ちょっと食ってみろ。

うまい これ。

ふりかけや佃煮は
常備食にもなります。

野菜の皮は 他にも
オムレツや きんぴら

あと チャーハンの具にも
使えます。

賄い飯のほうで
経費節約できませんか?

女将さん!!

お帰りなさいませ。

ただいま。

大丈夫ですか?
少し休まれたほうが。

大丈夫。

大丈夫よ。

女将さん
疑いは晴れたんですよね?

ええ 私が谷山先生 殺すなんて…。

よかった。

こんなことに
負けていられないのよ 私は。

私には 休んでる暇なんか…。

女将さん。

立て直し作戦
今日から始めましょう。

本当に 休んでる暇なんて
ありませんよ!

一緒に頑張りましょう!

ありがとう。
よろしくお願いします。

一体 何事かしらねぇ?
従業員 全員集合なんて。

どうせ ろくな話じゃないわよ。
ねえ?

皆さん。 星野さんから
大切な お話があります。

よく聞いてください。
星野さん。

はい。

皆さん 今まで皆さんには
隠してきましたが

私達は
旅館コンサルタントなんです。

旅館コンサルタント?

わかりやすく言えば
温泉宿の仕掛け人です。

仕掛け人?

私達は この温泉旅館 矢野の
経営を向上させるために

やって来たんです。

どういうことよ!
まさか リストラってこと!?

やだ! 私 ここクビにされたら
行くとこない!

そうよ!
冗談じゃないわよ!

皆さん! リストラの意味を
履き違えないでください。

リストラ イコール
クビではありません。

リストラ すなわち
リストラクションは

本来 前向きに
立て直しを図ることを言うんです。

私達は 誰一人 クビにすることは
考えておりません。

従業員が一丸となって

この温泉旅館 矢野を
生まれ変わらせ

ひいては 松前温泉全体を
活性化させるんです。

松前温泉全体を?
あなた そんな

突拍子もないことを!
でも どうやって?

松前の個性にこだわるんです。
松前の個性?

この松前は 城下町ならではの
ぬくもりや 和みがあります。

松前に来れば まるで故郷に
帰ったように癒される。

ここは そんな
ノスタルジックな温泉郷。

いかに 多くのお客様に
松前の個性を楽しんでいただくか。

いかに 温泉旅館 矢野の
ファンになっていただくか。

皆さんには 常に
そこを考えていただきたいんです。

お客様が 何度 来ても

温泉旅館 矢野だからこそ
ステキな思い出作りができる。

何度でも
松前温泉に足を運びたい。

そう思っていただけるような
おもてなしをお届けをするんです。

それには チームワークが
大切なんです。

皆さん 力を合わせて
頑張りましょう!

何だか わくわくしてきちゃった!
ねえ!

私も!
私も!

ねっ 頑張りましょう!
(拍手)

(拍手)

支配人 頑張りましょうね。
はい。

よいしょ!
よっ!

(恵美の声)
まず ロビーの模様替え。

シンプルな飾りの中にも
癒し感もアピール。

そして 廊下は
お客様の利用の多いところ。

掃除も丁寧に。

お部屋は 最も重要なポイント。

見えないところも
きれいにしましょう。

(さつきの声)そして 松前町の
観光課に 協力をお願いし

町のお土産屋さん
共同浴場などと提携して

割引になるクーポン券を ご用意。

お客様に お得感を
味わっていただけるうえに

松前の町の活性化にも
役立ちます。

(恵美の声)滑りやすい
お風呂場の床は こまめに掃除し

お客様への気配りを。

廊下のホールにも

ちょっと座って
一息つける空間を。

客室には
さり気ない一輪挿しを飾り

癒しと くつろぎの空間
であることをアピール。

いらっしゃいませ!

いらっしゃいませ。

(さつきの声)お客様のお迎えは
心からの笑顔で。

チェックインの間に
おしぼりで

顔や手の汗をとって
さっぱりとしていただく。

そして 旅館の浴衣以外にも

かわいらしい
浴衣や甚平をご用意。

浴衣や甚平も
いろいろ取り揃えてございます。

お好きなのを どうぞ。
かわいい。

私 せっかくだから
これにするわ。 はい。

お似合いだと思います。
俺は これがいいかな。

松前には
風力発電もあるんですよ。

ぜひ一度 行ってみてください。

ここから
そんなに遠くありませんし。

(さつきの声)
そして 松前の名所や

穴場の紹介は もちろんのこと…。

松前は 桜の里と呼ばれるほど
桜が見事なんです。

夏は アジサイやバラが
咲き誇りますし

秋の紅葉もオススメなんですよ。

(さつきの声)
四季折々の松前の魅力を

お伝えすることも忘れずに。

(島の声)そして 旅先で お客様が
最も楽しみなのは 料理です。

館内の一角に レストランを開店。

ご宿泊のお客様のみならず

地元の方達にも気軽に立ち寄れる
オシャレなレストランにします。

お好きなもの一点
おかわり自由でございますから。

えっ ホント?
ええ。

(島の声)部屋で
お食事を召し上がる お客様には

お好みの料理の
おかわりをサービス。

朝食には 和風 洋風
2種類ご用意し

お客様のお好みで
選んでいただきます。

(さつきの声)そして
チェックアウトの際には…。

アメニティーをご使用に
ならなかったようですので

少ないですが こちらを。
えっ いいんですか?

(さつきの声)部屋に備え付けの
アメニティーを使わなかったお客様に

「少ないですが」の言葉を添えて
いくらかのキャッシュバックを。

お客様の帰り際に
そんな心遣いを見せることは

温泉旅館 矢野を
印象付けることに つながります。

(恵美の声)
心を込めた おもてなしで

温泉旅館 矢野のファンに
なっていただけるように…。

(さつきの声)
そうすれば また 松前温泉に

足をお運びいただけるんです。

マグロ?
マグロを使うっていうのか。

そうです。 松前漁港に揚がる
本マグロです。

バカ言え!
マグロの一番うまいところは

全部 築地に行っちまうんだよ。
いや 確かに

30キロを超える大物は
高値が付くため築地に送られます。

でも 小さいからっていって
ダメって決め付けるのは

間違いじゃないでしょうか。
お前 ちょっと 口が過ぎるぞ!

大体な マグロっていうのは
大間なんだよ。

松前の本マグロは
大間に決して引けを取りません。

松前の本マグロは
イカを餌に成長します。

ですから イワシやサンマなど

青魚を餌に育った
大間のマグロより

脂身少なく
さっぱりしています。

この味の違いがあるからこそ
大間のマグロと勝負できるんです。

新鮮だからこその刺身は
もちろん

松前の本マグロは

料理人が手を加えることで
その独特の豊かな味が引き出せる。

そうですよね? 板長。

カニのように
北海道定番の食材に加え

この温泉旅館 矢野では

松前の本マグロに こだわり
個性を打ち出すんです。

地のものを その土地で
味わうことこそ旅の醍醐味です。

板長。 松前の本マグロで
挑戦させてください!

お願いします。

♬~

そこまで言うなら

俺の舌を納得させるだけの料理を
作ってみろ。

まあ 無理だろうがな。

ありがとうございます!

♬~

慎さん
板長も納得させたし

立て直しも
うまくいきそうですね。

あっ ちょっと仲居さん…。
はい。

お願いがあるんですが。
何でしょう?

ちょっと すいません。
はい。

(哲平)
いえ そんなことありません。

…はい 近いうちに
必ず 説得しますんで。

よろしくお願いします。
背に腹は代えられませんし。

じゃあ 失礼します。

あっ… いや あの…。

この不景気で
うちも ご多分に漏れずで。

ああ… 大変ですね。

あっ 立て直し作戦
ありがとうございます。

環ねえさんも
喜んでいました。

いやぁ~ ひと仕事終えた後の
温泉は もう格別だなぁ~。

この お湯のまろやかさ。
ナトリウム 硫酸源泉。

源泉温度 41.7 pH7.1。

神経痛 筋肉痛 関節痛に火傷。

冷え性に… 慢性皮膚病に
慢性婦人病に効く!

すばらしきかな この松前の湯!
ははは…。

さすが幸平さん!
うわっ! びっくりした!

びっくりした…
何やってんだよ!

慎さん どうしたの?

いや 慎之助がねぇ
脅かすんだもん…。

ちょっと…
でっ… 出てます!

お前 濡れちゃうじゃねぇかよ!
いや 濡れるとかじゃなくて!

ほら… 出てますって!
何が出てるの?

何がって… ナニが!

(2人)キャー!!

ああーっ!

お前ら 何で
そうやって じっと見てられるの!?

もう 信じらんない!

誰なんですか?
この支配人と一緒に写ってる人物。

道南キャピタルの社長 有島だ。

道南キャピタル?

さつきさん 知ってるんですか?
北海道最大手のM&A。

つまり買収会社よ。

今 その北海道最大手が
温泉旅館 矢野を狙ってる。

いや この松前温泉全体を

リゾート地にしようとする
プロジェクトを立ち上げてるんだ。

ええ…?
そんな!

その道南キャピタルの社長と
支配人が会っていた…。

どういうこと?

グローバル開発が
債権集めに走ってる間に

支配人は 道南キャピタルの社長と
手を組んだってことだろ?

まさか…
支配人が裏切ってるなんて…。

やっぱり 竜崎って
相当なワルだったんだ。

谷山税理士 殺して
女将に その罪 被せて。

温泉旅館 矢野を
売ろうとしてるんですよ!

恵美! 憶測で ものを言うな。

いや 殺人はともかく

恵美の言うことは
当たらずとも遠からずだ。

女将さんは
松前温泉組合の組合長だ。

もし矢野が 道南キャピタルの
プロジェクトに

乗らざるを得ないとなれば

他の松前の旅館も…。

そんな勝手なことされたら
旅館は? 矢野はどうするの?

竜崎のことは 俺が
もっと突っ込んで調べてくるよ。

本当に
竜崎さんが裏切ってたとしたら

私 絶対に許さない!

さつきさん…。
絶対に許さない!

ああ?
いえ…。

♬~

支配人。

あの…。

支配人は この旅館のこと
どう思ってらっしゃいますか?

どうと言われましても…。
ひとつ 伺いたいことが…。

さつきさん!
ちょっと いいですか?

失礼します。

ちょっと 慎さん 何!?
竜崎支配人のことは

幸平さんが調べてくれてます。
それを待ちましょう。

でも 道南キャピタルと
手を組んでたとしたら

今のうちに何とかしないと…。
さつきさん。

我々の立て直しは
今 始まったばっかりです。

それを まず
しっかり軌道に乗せないと…。

私は この旅館を守ります。

慎さんは
余計な世話焼かないで。

(須藤浩子)社長。
うん?

紅茶 冷めてますよ。
ああ…。

今 淹れ直しますね。
ありがとう。

(ため息)

どっかで見たこと
あるんだけどなぁ…。

どこで見たんだろう
この顔…。

社長! とんでもないことが
わかりました。

えっ?
温泉旅館 矢野の支配人 竜崎は

グローバル開発の
役員だったんですよ!

何ですって?
グローバル開発の役員!?

♬~

あの男… そうか。

どうりで どっかで会ったはずよ。

進藤聖子の腹心だった男よ これ。

はあ…。 いや そんな男が

なぜ あの旅館の支配人を
やってるのか

なぜ道南キャピタルと
接触をしてるのかは まだ

そのへんのことは
よく わかってなくてですね…。

よし… 彼女に会ってくるか。
社長?

あっ 岩田君は引き続き

道南キャピタルのことを
調べてちょうだい。

了解しました。

どういうことなの?

なぜ 予定どおり
ことが運ばないのよ。

申し訳ございません。
この頃 変よ みんな…。

黒川!
早速 取り掛かります。

失礼します。

ったく もう…。

しばらく。

あなたが ここへ来るなんて
どういう風の吹き回し?

ちょっと おもしろいものが
手に入ったものだから

あなたに見ていただこうと思って。

♬~

あなたの腹心の部下が

どうして あなたのライバルの

道南キャピタルと
組んでるのかしら?

そうじゃないのよ。

竜崎が
温泉旅館 矢野の支配人として

道南キャピタルと接触するの
これ 当たり前のことだからね。

どういうこと?
さあ。

あなたに言わなきゃならないこと
かしら?

あなた ホントに
変わってしまったわね。

私達は 若い頃
同じものを目指してた。

新しい便利さと
古き良きものの融合した

日本一
くつろげる旅館を作るって…。

私は 作り続けてるわよ。
全国に くつろげる旅館を。

あなたは ただ 人のものを
乗っ取ってきただけじゃ…!

能力のない人に
任せておけないから!

どうしてなの!

どうして
自分の旅館を立て直そうって

一生懸命になってる人達のことを
考えないの?

どうして そんなに
変わってしまったの あなた!

♬~

失礼。 これから大事な
会議がありますの。

♬~

竜崎さんが?

彼がグローバル開発の
スパイだって言うんですか?

今 社長から
連絡があったの。

グローバル開発の会長は

そこまでして温泉旅館 矢野を
乗っ取りたいのよ。

ますます 心して
かかんないと。

私 竜崎さんのこと
いろいろ調べてみる。

ちょっと さつきさん!
私は 矢野で働いてるの。

もし 竜崎さんが

本当にグローバル開発と
関係があるとしたら

私 絶対に許せない。

谷山先生の事件だって
まだ解決してないんだし…。

もし 恵美の推理が
当たってたとしたら 竜崎さん…!

どうして… どうして そこまで?

もっと冷静になってください!

私は 矢野を守りたいの。
矢野を守りたいだけなの!

ちょっと さつきさん!

どうかしましたか?

あっ いえ…
女将さんは?

ああ 裏の庭園のほうに
行きましたよ。

女将さん ちょっと伺いたいことが
あるんですが。

竜崎さんと谷山先生が
対立していたっていうのは

本当ですか?
えっ…?

あっ あの…
ちょっと気になったもので。

谷山先生は
もう亡くなられたんです。

それに 2人の対立は
仕事上のことでした。

♬~

この味…
これに合うソース 何だ…。

♬~

♬~

(パトカーのサイレン)

(カメラのシャッター音)

♬~

水谷。
はい。

♬~

竜崎さんは
いらっしゃいますか?

どういった ご用件でしょうか?

昨夜 函館の緑の島で
殺人事件が起きましてね。

ちょっ… ちょっと ちょっと!
何ですか もう!

もう! ロビーで殺人なんて言葉
使わないでくださいよ!

何なんですか?
昨夜 函館の緑の島で

道南キャピタルの社員が
殺害されました。

竜崎さん 昨夜10時頃
どこにいましたか?

自宅にいました。
嘘をつけ!

昨夜 緑の島で 冬木さんと会う
約束になってましたよね?

冬木さんの手帳に
書いてありますよ。

税理士の 谷山さんの事件も

立待岬で男2人が争ってる姿を
見たという情報が

寄せられましてね。

竜崎さん。

谷山さんと
対立してたそうですね。

あんた
竜崎さんが 立待岬の上で

不審な行動を取ってるとこ
見ましたね?

誰からそんなこと
聞いたんですか?

誰からでも いいでしょ。
そうなんですね?

さつきさん… そうなの?

署まで ご同行願います。

支配人!

どうしたんですか?
さつきさん!

どうして私が 立待岬で
竜崎さんを見たこと

警察に話したの?
何も話してません。

恵美は言ってないって言ってるの。
だったら

慎さんしかいないでしょ?
俺は何も話してません。

じゃあ一体 誰が…。

慎さん… 慎さんはどう思う?
支配人のこと…。

やめませんか?
さつきさんまで…。

(ノック)
はい!

あの… さつきさん
いらっしゃいますか?

哲平さんだ。
あの人 聞いてたんだ。

慎さん ごめん。
ちょっと どこ行くんですか?

気になることが あるの。

さつきさん!
いい加減にしてください!

勝手な行動は。 いいですか!
さつきさんの仕事は…。

離して!
さつきさん!

♬~

女将さん… 大丈夫ですか?

ええ…。
でも 今度は支配人が…。

今度は 女将さんの番です。

女将さんが いないからこそ

みんな 温泉旅館 矢野を
必死に守るって 頑張ってました。

そう…。
だから 女将さん…。

ありがとう 島さん。

♬~

♬~

いらっしゃいませ。

♬~

♬~

近いうちに
必ず 説得しますんで。

説得?

説得って何だろう?

♬~

恵美。
さつきさん 戻ってる?

ううん。

♬~

慎さん…。

一体 何をしてたんですか?
哲平さんの会社も大変なのよ。

今日も 金融会社2軒も回って…。
だから何だっていうんですか?

哲平さんの
何が気になるんですか?

ちゃんと調べてから話すから。
さつきさん!

それが
さつきさんの仕事なんですか!?

私は この旅館を守りたいの!

そのためには 1日も早く 事件を
解決しないと この矢野は…。

矢野を立て直すには 我々が
きちんと仕事をすることです。

でも 今の状況じゃ無理です。
どういうこと!?

チームワークです。
さつきさん 言いましたよね?

旅館の立て直しには
チームワークが大切だって。

でも 今の我々 バラバラですよ。
この旅館 そんなんじゃ

立て直せない。
だから言ってるでしょ それは…。

我々の仕事は
温泉旅館の仕掛け人です。

それに 人が2人も死んでる事件に
首つっこむなんて

あまりにも危険すぎます。
もう いい。

慎さんに
わかってもらおうなんて思わない。

ちょっと さつきさん!
(携帯電話)

(携帯電話)

はい。

ああ… 幸平さん?

ちょっと
気になることがあってな。

竹芝哲平のことなんだが。

えっ?

彼の会社は 道南キャピタルと
関係があったんだ。

何ですって!?

道南キャピタルが所有している
旅館やホテルに

彼は土産物を卸してる。

まあ それ自体は
不自然なことじゃないんだが…。

道南キャピタルは
金融会社も経営していて

彼は そこから
かなりの金額を借り入れてるんだ。

そんな…。

ちょっと気になったんで
一応 報告だ。

詳しいことが わかったら
また連絡する。

はい。 わかりました。

さつきさん。

とにかく
私は 慎さんに何を言われても

自分の思うとおりに
させてもらいます。

♬~

(ため息)

♬~

竜崎さん。
疑い 晴れたんですね?

実は 哲平さんが…。
これ以上かかわらないほうがいい。

えっ?
あなたのすることじゃない。

島君。

どうしたの?
東京 戻ってきてるなんて。

あっ あの…
ちょっと レシピ集を取りに…。

えっ? そう…。

珍しいわね。 レシピなんて

あなたの頭の中に みんな
きっちり入ってるでしょうに。

何か あったの?

社長…
どうしたら いいんでしょうか。

気持ちが通じない…

わかってもらえない時
っていうのは…。

さつきのこと?

そうねぇ…
どうしたらいいのかしらね。

私にも よくわからないわ。

でもね
私は こう思うことにしてるの。

一度 信じたんだから
信じ続けようって。

信じるって大変なことだけど…
ステキなことよね。

疑ってる時より
心が 楽でいられる。

信じてあげなさい。

仲間なんだから。

はい。

♬~

これで やっと
君の思いどおりになるわけだ。

社長!

はい。 差し入れ持ってきた。
えっ?

豆大福。 大好きでしょ? あなた。

ああ…
ありがとうございます。

いただきます。
はい どうぞ。

美味し~い!
うふふ…。

あなたの その顔 大好き。
えっ?

その笑顔。

あなたの笑顔 見てるとね
こっちまで笑顔になっちゃって

元気になっちゃう。

今まで 何人の人が
あなたの笑顔に救われたと思う?

はあ もうダメだーって
うつむいてた人が

前向きになれたと思う?

社長…。

みんな
あなたの笑顔が大好きなの。

だから あなたには
いっつも笑顔でいてもらわないと。

社長… 私…。

あっ どらどら
ちょっと 食べてみようかな。

うーん。

うん! 美味しい。

この豆大福っていうのは
あれよね。

豆も もちも あんこも
それぞれ 美味しいんだけども

これが3つ 一緒になると…。

1足す1足す1 イコール…
3以上の味になるのよね。

不思議ねぇ~。 うーん…。

あっ じゃ
私 そろそろ行かなきゃ。

社長!

社長…
ありがとうございました。

ごめんなさい!

謝る相手が違うでしょう。

忘れちゃダメよ。 笑顔!

はい!

あっ… ははっ。

うん。

どうだ?
ムース仕立てのソースの味は。

美味しい!
何ですか? これ。

こっちの黄色いほうも
食べてみてくれ。

うん!

とうもろこし!
ああ。

子供も喜びそうな味!
こっちの緑のほうは アスパラだ。

うん すごい。

1つのお皿に
2種類のムースなんて贅沢!

どうしたの?

あっ さつきさん!
慎さんの創作料理。

マグロのポワレ。

とうもろこしとアスパラの
ムース添え!

さつきさんも
食べてみてください。

うん!

美味し~い!
この顔! ホントに 美味しいんだ。

よかったですね 慎さん。

ああ…。

本当に 美味しい!
慎さん ご苦労さま。

ごめんね 慎さん。

2人共 本当に ごめんなさい!

私ね…。
もういいです。

さつきさん 笑ってくれたから。

なあ?
うん。

ああ そうだ。 さつきさん。

こっちも 食べてください。
うん。

こっちの黄色いほう…。
とうもろこしでしょ?

(恵美・島)えっ?

う~ん!
子供にも喜ばれそうな味。

女将さん。

哲平さんのことで 何か
隠してることは ありませんか?

哲平さん
道南キャピタルから

多額の借金をしています。
えっ?

それに 支配人が
絡んでるかもしれないんです。

彼は グローバル開発の社員で

この矢野を買収するために
来たんです。

そんな… 支配人が!?

立て直しも みんなのチームワークで
順調に きています。

でも… このことで

バラバラになってしまうかも
しれないんです。

女将さん。

何か知ってるなら
教えてください。

お願いします!

♬~

退職願…。

支配人が?

念書?

「私 竹芝哲平は マリンハウスの
道南キャピタルへの債務と

温泉旅館 矢野の土地建物の権利
及び

温泉旅館 矢野の債務を

等価交換する事を
ここに お約束致します」

♬~

お前のせいだ!

お前のせいで 道南キャピタルが
俺を見放した!

やっとのことで
念書まで こぎつけたのに!

お前のせいで… お前のせいで!!

哲平さん。

これ以上 罪を重ねるのは
やめてください。

何の話だよ?

自首しなければ
私が警察に行きますよ。

見たんですよ。

あなたが道南キャピタルの社員を
殺害する現場を。

もう 支配人との話は
まとまったことだしな。

あんたとの約束は 白紙だ。

そんな!
あの仕掛け人達が帰ったら

俺が すぐに 女将を説得するって
言ったじゃないですか!!

遅いんだよ。

じゃあ 俺の会社は
どうなるんですか!?

知ったことか。

ふっ… おたくの債権は
うちの手を離れた。

明日からは その道のプロが
回収するんだろうな。

ははは…。

ああー!!

♬~

冬木さん!
あっ… ああ…。

♬~

自首してください。

これは 私の思いでもあり
女将の思いでもある。

環ねえさんを持ち出すな!

いえ 女将は
気づいてるはずです。

あなたが 立待岬で
したことを。

立待岬で

女将の万年筆を落としたのは
あなただ。

私は見たんですよ。

女将のセカンドバッグを持った
あなたが

谷山さんの車に
乗せられるところを。

どこ行くんですか?
いいから車に乗るんだ!

(車のエンジン音)

♬~

(竜崎の声)翌日 私は 必死に
谷山さんの車を探しました。

そして 立待岬の駐車場で
谷山さんの車を発見しました。

持ち主の消えた車…
まさかと思いました。

でも その疑惑は拭いきれず

私は 何か手がかりがないかと
崖の上を調べた。

そこを さつきさんに
見られてしまったんです。

谷山さんを殺したのは
あなたですよね 哲平さん。

うるせー!!
そんなこと どうでもいいんだ!

お前だよ…。

お前さえ余計なことしなけりゃ
俺は…!

やめて 哲平さん!

お願い ねえ。

もう バカな真似は
よしてちょうだい。

嘘の通報をしてまで

支配人に
罪をなすりつけるなんて…。

お願いだから…
自首してちょうだい!

環ねえさん…。

哲平さん これ以上
女将さんを苦しめないで。

あなたを 本当の弟のように
思っている女将さんを

どうして こんな
つらい目に遭わせるんですか!?

俺だって…
俺だって つらかった!

殺す気なんか なかったんだよ!

でも あいつが… あいつが!

お前! また 女将さんに
金の無心をしたのか!?

しょうがなかったんです…。

せっぱ詰まってたんです。

甘ったれるのも いい加減にしろ!

二度としないっていう約束で
お前の会社の商品を

温泉旅館 矢野に
入れてやってたんだぞ!!

すいません…。

でも 借金の利子を払わなければ
本当に会社が危なかったんです!

もう 容赦しない。

女将の
恩師の息子だっていうから

私も できる限りのことは
してきたつもりだ!

しかし もう限界だ。

お前の会社の商品は
金輪際 扱わない。

そんな…!

今は 温泉旅館 矢野の
売り上げだけが頼りなんです!

それが なくなったら 本当に
うちの会社は潰れてしまいます!

お前みたいなやつの会社は
潰れて当然だ。

ああ? ろくに能力もないくせに。
商売 甘く見るんじゃない!

女将に金の無心しかできない
寄生虫が。

うわー!

何すんだ おい!

♬~

うっ… わあー!

ああ…。

♬~

殺す気なんか なかった。

殺す気なんか なかったんだ!

俺は ただ 自分の会社を
守りたかっただけなんだ!

(環)私は…
あなたに甘すぎたのね。

俺は 一生懸命やってたよ!
哲平さん。

あなた 何を
一生懸命やってきたんですか?

自分の犯した罪を
人になすりつけることが

一生懸命やることなの?

女将さんが
必死に守ろうとしてるものを

勝手に売り飛ばそうとするのが
一生懸命やることなんですか?

借金丸ごと 道南キャピタルが
請け負ってくれるはずだったんだ。

そうすれば 環ねえさんも

二度と旅館のことで
苦労することはない!

どんなに苦労をしたって

旅館を守っていくことが
女将さんの幸せなんです!

あなただって

お客様相手の商売を
してるんだから

わかってるはずです。

お客様に
笑顔になっていただく喜び。

哲平さん お願い…
自首してちょうだい。

そうでないと…

竜崎さんに 警察に
行ってもらうことになるわ。

行けよ。

行けばいい!

離せ!
死なせてくれ!!

死ぬ気なら 死んだつもりで
生まれ変わりなさい!

心ひとつ 気持ちひとつで
生まれ変われるのが人間です。

生まれ変わったあなたを

女将さんは 喜んで
迎え入れてくれるわ。

さつきさんの言うとおりよ。

罪を償って
生まれ変わった あなたを

私は ずーっと待ってるわ。

環ねえさん…。

自首してくれるわね?

(嗚咽)

♬~

(ため息)

さすが 竜崎ね。

私の言ったとおりの働きをして…。

どんなことしてでもね
温泉旅館 矢野を手に入れなさい。

でも まさか
道南キャピタルの社長に

自分のグローバル株を譲渡して

松前温泉から
手を引かせるなんてこと…。

想像もしてなかったわ。

どうして そこまでして…。

女将さんのため?

いえ 自分のためです。

自分の?

おかしなこと言うじゃないの。

あなたはね 人の持ち物のために
自分の財産 投げ打ったのよ。

1年前 私が
温泉旅館 矢野に来たばかりの頃

お泊まりになっていた
あるお客様から

送られてくるんです。

はい できたよ。

ありがとう。 私も 練習すれば
できるようになる?

うん なるよ きっと。
はい どうぞ。

じゃあ 上手に折れたら
おじさんに送るね。

幼い子供の その場限りの言葉だと
思ってました。

でも それは
本当に送られてきました。

ありがとうの言葉を添えて。

1年間で 7つになりました。

施設で育った私は
人を信じることの意味を知らず

ずっと 孤独でした。

そんな私が信じられるものは
金だけでした。

そして
そんな私を認めてくれたのは

会長だけでした。

私は 金さえ手に入れれば
何でもできると思ってました。

人の気持ちでさえ…。

私は 金で
人の気持ちを買い続けました。

いや そう思ってました。

会長。 この折り紙に込められた
お客様の気持ちは

絶対に金では買えません。

このぬくもりは 決して金では…。

私は 温泉旅館 矢野で
そのことを学びました。

そして
すべてが金だと思ってた私に

それ以上に
大切なものがあることを

さつきさん達が
教えてくれました。

人と人との触れ合い…
信頼し合うことの大切さを。

竜崎…。

私は あなたのお金に対する
執着心が大好きだった。

どんなことしてでも
のし上がろうとする

あなたの その野心が
大好きだった。

会長。

会長には
心から感謝してます。

恩を仇で返すような形になって
本当に申し訳ありません!

こんな私にだって

お金に換えられないものが
あるのよ。

私は 守りたかったの。

道南キャピタルから
温泉旅館 矢野を。

そして この松前温泉を。

道南キャピタルは
この古き良き温泉郷を

ブルドーザーで更地にして

人工的な リゾート地に
しようとしていたの。

私 それだけはね
絶対 許せなかったの!

この松前は

私の一番大切な
思い出の場所だから。

竜崎。 あなたの気持ちは
折り鶴で決まってるのよね。

でも あえて聞くわ。

あんた どっちで生きていくの?

グローバルの社員? それとも
温泉旅館 矢野の支配人?

あなたに辞められたら
私が困るの!

…ですって。

竜崎 あんた どうするの?

私は
温泉旅館 矢野の支配人として

人と人との触れ合いの中で
生きていこうと思います。

そう…。
申し訳ありません!

もう いいわ。
好きに生きていけばいい。

♬~

黒川。

♬~

♬~

♬~

美味しい。

見事だわ。

ありがとうございます!

♬~

いらっしゃいませ!
どうぞ。

いらっしゃいませ!

ありがとうございました!

お待たせいたしました
マグロのポワレでございます。

いらっしゃいませ。

社長。

お待ち申し上げておりました
城ノ内様。 どうも。

皆様のおかげで
この温泉旅館 矢野は

生まれ変わることができました。
本当に ありがとうございました!

いいえ。
私達が お力になれたこと

心から うれしいです。

ステキな支配人さんですね。

どうぞ こちらでございます。

いらっしゃいませ。

社長。
うん?

進藤会長 裏の庭園で

松前は大切な思い出の場所だって
おっしゃってました。

えっ… あの人
そんなこと言ったの?

私にだって お金に
換えられないものがあるって。

そう…。

へえ… あの人
そんなこと言ったの。

(携帯電話)

はい 何?

相変わらず かわいくない声ね。

何の ご用?

竜崎さん
ステキな支配人になってた。

松前なの?

残念ね。
あんな いい部下に逃げられて。

あなたこそ ご用心あそばせ。

チームワークの
とってもいい部下達

引き抜かれないように。

何? それ 褒め言葉?

あははっ へえ~。
あなたでも褒めること あるんだ。

ホントに かわいくない。

私…。
はい?

あなたが覚えてたなんて
びっくりしちゃった。

何のこと?

あの時 2人で この池に放した鯉
大きくなってるわね。

あら そう。

知ってるくせに。

ああっ! わかりにくいでしょう
この書類。

もっと
ちゃんと書いてちょうだい。

何? また 乗っ取り計画?

あなたは? また 立て直し計画?

もちろん。
そう。

じゃあ。

じゃあ。

(ため息)

温泉の 宿に集いし人々の

心を癒すが
旅館業の真髄なりにけり。

すっごい字余り… あはは。

皆さん ご苦労さまでした。

(島・さつき・恵美)
お疲れさまでした!

さあ 行きましょう。

東京戻ってる暇 ないのよ。
今度はね 加賀温泉郷。

嘘? また お休みなしですか~!?

社長 私達だって

たまには ゆっくり
温泉に浸かりたいですよ。

戻ってる暇は ありません。

あなた方ね
悲鳴を上げている旅館を

放っとけますか?

(さつき・島・恵美)
放っとけません!

でしょ。 よし!

ああ もう。
あーあ。