温泉若おかみの殺人推理 中川美奈は芦ノ牧温泉のホテルの若おかみ。そのホテルで「会津漆器展」が開かれた折り、宿泊客の…

出典:EPGの番組情報

[字]温泉若おかみの殺人推理

「会津若松~復元された飾り重箱に連続殺人の秘密!!真犯人は“氷の足跡”を残した!?」▽テレビ朝日系列で2009年に放送された第21シリーズ

詳細情報
番組内容
中川美奈は芦ノ牧温泉のホテルの若おかみ。そのホテルで「会津漆器展」が開かれた折り、宿泊客の古美術商・宇野が殺害された。美奈は仲居頭の小百合から、宇野が電話で誰かを脅していたと聞かされる。「10年前のことを知られたくなかったら」という宇野の言葉を小耳に挟んだというのだ。
出演者
東ちづる、中村梅雀、岡田茉莉子、若林豪、山村紅葉、黒田福美、北原佐和子、嶋田久作、西尾まり、河原さぶ ほか
番組ホームページ
<番組ホームページはこちら!>
www.bs-asahi.co.jp/drama-story/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

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(車のブレーキ音)

ああーっ!

♬~

♬~

(中川美奈)
〈福島県 会津若松市は

歴史と伝統が今に残る
城下町です〉

〈白虎隊で有名な鶴ヶ城〉

〈独自の文様が特徴の会津塗り〉

〈また 会津のシンボル 磐梯山〉

〈その裾野に広がる 猪苗代湖や

街道の宿場町 大内宿〉

〈浸食された岩の景勝地
塔のへつりなど

多くの名所に囲まれています〉

〈その 会津若松から南に下った
豊富なお湯と自然に恵まれた

芦ノ牧温泉に
私が若おかみを務める

大川荘があります〉

いらっしゃいませ。 どうぞ。

ゆかりさん お手伝いしてもらって
ごめんなさいね。

(澤田ゆかり)いいえ お花も もう
全部 生け終わりましたから。

お疲れ様でした。
私 休憩コーナーで

お茶 配ってきます。
助かる… ありがとう。

お願いしますね~。

いらっしゃいませ。

(宇野久雄)この会津絵の重箱は?

あっ あちらの奥に
展示してございます。

ふ~ん。

いらっしゃいませ。

♬~

(竹本綾子)どうぞ こちらへ。

こちらが復元した
会津絵の漆器でございます。

いらっしゃいませ。
どうぞ ごゆっくり。

(中川有作)美奈~。
あ 有ちゃん。

あっ 殿山警部。
(殿山警部)有作がね

会津漆器展をやってるちゅうんで
ちょっと 覗きに。

あっ ありがとうございます。
たまには 文化的なものに触れて

この目と頭を刺激しないと…
特に有作はな。

はい! 大いに刺激を受けて
捜査に役立てます!

(中川政子)刺激は 捜査ではなく

大川荘に役立てて
もらいたいわね。

あ~ これは 大おかみ
いつまでもお若くて…。

はあ 殿山さん
有作がお世話になっています。

いえいえ とんでもございません。

ところで 有作…。
はい。

あなた 自分の立場
わかってんでしょうね?

はい 会津藩主 松平家に仕えた
武家の子孫で

この大川荘の跡取り息子です。
そうです。

それなのに…
家も継がずに警察勤務…。

お義母様… あの 殿山警部

会津絵の重箱に
大変ご興味があるそうです。

へえ~。
あああ… あれ~?

なんでも 江戸時代の文様を
復元したとか。

あっ これがそうですか!

大おかみは 博識ですから
ぜひ一度 ご講義願いたいですな。

博識だなんて… そりゃね
今の若い人に比べれば そりゃね。

本当に興味あるの?
ありますよ。

そう じゃあ どうぞこちらへ。

もう 口を開けば
家を継げ 家を継げって…。

「年長者の言ふことに
背いてはなりませぬ」

もう 美奈まで
そんなこと 言わないでよ。

会津藩 「什の教え」その一ですね。
綾子さん…。

大おかみの得意文句なんです
什の教え。

はあ…。
その二

「年長者には
お辞儀をしなければなりませぬ」。

(竹本夏希)その三

「虚言を言ふ事はなりませぬ」…
ですよね?

お久しぶりです 夏希です。

夏希ちゃん? いや~…。
キレイになっちゃっ…。

本当 キレイになって…。
ねえ いくつになったの?

28です。
28?

え~! えーっと 東京の大学出て
商社にお勤めなんでしょ?

ええ。 でも 会社辞めて
戻ってきたんです。

あっ そう!
そろそろ 家の仕事を

手伝おうかと思って。
へえ~。

手伝うなんて簡単に言うけどね
漆器問屋の仕事は

あなたが思うほど
甘い仕事じゃないのよ?

わかってます。

だから 最初は 裏方仕事でも
なんでもします。

これで 竹本漆器店も安泰だね。
ねえ。

そうだといいんですけどね。

(西岡史恵)
お話し中 失礼いたします。

竹本社長
ちょっとよろしいですか?

失礼します。

偉いわね。 継ぐんですってよ。

あちらのお客様が
会津絵の重箱のことで 社長に

ちょっと お聞きしたいことが
あるそうです。

♬~

(綾子)
どういったことでしょうか?

あの重箱 これを元に
復元したんでしょ?

どうして あんたが持ってる?

まさか 家に代々伝わる重箱だとか
言うんじゃないよな?

これは 俺が
ある人に売ったもんだ。

10年以上前にね。

そいつが あんたに譲るとは
とても思えない。

いくら金を出すと言ってもな。

お客様の思い違いじゃ
ないでしょうか?

私は 見たこともございません。
失礼いたします。

はっ とぼけやがって!

ゆかりさん また生け花
教えていただけますか?

もちろんよ いつでも家に来て。
ありがとうございます。

(綾子)夏希。

邦彦さんが来てくださったわよ。
(ゆかり)いらっしゃいませ。

(辻邦彦)久しぶりだね
夏希ちゃん。

ご無沙汰してます。

父の選挙の時以来かな?

確か うぐいす嬢のアルバイトを
夏希ちゃんが。

ええ…。

今度は
僕の手伝いをして欲しいな。

じゃあ 邦彦さん次の選挙に?
ええ。

引退する父に代わって
僕が出馬を…。

頑張ってくださいね。
応援させていただきます。

よろしくお願いします。
夏希ちゃん 案内してくれる?

はい…。

そういうことだったのか…。

♬~(三味線)

(小百合)若おかみ!
はい。

え!?
行って参ります。

その格好 どう…
あっ ああ 勤続25年の?

いえ 26年です。
ああ でした。

勤続26年のね あの 休暇…。

長期休暇 ありがたく
いただきます。 はい。

思いっ切り
楽しんできてくださいね。

はい! うふふ…。

うふふ…。
いってらっしゃい…。

(梅子)小百合さん
気合入ってましたね~。

あ~ もう
東京で美味しいもの食べて

買い物三昧するって
言ってたからね。

それ ウソです。
ウソ!?

婚活しに行ったんです!
婚活って… え? 結婚活動?

東京には
星の数ほど男がいるって。

でも どうですかね~。

会津で26年 見つからなかった
くらいですから…。

そうだね…。
今晩 部屋あるかな?

ああ…。
(2人)いらっしゃいませ。

ええ ご用意できます。
あ そう。

じゃあ 1泊頼む。
ありがとうございます。

こちらにどうぞ。

こちらにご記入お願いいたします。
(宇野)はいよ… はい。

できましたら ご趣味も
お書きいただけますでしょうか?

趣味?
ええ。

サービスの
参考にさせていただこうと…

あっ ご記入いただかなくても
結構です。

ん~ あ そう。

♬~

(刃物が刺さる音)

(パトカーのサイレン)

♬~

(相沢健一)
ご苦労様です こちらです。

刃物による刺し傷のようですね。
う~ん…。

死後2~3時間ってところだな。

物盗りによる犯行じゃ
ないみたいですよ。

ん?

ああ!

うっ うちのだ…。

宇野さんがお泊まりになったのは
こちらの部屋です。

ご予約なしで
1泊されたんですけど

新潟から会津漆器展を
見にいらしたようでした。

チェックアウトは まだ
済ませてなかったんですね?

はい… 朝 5時半頃
お出かけになって…。

どうして あの方が…。

(相沢)警部!

この写真…。
重箱… 随分 古そうだな。

会津絵みたいですね。

あれ? ねえ これ
展示してあった この重箱と

そっくりですよね…。
あっ 本当だ…。

♬~

古い図集?

ええ うちのは
図集を元に復元いたしました。

まさか 現物があったなんて…。

あの この写真は どちらで?

ああ この写真は 宇野久雄という
古美術商が持ってました。

古美術商?
ええ 実は今朝

大内宿で
何者かに殺害されまして…。

その古美術商の荷物の中から

この重箱の写真が
出てきたんですよ。

なんか事件に関係が
あるんじゃないかと思いまして。

昨日 漆器展に
来ていたようなんですが

見覚えありませんか?

さあ…。

たくさんの方が
いらっしゃいましたから…。

ねえ 夏希ちゃんは?

いいえ…。
ああ そうですか…。

ああ あの
どんなことでもいいですから

思い当たることがあったら
署のほうまで連絡ください。

はい ご苦労様でした。
では…。

お母さん… どうしてウソつくの?

あの写真の重箱
うちにあるじゃない。

お母さん?

今 聞いたでしょ?

古美術商の人が殺されたって。

そんな事件に
関係してると思われたら

店の名前に傷がつくわ。
だからって…。

お父さんの夢だった会津絵の復元
やっと完成させたのよ?

それを… 棒に振るわけには
いかないわ。

♬~

もしもし 石井さん?

(石井哲司)ええ わかりました。

そういうことにしておきます。
失礼します。

綾子さん なんだって?
ん? うん…。

仕事のことでちょっと頼まれた。
仕事って?

いくら綾子さんから
仕事もらってるからって

そう言いなりにならなくても…。

まあ いいわ。 結婚したら
哲司さんの仕事

私が管理しますから。

ごめんくださ~い。
は~い!

あっ 史恵さん…。

おおっ ほっ おほほほ…。

(相沢)竹本綾子は
無関係のようですね。

重箱の絵を描いた
石井にも確認しましたが

古い図集を元に復元したと
言っています。

そうか… 重箱は
事件と絡んでなかったか…。

だが 新潟から漆器展を見にきて
殺されたというのが

どうも この 引っかかるな~。

警部! もう1つ
気になってることが

あるんですけども…。
なんだ?

先ほど 宇野の奥さんに
話を聞いたんですけど…。

(宇野桂子)主人は昨日
日帰りの予定だったんです。

でも 夜になって
電話がかかってきて…。

(宇野)ふふふ… え? おう。
会津に1泊することにしたよ。

え? 急にどうしたの?

♬~「会津若松は 宝の山さ」

ってわけでさあ。

歌を?
はい。

宇野は ご機嫌で
そう歌ったそうですよ。

しかし 妙だな…。

ちょっと 有作歌ってみろ。
はい!

♬~「えんや~ 会津磐梯山は
宝の山よ」

♬~「笹に~」
いやいや もうもう… もういい…。

だよな?
はい。

だから 会津磐梯山と
若松を入れ替えて

歌ったんじゃないでしょうか。
宇野は古美術商ですから

会津若松は
骨董品が山のようにある

宝の山だと
いうことじゃないですか?

つまり
金になる仕事ができたと…。

はいはいはい…。
(電話)

はい もしもし
会津若松中央署 捜査本部です。

(史恵)「あの 古美術商の人が

殺された事件のことなんですが…」
は はあ…。

あたし 見たんです。
大川荘のロビーで…

その殺された人が
竹本漆器店の社長と話してるの。

社長って 竹本綾子さんですか?

ええ ちょっと
もめてるような感じでした。

あっ すいません
詳しく話していただけませんか?

詳しくっていわれても…
ただ 社長が会津絵の重箱を

古い図集で復元したというのは
ウソです。

ウソ!? ああ… あの すいません
お宅様は?

(梅子)「よいしょ! よいしょ!
よいしょ! よいしょ!」

「お父さん もっと腰入れて!」

「あ よいしょ! あ よいしょ!
うまくなりましたよ」

「あ よいしょ! あら お兄さん
若いのに疲れてきちゃった?」

え? 綾子さんがウソを?
うん…。

いや ちょっと待って…
それって信用できる情報なの?

たぶん…。
いや ちょっと…

たぶんって何よ。
いやいやいや…

匿名電話だったんだけど
あの声は 会津漆器協会の

史恵さんの声だと思うな…。
え~。

だってさ 史恵さん
昨日は 漆器展の手伝いで

ずっと会場にいたろ?
うん。

それに 会津絵の復元作業
実際に見ていたと思うんだよ。

あ? ねえ

見てたってさあ 復元したのは
蒔絵師の石井さんよ?

なんで それ
史恵さんが見てんのよ。

あの2人はね
いい仲だったんだよ。

え!? え? 本当?
うん。

だから この情報はね
信頼できるんだよ。

え… そんな…
綾子さんがウソをつくなんて…。

いやいや…。
まあ そうはいってもね~。

あっ ちょちょちょ…。

ちょっと! ねえ!

有ちゃんは 綾子さんが犯人だって
言いたいの?

いやいやいや… それは
まだ決まったわけじゃない…。

(梅子)「では
つき手を交代します!」

「どなたか ついてくださる方…」
ちゃんと推理しなさい!

綾子さんがどんな人か
あなた わかってるでしょ!

(梅子)「あと2人!」

あっ ちょっ!
ちょっと待ちなさい 有ちゃん!

「あっ 若だんな?
え? ちょっと 若おかみも…」

ごめんなさいね…。
「ちょっと なんですか?」

綾子さんは無関係!
先入観は禁物!

ヘボ刑事!
美奈の頑固頭!

うるさい!
うるさい うるさい もう!

有ちゃんの目は節穴!
何言ってんだ この…!

なんという恥さらしな!

有作!

大川荘 恒例の餅つきショーが…

夫婦ゲンカのショーに
なるなんて!

申し訳ありませんでした!

あっ ああ…。

美奈さん…。
はい!

あなたも会津の女らしく
凛とした品格を持ちなさい!

出たー!
おふくろの好きな什の教え!

うるさい!

美奈さん…。
はい!

これをよく読んで
明日のお稽古に備えなさい。

明日の稽古… あっ なぎなたの。

明日は 私も参ります。

会津なぎなた会の会長としてね。

あの… 明日は都合が…。
什の教え その三!

はい… 「虚言を言ふ事は
なりませぬ」。

よろしい。

有ちゃん!

ごめんなさい!
ああ~ ビックリした…。

よかった…。
僕のほうこそ ごめんね。

あ~ ごめんね…。
ごめんね。

でもさ 美奈 どうして
そこまで綾子さんのことを?

うん… 綾子さんはね
私の目標なの。

目標?
うん…。

10年前 ご主人が亡くなって
綾子さんが社長になった時

誰もが無理だろうと思った。

でも 綾子さん
立派にお店を守ったわ。

私 綾子さんを見て思ったの。

一生懸命やれば なんでもできる
私も見習って頑張ろうって…。

そうか…。

そんな綾子さんが
事件に関係するなんて

どうしても思えない…。
ああ… まあな。

私は 綾子さんを信じる!
誰がなんと言おうと。

すみません。 明日の夜は
ちょっと用事があって…。

ええ。 おやすみなさい。

邦彦さん? せっかく
お誘いくださったのに…。

いいの。 あたし 今は
仕事に集中したいの。

夏希… 東京で何かあったの?

別に…。

そう… くれぐれも
失礼のないようにね。

ここは 邦彦さんの
お父様の地盤なんだから。

お母さん なんか変わったね。
(綾子)え?

昔はそんなこと 言わなかった。

お店を守るっていうのはね
こういうことでもあるのよ。

宇野っていう人
お母さん本当に知らないの?

急に何?

会ったこともないわよ。

(美奈・ゆかり)お願いします。

面! すね!

(ゆかり)面! すね!

面!
ああっ!

すいません… ああ もういや…
あの… すいません…。

あ~ 痛い痛い痛い…。
交代!

すいません…。

どなたか演技を。
はい!

史恵さんのお相手を。
綾子さん お願いします。

ぜひ。

(史恵)面!

すね!

(史恵)面! すね!

面!

すね!

(政子)やめい!
そこまでにしましょう。

お二人とも
素晴らしい演技でした。

お見事です。

あー 疲れた! 今日は なんで
こんな疲れちゃうんでしょう?

大おかみがいらしてたからじゃ
ありませんか?

そうなんですよ。 大おかみに
見られてると思うとね

コッチンカッチンに
もう体が緊張して

いつものように…。

綾子さん
お話があります。

私に?
(史恵)ええ。

じゃあ 私はお先に。
一緒にいていただいて構いません。

いずれ すぐお耳に
入ることですから。

私 近いうちに
石井さんと結婚するんです。

これから石井には
お宅以外の漆器店さんとも

仕事させますから。

そうですか。
おめでとうございます。

石井さんは 職人というよりは
芸術家に近い蒔絵師だわ。

繊細な分 仕事を選んであげないと
よくも悪くも転んでしまう。

だから 十分に
気をつけてあげてくださいね。

私より自分のほうが
彼をよく知ってる。

そう言いたいんですか?

そんなつもりじゃ…。

綾子さんって
口で言ってることと

心の中で思ってることと
違うから。

おめでとうって言いながら
今 心の中は煮えくり返ってる。

そうでしょ?

会津絵の復元だって

夫の遺志を継いだとか
大層なこと言ってるけど

裏じゃ 何やってきたんだか。

史恵さん! 言っていいことと
悪いことがあるわよ。

言われてもしょうがないと
思いますけど。

綾子さん

石井を事件に巻き込むのは
やめてくださいね。

綾子さん
差し出がましいようですけど

何か困ったことや
心配ごとがあるなら…。

私は 綾子さんを信じてますから。

ありがとう 美奈さん。

これ…!

同じものだと思うわ。

(綾子)あの殺された人が
持っていた写真の重箱と。

綾子さん これ どこで?

ある人から 出所は

絶対に明かさないという条件で
買ったの。

もう10年も前のことだわ。

たぶん その人が
宇野さんという古美術商から

手に入れたんだと思う。
じゃあ 綾子さんは

宇野さんとは
知り合いじゃないんですね?

ええ。 あの漆器展の時に
初めて会った人よ。

ただ…。

ただ?

宇野さんという人

うさんくさい商売してたみたいで。

どういうことですか?

実は これ…

盗品じゃないかと思うの。
え?

会津絵を復元するのに
どうしても欲しかったから

それを承知で…。

復元のためですか。

ええ。 昔と今じゃ
顔料が違うのよ。

文様は同じようにできても

色が違ってしまったら
それは復元とは言えないわ。

だから 少しでも
会津絵本来の色を出すために

参考になる
現物が欲しかったのよ。

そういうわけだったんですか。

綾子さん さっき

ある人から買ったって
おっしゃいましたけど

その ある人って?

それは…。

(邦彦)参ったな…。 今頃になって
昔の悪事がばれるとは…。

では 宇野が持っていたという
この重箱を

竹本綾子さんに売ったのは
辻さんなんですね?

え?

金欲しさに 父のコレクションを
黙って持ち出しました。

(相沢)それが
盗品だと ご存じで?

いいえ。 盗品かもしれないという
レベルです。

父が以前 そんなようなことを
言っていて。

では お父様は これが
盗品であることを知ったうえで

宇野から購入したというわけじゃ
ないんですね?

もちろんです。 それどころか
父は いわくつきの品と気づいて

その 宇野という男を
出入り禁止に。

(相沢)辻さんご自身は
宇野さんとは?

いいえ。
会ったこともありません。

ああ そうなんですか。

で あなたは この重箱を
竹本綾子さんに

500万円で売ったんですよね?

え…。 いや まあ

どうしてもということだったんで。

あれ? なんだ 美奈
まだいたの?

有ちゃん…。
ん?

どうだった?
うん。

綾子さんの言ってるとおりだった。

あっ そう!
うんうん うんうん。

あー よかった。
じゃあ これで綾子さんの疑いは

晴れたわけだね。
うん。 あの重箱は

事件とは
無関係だったみたいだよ。

あー… そうとわかったら
早く戻んなきゃ。

(携帯電話)

まさかね…。
(携帯電話)

(携帯電話)

おおー!
ああー! アウト! クッ…。

もしもし?

(政子)「美奈さん
どこで油売ってんの?」

「早く帰ってらっしゃい!」

申し訳ありません。
すぐ戻ります!

うん。 じゃあね!
頑張ってね 頑張って。

急に会いたいだなんて
何かな?

母が邦彦さんから買った
重箱のことなんですが…。

あの重箱と事件は
関係してるんでしょうか?

夏希ちゃん
お母さんや僕を疑ってるの?

そういうわけでは…。

でも あの重箱
盗品なんですよね?

それを知っていて母は…。

ああ。 500万出して
僕から買った。

500万!?

本当のことを教えてあげるよ。

これは 警察にも言っていない。

10年前 僕は冗談半分で
その金額を提示したんだ。

せいぜい 50万が
いいところだからね。

でも 君のお母さんは
500万円で了承した。

お納めください。

こう言っちゃなんだけど
君のお母さん 大した人だ。

どういう意味ですか?

今のうちに貸しを作っておけば

将来 僕が父の跡を継いで
議員になった時

何かと融通をつけてくれるだろう
そう読んだんだ。

つまり…

500万は献金みたいなもんだ。

君のお母さん
店守るためなら なんでもする。

まあ 好きな男より
店を選んだ人だから

それくらい 当たり前か。
え?

君のお母さん
昔 店継ぐために恋人と別れて

見合い結婚したんだろ?
恋人って…。

蒔絵師の石井さん。

あっ 知らなかった?

それ 本当の話なんですか?

♬~

(車のブレーキ音)
ああーっ!

♬~

(電話)

ちょっと失礼。

(電話)

大川荘でございます。

小百合さん?

大おかみ!
テレビで観ました。

大川荘のお客様
殺されたんですって?

そうなのよ。 まさか
うちのお客さんが殺されるなんて。

で 休暇は どうなの?

うまくいってる?
心配してるわよ。

ありがとうございます!

もう 毎日 お見合い お見合い
お見合いで お見…

あっ お土産の品定めに忙しくて。
あははははっ!

殺されたお客様
古美術商なんですって?

なんだか怪しげですね。

写真も見ましたけど
人相もよくないですし。

小百合さん
また その話はゆっくり。

変だと思ったんですよ。
脅し口調でしたし。

脅し口調!?

ええ。 10年前の事件を

ばらされたくなかったらとか
なんとか話していて。

えー! ちょ ちょっと 小百合さん
詳しく教えてください。

10年前の事件
ばらされたくないだろう?

だったら俺の言うとおりにしろ。

なんだ? あんた。

いってきまーす。
ごゆっくり~。

宇野が誰かを脅かしてた?
そうらしいのよ。

宇野さん その電話の相手を
ゆすったせいで

殺されたんじゃないかしら。
ええー!

ねえ 有ちゃん。
うん。

宇野さんが
誰に電話をしていたか

携帯の通信記録を調べれば
わかるはずじゃない!

うん。 それ もう調べたけど
別に怪しいものは…。

あっ!
何? 何 思い出した?

あのね 宇野の携帯から
うちのホテルにかけて

それ 聞いてみたら フロントが
展示会場に回したって言ってた。

展示会場…。

あっ ちょっと…!
有ちゃん 来て 有ちゃん!

どうした?
来て! ほら!

見て 見て 見て!
あそこ!

宇野さんは この辺で
電話をしていたらしいの。

ここからだと
あの電話に誰が出るのか

よく見えるの。
ああっ! じゃあ

相手が
あの電話のそばにいた時に

宇野は電話をしたってわけ?
そうよ。

有ちゃん。
ん?

犯人は あの日
漆器展会場に来ていた

誰かよ…。

ゆすり?

はい。 これは 宇野の銀行口座の
記録なんですが

過去10年間に
不定期に同じところから

金が振り込まれてます。

総額 約5000万円で。

それがゆすった金だと?
はい。 振込人は

有限会社 ナナカマドと
なっていますが 実在しません。

大川荘の仲居頭が聞いたという
宇野の脅し。

10年前の事件
ばらされたくないだろう?

だったら俺の言うとおりにしろ。

どうやら それが
事件の核心のようだな。

有作 なかなかやるじゃないか。

ええ どうせ若おかみの
入れ知恵なんだろうけどね。

あー… そのとおりです。

そんな素直になるな。
少しは悪びれろよ。

あははっ 申し訳ありません。
まったく…。

で そのナナカマドを
名乗る人物から

最初に金が振り込まれたのは
いつだ?

ああ はい。 10年前の12月1日。
500万円振り込まれています。

よし。 いいか みんな

10年前に起きた事件の中で
宇野及び漆器関係者に

かかわりのありそうな事件が
ないかどうか

徹底的に洗い出してくれ。

(一同)はい。

ナナカマド?

木の名前らしいんだけど。

ああ じゃあ 調べて
あとで電話するね。

頼む。

じゃあね。

ゆかりさん ゆかりさん
ちょっと教えて。

はい。
ナナカマドって どんな木だっけ?

突然 なんですか?
有ちゃんに聞かれてんの。

ナナカマドは
夏に白い花を咲かせ

秋には赤い実がなって
山を真っ赤に染める木です。

確か 猪苗代町の町木にも

指定されていたんじゃ
なかったかしら。

さすが 大おかみ
よくご存じですね。

あの… 生け花でも?
もちろん。 ねえ ゆかりさん。

はい。
ナナカマド…。

美奈さん。
はい。

ちょっと。

あなた まさか

また事件に首突っ込んでるんじゃ
ないでしょうね?

いえいえ そのような…。
美奈さん。

はい。
什の教え。

「ならぬことは ならぬものです」
そうです!

それをしっかり肝に命じなさい。
はい!

あの… 大おかみ 美奈さん

ちょっとお時間いただけますか?
ええ!

辞めたい?

はい。 大川荘のお花を
生けさせていただいて

ありがたいと思っています。

でも 私 思いきって
東京へ出ようと思って。

東京!?

前から お花の家元に
アシスタントをやらないかと

誘われていたんです。

でも 母を残して
家を出るわけにはいかなくて…。

お母様
とても厳しい方でしたものね。

ええ。 その母も
半年前に亡くなり

私1人が家に残され

そしたら
なんだか気が抜けてしまって。

自分でも
このままじゃいけないと思って。

偉いわ ゆかりさん。

うちのことは
全然 気にしなくていいんですよ。

ねえ お義母様。
もちろんよ。

東京で できるだけのことを
やってごらんなさい。 応援するわ。

ありがとうございます。

だけど ゆかりさん
これだけは忘れないで。

会津と会津女の誇りを。

はい。

今のままでいい。
捜査を続行してくれ。

け… け… 警部!
何? どうした?

10年前の事件がわかりました。
何!?

県警本部で県内全域の
10年前の事件を調べましたところ

猪苗代中央署で扱った事件に
こんなのがありました。

蒔絵師 石井の妻 紀子が
猪苗代湖で遺体で発見された

未解決事件です。

♬~

おっ…!

あの… 失礼ですが 梅平警部補で
いらっしゃいますか?

(梅平浩伸)はい。
猪苗代中央署の梅平です。

お待ちしておりました。
私は 会津若松中央署

刑事課
巡査部長の中川でございます。

お鞄を…。
いや 自分で持ちますから。

いやいや いやいや!
殿が そのようなこと…。

殿!?

ああ これは…
失礼をばいたしました。

梅平警部補に
あらせられましては

会津藩藩主 松平家の一族と
承っております。

私 中川有作は 松平家に
お仕い申し上げておりました

家臣 中川家の一族の子孫で
ございます。

世が世なれば

梅平警部補は 私のお主に
あたるわけでございまして

此度は 大変…
あれ? 殿? 殿?

殿 お待ちくだされ!

殿… 殿 お待ちください!
殿! お鞄! 殿 殿…。

(梅平)10年前の
未解決事件の概要について

説明させていただきます。

事件発覚は 10年前の11月20日。

パート勤務 石井紀子
33歳の遺体が

猪苗代湖で発見されました。

司法解剖の結果
死後5日ほど経過しており

死因は脳内出血。

全身に打撲の痕があることから
車にはねられ

そのあと 猪苗代湖に
遺棄されたと思われます。

紀子の夫 石井哲司の話によると
紀子は 深夜から早朝まで

会津若松市内にある
食品工場のパートに出ていて

事件があったとされる
11月15日も

自転車で出勤しています。

おそらく仕事を終え
工場から自宅へ戻る途中に

事故に遭ったものと見られます。

それで 事故現場は
確定できたのか?

はい。 ただ 事故から
5日経過していたこともあり

車体の割り出しには
至りませんでした。

(相沢)被害者が乗っていた
自転車は どうなりましたか?

湖の中から発見されました。

ひき逃げした犯人は
証拠隠滅のために

湖に遺体と自転車を捨てた。

そういうことだな。
はい。

警部!
何?

その事件をネタに 10年に渡って

ひき逃げ犯をゆすってきたのが
宇野。

そして 揚げ句の果てに
ひき逃げ犯に

大内宿で殺害されたと考えて
間違いないでしょう。

うん。 そうだな。

そして その犯人は
漆器展に来ていた 誰か。

その誰かこそが
ナナカマドを名乗る人物…。

実は 10年前
我々が最初に疑った人物がいます。

それは…。

ごめんくださーい。

あんた…。

宇野なんて男 知りませんよ。

では 有限会社 ナナカマド
ご存じありませんか?

いい加減にしてくれ!

あんた 10年前も
俺が紀子を殺したと疑って…!

今度も また俺を
疑うっていうのか!

石井さん 落ち着いて!
今回の事件は

10年前の事件と
関連があります。

なんだって…?
あなたは奥さんの事件のあと

奥さんにかけていた
生命保険金 3000万円を受け取り

それをギャンブルでこしらえた
借金の返済に充てていますよね。

やはり ひき逃げに見せかけた

計画的な保険金殺人だったんじゃ
ないんですか?

俺は… 紀子を
殺してなんかいない。

では 宇野が殺された日の朝
5時半から7時の間

あなたは どこにいましたか?
漆器展があった翌日です。

この家に…。
それを証明してくれる人は?

いないよ。

そもそも どうして俺が
疑われなきゃならないんだ!

宇野は 奥さんを車でひいた犯人を
10年間もゆすってたんですよ。

漆器展の日も…。

10年前の事件
ばらされたくないだろう?

だったら俺の言うとおりにしろ。

展示会場の電話に出たのは
あなたでは?

もう うんざりだ!

あんたたち 帰ってくれ!
帰れ!

電話…。

へえ 信じられない。

あの真面目な石井さんが
保険金殺人だなんて。

でも 人は見かけによらない
っていうからね。

うん まあ 仮にそうだとしてもよ
10年間 ゆすりに応じてたのよ。

それを今になって なんで
宇野さんを殺したりするのよ。

おかしいわよ。

殿の推測ではね…。
いやだ 有ちゃん

殿山警部のこと
殿なんて なれなれしい!

いやいやいや 違う 違う。
そっちの殿じゃなくて

本物の殿様のほう。
は?

梅平警部補はね

会津藩主 松平家の あー…
まあ いいや。

よくないわよ
ちょっと ピッとしてよ。

とにかくね 石井さんは
史恵さんと再婚するんでしょ?

うん。
だから 過去を精算したくて

宇野を殺した。

ああ そういうことか。
うん。

ああ でも 気になるな。
何が?

ナナカマド!
犯人は なぜ 振込人を

有限会社 ナナカマドにしたのか?

あー…。
なんか意味があるはずよね。

♬~

ごめんなさいね。 修理なんて
細かい仕事 お願いして。

いいえ。

明日中に
型どりしときます。

お願いします。

石井さん お酒はほどほどにね。

はい。

それと 史恵さんと
再婚なさるんですって?

それならそうと
言ってくだすったらよかったのに。

すいません。

社長には感謝しています。

口下手で自己本位の私を
長いこと使ってくださって…。

おまけに 会津絵の復元という
大役まで させていただいて…。

ここまで こられたのは
社長のお陰です。

ありがとうございます。
(綾子)なあに? 急に改まって…。

ともかく おめでとうございます。

♬~

お母さん。

お母さん 昔 石井さんと
付き合ってたって ほんと?

誰から そんなこと聞いたの…?
誰でもいいじゃない。

私ね 東京で
男の人と色々あったの。

だから 何聞いても驚かないし
お母さんを責めるつもりもない。

お母さんと石井さん 今もずっと
続いてるんじゃないの?

何言ってるの?
そんなわけないじゃない。

ひょっとして
お母さんと石井さんが

宇野っていう人を…?

夏希…
あなた どうかしてるわ。

お母さんや石井さんが
そんなことするように見えるの?

頭 冷やしてらっしゃい!

(扉が閉まる音)

哲司さーん。

哲司さん お弁…。

あ… あ…!

♬~

ああっ…!

(パトカーのサイレン)

♬~

ああ…。

毒物による中毒死のようですね。

焼酎に入れて 自分で飲んだか…。

自殺じゃないわ! 哲司さんが
自殺なんか するはずがない!

♬~

ゆうべ 7時頃
電話で話したのが最後でした。

その時に 何か変わった様子は
ありませんでしたか?

特には…。

まだ 仕事してるようでしたので
2~3分話して 切りました。

誰かが来ているとか
これから来るとか そんな話は?

いいえ。
あの 史恵さん

合い鍵で家に入られたって
おっしゃいましたけど

他に合い鍵を持ってる人は
知りませんか?

いないと思います。

鍵も 半年前に
付け替えたばかりですから。

ああ… そうですか。
有作さん。

はい。
哲司さん 自殺なんかしません!

だって 私たち…
もうすぐ結婚するって…!

ああ… 史恵さん
しっかりしてください。

(梅平)中川さん。
は はい!

台所から これが…。

♬~

司法解剖の結果

石井の死亡推定時刻は
昨夜の8時から10時。

死因は 青酸カリによる中毒死
と判明した。

有作 捜査状況の説明を。
はい!

青酸カリは

石井が飲んでいたと思われる
グラスからのみ 検出されました。

室内には 侵入された形跡はなく

来客があった様子も
ありませんでした。

また 家の中はすべて
戸締まりがされておりました。

ということは

石井に 誰かが青酸カリを飲ませる
ということは不可能であり

よって 自殺をしたと考えて
間違いないと思われます。

次に 石井宅から発見された
ナイフの血痕についてですが

DNA鑑定の結果
宇野久雄のものと一致しました。

うっ!

ううっ…!

石井が宇野を殺害した
ナイフであると思われます。

すでに ご承知のとおり
宇野は10年間に渡り

ゆすりを行っていた
形跡があります。

それが 10年前の石井の妻

紀子ひき逃げ死体遺棄事件に
関する ゆすりで

その相手は 石井と思われます。

(車のブレーキ音)

ああーっ!

(梅平)石井は
2つの殺人事件の件で

自分に捜査の手が伸びてきた
ことを苦に 自ら命を絶った。

それが凶器の発見で
裏付けられた次第です。

とはいえ 凶器のナイフからは
石井の指紋は検出されていない。

宇野殺しに関しては
今しばらく捜査を継続させ

石井と宇野の関係を示す
証拠を見つけることに

全力を挙げてくれ。
いいな。

(一同)はい!

石井さんが自殺?
そんな… バカな!

ええ。 そんなはずないのよ。

綾子さん
あなたが殺したんでしょう?

そうよね?

何を言うの? 史恵さん。

人殺し!

(不通話音)

♬~

おかしいわよ 石井さんが
急に自殺するなんて…。

でもね 状況から考えて

石井が自分で青酸カリを飲んだ
としか考えらんないよ。

部屋は密室だったしさ

青酸カリは グラスの中からしか
検出されてないんだから。

いやあ
なんか腑に落ちないなあ…。

それにさ 凶器のナイフだって
発見されたしね。

それよ できすぎてるじゃない!
え?

その凶器から
指紋は拭き取られてたのよねえ?

うん。
それなのに 血痕はそのままで

台所にあったんでしょ?
おかしい…。

じゃあ 美奈は 自殺じゃなくて
他殺だって言いたいの?

まあ 断定はできないけど
その可能性はあると思う。

かゆい もう~!
え? あっ! 湿疹?

うん…。
ああ…。

なんか 変なもの食べたり
触ったりしたんじゃないの?

ううん… あっ!
わっ!

漆だよ!
え? あっ!

ほら今日 石井工房 行ったでしょ。
あのせいだ。

じゃあ 漆かぶれ?
漆かぶれだ。

ああ かゆい… でも ねえ
かかないほうがいいんじゃない?

かゆい もう… ああ!
漆だと思うと かゆい もう…!

うん。 ブランクがあったなんて
思えないわね。

ほんとですか?
ええ。

基本が きちんと
できているからね。

ありがとうございます。

あの… ゆかりさんは

母と石井さんとのこと
ご存じでしたか?

え?

若い頃 お付き合い
してたらしいんですけど…。

そんな噂を
耳にしたことはあるけど

私は詳しいことは何も知らないわ。
そうですか…。

♬~

いらっしゃいませ…。
人殺して 店開けてるなんて

どういう神経してるの?
史恵さん…。

あなたが 哲司さん殺したのよ。

私が哲司さんと結婚するのが
許せなかった… だから。

あなた 大きな思い違いしてるわ。
思い違い?

よく言うわねえ。
あの古美術商 殺して

その罪を
哲司さんに なすり付けといて。

それだけじゃない。
あなたは 10年前

哲司さんの奥さんも
車で ひき殺した。

作り話するのは やめて!
ほんとのことじゃない。

いつまでも
昔の男に未練たらたらで

あー みっともない!

みっともないのは
あなたのほうよ。

ありもしない話 勝手に想像して
嫉妬するなんて…。

揚げ句の果てに
人の店にまで来て…。

何よ 人殺しが!

返してよ! 返してよ あの人を!
あっ あー!

誰か 誰か! あー!

放してよ!

よしなさい!
やめて やめてー!

(泣き声)

(史恵の泣き声)
どうしたんですか?

(史恵の泣き声)

(史恵の泣き声)

ああ…。
(夏希)美奈さん。

綾子さんは?
今 中で有作さんと…。

ねえ ケガは? 大丈夫なの?
ええ ケガはありませんでした。

あっ そう よかった…。

ねえ 何があったの?

♬~

あの女が哲司さんを殺したのよ!
そうに決まってるわ。

それは不可能です。
竹本綾子さんは

石井さんの死亡時のアリバイが
成立しています。

そんなはずありません!
よく調べてください!

史恵さんのおっしゃってることは
全部 誤解です。

私は石井さんを殺してませんし
石井さんの奥さんや

宇野さんだって
殺してなんかいません!

我々も

史恵さんの話を信じてるわけじゃ
ないんですけども

このような事態になった以上

詳しい話を
聞かせていただかないと…。

何も お話しすることなんか
ありません。

ただ…。
ただ?

昔 石井さんとお付き合いを
していたのは 本当のことです。

(夏希)あっ お母さん!

ご心配をおかけしました。

ねえ 史恵さんは?
ああ まだ取り調べ中。

で 綾子さんはね
もう帰っても大丈夫だって。

綾子さんの疑いが晴れて
よかったわね。

ええ!

夏希
石井さんのことだけど…。

私たちね…
結婚の約束してたの。

もう 25年も前のことだわ。

♬~

終わっちゃった。
終わった…。

♬~

うわ~ すてき!
つけようか?

♬~

石井さんは まだ見習いだった。

だから 両親が反対して
私にお見合いを…。

その相手が お父さん?
ええ。

私は
両親の薦めに従って 結婚。

石井さんは仕事に没頭して
数年後 奥さんをもらって

腕のいい蒔絵師と評判に。

でも…。

(綾子)腕はいいのに
仕事のこととなると頑固で

どこの問屋さんとも
しょっちゅう もめた。

(綾子)そのせいで
仕事はこなくなって

酒とギャンブルに溺れて
借金まみれ。

当然 夫婦仲も険悪になって…。

そして 10年前
奥さんの事件が起きたの。

石井さん ひどく荒れて…。

私は…
このまま 石井さんの才能が

埋もれてしまうんじゃないかと
思うと 残念で…。

だから…。

♬~

私に 会津絵の復元を…?

ええ。 ぜひ お願いしたいの。

私でいいんですか?

石井さんにしか できない仕事よ。

ありがとうございます…!

♬~

(綾子)会津絵を
完璧に復元したいと願っていた

私の思いに
石井さんは応えてくれた。

それ以来 私たちは
問屋と職人として接してきた。

それ以上の気持ちは
微塵も持ったことがないわ。

私の胸の中にあるのは
家への思いだけよ。

家?
私は

この会津に生まれて

竹本漆器店という家で
ずっと生きてきた。

だから 店と家族を
大事に守って生きていきたい。

その思いよ。

強いですね。

会津女ですもの。

同じ会津女でも

私は 家を捨てて
会津から出て行く。

思い切って東京へ なんて
言っていた自分が

恥ずかしいですもん。
ゆかりさん。

一人一人 違う生き方があって
いいんじゃない?

そうね。
美奈さんの言うとおりだわ。

ありがとうございます。

また大川荘へは ごあいさつに
伺わせていただきます。

ゆかりさん ご心配おかけして
申し訳ありませんでした。

すみませんでした。

いいえ!

じゃ。
じゃ。

♬~

金を払った形跡がない?
はい。

石井の金の出入りを
詳し~く 調べてみましたところ

この10年間
借金の返済を払った以外は

妻の生命保険金 3000万円には

ほとんど
手をつけていませんでした。

宇野が犯人をゆすって
手に入れた金額は 5000万。

石井は その金を保険金で
払ったんだろうと見てたんですが。

となると

有限会社 ナナカマドを名乗ったのは
石井ではなかった…?

警部 犯人は別にいます。

これは 連続殺人事件です!

って かっこよく言ったまでは
いいんだけど

そのあと 殿山警部に

だったら 犯人は誰なんだ? って
言われちゃって…。

うん 言われちゃって?
答えられなかったんだ もう…。

いい? 石井さんは
やっぱり殺されたのよ! ね?

ええっ!?
ああ~!

ああ! もう 声が大きい! もう。
いいから いいから。

シー! シーシー シーシー…。
いい? いい?

10年前 真犯人は
石井さんの奥さんを車でひき

猪苗代湖に遺棄した。

それをネタに 真犯人は
宇野さんから ゆすられ続け

口封じのために 殺害。

それらの罪を
石井さんに なすり付けるために

自殺を偽装した。

うん。 でもね 美奈
石井の死体が発見された時

家の中は
すべて鍵がかかってたんだよ。

誰かが 石井に青酸カリを
飲ませるのは不可能なんだよ。

だから よく考えて 中川刑事。
ほら 考えて。

もう! トリックよ。
トリック?

トリック トリック トリック…
あっ!

そう!
(2人)密室トリック!

密室!?
うわあ もう~ 声がでかい!

あっ…。
ええ~!?

♬~

邦彦さん。
ひどいなあ…。

ありがとうございます。
お母さんのこと 耳にして…。

大丈夫?
ええ 私も母も大丈夫です。

なら いいけど…
もし 何か僕で役に立てるなら…。

こう見えても
あちこち 顔きくから…。

お気遣い ありがとうございます。
でも 大丈夫です。

500万円の重箱の借りを返そう
なんて 思わないでください。

とげのある言い方だなあ…。
もう 10年も前のことだ。

僕も若かったから

君のお母さんに失礼なことしたと
今は思ってるよ…。

10年前…。

三角関係だったんだって!
綾子さんと史恵さんと石井さん。

それがあって 史恵さんは…。

あなたが
哲司さんを殺したんでしょう~!

そもそもね 石井さんは
密室トリックで殺されたのよ~。

密室トリック!?
はいはいはい。

口動かさないで 手を動かす!
はい すいません…。

密室トリックって 密室…。
美奈さん。

はい。

ちょっと。
はい。

綾子さんと史恵さんのこと
町中で評判になってるみたいね。

はい。 もう ひどいことを言う
人たちもいて…。

こうなったら 真犯人を
見つけるしかない… すいません!

あの 事件に
首を突っ込んではならぬ。

什の教え 「ならぬことは
ならぬものです」でした。

私も綾子さんの潔白を信じるわ。

それを証明したい
っていう気持ちは

あなたと同じぐらい強いの。

会津には
こういう言葉があるわ。

やらねば ならぬ。

美奈さん おやりなさい。
真犯人 見つけて!

はい!

趣味ねえ…
鉄砲撃ち って書くか。

キジ撃ちとか なさるんですか?
いらっしゃいませ。

毎年 狩猟解禁日の11月15日が
待ち遠しくて。

ああ… 狩猟は
期間が決まってますからねえ

11月15日からと。

では お部屋にご案内いたします。
どうぞ こちらへ。

お疲れ様でございました。

狩猟…?

ねえ ちょっとお客様名簿 見せて。
はい。

ありがとう。

♬~

おふくろの許可が出た!?
そうなのよ。

やらねばならぬ って…。
だから やるわよ~!

有ちゃん 狩猟解禁日よ。
狩猟解禁日?

石井さんの奥さん 紀子さんが
ひき逃げされたのが

11月15日 狩猟解禁日なの!
うん。 で それで?

宇野さんの趣味は 狩猟。

もしかしたら その日
宇野さんは 狩猟に行く途中で

その事故に
遭遇したんじゃないかしら。

(車のブレーキ音)
ああーっ!

♬~

しかも その時期ね
猪苗代湖周辺の山は

ナナカマドで真っ赤に染まるんだって!
じゃあ

有限会社 ナナカマドっていうのは
その辺りに意味があるのかな?

かもね~。

宇野さんは 犯人に
それをネタにお金を要求した。

500万円。
え?

500万だったの?
うん 最初はね。

へえ~。 確か 綾子さんが
辻さんから買った重箱

あれも… 500万だったわよね?
うん。

辻はね 当時 学生で
株で損した分

その穴埋めに使ってた って
言ってたよ。

まさか…。
えっ 辻が?

ただの偶然かもしれないけどさ
5000万円要求されて

支払える犯人って
それなりに財力がないと。

いや でも それ言うんだったら
綾子さんだってさ…。

有ちゃん。
綾子さん まだ疑ってるの?

綾子さんって人はさ…!
ノーモア夫婦ゲンカ!

ノーモア ノーモア… そうだね。
ごめん ごめん ごめん。

とにかく 一番の問題は

密室で 石井さんの飲み物に
どうやって青酸カリを入れたか。

うんうんうん うん そうだよね。

うわっ かゆ~い。

えっ? ねえ まだ?
うん。

はい。
はあ~。

あ~ どう? 効きそう?
おお いいみたい いいみたい。

ああ よかった。
冷やすほうがいいんだね。

そうだね。 でもさ これ
少なくて すぐ溶けちゃうよ。

ああ そうか 溶けるからね。
氷~。

有ちゃん。
ん?

氷よ! 氷!
氷?

青酸カリを入れた氷で
石井さん 殺害したのよ!

え~っと 犯人は

青酸カリを入れた氷を作って
石井さんちの冷凍庫に入れた。

きっと 証拠が残らないように
青酸カリが入ったのは1つだけで

普通の氷にまぜて
冷凍庫に入れておいた!

で なんにも知らない石井は
それをグラスに入れて

焼酎を飲んでしまった。

くっ…。

♬~

すごいよ 美奈!
密室トリック解いちゃった!

いや まあね。

いやあ 僕もすごいなあ。
名探偵を妻に持つ刑事だもんね。

あいた!
自慢してる場合じゃないでしょう。

でもさ そうすると アリバイは
成立しなくなっちゃう。

う~ん その氷が
いつ冷凍庫に入れられたのか

わからないからね。
証拠もなくなるよ。

だって 氷 溶けちゃうもん。

でも 誰かが石井さんちに
忍び込んだのは確かなのよ。

有ちゃん。 明日
徹底的に 石井工房 調べてみて。

了解しました。

あっ…。

このまま東京に?

色々と ごあいさつを
済ませてから 電車で。

美奈さん 大おかみ

本当に 色々と
ありがとうございました。

体に気をつけて
頑張ってくださいね。

(ゆかり)はい。

会津へ戻ったら
必ず ここへ寄ってちょうだいね。

はい。 じゃあ 失礼します。

じゃあ。

ゆかりさん 手 どうしたのかしら。

手ですか?
あなた 気がつかなかった?

かぶれてたみたいだけど。

かぶれ…?

警部!
どうだった? 有作。

氷から指紋が出ました!

氷から…?

(綾子)ゆかりさん。

綾子さん!

♬~

あっ 夏希ちゃん。

美奈さん。
お母さんは?

ゆかりさん いらしたでしょ?

ゆかりさんは だいぶ前に
ごあいさつにお見えになって

母は そのあと
出かけたきりですけど…。

どうかしたんですか?
ああ うん…。

ああ 有ちゃん!
どうしよう!

綾子さんも
ゆかりさんもいないの!

えっ!?
もしかしたら

綾子さん ゆかりさんを…。
どういうこと?

はっ…! あっ!

ああ ちょっと 美奈! ああ…。

美奈! 美奈! 美奈!
ちょっと ちょっと あっ…!

あっ…。

石井さんが亡くなった日…

私 漆器の修理を頼みに
石井さんの工房に行ったの。

(綾子の声)
その帰り 近くの道で…

あなたを見かけたわ。

急いでいたようだったから
声はかけなかったわ。

翌日 石井さんの死体が発見され

そして あくる日…。

同じ会津女でも

私は 家を捨てて
会津から出て行く。

思い切って東京へ
なんて言っていた自分が

恥ずかしいです。

家を捨てる…。

それを聞いた時
もしやと思ったわ。

だって
ゆかりさんらしくないもの。

家を捨てるなんて
余程のことだわ。

ゆかりさん。

東京に行くなんて
ウソでしょう?

あなた…
死ぬつもりじゃないの?

あなたをここに連れてきたのは

あなたを
責めるためなんかじゃない。

もう これ以上 逃げないで

自分の罪と
向かい合ってほしいからなの。

どうして そんなことを?

あなたの気持ちがわかるからよ。

わかるわけないわ!

重たかったんでしょう?

犯した罪以上に
あなたの生まれ育った家が。

はっ!

駄目!

ゆかりさん。

(ゆかりの嗚咽)

死んでも 償いにはならないわよ。

美奈さんも 私が犯人だってことに
気づいたんですね。

今日 ゆかりさんの手が
かぶれてることに気づいてね。

僕と同じ

石井工房にあった漆の木や
作業道具でかぶれたんですよ。

直接触らなくても
かぶれることがあるそうよ。

あなたが犯人だという
証拠もあります。

石井さんが殺された日の昼間

あなたは
石井工房の台所に忍び込んだ。

宇野さんを
刺し殺したナイフを隠し…。

冷凍庫の中に 氷を入れた。

その中の1つが
青酸カリ入りの氷。

その夜 何も知らない石井さんは

青酸カリ入りの氷を焼酎に入れて
飲んでしまった。

石井工房の
台所を調べてみたんですよ。

そしたら 冷凍庫の中の
アイスボックスの中に

氷が 1個だけ残ってたんです。

その氷には
指紋が残っていました。

実はですね 氷というのは

意外に鮮明に
指紋が残ってしまうんですね。

ゆかりさん。

包み隠さず すべてを話して。

10年前のあの日

生け花に使うナナカマドをとりに
山へ行ったんです。

(ゆかりの声)帰り道 突然
目の前に自転車が現れて…。

ああーっ!

(ゆかりの声)
そこへ通りかかったのが

宇野だった。

死んでるよ…。

(ゆかりの声)
どうしていいかわからなくて

ただ…
ただ そこから逃げたかった!

そしたら…。

助けてやろうか?

あんたを助けてやろうかって
言ってるんだよ!

(ゆかりの声)
何も考えられないまま

言われるとおりに
遺体を宇野の車に…。

(電話)

(ゆかりの声)夜になって
電話がかかってきて…。

はい 澤田でございます。

500万円?

遺体を
猪苗代湖に沈めてやったんだよ。

それぐらい 安いもんだろう?

金は 俺の口座に振り込め。

振込名は… そうだなあ

有限会社 ナナカマドだ。

その遺体が 石井さんの奥さんの
紀子さんだってことは

知ってたんですか?

いいえ。 事件が発覚して
初めて知りました。

私が車ではねたのは
石井さんの奥さんだったと。

ゆすりは 1回だけでは
終わらなかったのね?

はい。

家の土地を切り売りして
お金を作りました。

それ以来
ナナカマドを見るのが いやで…。

(ゆかり)赤い実が
私を責めている気がして…。

見たぞ! 見たぞ! って!

ゆかりさん。

漆器展の手伝いなんか
しなければよかった。

まさか 宇野が来るなんて…。

(電話)

はい。 会津漆器展会場です。

(宇野)「後ろを見てみな」

「あんたのおふくろさん
亡くなったんだってな」

(宇野)相続した金 全部
渡してもらおうじゃないか。

「俺から 逃げられると思うなよ」

「どこまでも追いかけるからな」

私 母も亡くなったので
家を捨てて逃げるつもりでした。

でも 宇野は
どこへ逃げても追いかけてくる!

そう思い知らされて…。

金は?

金は持ってきたか?

うっ!

どうして 石井さんまで?

石井さんは

私が宇野を殺したことに
気づいたんです。

展示会場で
宇野からの電話を取ったのは

ゆかりさん 君だよね?

君は10年前 紀子を…。

目の前が真っ暗になって

10年前の事件を隠さないと…
石井さんをなんとかしないと…!

それしか頭になくて…。

ごめんなさい!

私のせいで 綾子さんに
つらい思いをさせてしまって…!

ごめんなさい。

10年前の事故の時
警察に行ってれば…。

そのあとだって いくらでも
自首する機会はあったはずだよ。

うちは 会津の旧家。

物心ついた時から

家の名を汚してはいけない。

会津の女らしく
凛として生きなさい。

母に そう言われ続けてきました。

(澤田栄子)什の教え その一。

「年長者の言ふことに
背いてはなりませぬ」

その二。

「年長者には
お辞儀をしなければなりませぬ」

ゆかり。
什の教え よく守りなさい。

事故を起こした時に

母の言葉が
すぐに頭に浮かんで

だから… だから
どうしても自首できなかった。

私 本当は

綾子さんのように しっかりと
家を守っていきたかったんです。

家を誇りに思っていたし
この会津の町も大好きでした。

でも… でも あの事故を境に
すべてが変わってしまった。

誇りは 恥へと変わったんです。

事故で
すべてが変わったんじゃないわ。

ゆかりさん 事故のあとの
あなたの行いが

すべてを変えたのよ。

すぐに警察に行ってれば
誇りを失うことはなかった。

たとえ 家の名を汚したとしても
お母様が嘆いたとしても

それでも…!

最後の誇りは 残っていた。

誇りが何を意味するのか…

今のゆかりさんなら
わかるわよね?

ええ。

罪を背負い
一生をかけて償うこと。

(パトカーのサイレン)

ゆかりさん
その誇りを取り戻して。

宇野久雄 石井哲司殺害容疑で
ご同行願えますか?

はい。

ゆかりさん!

私 信じてるわ。

あなたが 誇りを取り戻すことを。

(ゆかり)綾子さん…。

だって
あなたは強い会津女ですもの。

♬~

(パトカーのサイレン)

♬~

ねえ 有ちゃん
史恵さん どうだった?

綾子さんとの示談が成立して
不起訴になったよ。

ああ そう。
うん。 本人も

だいぶ反省してるようだし。
へえ~。

史恵さんも
かわいそうだったわねえ。

うん。

有ちゃん
ボーッとしてないで働いて!

さっさと シュッシュッて!
ああ はいはいはい。

だけどさ 女の人って
ほんっと~に強いよねえ。

何よ 急に。 私のことかな?
うん。

えーっ!?
ああっ いえいえいえ…!

ほらっ おふくろのこととか
綾子さんのこと。

ああ…。 まあ そりゃ
責任ある立場になったら

強くならざるを得ない
ってことじゃない?

そうか…。
うん。

それってさ ある意味
女を捨てるってことなのかなあ。

それは違うと思うな。

どんなに強く見えても

女は女の部分を
そっと 胸の奥にしまってる…。

私は そう思いたいな。

♬~

うわ~ すてき!
つけようか?

お母さん。

お茶 入ったわよ。

ええ 今 行くわ。

あのね お母さん。
ん?

私 この家に生まれてよかった。

♬~

めげない めげない! うん!

有ちゃん。 急いで~。
はいはい。

(小百合)若おかみ!
ただいま戻りました。

おかえりなさい。 ねえ 小百合さん
いかがでした? 婚活。

婚活じゃありません。
東京見物です!

ああ~ ですね。
いかがでした? 東京。

やっぱり 会津が一番です。

若おかみ。
私 仲居頭 小百合は

今まで以上に頑張って
働かせていただきますので

何とぞ
よろしくお願い申し上げます。

こちらこそ
よろしくお願い申し上げます。

お土産。 あっ いやいやいや…。

どうぞ。
ありがとうございます。 どうも。

はい どうも~。
お疲れ様~。

有ちゃん あれはね
婚活 完全惨敗!

寿退社の夢 敗れたりだね…。
敗れたり 敗れたり…。

お義母様。 小百合さんが
東京から戻りました。

さっき会ったわ。

これからは
仕事一筋 頑張りますって。

まあ うちは助かるけど。
ええ。

結局 私が 誰かいい人を
見つけてあげるしかないわね。

ところで 美奈さん。
はい。

あなたも 会津へ嫁いで21年。
いい会津女になったわね。

へっ?
そうだよねえ。

やったね 美奈!

…と言いたいところ
だけど

まだまだね。

なぎなたの腕は
さっぱりヘタクソだし

梅子。
はっ!

へっ?
これはね

私が使っている
大切ななぎなたです。

あなたに
差し上げますから

朝晩
おけいこなさい。

いいですね?
はい! ありがとうございます!

宴会のお時間です。
参りましょう。

はい!

けいこに
励みます!

有ちゃんが。
え?

いや 僕は…。

励むったって
もう…。

は~っ。

あっ…
はあ はあ…。

(政子)本日は芦ノ牧温泉
大川荘をご利用いただきまして

誠にありがとうございます。

私 大おかみの
中川政子でございます。

若おかみの
中川美奈でございます。

日頃のお疲れを
いやしていただきたく

私ども 従業員一同
心をこめて

サービスをさせて
いただきます。

どうぞ
ごゆっくり

おくつろぎ
くださいませ。

(拍手)

♬~