西村京太郎サスペンス十津川刑事の肖像3 危険な判決 新宿・歌舞伎町で刺殺事件が発生。現場に急行する十津川省三刑事…

2020年11月11日

出典:EPGの番組情報

[解][字]<BSフジサスペンス劇場>西村京太郎サスペンス十津川刑事の肖像3 危険な判決

西村京太郎サスペンス『十津川刑事シリーズ第3弾』をお届け!十津川(高嶋政伸)&亀井(古谷一行)の名コンビを迷わす巧みな犯罪…。犯人は意外なところに!?

詳細情報
番組内容
新宿・歌舞伎町で刺殺事件が発生。現場に急行する十津川省三刑事(高嶋政伸)と亀井定男刑事(古谷一行)。ナイフで刺殺された若い男性は上条雄一郎(岡本光太郎)と判明、しかも上条は、強姦殺人の容疑者だった。
 早速聞き込みを開始する十津川と亀井は、強姦殺人事件の被害者の姉・島野篤子(滝沢沙織)を訪ねた。そこで篤子は「妹は上条に殺された。絶対許さない」と十津川たちに話す。
番組内容2
十津川は、復讐(ふくしゅう)の可能性がある篤子のアリバイを聞く。
 そのころ、多摩北署管内で上条を刺殺したものと同じようなナイフが同封された脅迫状がビルメンテ社長の西沢豊(野村宏伸)あてに送りつけられていた。多摩北署の八木刑事(金山一彦)と角田刑事(六平直政)とともに向かう十津川たち。脅迫状の内容は「金森を殺した証拠を握っているから現金500万円を用意しろ」というものだった。
番組内容3
金森(勢至郎)とは西沢と仕事でトラブルを起こしていた男だ。
 そして犯人が西沢に現金渡しの指示をしてきた。指定された場所へ向かう十津川たちだったが、犯人の車を使った巧妙な作戦で現金を奪われてしまう。捜査を進め逃走車の持ち主宅をつきとめ向かう十津川だったが、その持ち主は遺体となって発見される。徹底的に事件を洗い直す十津川と亀井、そして意外な人物が浮かび上がってくる。
番組内容4
さらには十津川のところに「角田刑事が変死体で発見された」という情報が入ってくる…。
出演者
<出演者>
十津川省三:高嶋政伸
島野篤子:滝沢沙織
西沢豊:野村宏伸
平塚八重子:山村紅葉
八木刑事:金山一彦
牛込刑事:梨本謙次郎
角田啓吾:六平直政
亀井定男:古谷一行
ほか
原作・脚本
<スタッフ>
原作:西村京太郎
脚本:田子明弘
演出:福本義人

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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  17. 刑事
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  19. ハァ
  20. 午後

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(パトカーのサイレン)
至急 至急 警視庁から各局。

新宿 歌舞伎町3丁目
キャバクラ CREAMで

立てこもり事件 発生。 付近の
PC PMは急行してください。

なお 被疑者は
拳銃を所持しているもよう。

繰り返す 警視庁から各局
新宿 歌舞伎町3丁目

キャバクラ CREAMで
立てこもり事件 発生。

(亀井)おう ケガ人は?
(山崎)店長と

従業員の女の子が2人。
(静代)命に別条は ありません。

(十津川)犯人は?
(山崎)今 小川さんが。

≪落ち着いてください
大丈夫ですよ。

≪落ち着いてください
慌てないで。

(小川)主任!
この辺りの ボックス席に

立てこもってるようです。
(十津川)人質の人数は?

(小川)1人です。
(深見)人質の名前が分かりました。

仁科リカ 21歳。 店の従業員です。
立てこもってる男は

彼女に付きまとっていた
ストーカーです。

(亀井)ストーカー?
どんな男だ。

(深見)染谷という暴力団組員の
男で シャブ中のようです。

(染谷)何とか言えよ おい!

(亀井)確認できません。

どこまで進めば
このボックス席が見える?

(従業員)
えっと 入り口からだと…。

≪(銃声)
≪(悲鳴)

下がって!

カメさん。
(亀井)はい。 深見 行くぞ!

(深見)はい。
(警官)危険です!

下がってください。
下がって! 下がって!

何だ おら!

何だ お前ら。
染谷 明だな。

拳銃を捨てるんだ。
(染谷)うるせー!

てめえら 邪魔すると
ぶっ殺すぞ こらぁ! おい!

人質を 放しなさい。

主任。
(染谷)何 言ってんだ お前。

リカ連れて 帰るんだよ。

どけ 邪魔だ お前!

聞こえねえのか おい!

おい。

≪(上条)ああ 撃て 撃て!

さっさと警察 撃っちまえよ!
(小川)黙ってろ!

(上条)おい 何だよ撃てねえのかよ
代わりにやってやるよ ほら おい。

うるせー おら!
おい 撃っちまえ ほら!

(染谷)おい! なっ…。

来るな… 来るなー!

おい! 来るな おい!

来るな! おい!

来るなー!

♬~

(染谷)おらあ! 放せ おらあ!

(上条)オウ エクスキューズミー。
携帯いらない? 携帯電話。

ねえ すぐ使えるよ
プリペイド付いてるし。

ちょっと待ってよ いいじゃん。

んだよ 日本だぞ ここ。
チキショー。

お兄さん 携帯電話 どう?
プリペイド付いてるし。 ねえ。

んだよ バカヤロー。

(サイレン)

やつが 引き金を引かない
確信があったんですか?

いや あいつが引く前に

あいつの脳天を
ぶち抜いてやるつもりだった。

平塚班長が聞いたら
卒倒しますよ。

シーッ。

≪(クラクション)

チッ バカヤロー!

この野郎!

ったく どいつもこいつも
情けねえよな。

警察なんて撃っちまえよ。
俺だったら バーン! ってだな。

ハハハッ バーカ。

うっ! ううっ…。

(亀井)念のために
病院へ行っとこうか。 ねっ。

高梨。

十津川です。
まだ 歌舞伎町です。

分かりました
すぐに向かいます。

亀井さん!
(亀井)おう。

(サイレン)

この男 さっきの…。
(深見)えっ?

現場 荒らすな!

鑑識に また言われるぞ
「刑事が 一番 現場荒らす」ってな。

(亀井)
お前だろ いつも言われてんの。

亀井さん!

どうして
凶器を残していったんだ。

(深見)ガイ者の身元が
判明しました。

(深見)上条 雄一郎 27歳 無職。
16歳のとき

強姦殺人で
中等少年院に入っています。

(静代)部屋を捜索したところ

さらに32個の携帯電話が
発見されました。

(山崎)全て
プリペイド携帯でした。

(平塚)ガイ者は
キャバクラ事件のとき

やじ馬に交じって
アジってたようね。

今のところ 染谷とのつながりは
見つかっていません。

(平塚)凶器のナイフは?

ナイフから
指紋は採れませんでした。

ただ 意外なことが
分かりました。

これは 1920年代に
フランスで製造された物で

金が 象眼されていました。
(静代)象眼?

金属や陶器の表面に
こう 金や銀を はめ込んで

模様を刻むことだ。
真ちゅう じゃないのか?

ゴールドです。
今の価値は?

20万は くだらないそうです。

(平塚)ナイフの出どころを
調べれば

犯人に つながるかもしれない。

徹底的に洗って。
(小川)分かりました。

(平塚)それじゃ 仕事上のトラブル
怨恨 それに 流しの物取り。

この3つの線で
捜査を進めましょう。

財布がとられてません。
売り物の携帯も そのままでした。

(平塚)物取りの線は
ないってこと?

20万もするナイフを
なぜ犯人は使ったのか。

そりゃ 犯人の好き好きでしょ。

殺しに 何百万もする 日本刀
使ったやつもいましたよ。

うん そういう意味じゃ
ないでしょ。

(亀井)フッ。

財布もとらずに
こんな高価な物 残して

ずいぶん 気前がいい犯人だな。

犯人がナイフの価値に
気付かなかっただけじゃない?

だって わたしたちだって
今まで知らなかったんだから。

犯人が凶器の回収に
失敗したってことも

考えられますね。
ナイフを刺した途端に

肉が収縮して
抜けなくなることってあるでしょ。

この 柄に彫ってある文字は?

ああ えー
えー…。

「ディカイオシュネ」
古代ギリシャ語だそうです。

意味は 「正義」

正義。
十津川君の 大好きな言葉ね。

人殺し しておいて
正義もないもんだ。

ねえ 主任。

正義。

ちょっと すみません。
(男性)はい。

この男 なんですがね…。

この男は ご存じないですか?

上条 雄一郎といいます。
(男性)知らねえよ。

知らねえんだって。
あんだよ 知らねえんだよ!

(山崎)どうです?
(静代)知らないそうです。

ああ そうですか。
すいません。

(亀井)上条が?

(ゆかり)警察なんて ちょろいって
自慢してたよ。

(亀井)どこの警察とか 言ってた?
(ゆかり)確か… 伊豆?

その話 詳しく
聞かせてくれないかな。

♬~

♬~

(牛込)牛込です。
(亀井)どうも お世話になります。

事故だったんですか?

(牛込)書類上は。

自分は 今でも
殺人だと思ってます。

(牛込)去年の夏 上条はここで
島野 涼子をナンパしたんです。

(涼子)《はい チーズ》
(シャッター音)

(涼子)《もう一回?》
(女性)《もう一回 もう一回》

(牛込)島野 涼子は 大学の女友達
2人と 海水浴に来てました。

《3人です》
(上条)《ああ よかったら

俺 ボート持ってるんだけど。
ハハッ どうぞ》

(牛込)上条は 3人を誘って
モーターボートで沖に出たんです。

(女性)《お願いします》
(涼子)《えー わたし無理》

(女性)《大丈夫だってば》
(上条)《大丈夫だよ》

(牛込)事件が起きたのは
2度目に沖に出たときです。

上条は
友達2人を置き去りにして

島野 涼子だけを誘い
再び沖に出ました。

(亀井)ふーん それで?

上条はモーターボートの上で

島野 涼子を
レイプしようとしたんです。

(上条)《おい》
(涼子)《嫌っ! 嫌!》

(牛込)しかし 激しい抵抗に遭い
カッとなった上条は

彼女を 海に突き落とした。

上条が そう供述したんですか?
(牛込)いえ。

あいつは否定しました。

《だから 島野 涼子が
自分から飛び込んだんですよ》

《ハッハッハ 彼女 酔っぱらって
かなり盛り上がってたし

いや そんな怖い顔
しないでくださいよ》

しかし彼女は
まったく泳げなかったんです。

そんな彼女が 自分から海に
飛び込んだりしたと思いますか?

しかも
大量のアルコールを飲んで。

(亀井)それも 上条に
無理やり 飲まされた?

そうとしか 考えられません。

逮捕令状は
とれなかったんですか?

ええ 最近ますます裁判官が

令状を出すのに
慎重になってるでしょ。

こんなんじゃ

懸命に捜査してる われわれは
報われませんよ。

まったくね。

(牛込)勝ち誇ったような
あのときの上条の顔。

今でも 忘れません。

♬~

(篤子)今日ね
美容師さんと相談してきたの。

お色直しの髪形。

こーんな感じに
しようと思って。

どう?
(矢沢)へえ いいじゃない!

(矢沢)あのウエディングドレスに
似合うよ絶対!

じゃあ… これ。

ハネムーンのパンフ。

タヒチ…。

(亀井)すいません。

島野 篤子さんですか?

はい。

(亀井)上条 雄一郎が
殺されたことは ご存じですね。

殺された?

いつですか?

ご存じなかったんですか
おとといの夜です。

ハァ… 知りませんでした。

誰に殺されたんですか?

それを今
われわれが捜査してます。

妹さんの事故のことなんですが…。
(篤子)あれは事故じゃありません!

妹さんは 泳げなかったと
聞きましたが。

小さいころは泳げました。

だけど あのことがあってからは
水を怖がるようになって。

あのことっていうのは?

家族でキャンプに行ったとき…。

両親が川に流されたんです。
涼子が10歳のときでした。

ご両親も水の事故で…。

(篤子)涼子が
自分からボートに乗ったなんて

わたしは信じていません。

ましてや 自分から
海に飛び込んだなんて。

お酒だって そうです。
ほとんど飲めない子なんです。

あんなに飲むなんて
考えられません。

涼子は上条に殺されたんです。

たとえ 死んでも
あの男のことは絶対に許さない。

《やっと釈放されたよ。
まったく お前の妹のせいでよ》

《人殺し!》
(上条)《ああ?》

《涼子を返して! 返してよ!
返して…》

(牛込)《島野さん
落ち着きましょう。 島野さん》

紅茶 どうぞ。

おとといの夜 12時ごろ
どちらにいらっしゃいました?

あっ 参考までに。

病院にいました。
病院。

桜田記念病院で
看護師やっています。

おとといの夜は夜勤でしたから。

(亀井)夜分
申し訳ありませんでした。

(篤子)いえ。

(平塚)「T・K」 指紋は?

(山崎)いくつか
採れたそうですけど 崩れていて

判別できなかったそうです。
≪(亀井)ただ今 戻りました。

(一同)ご苦労さまです。

(平塚)島野 篤子のアリバイ
どうだった?

完ぺきでした。

彼女 桜田記念病院で
ターミナルケア つまり

末期がん患者たちの看護を
担当してました。

あの夜は夜勤で そのことは
同僚看護師が証言してくれました。

背後から心臓を一突きしてる
手口から見ても

やっぱり女性には難しいでしょ。

男。 しかも かなり ナイフを
使い慣れてる人間かもしれない。

これが 現場近くの側溝から
見つかったの。

「T・K」 イニシャルか。

犯人が残していった可能性は
低いと思います。

(亀井)はい 捜査本部。
(平塚)どうして?

ガイ者と犯人は
争った形跡がありません。

(平塚)逃げるときに
落としたんじゃない?

慌てて走ってて。

犯人が 故意に
残していったということは

考えられますね。

あるわね。

(亀井)分かりました。
(平塚)どうしたの?

(亀井)多摩北署管内で

脅迫状を送りつけてきた事件が
発生したそうです。

うちと関係あるの?

例のナイフと同じようなナイフが
同封されてたと。

脅迫状の差出人は T・K。

何だって?

警視庁の十津川です。

亀井です。

(西沢)西沢です。 どうぞ。

(八木)ご苦労さまです。
多摩北署の八木です。

こちらは角田刑事です。

(八木)脅迫状は

宅配便で 西沢さんの会社あてに
送られてきました。

これが 同封されていたナイフと
脅迫状です。

両方とも
指紋は西沢さんだけのものでした。

(亀井)新宿の事件で使われた
凶器と 同じもんです。

正義。

(亀井)「お前が 金森 直孝を
殺した証拠を握っている」

「警察に渡されたくなかったら
五百万円で買い取れ」

「又 連絡するまで
家で大人しく待っていろ T・K」

この脅迫状は
まったくの でたらめですよ。

わたしは 決して 金森さんを
殺したりなんかしてません。

刑事さんたちだって
分かってますよね?

そうですよね?

ハッ。 だいたい
ホントに殺してたりしたら

わざわざ
警察に連絡するわけないでしょ。

そう思いませんか?

(八木)事件が起こったのは

ことしの5月12日
火曜日の夜です。

貸しビル業をやっていた
金森 直孝という男が

自分の会社事務所で
殺されたんです。

(西沢)だから
何度 言ったら分かるんだ。

(八木)真っ先に 容疑者として
浮上したのが 西沢 豊でした。

当時 西沢は 殺された金森と
仕事で トラブっていました。

ふーん。 どんな。

(八木)西沢は ビルメンテナンス

つまり ビル専門の清掃会社を
経営していて

金森の貸しビルにも
入っていました。

ところが 金森も ビルメンテの
会社を始めようとして

西沢の会社から
社員の引き抜きを始めたんです。

そのやり方が 相当 強引で

西沢が かなり
恨みを ため込んでいたのは

間違いありません。

(亀井)心証は
限りなくクロってことか。

(角田)心証だけじゃない。
西沢は 間違いなくクロだ。

(角田のせき)

大丈夫ですか?

(角田のせき)

西沢は どうして
逮捕できなかったんですか?

(八木)完ぺきなアリバイが
あったんです。

それを どうしても
崩すことができなくて。

完ぺきなアリバイ?

(八木)西沢には前科もあります。

若いころ
強盗グループに入っていて

押し入った先の住人を
殺しています。

(亀井)へえー。
そんな男には見えんがね。

(八木)今でも そのグループと
つながってるという

情報もあるんですが
裏は 取れていません。

(角田のせき)

(角田)ハァ ハァ…。

(亀井)女房 子供と
別居してるわりには

奇麗にしてますね。

経営関係の本を こんなに。

はあ。

図書館で本なんて
もう何年も借りてませんよ。

筋読みのカメさんとしては
どう読む? 今回の2つの事件。

フフ。 筋読みのカメさんは
やめてくださいよ。

上条を殺した犯人と

西沢に
脅迫状を送りつけてきた犯人

同一人物と考えて
まず間違いないと思う。

ただ 今のところ 上条と
西沢の間に 接点は見つからない。

あるとすれば 2人とも 殺人の
容疑を 掛けられたことがある。

犯人は 何らかの方法で
そのことを調べ 2人を脅迫した。

上条の周辺から

脅迫状らしきものは
見つかってません。

上条が 処分してしまった
可能性はある。

だとして
どうして殺したんでしょ。

殺したら 金を脅し取ることは
できなくなる。

脅迫に応じなかったので殺した。
そうは考えられないかね?

しかし そうだとしても
あんな高価なナイフを

犯行現場に残してったってのは
どう理解したらいいんです?

金を脅し取ることとは
矛盾するでしょ。

そうなんだ。
それに 上条の事件は西伊豆。

西沢の事件は多摩。

犯人は どうして 地理的に離れた
この2つの事件に目を付けたのか。

T・K いったい何者なんだ?

♬~

(八木)連絡 こないですね。

(西沢)やっぱり
いたずらなんじゃないですか?

≪(ガラスの割れる音)
(角田)伏せろ!

(八木)石が
投げ込まれたようです!

(角田)待て!

♬~

♬~

「500万円を白いバックに入れて

昼12時に
多摩第二公園のすべり台に置け」

「置いたら直ちに消えろ T・K」

ようやく犯人が動いたな。

♬~

♬~

(亀井)今 金を置きました。
全員 配置に就いてください。

了解。

(角田)了解。

(せき)

(亀井)犯人が まともに
金を回収しに来ると思いますか?

思えないね。

真っ昼間 こんな場所で 現金の
受け渡しなんて 不自然過ぎる。

(亀井)うん。

ああ…。

間もなく12時半です。
悟られたのかな。

♬~

浮浪者風の男が現れた。
全員 目 離すな。

♬~

浮浪者を確保せよ。
浮浪者を確保せよ。

♬~

(男)ああっ!

≪確保!

カメさん あの男 おとりだ。

♬~

(亀井)至急 至急。 こちら
多摩北2より警視庁 警視庁。

至急 至急。
多摩北2 どうぞ。

逃走車両の手配 願います。

車両は 緑色 ハッチバック。
ナンバーは 品川。

数字 記号 不明。

多摩第二公園より
北街道方面に逃走中。

(亀井)ふう。 主任。

(亀井)何か情報は?

(八木)浮浪者仲間に ここに
金の入った白いバッグがあるって

聞いたっていうんですけど。

(亀井)どんなやつだ?

(八木)特徴は覚えてないようです。

朝 西沢っていう家に
石を投げ込まなかったかね?

本当に 投げ込んでないか?

それも
同じ浮浪者に頼まれたのか?

(八木)頼むぞ。
(男性)はい。

至急 至急。
警視庁から 多摩北2へ。

警視庁から 多摩北2へ。

(亀井)はい こちら 多摩北2。
どうぞ。

逃走車両 発見。
繰り返す。 逃走車両 発見。

直ちに急行 願います。

(サイレン)

(警察官)ご苦労さまです。
(亀井)ああ ご苦労さん。

♬~

(亀井)主任。

小池 哲也…。

テツヤ コイケ!

イニシャル T・Kですよね。
(八木)ちょっと すいません。

住所は この近くです。

(サイレン)

(八木)こちらです。

(チャイム)

小池さん。 いらっしゃいますか?

♬~

死んでる。

青酸カリを飲んだようだ。

(角田)自殺か。

哀れなやつだ。

(亀井)主任。

正義の3本セットか。

(アナウンサー)昨日 多摩川近くの
マンションの一室で

男性の遺体が発見されました。

亡くなっていたのは
無職 小池 哲也さん 29歳です。

警視庁によると 小池さんは

別の事件で捜査をしていた
捜査員が

遺体を発見したということです。

(小川)小池 哲也には
前科がありました。

麻薬及び 向精神薬取締法違反で
前科4犯。

(小川)10代のころから
覚せい剤の売人でしたが

自分ではやらずに その代わり

複数の女性を
薬漬けにして稼がせ

常時 貢がせていたようです。

とんでもない ヒモ男ね!

4年前と ことしの4月に

同棲中の女性が
覚せい剤中毒で死亡。

所轄署では 小池による殺害を疑い
捜査しましたが

どちらも逮捕には至っていません。

使い物にならなくなった女を
処分したんでしょ。

(静代)どうやってですか?

いつもより純度の高い
覚せい剤を渡せばいい。

いつものつもりで 同じ量を打てば
間もなくショック死する。

何て男なの!
だから 男って嫌いよ!

(亀井)まあまあ 班長。

あっ 小池の車にあった これは?

(平塚)あっ そうそう。
(山崎)麻薬パッチの台紙でした。

(静代)これです。

(山崎)指紋は
判別できませんでした。

なるほど。 がん患者が 体の痛みを
和らげるために はるものなんだ。

司法解剖の結果は?

青酸カリ中毒による窒息死です。

死亡推定時刻は
昨日の 午後2時前後。

(亀井)われわれが
駆け付ける直前ですね。

状況だけ見ると 上条を殺害し

さらに 西沢を脅迫し 失敗。

逃げ切れないと思って自殺した。

自殺なんて死に方…
この男に似合いませんよ。

似合わないわね。

今回の一連の事件…
うまく言えないんですが

不自然に
つながり過ぎているような

気がするんです。
どういうこと?

つまり 真犯人は別にいて

そいつが 小池に
全ての罪を なすり付けている。

そんな気がして
仕方ないんですよ。

それに
不自然なことも多過ぎます。

正義と刻まれた 高価なナイフ。

イニシャル付きのライターに
脅迫状。

真っ昼間の 金の受け渡し。

真犯人が 上条を殺し

西沢を脅迫し
小池に罪をかぶせて 殺した。

ハァ 何のために?

3人には
別に これといった関係も…

あるか!

ああ あるよ。

3人とも 過去に
複数の人間を殺してる 悪党だ!

(平塚)被害者の遺族なら
3人を恨んでるかもしれない。

でも 別々の事件よ。

まるで 悪を懲らしめる
正義の味方だ。

カメさんの言うように

悪を懲らしめる
正義の味方だとしたら

西沢は
脅迫されただけで済むかな?

(亀井)西沢 あしたもいつもどおり
出社するって言ってました。

まだ 狙われてるかもしれない
っていうのに。

仕事人間なんですよ。

うん? この不況に
会社 そんなに忙しいの?

ええ 会社の評判は
すこぶる いいです。

とにかく どんなビルの清掃でも
手を抜くことが ないそうです。

殺された金森社長のビルにも
入ってたって言ってたね。

(八木)ええ。 事件があった
金森第一ビルにも。

今も 入ってると思います。

よっぽど優秀なスタッフが
揃ってんだ。

まあ スタッフも
そうでしょうけど

一番の要因は
チェックシステムです。

チェックシステム?

(八木)専門の担当者がいて
毎日 きちんと清掃できているか

チェックして
それを 西沢に報告してるんです。

奇麗に できていなかったら?
(八木)すぐに やり直しです。

チェックが何度か入ったスタッフは
容赦なく 首だって聞きました。

だから いつも スタッフは
ぴりぴりしてるそうです。

あの男 結構 細かそうだもんな。

ちょっと 見回りに行ってくる。

(亀井)角田さんって
いつも あんな調子?

(八木)4月に うちに来てから
いつも あんなです。

悪い人じゃないんですけど。

(山崎)《麻薬パッチの
台紙でした》

どうかしましたか?

これ…。

どういうことですか?

まさか…。

八木さん。 角田さんは

西沢とは 金森事件から
かかわっていたわけだね?

ええ わたしと組んで
ずっと やってきました。

小池 哲也とは?
かかわってます。

《どうなんだ。 お前が
彼女をやったのか? うん?》

(八木)4月に 小池の女が
変死した事件があったんです。

そのとき 最初に
小池を任意で引っ張って

取り調べをしたのが角田さんです。

その後 金森事件が起きて
小池の担当を外れましたけど。

われわれが
小池のマンションに行ったとき

確か 角田さん… 遅れてきたんだ。

(角田)《自殺か》

《哀れなやつだ》

あのとき 誰が角田さんに
あの場所を連絡したんだ?

わたしは 連絡していません。

小池の車を見張ってた警官には
小池のマンションのことは伝えなかった。

多摩で張り込みしたとき
誰が 角田さんと一緒だった?

(八木)角田さんは
1人だったと思います。

(亀井)ずっとか?

(八木)いつも
わたしと一緒ですが

あのときは別でした。

つまり 張り込みを始めたときから
小池のマンションに現れるまでの

角田さんの行動は
誰にも分からないってことだ。

4月に 多摩北署に来る前は?

静岡県警です。

静岡県警?
(八木)ええ。

ひょっとして…
西伊豆署にいたんじゃ?

ええ そうですけど。

(角田)ハァ… ハァ…。

フッ… ハァ ハァ…。

(亀井)牛込さん。

(牛込)角田刑事のことを
一言で言えと言われたら

正義感の塊
それしか思い付きません。

もちろん
正義感だけじゃありません。

足で稼いだ情報を
自分の経験と照らし合わせて

冷静に分析できる
優秀な刑事です。

奥さんを早くに亡くされて
一人暮らしでしたが

情にも厚く 周りからは
「仏の角田」って呼ばれてました。

あの事件が起きるまでは…。
(亀井)あの事件?

(牛込)3年前 強盗傷害の容疑で
引っ張った男を

結局 逮捕できずに
釈放したことがあったんです。

その男が ひとつき後
再び 強盗に押し入った先で

その家の 主婦と子供を
殺しました。

(牛込)角田さんは
2人が犠牲になったのは

自分のせいだと言って
自分のことを責め続けました。

(牛込)それまで
「仏の角田」と呼ばれてた人は

その事件を境に
「鬼の角田」に変わったんです。

以前より
取り調べが厳しくなった。

(牛込)厳しいなんてもんじゃ
ありません。

(角田)《お前がやったんだろ
上条!》

(牛込)特に
あの上条のときなんか

自分でさえ
近づくのが怖いぐらいでした。

そんな上条を釈放した日の
角田さんのことは

今でも 忘れられません。

(篤子)《涼子を返して!
返してよ! 返して…》

(牛込)《島野さん
落ち着きましょう。 島野さん》

《島野さん!》
(上条)《ふざけんなよ!》

《お前の妹が
色目 使ってきたんだよ》

《嘘つき! 嘘つき 人殺し!》

《ハハハッ… ハハッ!》

《バカ》
(角田)《上条!》

《貴様ってやつは!》

《何だよ》

《恥を知れ》
(上条)《フッ… ハハ》

(牛込)それでも
「鬼の角田」だったのは

1年ほどでした。

ちょうど 去年の今ごろです。

急に ふさぎ込むようになって
顔色も悪く

仕事への意欲も
まったく失ってしまいました。

いつの間にか 「死に神の角田」って
呼ばれるようになってました。

「仏の角田」 「鬼の角田」

「死に神の角田」…。

(亀井)3年前
逮捕できなかった男が

殺人を犯してしまった。

そのことが 角田刑事を
変えてしまったんですかね。

それと 上条の事件も。

(亀井)しかし

それまで 「仏の角田」って
いわれてた人ですよ。

自らの手で 制裁を下すようなこと
しますかね。

仏だからこそ そうしたってことは
考えられないかね。

どういう意味ですか?

あいつらを
このまんま生かしといたら

また犠牲者が出る。

だったら いっそのこと
自分の手で…。

それが 彼の正義だって
言うんですか?

そんな!
われわれと同じ刑事ですよ。

あそこです。

警視庁の亀井です。

(ドアの開く音)

麻薬パッチを使ってますね?
何だ そりゃ。

これです。

これと同じ物が 小池の車の下にも
落ちていましたよ。

(亀井)どちらの病院に
通院されてるんですか?

用は 何だ?

上条 雄一郎を
殺害した犯人が分かりました。

(上条)《うっ!》

《あっ…》

西沢 豊に脅迫状 送りつけ

小池 哲也の車で 白いバッグを
回収したのも その犯人です。

♬~

そして 全ての罪を
小池 哲也に着せ

毒殺し 自殺に見せ掛けたのも
その犯人だ。

まどろっこしい言い方
するんじゃねえ。

俺が やったって言いたいなら
動機は?

角田刑事。

あなたは 3人の殺人事件に
かかわったが

クロだと思いながら
逮捕に持ち込めなかった。

しかも 3人とも
過去にも人を殺している。

そんなやつらが
普通に暮らしてることを

あなたは 許せなかったんだ。

俺も あいつらと同じさ。

確かな証拠なんか
何一つ ありゃしねえ。

お前たちは 何も持っちゃいない。

俺を引っ張ったところで
すぐに無罪放免だ。

「ディカイオシュネ」

古代ギリシャ語で
「正義」ですね。

そうだ。

正義だ。

自らの手で制裁を下すのが
あなたの正義ですか?

あなたは 刑事なんかじゃない。

ただの人殺しだ。

人殺しか。

だったら 刑事に
どれほどの力がある?

人を殺してるって
分かっていながら

確かな証拠がなけりゃ
逮捕もできねえ。

やつらは 人を殺しておいて
のうのうと生きていやがる。

しかも そんなやつに限って
必ず また犯罪を犯す。

そして
また次の被害者が出るんだ。

だからといって 刑事が…。
聞け!

泣いているのは
被害者だけじゃない。

残された遺族も
被害者と同じように…。

いや! 被害者以上に
泣いているんだ。

お前 刑事やってて

残された遺族のこと
考えたことあるか?

(角田)俺も
人のことは言えねえ。

つい こないだまでは
遺族なんて

事件の証拠の一つくらいにしか
考えちゃいなかった。

だがな 遺族にも人生があるんだ。

一人の人間が殺されたことで

大勢の人間の人生も
狂っちまうんだよ。

何と言おうと
あなたがやったことは間違ってる。

われわれ刑事は 法を守り
その上で犯罪を取り締まる。

それが われわれの正義だ。

それを守れなかったら
犯罪者と同じだ。

奇麗事は たくさんだ!

ハァ ハァ…。

十津川っていったな。
お前が刑事として

どのぐらいの器量があるか
俺が試してやる。

お前が言った
刑事の正義ってやつを見せてみろ。

必ず あなたを捕まえてみせる。

お前には 捕まえられないよ。

(せき)

(せき)

(亀井)待機?

待機って どういうことですか?

待機は 待機よ。

角田刑事の事件は
捜査するなということですか?

そんなこと言ってないでしょ!

言ってるも同然じゃないですか!
カメさん。

班長 上からの指示を
待ってるのかもしれませんけど

わたしは 捜査を続けます。

(平塚)ちょっと待って 十津川君!
これは 警察組織の問題なのよ。

2人とも戻りなさい!

班長 僕たちは?

待機って言ったら 待機でしょ。

すみません。
(平塚)えっ?

すいません。
(平塚)えっ? ちょっ…。

すいません。

すいません!
(平塚)えっ!?

ちょっといいかね。

今 人を捜してるんだけどね

こんな人 見たことないかね?

♬~

♬~

♬~

(山崎)主任… まだです!

入れてくれ!
(山崎)まだ駄目です 主任!

(小川)主任…。
(山崎)主任!

♬~

角田さん…。

主任 外で待ちましょう。

何でだ…。

カメさん!

下の住人が 9時ごろ
この部屋から飛び出してきた

中年男を目撃してました。
(亀井)よし。

モンタージュに協力してもらえ。
(深見)はい。

(小川)カメさん!

犯人の遺留品です。
(亀井)ん?

西沢?

(亀井)凶器の包丁も作業着も
自分の物だと認める。

ゆうべ9時ごろ 角田さんの部屋を
訪ねたことも認める。

しかし 角田さんを殺したことは
認めない。

フン。
そんな話が通ると思うかい?

だから たまたま知り合った女に
誘われて

あの部屋に行ったら
あの人が倒れてたんです。

女の名前は? 電話番号は?
さっきから 何度も聞いてるだろ!

だから 知らないですって!
(亀井)そんな言い訳は通らないよ。

やってないもんは
やってないんですよ!

西沢は どう?

そう。 角田刑事の
司法解剖の結果が出たわ。

ハァ… カメさん
角田刑事は 肺がんだった。

しかも 末期の。

おそらく1年前には 自分でも
がんに気付いていたんだろう。

(角田)
《お前には 捕まえられないよ》

自殺ってことは…。

あり得ないでしょ。

自殺したのなら
包丁は 部屋にあったはずよ。

発見されたのは アパートから
100m以上 離れてる公園じゃない。

(亀井)防御創も確認されてる。

(平塚)襲われて
抵抗したってことでしょ。

角田刑事なら
自分で防御創ぐらいつけます。

(平塚)まさか。
西沢の供述も

まるっきり嘘だとは
思えないんです。

でも 主任 この状況は
どう見ても他殺ですよ。

(角田)《お前が 刑事として
どのぐらいの器量があるか

俺が試してやる》

《お前が言った
刑事の正義ってやつを見せてみろ》

そうか…。

試されてるんだ。

ん?

♬~

♬~

ない。
やっぱり 自殺は ありませんよ。

♬~

♬~

分かった…。

分かったよ カメさん!

えっ?

♬~

何か 妹さんに
報告していたんですか?

(篤子)いえ。 別に…。

角田刑事は 殺されたんじゃない。

自殺したんです。

それを 他殺に見えるように
手助けした女性がいたようです。

西沢。

西沢?

角田刑事殺しの 容疑者の男です。

西沢は おとといの夜

行きつけのレストランを
出たところで

初対面の女性に 声を掛けられ

一緒にカラオケボックスに
行ったと言っている。

《トイレ 行ってくる》

女性は そこで
西沢の家の 鍵を盗み出し。

角田刑事に渡した。

女性は 西沢に気付かれないように
その鍵を 元の場所に戻した。

角田刑事は
その足で 西沢の家に向かい

家の中から
包丁と作業着を盗み出した。

《あした うちに来てもらって
いいですか?》

そのころ 女性は 次の日の夜も
西沢と会う約束を取り付けていた。

翌日 約束どおり 女性は
西沢に電話して

「自分の部屋に来てほしい」と
誘った。

西沢は言われたとおり
女性の部屋に向かった。

そこが
角田刑事の部屋とも知らずに。

女性は
最後の仕上げをするために

角田刑事のアパートに急ぎ

アパートの外で その時を待った。

♬~

角田刑事は
最後の力を振り絞って…。

♬~

死体の手が
窓枠に掛かっていたのは

そのためです。

そして… その女性は…。

どうですか?

推理小説みたいな お話ですね。
お話じゃない。 これが 事実だ。

事実だという
証拠があるんですか?

証拠は ない。

今 頼れるのは
その女性の証言だけです。

手紙をもらいました。

涼子を殺した あの男が逮捕されず
釈放になった後

角田さんから
おわびの手紙をもらいました。

それから 毎月
手紙が来るようになりました。

わたしは 角田さんこそ
正義の人だと思います。

罪を犯してない人に
罪を着せることが 正義ですか?

ホントは 人を殺してるのに

証拠がないからと
無罪放免になってるやつがいる。

それは… 正義ですか?

♬~

これは わたしに対する
角田刑事の挑戦なんですね?

「どちらの正義が正しいのか
お前の力で はっきりさせてみろ」

そう言われてるような気がします。

(亀井)彼女 来月に
結婚式を控えてるんです。

ホントは 去年の秋
挙げるはずだったのが

妹さんのことで
延期になったとか。

(亀井)島野 篤子は
何だって 自分とは関係のない

西沢をはめるために
手を貸したのか。

下手すれば
自分も逮捕されるのに。

そうなったら
結婚どころじゃない。

そこまでさせる 何かが

彼女と 角田刑事の間に
あったのかもしれない。

わたしは あの刑事とあの女に
はめられたんですよ。

なぜ あなたが はめられなくては
ならないんですか?

そんなの知らないですよ。

角田刑事は あなたが
金森社長を殺したと確信していた。

わたしは 殺してない。

アリバイだって
ちゃんとあるでしょ。

アリバイは つくることもできる。

あなたは
犯人を つくろうとしてませんか?

警察は 犯人をつくるとこですか?

これは 冤罪だ。
間違いなく 冤罪ですよ!

本当に 冤罪か?

ハァ…。

本当に 金森社長を
殺していないのか?

(亀井)西沢 吐くと思いますか?

いや… あの男は吐かない。

角田刑事にも 吐かなかったんだ。

じゃあ どうします?

もう一度 金森事件を
徹底的に洗い直す。

それしかない。

平成21年 5月12日 火曜日の夜
西沢は 金森の事務所を訪ね

打ち合わせの後 金森を誘い
日本料理屋で食事をした。

食事を終えたのが 午後9時ごろ。

その後 タクシーで
金森の事務所が入っている

金森第一ビルまで送った。

このとき 西沢は
書類を忘れていたことに気付き

一緒に5階の事務所まで行ってる。

この日は 社員研修で
事務所には 誰もいなかった。

待たせてあったタクシーに
戻ってきたのが

10分後の 午後9時25分。

その足で
行きつけのスナックに向かった。

9時35分。
スナックに到着した 西沢は

翌 5月13日 午前1時すぎまで
そこで飲み

カラオケ 十数曲を歌い続けた。

従業員も
そのことを証言している。

ハァ…。

この時間は 動かないのか。

翌朝 発見された
金森の遺体を 司法解剖した結果

食べた物の消化の状態が
明らかになった。

報告によれば
胃や 十二指腸の中には

消化された状態で
食べ物が 残留しており

食後 2~3時間程度と
推定された。

食事を終えたのが
午後9時なので

殺されたのは
午後11時から 12時の間。

確かに アリバイは 完ぺきだ。

完ぺきです。

(角田)《お前が 刑事として
どのぐらいの器量があるか

俺が 試してやる。
お前が言った

刑事の正義ってやつを
見せてみろ!》

絶対に 金森殺しで 西沢を落とす。

しかし 西沢のアリバイは…。
できなかったら

できなかったら…
角田刑事の正義の方が

正しいってことに
なってしまうんだ!

(倫子)もう覚えてることは
全部 お話ししましたよ。

どんな 小さなことでもいい。
どんな 細かなことでもいい。

まだ 話してないことが
あるはずだ。

(倫子)ハァ…。
(亀井)ママ もう飲めますか?

(倫子)ええ 構いませんけど。
(亀井)じゃあ 水割り 2つ。

カメさん。 西沢の拘留期限
あと3日しかないんだよ。

(亀井)分かってます。

アルコール ちょっと入れて
リラックスしましょうよ。

発想の転換になるかもしれない。

ここは カード 大丈夫?
(倫子)ええ。

ううん… 給料日前なんでね。

(倫子)あ… あの晩 西沢さんも
カードで支払ってったわ。

いつもは 必ず 現金なのに。

《あっ ママ。
控え ちょうだい。 控え》

奇麗に清掃してるな。
西沢の会社か…。

掃除したばかりですね。

指紋一つ 残してない。

カメさん。
今日は 火曜日だったね。

(亀井)そうですけど?

毎週 月曜日のはずなのに…。

≪(ドアの開く音)

ああ すいませんね 突然。
(管理人)では こちらへ。

はい。

(管理人)どうぞ。

ここも 奇麗だ。

おそらく西沢は 午前1時まで

あの店にいたことを
証明するために

わざと カードで払って

時刻の入った 控えを
もらったんだ。

午前1時って時間にも
何か 意味があったのかな?

ありそうだね。

(亀井)一つ 考えられるのは

午後11時から12時の
死亡推定時刻が 何らかの方法で

つくり変えられたものだっていう
可能性です。

このエアコンを使えば 死後経過時間の
1つの目安となる

直腸内の温度は
コントロールできる。

なるほど。

仮に ここへ タクシーで
送ってきた直後 つまり

9時すぎに 金森を殺して
エアコンで室温を高くしとけば

もっと 遅い時間に
殺したように見せられますね。

死亡推定時刻を
午後11時から12時の間にできるね。

(亀井)ただ それだと

食べ物の消化は
その時点で 止まりますよね。

ほとんど消化されない状態で

そのまま
胃の中に残っていたはずです。

死亡推定時刻は
午後9時すぎになってしまうか。

逆に スナックを出た後
午前1時すぎに あそこに戻り

金森を 殺したとしたら その場合
胃の中は空っぽの状態のはずです。

やはり 食後 2~3時間で
殺されたって線は動かせないでしょ。

つまり
午後11時から12時の間です。

もっとも
消化をコントロールできるような

方法があれば 話は別ですけどね。

消化を コントロール…。

消化を…。

そこまでは 無理だろうな。

思い出したよ カメさん。
何をです?

それをできる 方法があるよ。
えっ?

西沢は 金森を 二度 殺したんだ!

二度 殺した?

こりゃ 面白い。

いいね。

いいよ。

♬~

♬~

そうか。
間違いないな。

分かった。 ご苦労さま。

西沢の 指紋が出ました。
(亀井)おお。

そう。 じゃあ あらためて乾杯。
(亀井)はいはい…。

乾杯!
乾杯! はい。

(平塚)
本の指紋で 西沢を落とせない?

無理です。
拘留期限は あしたまでよ?

拘留の延長は できませんか?

それこそ 無理。
角田刑事殺しで 延長は無理。

マスター
いつも よく磨いてるね。

(平塚)ビアグラスね。
ビールは泡立ちが 決め手でしょ?

はい!

グラスが 汚れてると
きめ細かな泡が 立たないの。

ヘヘッ さすが班長。
酒のことには お詳しい。

ウフフ…。
でも 本当はね 洗ってそのまま

自然乾燥させた方が
指紋とかが付かなくて 奇麗なの。

何だ それじゃ ただの
暇つぶしじゃないですか!

シーッ!
んっ もう…。

《奇麗に清掃してるな》

《ここも 奇麗だ》

(管理人)《こちらの ビルでは
毎週月曜日に

清掃することに
なってるんですよ》

何でだ?
(亀井)えっ?

ここ ごちそうになります!

(平塚)十津川君!
(亀井)ちょっと!

拘留延長! どうしてですか?

まあまあ そう 焦るなって。

昔 捜査した事件で
こんな事件が ありました。

ある男が 暴力団組員から
暴行を受けた。

男は 意識を失ったまま
4日後に 亡くなった。

男を 司法解剖したところ
意外なことが分かったんです。

男の胃の中には
暴行を受ける直前に食べた物が

消化しきれず
かなり 残っていた。

普通なら 4日もたてば
胃の中は 空っぽのはずだ。

わたしは 不思議に思って

そのことを 司法解剖した先生に
聞いてみました。

すると
「そういうことは それほど

珍しいことじゃない」って
言うんです。

つまり 人間は突然の外傷を
負ったとき 消化の過程が

極端に 遅くなることがある。

あなたは それを 利用したんだ。

利用した? 何のことですか?

とぼけるんじゃない!

だったら
具体的に 話ししましょう。

あなたは 金森さんを
二度 殺したんだ。

5月12日 火曜日 午後9時すぎ
あなたは 金森さんを

金森第一ビルまで送り

書類を忘れていたと
事務所へ行った。

《どうぞ》

(金森)《うっ…》

そのとき あなたは
金森さんを 襲って

瀕死の重傷を負わせた。

つまり 半殺し状態にしたんだ。

そのショックで 金森さんの
胃の消化は遅くなった。

午前1時まで
スナックにいた あなたは

帰宅するふりをして 再び
金森さんの事務所に戻った。

そして…。

金森さんの とどめを刺した。

普通の状態なら その時刻には

金森さんの胃の中は
空っぽのはずだ。

しかし 消化が遅くなったために
かなりの食べ物が残っていた。

だから 司法解剖では
死亡推定時刻を

午後11時から
12時の間とみたんだ。

それも ちょうど あなたが
カラオケを歌ってる時間だった。

あなたは 狙いどおり 完ぺきな
アリバイを手に入れたってわけだ。

(亀井)フフフ…。

図星を指されて 言葉もないか。

わたしは 司法解剖の先生でも
刑事さんでも ない。

そんな知識
あるわけないでしょう。

知識がなければ 調べればいい。

この本に
今 わたしが話した 消化の話が

詳しく載っていましたよ。

これで 調べたんですね。

複数の あなたの指紋が
この本から 採取されました。

フッハハハ…。

だから?

わたしが よく行ってる
図書館の本ですね。

わたしの指紋があっても
不思議でも何でもない。

たまたま 手に取って
見たかもしれないでしょう。

そうですねぇ…。

たまたま 手に取って
見ただけかもしれない。

だったら…。

こっちの指紋はどうですか?

これは 金森第一ビルの
事務所玄関扉のガラスから

採取された あなたの指紋です。

♬~

当然 残ってるでしょう。

金森さんを 送っていったときに
事務所に寄りましたからね。

時間は 午後9時すぎに
間違いありませんか?

間違いありません。

それ以降 金森さんが遺体となって
発見されるまで

あなたは 金森さんの事務所には
行っていないわけですね?

行ってません。

それは おかしいな。

もし あなたの言うことが
本当なら

この指紋が採取されることは
あり得ないんだ。

どうしてですか?
どういう意味ですか?

事件が起こった 5月12日
午後10時から11時の間。

あなたの会社のスタッフが

あのビルの清掃に
入っていたからですよ。

5月12日は 火曜日でしょ。

あのビルの清掃は
毎週月曜日の夜なんですよ。

あなたの会社では

清掃後 必ず 担当者のチェックが
入るそうですね。

あのビルは?

清掃日の翌日だから
火曜日の朝です。

そう。

担当者がチェックした結果
やり直しを命じていたんです。

つまり もう一度
火曜日の夜 清掃に入った。

そんなはずはない。

火曜日の朝
チェックした担当者から

そんな報告
わたしのところには なかった。

なかったんじゃない。

担当者が あなたに
報告しなかったんだ。

《どうして 今まで そのことを
警察にも黙っていたんですか?》

《このビルの清掃について
聞かれたでしょ?》

《僕が 彼の清掃を

駄目だって
評価したことが分かったら

彼が 首になると思って》

《彼
「今度 駄目が出たら首だ」って

社長から
言い渡されていたんです》

(亀井)あなたは
担当者の報告を信用せず

時々 抜き打ちで調べていた。

だから その担当者は
あなたには内緒で

5月12日 火曜日の
夜10時から11時の間

スタッフと2人で あのビルの
清掃を やり直したんです。

もちろん あなたが
9時すぎに残した指紋も

2人は 奇麗に消し去りました。

あなた いつも 清掃スタッフに
言ってるそうですね。

「指紋一つ残さず磨き上げろ」って。

なのに あなたの指紋が

事務所の玄関扉から採取された。

なぜか…。

あなたが あの日の
午後11時以降

あの事務所に出入りしたからです。

金森さんの とどめを刺すために。

金森社長を殺したのは

あなたですね?

♬~

(篤子)すみません。
こんな所に呼び出して。

いえ…。

(篤子)角田さんから
預かった手紙です。

わたしにですか?

(篤子)もし
西沢が逮捕されたら…。

十津川さんに渡してくれって。

(亀井)主任。

(角田)「上条 雄一郎と
小池 哲也を殺したのは 俺だ」

「同じく
西沢 豊を はめたのも俺だ」

「島野 篤子さんは
俺に脅されて手伝っただけだ」

「彼女に まったく 罪はない」

「十津川さん どうやら 俺の正義は
間違っていたようだ」

「教えてくれ。
俺は どこで間違っちまったんだ」

「教えてくれ。
俺は どこで間違っちまったんだ」

わたしが 角田さんを
追い詰めたんです。

角田さんから送られてきた手紙

最初は 本当に うれしかった。

涼子が殺され
上条も逮捕されない。

あのころ 角田さんからの
手紙だけが救いでした。

でも その手紙が
だんだん 疎ましくなって…。

疎ましく?

あるとき 伊豆まで
角田さんに会いに行って

ひどいことを
言ってしまったんです。

《もう
手紙は よこさないでください》

《どうしてだい?》

《何か 気に障ることでも
書いたかな?》

(篤子)《手紙をもらうたびに
涼子のこと 思い出すんです》

《そのたびに 前に
進めなくなるんです》

《いくら 手紙をもらっても

涼子が
戻ってくるわけじゃないわ!》

(篤子)そしたら 角田さん

泣きながら
わたしに聞いたんです。

「どうしたら あんたの気持ちを
癒やせるんだ?」って。

「どうしたら救えるんだ?」って。

わたし
思わず言ってしまったんです。

あの男が捕まって
死刑にでもなってくれたら

少しは気持ちが
癒えるかもしれないって。

(角田のせき)

(篤子)《角田さん 角田さん》

《大丈夫ですか?》

《俺の 最後の頼みを
聞いてくれないか?》

♬~

♬~

どうして…
断らなかったんですか?

悩みました。

きっぱり 断って

そのまま 結婚して
幸せになれば よかったんだ。

断れなかったのは

あなたが ターミナルケアで

角田さんのような患者さんたちと
向き合ってきたからですか?

(篤子)そうなのかもしれません。

角田さんに 最後…

悔いを
残さないようにしてあげたい。

安らかな気持ちで
逝ってもらいたい。

そう思ったのは確かです。

(篤子)でも…。

それだけじゃないんです。

たぶん

断ったら 自分も一生…。

うまく… 言えません。

♬~

(角田)《教えてくれ。
俺は どこで間違っちまったんだ》

≪(足音)

(平塚)署で
お話を聞かせてください。

♬~

♬~

彼女 髪 切ったんですね。

結婚式のために
伸ばしてたんだろう。

これが彼女の… 正義なんだ。

つらいですね。

♬~

♬~